目次
- 1 Instagramに関する13の興味深いデータ
- 1.1 Instagram国内月間アクティブユーザー数2,900万人を突破
- 1.2 「クチコミ購買転換率調査」において圧倒的な転換率を記録
- 1.3 10代の約6割が動画を視聴するプラットフォームとしてInstagramを利用
- 1.4 40代でもECの中心はスマホに。約4割が「Instagramに購入ボタンがあったら使いたい」
- 1.5 「ママが使っているアプリランキング」でLINEに次いで第2位
- 1.6 Instagramストーリーズを毎日見るユーザーは51%
- 1.7 ハッシュタグで店舗やブランドの最新情報を得るユーザーは47.5%
- 1.8 Instagramで見つけた商品を購入した経験があるユーザーは45.8%
- 1.9 Instagramは実生活に染み込んだ利用が中心
- 1.10 約8割のユーザーが一日1回以上Instagramを利用
- 1.11 20代女性の約6割はInstagramでファッション情報を収集
- 1.12 20以上の企業アカウントをフォローしているユーザーが20代女性で50%
- 1.13 Instagramインフルエンサー・マーケティングの市場規模は59億円。2021年には100億円突破を予測
- 2 Instagramに関する13のデータから見えること
第1回:Instagramをビジネスに活用するメリット
第2回:SNS活用では必須の運用目標とルールの策定
第3回:フォロワーを増やす7つのテクニック
第4回:効果的な運用に活用したいツールやアプリ
第5回:ビジネスプロフィールで活用できる機能
番外編:Instagramとは何者だ? リリースから2019年3月までの歴史を探る
番外編:Instagramとは何者だ? 13のデータで捉えるビジネスチャンスの正体
番外編:Instagramで成果を上げている10の企業アカウント
Instagramをビジネスに使っていますか?
若年層を中心に爆発的な人気を得て、わずか数年でTwitterの月間アクティブユーザーを追い越し、Facebookに次ぐ利用者がいるInstagramですが、最大の魅力は利用者数ではありません。
Instagram最大の魅力、それは他のSNSとは比較にならないほど、ビジネスチャンスが溢れたプラットフォームであるということです。
しかし、企業の決裁者にとって「Instagramがビジネスチャンスに溢れているといわれても、使ってないからピンとこない」というのが本音ではないでしょうか。
当連載では、Instagramのビジネス活用に関わるノウハウや考え方をお届けしてきました。
番外編では、Instagram自体についてより詳しく知ることを目的にしています。Instagramの歴史を振り返った前回に続き、今回はInstagramにおける様々なデータからビジネスチャンスの可能性を見ていきたいと思います。
Instagramに関する13の興味深いデータ
Instagram国内月間アクティブユーザー数2,900万人を突破
Instagramの日本国内の月間アクティブユーザー数が、2018年9月に2,900万人を突破したと発表しました。その後、ユーザー数に関する発表はありませんが(2019年4月時点)、3,000万人を突破しているという見方もあります。
画像:コムニコ
2017年10月の発表では2,000万と発表していたので、1年弱の間に145%も成長したことになります。
また、FacebookJapan代表取締役の長谷川氏は、次のようにコメントしています。
「日本におけるInstagramコミュニティは急拡大を続けており、今年9月時点で2900万を超えました。利用者層も多様化し、男性が全体の43%を占めています。また、Instagramの成長を牽引するプロダクトであるInstagramストーリーズは日本においても非常に利用が進んでおり、現在ではデイリーアクティブアカウントの70%がストーリーズを使っています。今後も日本の利用者の皆様がInstagramを通じて大切な人と繋がったり、興味関心を深めたりしていただけるよう、様々な機能の導入やアップデートを続けていきます。」
引用:Facebookニュースルーム
そのほかに興味深いデータとして、次の2つが挙げられました。
- 日本の利用者が1日に投稿するストーリーズの数は、2年間で20倍に増加
- 日本の利用者は、1日あたり700万件のストーリーズ投稿をシェアしている
画像:MCラボ
こちらは全世界での主要SNSの利用者数推移です。LINEやTwitterは日本発のSNSではありませんが、日本以外ではあまり使われておりません。世界的に見ると、主要4SNSというよりも、FacebookとInstagramの2台巨頭といえる市場シェアに変わってきています。
注目すべきはInstagramの急激な伸びです。2014年から2015年にかけて急増し、Twitterを追い越しました。
2018年に入り、フェイクニュースや情報漏洩、ハッキング被害などの影響で、Facebookの伸びが鈍化しています。一方、Instagramは順調に増え続けているとみられています。
「クチコミ購買転換率調査」において圧倒的な転換率を記録
