BtoCだけじゃない! BtoBにおけるSNSの活用方法

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BtoCだけじゃない! BtoBにおけるSNSの活用方法

SNSが消費者の生活に浸透し、消費行動に大きく影響を与えるようになりました。
7月のマーケティングカレンダーでは、ファッションを調べる方法として、InstagramがGoogleを追い越しました。SNSは友人と個人的なつながりを持つ場に限らず、情報の収集と発信にまで活用されています。

そんな中、BtoC企業のプロモーションにSNSを活用するのは当たり前になりました。しかし、SNSが生活の全体に浸透するにつれ注目を集めているのがBtoB企業のSNS活用です。
企業の担当者も就業中はSNSを見ないにせよ、出社途中や休憩中、自宅でSNSを見ています。通勤途中にSNSで見た情報が会社でシェアされ、認知につながるという例も少なくありません。

今回はBtoB のSNSのビジネス活用について見ていきたいと思います。

SNSのビジネス活用

SNSのビジネス活用、BtoCでは当たり前になってきていますね。ほとんどの飲食店やアパレル、アミューズメントは自社・自店のSNSを運用しています。あなたもそうしたアカウントをフォローしているのではないでしょうか?
しかしBtoBとなるとあまり例を知らないかもしれません。しかし、調べてみると多くの成功事例があることも確かです。

SNSは企業とユーザーとの双方向による情報共有や爆発的な伝播力、企業がエンドユーザーへの直接アプローチができるなど、これまでにない価値を企業に提供しています。
BtoCではSNSを活用することが当たり前になってきており、幅広い業界で商品の購買促進や認知向上、問い合わせのサポートから商品開発まで幅広く利用されています。

BtoCだけではなく、最近ではBtoBでもSNSの活用が進んでいます。少し古いデータですが、株式会社ガイアックスが行った調査によるとBtoB企業のソーシャルメディア利用率は68.9%となっています。特にFacebookは57.1%の利用者が効果を実感するといった報告があります。

画像:ガイアックス SNSを活用するBtoB企業は68.9%に上り、多くがFacebookとツイッタ―を活用している。

画像:ガイアックス SNSを活用するBtoB企業は68.9%に上り、多くがFacebookとツイッタ―を活用している。

SNSの活用が進んでいる背景にはスマートフォンの普及があります。スマートフォンはビジネスツールとしての利用機会も増えてきました。その影響もあり、ビジネスパーソンが仕事上の情報収集を目的にSNSを使っている例も増えてきています。
このように、今後もますますスマートフォンの普及が想定されており、BtoBでもSNSを利用する効果が期待されます。

各SNSの特徴

SNSは企業が直接ユーザーの反応を確認できるサービスであり、ユーザーの反応や興味関心度合いから、幅広くマーケティング活動に活かせます。ここでは多数の特徴があるSNSの中でも注目されている4つのサービスの特徴について紹介していきます。

(1)Facebook

世界で20億人以上が利用しているサービスであり、写真の投稿から比較的長い時間の動画投稿、文字数制限なしのテキスト投稿などが特徴です。

Facebookではユーザーのアクセス解析ができることから、ユーザーの行動からどのような記事に興味があり、どのようなことを考えているのかといった趣味趣向を仮説、検証ができます。また、ユーザーのコメントや「いいね」などから、ユーザーの友達に記事を表示させる拡散機能も搭載されています。
個人情報流出などネガティブなニュースもあり、日本ではユーザー数が伸び悩んでいます。しかし、ビジネスや趣味、サークルなどの深いつながりを構築しやすい特徴があります。

(2)Twitter

日本では10代、20代のユーザーが多く、Facebookと比べるとリアルタイム投稿と拡散力に特徴があるサービスです。

注目すべきは投稿される時間です。平日の朝の通勤時間帯、ランチ時間帯など自由な時間がある際に多く投稿される傾向にあります。そのため、この時間帯に投稿することでユーザーから多くの反応を得やすくなります。
また、著名なビジネスパーソンが積極的に情報発信していることもあり、多くの人がビジネス上の情報収集のために利用しているという特徴もあります。

Twitterは写真や動画投稿も可能であり、文字数制限があり140文字以内(英語は280文字以内)と限られているので注意が必要です。また、リツイートと呼ばれる拡散機能を使うことで爆発的に情報拡散が行われるため、うまく波に乗ることで想定以上の効果が得られる可能性を秘めています。

(3)Instagram

ここ数年で若年層を中心に多くの支持を集めている写真投稿をメインとしたSNSです。モデルや芸能人が多く利用していることもあり、10〜30代の女性のユーザーが特に多く利用しています。

2015年にトレンダーズ株式会社によって行われた調査によると、Instagramの投稿から刺激を受けて商品の購入に至った経験を持つ女性は回答者の約40%を占めており、若年層の購買活動に大きな影響を与えていることがわかります。
また、2017年のユーキャン流行語大賞を受賞した「インスタ映え」のように、写真写りの良い写真が投稿されると「いいね」によって拡散されることから、Twitterのような情報拡散による効果も期待できます。

