【導入前に読みたい】マーケティングオートメーションツールを選ぶ8つのポイント

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【導入前に読みたい】マーケティングオートメーションツールを選ぶ8つのポイント

マーケティングオートメーション(MA)が日本に登場して以来、海外・国内の製品が次々と増えています。ツールが増えるほど、どの製品を選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。

弊社ではHubSpotをメインに案内していますが、そのほかにも多くのツールを取り扱っています。そして導入をサポートする中で一番難しいのが「どのツールを導入するか」です
MAツールは導入したものによって、できることややり方が大きく異なります。適切ではないツールを選ぶと、望んでいたことができなかったり、非常に手間がかかったり、すでに導入しているBIツールを取り替えたりする必要が出てきます。
MAを導入するということは、企業によってはマーケティング・セールスの体制からガラッと変わることになります。そのためどんなツールを選んでも導入の手間は膨大です。だからこそ、できるだけ手間がかからず、望んでいることがしっかりと実現できるツールを選ぶ必要があります。

そこで本記事では、マーケティングオートメーション(MA)を選ぶ際のポイントについてご説明します。

導入目的

MAを導入するにあたり、まずはMAで実現したいことを整理します。MAはマーケティングツールのため、売り上げ強化のために導入するという点は共通していますが、ツールの特徴から大きく以下のような目的にわかれます。

  • 確度の高い見込客の獲得(リードジェネレーション)
  • 見込客の興味・関心の醸成や育成(リードナーチャリング)
  • 属性や行動に応じたセグメントの抽出や施策(パーソナライズドマーケティング)
  • 上記を含むインバウンドマーケティングの実践

目的が複数ある場合は、できるだけ優先順位を決め、最低限は達成したい目的は何かも整理しておくとよいでしょう。さらに、目的を達成するためにどのような施策を行いたいかなど、具体的に決まっているほどツールの選定がしやすくなります。
導入目的がはっきりせず「最近いろんな企業が導入しているみたいだから」という理由で、知名度の高いツールを選んでもほとんど失敗します。セールスフォースであれば営業との連携が強く、リードナーチャリングとパーソナライズマーケティングに強みがあります。一方、HubSpotはよりマーケティング寄りのツールなので、リードジェネレーションの機能が豊富で、インバウンドマーケティングの実現をサポートします。
このように目的が決まっていると必要な機能などもイメージしやすくなります。

機能

目的が明確になったら、それを実現するために必要な機能は何か、その機能が備わっている製品はどれかという視点でツールを検討します。一言にMAといっても、ツールにより特徴や強みが異なります。先に決めた導入目的の優先度にあわせて、どの機能を最も重視するかを考えます。

MAで備わっている機能は、主に以下のようなものがあります。

  • 顧客管理
  • メール配信
  • フォームやランディングページの作成
  • Webページの作成
  • 行動トラッキング
  • スコアリング
  • セグメント抽出
  • レポートなどの効果検証機能
  • 広告やSNSなどの機能
  • マーケティング施策の自動化
  • Web上でのパーソナライズ
  • 見込み・売上管理

同じ機能でもツールにより設定できる内容が異なったり、単体ではなく他ツールと連携することで可能だったりと、機能に違いがあります。また、目的が決まっていても、それに必要な機能が何かわかならい場合もあるでしょう。よって、各サイトの製品情報だけではなく、実際に製品を扱うベンダーや代理店に問い合わせをして、現状の課題や導入目的などを伝えながら情報を集めることをお勧めします。
また、最近のMAツールはより全体的にサポートするものが多く、CRM(カスタマーリレーションシップマーケティング)、CS(カスタマーサクセス)、CMS(コンテンツマネジメントシステム)、SFA(セールスフォースオートメ―ション)など、様々なツールの複合系を意味することもあります。

使いやすさ

使いやすさを考えるうえでのポイントは大きく3つあります。

1つ目に、日々行う作業が何かということです。
MAは一度プログラムを設定してしまえば、あとは自動的に処理が繰り返されます。それが「オートメーション」と呼ばれる理由です。一方で、新しいメールやフォームを作成するなど頻繁に行う作業もあります。使いやすさを考える場合は、特に日々行う作業が操作しやすいという点が重要です。

2つ目は機能との兼ね合いです。
多機能なツールが使いにくいとは限りませんが、ツールによっては慣れるまでに時間を要するものもあります。導入目的を踏まえたうえで最低限必須な機能を考え、使いやすさとのバランスをみて検討するのがよいでしょう。

3つ目は自社の運用体制です。
MAを運用する人が他の多くの業務と兼任である場合、ツールを使いやすいと感じるまで時間を要するかもしれません。また、同じ機能であっても担当する人の知見によっては、使いやすさの評価が異なります。ITやWeb業務の経験者であれば、メールテンプレートが充実しているツールより、メールのソースコードを編集できるツールの方が使いやすいと感じるかもしれません。

