Webマーケティング

【HubSpot 2/9】MAツール「HubSpot」でできること

全9回にわたってお送りする、HubSoptのMAツールを活用したインバウンドマーケティングについて、第2回はMAツール「HubSpot」でできること、機能面をテーマにご紹介いたします。

第一回、「インバウンドマーケティングとMA」では、インバウンドマーケティングの全体像として、「インバウンドマーケティング」と「One to Oneマーケティング」、「MA(マーケティング・オートメーション)」の3つのキーワードをご紹介しました。

マーケティングに携わるならよく耳にする言葉ですが、いざ自社に取り入れようとすると、ハードルが高く感じてしまうと思います。

「なかなか営業に価値がわかってもらえない」
「どのツールを選べばいいかわからない」
「高度なマーケティングプロセスを考えることは難しい」
「自社の商品に適した活用方法がイメージできない」
きっとそんな風に感じていると思います。

しかし、この連載記事を最後まで読んでいただいた後、インバウンドマーケティングが身近に感じてもらえるでしょう。

それでは、インバウンドマーケティングという概念を提唱したHubSpot社が提供するMAツール「HubSpot」で何ができるのか、具体的に見ていきましょう。

【第1回】インバウンドマーケティングとMA
【第2回】MAツール「HubSpot」でできること
【第3回】優れた戦略に必要な「3つのメディア」
【第4回】ペルソナとカスタマージャーニー(1)
【第5回】ペルソナとカスタマージャーニー(2)
【第6回】リードナーチャリングとリードクオリフィケーション
【第7回】MA導入の懸念点と注意事項
【第8回】HubSpotを活用してLINEでクロージングする方法
【第9回】HubSpotを用いたインバウンドマーケティング10週間計画

インバウンドマーケティングが持つ2つのステージ

インバウンドマーケティングを計画する際、2つのステージに分けて考えることが重要です。
以前、マーケティングに欠かせないビジネスフレームワークとして「顧客行動プロセス」という記事をお届けしました。
そこでは、AIDMAやAISASなど有名なフレームワークを紹介しました。

このように、顧客行動を細かく分け、綿密なカスタマージャーニーを作成することももちろん重要ですが、インバウンドマーケティングにおいてまず考えるべきステージは2つしかありません。

それが、見込み客を生み出す「リードジェネレーション」、見込み客を顧客へと育成する「リードナーチャリング」です。

詳しくは【第5回】リードナーチャリングとリードクオリフィケーションで触れますが、HubSpotには、この2つのステージを自動化、最適化する機能が数多く用意されています。
機能を紹介する前に、リードジェネレーションとリードナーチャリングについて見ていきましょう。

リードジェネレーション

リードを定義すると「取引は発生していないが、将来的に取引が発生する見込みのある相手」となります。
リードジェネレーションとは、自社の商品やサービスに関心を持ち、将来顧客となる可能性がある「見込み客」を創出するためのステージです。

具体的には、リードにアプローチするために必要な情報(名前やメールアドレス、LINE、電話番号など)を集めるための施策を行います。

リードジェネレーションの目標は「質のいい見込み客をいかに多く獲得するか」にあります。
そのための施策として、ブログやSEO、SNS運用、WEB広告でユーザーを集め、キャンペーンやプレゼントなどでリードとの接点を持ちます。

リードを獲得する方法は無数にあります。問い合わせフォームはもちろん、ウェブサイトにチャットボットを掲載したり、ポップアップでキャンペーンを訴求したり、LINE@やメルマガ登録を促すこともできます。最近では、TwitterやInstagramのオフィシャルアカウントのフォロワーをリードとみなすこともあります。

HubSpotには、リードを獲得するための様々な機能が用意されているため、サイトを改修することなく、簡単にポップアップを表示したりチャットボットを導入したりすることができます。

リードナーチャリング

獲得したリードを顧客に育てていく。
そのためにリードとコミュニケーションをとるステージを「リードナーチャリング」といいます。

リードナーチャリングでは、メルマガやLINE@、SNS、ウェブサイト、チャットなどにより、ユーザーとコミュニケーションをとります。
もちろん、ただ単にリードとコミュニケーションをとれば顧客に育っていくわけではありません。リードのニーズに合わせて最適なコミュニケーションをデザインする必要があります。