(4)LINE

若年層に関わらず幅広い層で利用されているSNSであり、LINEが発表したデータによると日本の会うティブユーザーは8,000万人以上、アクティブ率が86%と多くのユーザーが日々利用しています。

LINEは他のSNSとは異なり、個人宛に企業から直接プッシュ通知ができるため、キャンペーンなどの販促活動と合わせてプッシュ通知を行うことでターゲットに直接アプローチが可能です。ただし、プッシュ通知の数が多いことでブロックされてしまう可能性があるため、あらかじめ注意しておく必要があります。

では、ここからは実際にSNSを活用している企業の例を見ていきましょう。

BtoB企業の活用事例

(1)Twitter

・デル株式会社

コンピューター関連の商品の製造販売を手掛けるデルでは、法人向けのサポート窓口としてTwitterによるサポート窓口を設けており、1日5〜7件程度の情報発信を行っています。また同時にTwitterユーザーからの技術的な質問にも応対しています。

気軽な問い合わせ窓口を設けることで、購入後の不満解消、技術的な問い合わせへの迅速な対応によりユーザーの親和性を高め、デルの商品を購入したユーザーのロイヤルティ向上を狙っています。

また、Twitterのリツイート機能による情報拡散による同様の悩みを持つユーザーへの情報共有やデルの良い対応の拡散によるデルのファン作りまで期待されています。

・Yahoo!マーケティングソリューション

Yahoo!マーケティングソリューションでは、インターネットに関するマーケティング情報やデータ解析情報を日々投稿しています。企業の広報・広告担当や代理店の運用者などが最新情報を得るためにフォローしています。

また、2016年4月に立ち上げたオウンドメディア「Insight for D」への誘導を積極的におこなっています。オウンドメディアで投稿された記事をTwitterで紹介し、オウンドメディアへ誘導することでファンを獲得していくことを目指しています。

ファンになったユーザーはメルマガ購読や資料請求へ誘導し、Yahoo!マーケティングソリューションの顧客となるようなコンテンツマーケティングの一端をTwitterが行っています。

(2)Facebook

・スカイアーク

Webインテグレーター事業などを行っている株式会社スカイアークのFacebookページです。マスコットキャラクターの「そらちゃん」を活用して、様々なプロモーション活動を行っています。
投稿内容は誰が見てもわかるようにイラストや写真をたくさん使用して投稿しています。最近では、酪農・畜産関連企業として初となる「日本ベンチャー大賞」農林水産大臣賞(農業ベンチャー賞)を受賞しています。

Facebookページの「いいね!」の数も約7,000件、フォローも約6,900人とBtoB企業のFacebookページとして多くのユーザーから支持されています。

・お名前ドットコム

GMOインターネット株式会社が提供しているサービスの一つである、ドメインを取るなら「お名前.com」のFacebookページです。
ドメインに関連するサービス関連の投稿に加え、サービスとは関係ない情報やWebサイトも多数投稿されており、「いいね!」の数は約18,000件と多数のユーザーから支持されています。

自社のサービス紹介のためだけではなく、ユーザーへの情報提供を行って役立ってもらうという視点でFacebookページを運用すると効果的だとわかる良い事例となっています。

(3)Instagram

・インテル

半導体機器の製造販売行っているインテルでは、グローバルアカウントに加え、日本国内向けの情報発信アカウントの運用も行っています。
グローバルアカウントでは、動画をふんだんに取り入れて、インテルの技術がいかに日々の生活に役立っているかを表現しています。一方、国内アカウントではグローバルアカウントとは異なり、お洒落かつより身近な印象を与えられるような投稿が中心に行われています。

投稿内容をアカウントによってわけることで、様々な角度からユーザーへ訴求しており、投稿内容が異なれば与える印象も大きく異なることがわかる事例です。

・セールスフォース

セールスフォースはクラウドベースのプラットフォームを提供している企業です。

Instagramでは、セールスフォースのキャラクター「Einstein」、「Astro」の可愛らしい投稿やコーポレートカラーとなっている青色に関連するスイーツの投稿、従業員による投稿などがあります。また、ハロウィンなどのイベントに関連した投稿もあります。

多彩な情報発信を行うことでユーザーに強い印象を持ってもらい、企業イメージの向上などに大きな影響を与えています。

まとめ

今回はBtoB企業のSNS活用をテーマに、各SNSの特徴と事例をいくつか紹介しました。
BtoB企業でも、SNSを活用したマーケティング活動が注目を集めています。企業の違った側面や新しい情報提供を行うことで企業価値を高め、新しい顧客の獲得などで大きな成果を上げています。SNSは多くのサービスがあるため、自社の特徴にあったSNSを選択してマーケティング活動に活かしてみてください。