企業やブランドのファン育成・活性化を支援するアジャイルメディア・ネットワーク株式会社は、主要SNSに対する「クチコミ接触者の購買転換率調査」を行いました。
現在のマーケティング施策における課題の一つに、見込み客との接点ポイントが増えすぎ、正確な成果測定が難しくなっていることがあります。Instagramの投稿をきっかけにGoogleでブランド名を検索したり、店舗を訪れたりしても、数字として計測することは簡単ではありません。
そんな中、こうした調査データは重要な道しるべになります。そのデータを紹介しましょう。
※画像はいずれもアジャイルメディア・ネットワーク株式会社を参照
※画像について、グレーの太い線が全SNSの平均購買転換率であり、カラーの線が対象SNSでの購買転換率を示す
Instagramが、「インスタ映え」と相性がいいファッションや化粧品に限らず、外食店舗やコンビニ、食料品など、幅広い商品カテゴリーで高い転換率を示しています。
これには、TwitterやFacebookがテキストベースのコミュニケーションが中心で、ニュース記事などの情報収集目的に利用されるのに対し、写真と動画が基本になるInstagramでは、より簡潔に商品イメージが記憶に残りやすいことが影響していると考えられます。
10代の約6割が動画を視聴するプラットフォームとしてInstagramを利用
5Gの提供予定やデバイスの進歩など、今後情報伝達手段の主流が動画コンテンツに移っていくことはほとんど間違いないでしょう。
情報伝達については、「3Vの法則」と呼ばれるものがあります。3Vとは「Verbal(言語)」「Vocal(聴覚)」「Visual(視覚)」の3つの頭文字を取ったもので、人が情報を受け取るときVerbalが7%、」Vocalが38%、Visualが55%といわれています。動画にはこの3Vがすべて含まれており、テキストのみ、画像のみの5,000倍もの情報量があるといわれています。
もちろん、単に情報量が5,000倍というだけで、ユーザーが受け取る情報量にそこまでの差はありません。しかし、テキストのみ、画像のみよりも動画のほうが圧倒的に記憶に残りやすく、行動に影響することは間違いないでしょう。
Instagramの歴史を紹介した記事の中で、ストーリーズやIGTVなど、動画メディアとしての役割を強めていることを紹介しました。その影響は実際の調査結果にも表れています。
動画コンテンツを視聴するプラットフォームとして、YouTubeが圧倒的に1位です。しかし、図を見てわかるようにInstagramの成長率に注目が集まっています。2017年7月には26.9%でしたが、2018年12月には59.4%にまで増加しました。
IGTVの普及、Instagram利用者の増加により、今後さらに割合が増してくるでしょう。
株式会社ジャストシステムが運営するマーケティングリサーチに関する情報サイト「マーケティングリサーチキャンプ)」では、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に「動画&動画広告月次定点調査」を毎月実施しています。
今後ビジネス戦略の中心になるであろう動画コンテンツに関する調査なので、アンテナを張っておいたほうがいいでしょう。
40代でもECの中心はスマホに。約4割が「Instagramに購入ボタンがあったら使いたい」
Instagramというと若年層の利用に注目が集まっていますが、利用者層が広がっていることも、ビジネスチャンスが拡大している要因です。
マーケティングリサーチキャンプは、SNSを週1回以上利用する人に、それぞれのSNS上に商品購入ボタンが設置されたら使ってみたいか聞きました。結果、Instagramでは47.6%が使ってみたいと回答しました。
図を見てわかる通り、Instagramは「ぜひ使ってみたい」と回答している割合が高く出ています。デザイナーなど、よりニッチなニーズにアプローチできるピンタレストは極端に高く出ていますが、主要SNSでみると、Instagramが突出しています。
この調査は2017年9月に実施されました。2017年3月にはショッピング機能が導入されており、多くの小売店の事業に影響を与えています。購買転換率が高いというデータを裏付ける結果といえるでしょう。
当調査では、「EC利用の際に使用するデバイスを教えてください」などの調査項目もあり、全体としてECのスマホシフトが進んでいることがうかがえます。
「ママが使っているアプリランキング」でLINEに次いで第2位
多くの業界で、主要なマーケット対象は主婦層です。家族形態が多様化した現代においても、主婦層の購買力は非常に高く、マーケティングのターゲット層として重要な位置付けになります。
日本最大級ママ向け情報サイト「ママスタジアム』は、ママが使っているアプリ・ネットサービスランキング2018を発表しました。この中でもInstagramは上位にランクインしています。
画像:ママスタジアム
日本国内においては、Twitterの月間アクティブユーザー数がInstagramを上回ります。しかし、主婦層に限ればInstagramのほうが多く利用されており、約60%の利用率となっています。