HubSpotをはじめとするMAツールには、コミュニケーションを最適化する機能が用意されています。
その一つが「ワークフロー」です。ワークフローでは、次のようなコミュニケーションを設計することができます。

  • ページAを見たーユーザーにはメルマガA’を送る
  • ページBで60秒以上滞在したユーザーにポップアップバナーB’を表示する
  • メルマガCを開封したユーザーに5日後にメルマガC‘を送る

これらはほんの一例で、その商品・サービスとユーザーをつなげるための、最適なコミュニケーションをとることができます。

また、リードナーチャリングとともに紹介したいステージが「リードクオリフィケーション」です。
リードクオリフィケーションとは、リードを選別することを指します。
間違えて問合せしてしまったユーザー、興味本位でメルマガ登録したユーザー、その商品についてより詳しく知りたくてサイトを見ているユーザーでは、その後顧客へと育成できる確率が全く違うでしょう。

HubSpotでは、ユーザーの行動に対して一つ一つ点数(スコア)をつけていくことができます。
そして、そのスコアをもとに営業リソースを最適なリードに割り振っていくことが可能です。


それでは、リードジェネレーション、リードナーチャリングを最適化するためにHubSpotが持つ機能をご紹介します。

「HubSpot」が持つ機能

一言で「MAツール」といってもHubSpotには非常に多くの機能があります。

下記はHubSpotの機能一覧です。これらすべてを理解し、使いこなすことは簡単ではないでしょう。
そこで、大量の機能の中から特に利用価値が高い機能をいくつかピックアップしました。

コンタクト管理

いわゆる「顧客管理ツール」としての機能です。
名前やEメール、担当者などの基本情報はもちろん、メールや電話の履歴、Web上での行動ログが自動で蓄積されていきます。
そのため、顧客管理ツールとしてだけでなく、ミクロ解析ツール(ユーザー個人に対象を絞ってアクセス解析を行うツール)としても活用できます。

また、HubSpotは企業情報のデータベースを持っているため、問い合わせがあった際にメールアドレスやIPアドレスの情報から自動で企業情報を登録してくれます。
「従業員数100人以上」といったフィルタリング設定をしておけば、どのリードを優先的に営業対応すべきかといった判断をすぐに取ることができます。
BtoB企業であれば、非常に重宝する機能でしょう。

さらに、コンタクトに対してタスクを設定することもできます。例えば「1ヵ月メールのやり取りがなければ営業が電話」などを設定しておけば、休眠顧客に効率よくアプローチできます。

セールス取引管理

リードナーチャリングのステージで役立つ機能にセールス取引管理があります。ここでは、リードをいくつかのステップに分けて管理することができます。

例えばBtoB商材であれば、次のようなステップが考えられます。

BtoC商材であれば、次のようになるでしょう。口コミやSNS上での話題が重要になる商品では、最終目標を「購入」ではなく、「SNSでシェア」に置く場合も多くなっています。

このように、見込み客がナーチャリングされていく過程をステップ化することで、それぞれのステージに対して的確なアプローチをとることができます。

HubSpotでは、こうしたステップを自由に設定できるため、あらゆる商材で最適なステップを設計することができます。

ブログ作成

「インバウンドマーケティング」では、SNSにせよLINE@にせよ、顧客に対して有益な情報を提供することが重要です。
企業からユーザーに対して情報を発信するうえで、ブログは非常に有効な手段です。

HubSpotには、ブログ作成機能が備わっており、HubSpotの管理画面からブログを更新していくことができます。専門知識がなくても簡単に更新できるように作られていることも大切なポイントです。

HubSpotのブログ機能を使う最大のメリットは、ABテストやスマートコンテンツなどHubSpotの他機能と簡単に連携できることです。
ABテストとは、画像や記事タイトルなどを複数出し分ける機能です。これだけであれば、GoogleオプティマイズのようなABテストツールにもありますが、スマートコンテンツはHubSpotだからこそできる優れた機能です。

