CX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)という言葉を知っていますか?
CXの元となる概念は「UX(ユーザーエクスペリエンス)」で、この言葉はヒューマンインターフェイス研究者のドナルド・A・ノーマン氏が1988年に書いた「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論」で初めて登場したといわれています。
それから30年以上が経過し、消費者の行動傾向やニーズははるかに多様化しました。今やCXは企業が消費者と関わるにあたって無視できない、大前提の概念になっています。
「モノからコトへ」「所有から利用へ」という消費傾向の変化から明らかなように、消費者は利便性や機能性ばかりを求めているわけではありません。iPhoneはCPU性能やメモリ性能を前面に打ち出さず、それらがもたらす「すべてがある。パーフェクトなバランスで。」という体験だけを伝えています。ネットフリックスは作品数や価格の代わりに「映画やドラマをもっと自由に。」というコンセプトを前面に押し出しています。
しかし、ガートナー社の調査によると、日本企業のCXへの取り組みは、グローバル企業と比べて大きく遅れていることが明らかになりました。
また、同調査より、日本企業の多くはCXへの取り組みが少なく、重視していないことも明らかになっています。
こうした結果を踏まえ、Grabでは「ホンモノのCXのためのCRM(顧客関係管理)」というシリーズ記事をお届けします。
CRMとCXはイコールではありませんが、CRMの導入がCX取り組みの第一歩であると考えています。
CXとは何かという概念から、CRMツールを導入してCXに取り組むための具体的な指針まで紹介する、実践的な内容になっています。ぜひ、自社のCX取り組みにご活用ください。
【第1回】ホンモノのCXを考える~顧客関係管理と顧客体験~
「そもそもCXとは何なのか」という疑問を解消するため、第1回では「顧客体験を表す3つのレベル」「CXに期待できる効果」「CXを構成する5つの要素」を紹介します。また、CXがより求められるようになった背景である「モノからコトへ」「所有から利用へ」といった消費者態度の変化にも言及します。
【第2回】CRM(顧客関係管理)の基礎知識
第2回では、第1回の内容を踏まえ、CXを高めるためのCRMをテーマに紹介します。日本企業が顧客との関係性をどのようにとらえているかを様々なデータから見ていき、CRMの目的や役割、基本的な考え方を紹介します。
【第3回】CRM導入を成功させる秘訣-導入の課題とCRM 分析
第3回では、より具体的にCRM導入の課題に焦点を当てます。CRM導入企業の約80%は効果がなかったと回答しています。事実、CRM導入には様々な課題があり、それらを理解したうえで戦略的に導入する必要があります。CRM導入を成功させるポイントから、効果的なCRM分析まで学べます。
【番外編】HubSpot CRM無料版でできること
番外編として、無料で利用できるCRM「HubSpotCRM」の機能を紹介します。HubSpotはMA、SFA、CRMが一体となったマーケティングプラットフォームですが、CRMに関しては無料版でも十分活用できます。CX工場への取り組みの第一歩として、ぜひご活用ください。