食料品や化粧品、スポーツ用品や化粧品など、主婦層にニーズのある商品カテゴリーで高い購買転換率となっていることからも、Instagramは主婦層にアプローチするうえで非常に有効なプラットフォームだと考えられます。
Instagramストーリーズを毎日見るユーザーは51%
日本最大級の料理インスタグラマーコミュニティ「クッキングラム」は、同サービスに登録する料理インスタグラマーを対象にInstagramストーリーズに関する調査を行いました。
画像:クッキングラム
この調査にあるように、ストーリーズ投稿を「ほぼ毎日見る」と回答したインスタグラマーは、前年比176%増で51%に上りました。また、ストーリーズに投稿する人の割合も20%から38%にほぼ倍増しています。
こちらは、Instagramのストーリーズに投稿経験があるかの調査結果です。10代では65.5%、20代では52.2%と、若年層ほど高く出ていますが、それ以上に注目すべきは投稿率の伸びです。
多くの年代層で、投稿経験があるユーザーの割合は1.5~2倍程度に増加しています。
ハッシュタグで店舗やブランドの最新情報を得るユーザーは47.5%
SNSマーケティングをサポートする株式会社コムニコは、10~20代女性の主要SNSでのハッシュタグの使い方などに関する調査を行いました。
画像:comnico
Instagram上でハッシュタグを使う目的と割合は次のようになりました。
- 店名/ブランド名などの固有名詞ハッシュタグで、最新情報を確認する 47.5%
- 店名/ブランド名などの固有名詞ハッシュタグで、写真や口コミを参考にする 46.7%
- 趣味や関心テーマのハッシュタグから、フォローすべきアカウントを探す 52.2%
- ハッシュタグから、最新トレンドを探す 34.8%
- ハッシュタグ・サーフィンを楽しむ 32.6%
Twitterでは、「電車の遅延情報」や「地震情報などを調べる」というニュース目的でハッシュタグを利用するユーザーが多くいます。一方、Instagramでは、「旅行の行き先を入れてどういう風景なのか予習する」「行き先を検索してオシャレなカフェを知る」といった回答が多く集まりました。
「今」を知るTwitterと、「未来や流行」を体験するInstagramという明確な使い分けが調査から見えました。
Instagramで見つけた商品を購入した経験があるユーザーは45.8%
Instagramは購買転換率が高いSNSというデータがありますが、それを裏付ける調査結果も多くあります。
画像:マージェリック
こちらは、株式会社マージェリックによる調査結果です。同社はInstagramのショッピング機能の運用サポートを行っています。
画像:マージェリック
画像:マージェリック
一連の調査からは、Instagramがいかに購買行動に結びつきやすいかがうかがえます。中でも、ショッピング機能というビジネス向けの機能を、ユーザーの6割以上が好意的にとらえていることは驚きです。
この調査は2018年6月~7月に行われました。その後、ストーリーズにもショッピング機能が導入されたり、決済機能が導入されているため、沢煮高い割合になっているかもしれません。
一方、複数のサイトで値段や口コミを比較してから購入するというユーザーや、フリマアプリで販売することを想定して購入するという意見も増えており、気軽に買えるからこそ慎重に判断されていることがわかります。
Instagramは実生活に染み込んだ利用が中心
そのプラットフォームがビジネスにどれだけ活用できるかは、どこまで生活に染み込んでいるかが重要になってきます。例えば、どれほど利用者数が多くても生活のごく一部でしか利用されていないプラットフォームは、同系統のビジネス以外で活用することは難しいでしょう。
日本Instagramは、Instagramがいかに消費者の生活に浸透しているかを示す調査を行いました。
画像:Instagram
日本Instagramの調査によると、上図のように生活者のあらゆるタイミングでアクセスされていることと、一度に長い時間ログインするのではなく、短時間のログインを何度も繰り返す傾向が明らかになりました。
画像:Instagram
こちらは日本のInstagramでフォローされているトピックです。上図を見てわかる通り、オシャレな写真を見る場にとどまらず、消費者の日常生活に広く浸透しています。
約8割のユーザーが一日1回以上Instagramを利用
画像:CAMPASS
Instagramはアクティブ率が高いことでも有名です。上図にあるように、どの年代でも7割近くのユーザーが一日数回以上ログインしており、1日一回程度を含めると約9割にも上ります。
画像:CAMPASS
また、インフルエンサーや芸能人のアカウントをフォローしているユーザーも各年代で7割ほどとなっており、Instagramにおけるインフルエンサー・マーケティングは、幅広い年代層に対して有効な手段だといえます。
20代女性の約6割はInstagramでファッション情報を収集
楽天インサイト株式会社は、ファッションにおける購買行動を、イノベーター理論に分類して調査するという興味深い調査を行いました。
※イノベーター理論:生活者を新しい商品や情報に対する感度別に「イノベーター」、「アーリーアダプタ―」、「アーリーマジョリティ」、「レイトマジョリティ」、「ラガード」の5つに分類する理論