スマートコンテンツを使えば、次のようなことができます。

  • HubSpotのスコアが10点以上のユーザーにはキャンペーンAのバナーを見せる
  • コンテンツBで60秒以上滞在したユーザーに対してコンテンツCを見せる
  • メルマガ会員だけにキャンペーンを見せる
  • HubSpotの取引ステージが「返答待ち」となっているユーザーにコンテンツEを見せる

スマートコンテンツを使えばブログ運用の手間は増えますが、ユーザーとのコミュニケーションの質が向上することは間違いありません。

ランディングページ作成

ブログやSNSを通じてリードとコミュニケーションをとっていて、最後にクロージングするために必要なものがランディングページです。
HubSpotにはランディングページ作成機能も備わっており、ある程度のコーディングとデザインの知識があれば、オリジナル作成のランディングページと遜色ないものを作ることができます。


アイビスマーケティング

マーケティングパフォーマンスを最大化するサービスである「IBIS MARKETING」のランディングページは、HubSpotの機能で作成しています。

チャットボット

初めてサイトを訪れたユーザーとコミュニケーションとるにあたって、チャットボットは非常に優れたツールです。
問い合わせほどハードルが高くないため、リードの獲得率が非常に高くなります。

HubSpotでは、チャットボットでのやり取りを自動でコンタクト情報に追加していくことができます。
例えば、「お名前は何ですか」という質問に対する答えをコンタクトの名前に、「メールアドレスを教えてください」に対する答えをコンタクトのメールアドレスに追加することができます。
チャット形式であればユーザーも気軽にこたえられるため、より多くのユーザー情報を入手できます。

ワークフローの作成

ワークフローは、MAとして最も重要な、マーケティングキャンペーンを自動化・最適化するための機能です。

第一回に紹介したワークフローの例は、「取引ステージ」という項目が「結論・返答待ち」になっているユーザーが自社サイトを訪問した際に、メールを送付するというものです。
BtoBの場合、返答待ちのまま話が流れてしまうことも決して少なくありません。このワークフローを使えば、そうした状況を動かすきっかけを自動で作ることができます。

他にも、例えばメルマガ登録者リストに対して次のようなワークフローを設定することもできます。

  • メールマガジンAが開封されたらメールマガジンA’を送る
  • メールマガジンBが開封されなかったたらメールマガジンB’を送る
  • メールマガジン内のURLがクリックされたらメールマガジンCを送る
  • 過去一か月のメールマガジン開封率が80%以上なら取引ステージを一つ上に繰り上げる

上記はほんの一例で、ウェブ上での行動に紐づいていれば、あらゆるマーケティングキャンペーンを自動化・最適化することができます。
ウェブ上での行動だけでなく、打ち合わせの結果や自社主導のキャンペーンなどを手動で展開することも可能です。

リードフローの作成

リードを効率的に獲得するための機能として、リードフローがあります。
コンタクトのあるリードを対象としているワークフローに対し、まだコンタクトをとっていないユーザーにアプローチする機能がリードフローです。

この図にあるリードフローは、資料をダウンロードしてもらうためのリードフローです。
ポップアップでプレゼント資料を訴求して、Emailアドレスだけを入力してもらいます。

リードを獲得するには、いかにハードルを下げるかが重要になってきます。そのため、最低限の項目だけで簡単にダウンロードできるようにしましょう。

もちろん、名前や電話番号など、いくつかの項目を追加することも可能です。
リードフローの最後に資料をダウンロードしてもらうことも可能ですが、入力されたメールアドレスにフォロアップメールを送信することもできます。

アナリティクス

HubSpotには、アナリティクス機能も導入されています。ウェブ上でのユーザー行動を解析するだけなら、Googleアナリティクで十分ですが、HubSpotのアナリティクス機能には、設計したキャンペーンに対する解析、コンタクトの行動や情報に対する解析を行うことができ、マーケティングキャンペーンの成果を最大化させることができます。

コンタクトが発生した経路別、担当営業別のコンタクト、スコアが50点以上のコンタクトなど、コンタクトベースで解析ができることは大きな強みです。
例えば、スコアが50点以上と以下のコンタクトの行動を比較することで、どういったコンテンツに接触した場合に行動が活発化するのかなど、コンテンツのアイデアに繋がります。