このように、日々の業務と導入目的、自社の運用体制という面から考えることで、ツールの使いやすさを評価しやすくなります。使いやすさについては実際に使ってみないとわからない部分が大きいと思います。トライアルやデモを用意している製品の場合は、積極的に試してみることをお勧めします。

サポート体制

見逃しがちですが、ある意味一番重要といってもいいかもしれません。膨大な機能をもつMAツールをいきなり使いこなすのは不可能です。実際に使ってみると、想像以上にわからないことが多いと思います。
チャット、電話、メールなどいずれの方法にせよ、問い合わせに対するレスポンスの速さ、正確さ、分かりやすさを重視しましょう。

日々の業務で必要な機能が使いづらいと、MAの良さを実感する以上に運用に負担を感じてしまうかもしれません。そのような場合でも、サポート体制が整っていれば不明点を質問できるので安心です。また、ツールによっては、サイト上にFAQやヘルプページ、トレーニング教材が充実していたり、ユーザー同士のコミュニティがあったりと、使い方のノウハウを得られる場が多く用意されています。よって、サポートも含め、ツールに関する情報を得る手段が揃っているかどうかも選定のポイントになります。

価格

予算が潤沢にあるという場合を除き、ツールの価格も選定においては重要なポイントでしょう。
MAはツールにより価格が千差万別です。多くの場合、機能の多さ(または精度)や保持できる顧客レコード数が価格に影響します。価格を検討する際の注意点は、ミニマムプランだけで比較するのではなく、自社に必要な機能が揃っているかという条件と照らし合わせて比較することです。あるツールでは標準で備わっている機能が別のツールではオプションだったり、上位プランに限定されていたりということもあります。特に、MAで保持したい顧客数やメール配信数が多いBtoCなどの場合、顧客レコードやメール配信数に応じた価格は早めに確認しておくとよいでしょう。

一方で、価格が低くても目的が達成できなければ意味がありません。
MAの効果はシナリオやデータの精度も関係するため一概にROIを出すことは難しいですが、先行投資として考えた場合に、自社の目的に見合うと思われる価格かどうかという点から判断が必要です。

導入事例の多さ

MAに限らず導入している企業が多いということは、ツールが支持されている指標の一つととれます。同じ業種の導入事例であれば特に、導入目的や課題も似ている傾向にあるので、ツールを選ぶ際の参考になります。ただ、各ベンダーや代理店のサイトに掲載されている事例がすべてではありませんので、その他に事例があるか問い合わせてみるとよいでしょう。

連携のしやすさ

「連携」とは、MAと他のシステムでデータのやりとりや更新が自動で行われる状態です。
例えば、広告ツールを現在利用している場合、そのツールとMAを連携できれば、MAで得た情報をもとに広告を出しわけたり、閲覧した広告によってMAでの育成シナリオを変えたりといった施策を打つことができます。
連携をしていない場合、データを手動で取り込む方法もありますが、作業が非効率なうえ活用できるデータも限定されるため、ツール同士で自動連携を行える方が望ましいです。

また、使用しているツールと連携ができない場合でも、MAのベンダーが同様のツールを提供していれば、合わせてそのツールに移管するという方法もあります。例えば、HubSpotやPardotなどのMAでは、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)などのシステムも扱っています。既存のシステムと条件があえば、すべて同じベンダーのツールに移管するという選択肢もあります。

連携を検討するにあたっては、現在使用しているシステムだけでなく、将来導入予定のシステムも含めて検討するとよいでしょう。ただ、MAと連携できるサービスも年々増えているので、あまり先の予定まで考慮する必要はないと考えます。

セキュリティ

MAは顧客情報を扱うため、セキュリティ面が重要であることはいうまでもありません。MAを提供しているベンダーもその点を考慮して各社セキュリティ対策を行っています。ただ、対策の具体的な内容はベンダーにより異なりますので、自社独自のセキュリティーポリシーがある場合は特に、セキュリティ面も早めに確認しておくことが重要です。

まとめ

今回はMA導入にあたり注目したい選定ポイントを8つ紹介しました。上記のような点を踏まえて製品を比較することで、より自社にあったツールが何かを判断しやすくなるでしょう。

個人的に重視しているのは「サポート体制」です。GrabにもHubSpotを導入しており、インバウンドマーケティングの実現に向けて運営しています。しかし、導入当初はわからないことだらけで、毎日担当者にチャットしていました。HubSpotの場合、遅くても翌営業日には何かしらのリターンがありますが、これが3営業日のベンダーだったら3倍の時間がかかることになります。
代理店が間に入る場合は、代理店のサポート体制とスキルが重要です。代理店のレスポンスが遅いことは問題外ですが、代理店の知らないことが多い場合、代理店からベンダーに問い合わせるという手間が発生します。

今回上げた選定ポイントはあくまでも一般的なものです。弊社では、すでに社内で導入している独自システムとの連携や営業フローとの兼ね合いも重要なポイントになりました。まずは導入目的を整理士、サイト上で情報を集め、気になるツールがあれば、デモやトライアルなどを利用してどのように操作するのか直に体感してみてください。