画像:楽天インサイト
画像:楽天インサイト
性年代別でみると、女性20代、女性30代が最も参考にしているのはInstagramで、20代女性で61.8%、30代女性で38.0%となった。同年代男性は20%未満と、男女差が堅調に表れています。
また、情報意欲が強く、市場開拓のマーケティング対象となるイノベーター層でも、インターネットサイトの42.3%に次いでInstagramが36.5%でした。
20以上の企業アカウントをフォローしているユーザーが20代女性で50%
Instagramはビジネス利用が推奨されているSNSであると伝えてきましたが、それは実際のユーザー行動にも現れています。
画像:サイバー・バズ
こちらはサイバー・バズが行った、「Instagramの企業アカウントに関する意識調査」の結果です。
「Instagram で企業アカウントをフォローしていますか?」という問いに対して「フォローしている」と回答したのは、20代で92%、30代で89%、40代で82%と非常に高い結果となりました。
また「企業アカウントをいくつフォローしていますか」の問いに対しては、20アカウント以上をフォローしている人が20代では約半数を占めており、積極的にInstagramの企業アカウントをフォローしていることがわかります。
画像:サイバー・バズ
こちらは、同調査の「Instagramでフォローしている企業・ブランドの投稿をきっかけに、商品やサービスを購入したことはありますか?」という質問の結果です。20代女性で89%、30代女性で80%がフォローしているアカウントから購買経験があり、フォローが購買行動の一つのきっかけであることがうかがえます。
具体的な購入内容については、コスメや日用品、ファッションアイテム、旅行予約など幅広いジャンルにおいての購入経験があることがわかりました。
Instagramインフルエンサー・マーケティングの市場規模は59億円。2021年には100億円突破を予測
Instagramといえば、「インフルエンサー」という言葉でも注目を集めており、企業のプロモーション活動の一環として「インフルエンサー・マーケティング」という手法も登場しました。
Instagramにおけるインフルエンサー・マーケティングの市場規模は2017年には40億円程度となっています。
しかし、多くのユーザーが広告慣れして、通常のウェブ広告で成果を得ることが難しくなったり、アドテクノロジーの進歩で広告運用が複雑化する中、インフルエンサー・マーケティングの需要は伸びていくと予測されています。
画像:デジタルインファクト
デジタル産業調査を行うデジタルインファクトは、インフルエンサー・マーケティングの市場規模の推移予測を発表しました。
これによると、全体で175億円だったインフルエンサー・マーケティングの市場は、2023年には500億円を突破し、その後も右肩上がりが予測されています。
媒体別に見るとYouTubeが40%程度を占めますが、Instagramも30%程度を占めています。
YouTubeは動画メディアとしての強み、すでに圧倒的な影響力を持ったユーチューバーが多数いることから、アプリ、子供向け商材、家電、エステ・コスメなど、幅広い商品での活用が進んでいます。
Instagramでも人気を集めるインスタグラマーが誕生しており、20代~30代の女性をメインターゲットにしたブランド・商品・サービスのプロモーション需要が見込めます。
Instagramに関する13のデータから見えること
今回は、Instagramの集客・ビジネス活用の連載記事、番外編として、Instagramに関する興味深いデータを紹介しました。
注目すべき点は、やはりInstagramをきっかけとした認知・購買行動です。1つのデータだけでなく、数多くの調査機関による多角的な調査から、Instagramをきっかけとした購買行動が活発であることを裏付けるデータが出ています。また、利用者層が若い女性から30代40代の男女へと拡大していることも注目すべきでしょう。
まだ、「Instagramといえば若い女性」「若い女性向けの商品ならチャンスがあるかも」と思うでしょうか?
確かに、若い女性の間で強い影響力を持っていることは、いくつかのデータが証明しています。しかし、40代女性や男性の各年代層まで、影響が広がっていると考えられるデータもあります。
当連載は、Instagramの集客・ビジネス活用をテーマにお送りしました。
Instagramについては日々新しいニュースがあり、事例や調査結果が発表されています。ぜひ、アンテナを張ってみてはいかがでしょうか。
第1回:Instagramをビジネスに活用するメリット
第2回:SNS活用では必須の運用目標とルールの策定
第3回:フォロワーを増やす7つのテクニック
第4回:効果的な運用に活用したいツールやアプリ
第5回:ビジネスプロフィールで活用できる機能
番外編:Instagramとは何者だ? リリースから2019年3月までの歴史を探る
番外編:Instagramとは何者だ? 13のデータで捉えるビジネスチャンスの正体
番外編:Instagramで成果を上げている10の企業アカウント