機能を使いこなすコツ

HubSpotには、マーケティングパフォーマンスを最大化するあらゆる機能がありますが、機能を理解し、マーケティング戦略を立案し、実施していくことは簡単ではありません。

それでは、豊富な機能を使いこなすためのコツをいくつかご紹介します。

導入前に戦略・計画を立てる

HubSpotには数多くの機能が用意されているため、ついつい機能に目が行ってしまいます。
そのため、「こんな機能があるからこれをやってみよう」と考えがちです。

もちろんそれでも悪くはないのですが、あくまでもマーケティング戦略・計画ありきのツールです。「こんな計画を立てた。そのためにHubSpotの機能を活用しよう」と考えます。

マーケティング戦略・計画では、現状の把握、目標の設定、スケジューリングが重要になります。
これを行ったうえで、それを実現する機能がHubSpotにあるか、また他のMAツールを導入すべきかを検討しましょう。

自社にとって必要な機能を取捨選択する

HubSpotの強みは、これだけ多くの機能が一つのプラットフォームで連結し、相乗効果を生み出すことです。
とはいえ、これらすべてを使いこなすことは現実的ではありません。
弊社でもHubSpotを導入していますが、実際に使っている機能は3割程度です。多くの場合はその程度の機能しか使わず、マーケティング戦略・計画を実現できるでしょう。

導入前に戦略と計画を立てることの重要性は個々にもあります。利用できる機能をすべて使うことを前提に考えると、複雑化しすぎて実現性がなくなってしまいます。
自社の戦略に必要な機能だけをピックアップしましょう。

現在使っているツールで、代替え可能なものは廃止する

HubSpotは、顧客管理ツールであり、アクセス解析ツールであり、セールス・フォース・オートメーションであり、CMSでもあります。
当然、現在自社で別の顧客管理ツールを使っていたり、WordPressなどのCMSを使っていたりする場合もあるでしょう。

もしも現在使っているツールが、HubSpotの導入により代替え可能であれば、廃止しましょう。
複数のツールを同時に運用することは、運用コスト・学習コストがかかる、データが分散する、管理が複雑になるなど、様々なデメリットがあります。
HubSpotが持つ機能を最大限発揮するためにも、利用するツールは最低限に抑えましょう。

インバウンドマーケティングについて、HubSpotについて、もっと知りたいことや質問がありましたら、ぜひLINE@に友達登録してみてください。

第2回  MAツール「HubSpot」でできること

今回は、全9回にわたってお届けする「MAインバウンドマーケティング」第2回として、HubSpotが持つ機能をテーマにご紹介しました。
HubSpotには、非常に多くの機能があるため、一度ですべてを紹介することはできません。また、使いこなすコツでもお伝えしたように、すべての機能を理解する必要もありません。

また、いきなり機能の話に踏み込んだため、MAツールに慣れ親しんでいないとイメージがわきにくいかもしれません。
とりあえず今回は、「HubSpotにはマーケティングキャンペーンを自動化・最適化する機能がたくさん用意されている」ということだけ知っていただければと思います。
次回以降は、これらの機能がどのような戦略で活躍するのかをどんどんご紹介していきます。

次回は、優れた戦略に必要な3つのメディアとして、「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」をご紹介します。
インバウンドマーケティングを成功させるうえで、この3つのメディアの役割と活用方法を理解しておくことは欠かせません。

今回少しだけ紹介した「リードジェネレーション」や「リードナーチャリング」については、第5回の記事で詳しく取り上げます。

 

【第1回】インバウンドマーケティングとMA
【第2回】MAツール「HubSpot」でできること
【第3回】優れた戦略に必要な「3つのメディア」
【第4回】ペルソナとカスタマージャーニー(1)
【第5回】ペルソナとカスタマージャーニー(2)
【第6回】リードナーチャリングとリードクオリフィケーション
【第7回】MA導入の懸念点と注意事項
【第8回】HubSpotを活用してLINEでクロージングする方法
【第9回】HubSpotを用いたインバウンドマーケティング10週間計画