Webマーケティング

【HubSpot 3/9】優れた戦略に必要な「3つのメディア」

全9回にわたってお送りする、HubSoptのMAツールを活用したインバウンドマーケティングについて、第3回は優れた戦略に必要な「3つのメディア」をご紹介いたします。

第一回ではインバウンドマーケティングの全体像・概念について、第二回ではインバウンドマーケティングを実現するためのMA(マーケティングオートメーション)の機能について、ご紹介しました。

今回からはより深く、「戦略を立てるために」「成果を上げるために」必要な考え方を紹介していきます。

【第1回】インバウンドマーケティングとMA
【第2回】MAツール「HubSpot」でできること
【第3回】優れた戦略に必要な「3つのメディア」
【第4回】ペルソナとカスタマージャーニー(1)
【第5回】ペルソナとカスタマージャーニー(2)
【第6回】リードナーチャリングとリードクオリフィケーション
【第7回】MA導入の懸念点と注意事項
【第8回】HubSpotを活用してLINEでクロージングする方法
【第9回】HubSpotを用いたインバウンドマーケティング10週間計画

インバウンドマーケティングは、顧客の目線に立った戦略です。スマートフォンの普及、ウェブサービスやアプリの充実により、顧客の行動は多様化しています。
一昔前のように「広告を打てば顧客が集まる」という時代ではなくなりました。

今回紹介する「3つのメディア」とは、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」です。
インバウンドマーケティングの成功には、多様化した顧客行動を理解し、この3つのメディアを戦略的に使いこなすことが欠かせません。。

それでは、優れた戦略に必要な「3つのメディア」をご紹介します。

メディア① ペイドメディア

ペイド(お金を払う)メディアとは、企業が費用を支払って広告掲載するメディアです。
主にテレビやラジオ、新聞、雑誌といった従来型のメディア、リスティング広告やSNS広告、DSP広告といったウェブ広告、スポンサーシップによって掲載してもらえるイベントやサイトなどがペイドメディアに分類されます。

ペイドメディアの長所は「お金をかければ顧客に届く」ということです。
ディスプレイ広告で非認知層に商品やサービスを認知させたり、リスティング広告等で直接成果を狙ったり、テレビCMなどでブランディングを行ったりと、様々な目的に活用できます。

様々なメディアがあふれかえり、無数のメッセージが飛び交っている現在では、自社のメッセージを届けることは簡単ではありません。
しかし、広告を活用すれば確実に自社のメッセージを届けることができます。

ペイドメディアの短所は、継続的に費用がかかることと、コミュニケーションが一方通行になってしまうことです。

従来のマーケティング戦略では、広告戦略、つまりペイドメディアをいかに活用するかが中心でした。認知の獲得から成約獲得、LTVの最大化まで、すべて広告が担っていたのです。

しかし、あらゆる企業が広告出稿を行うようになり、ウェブ上のいたるところに広告があふれかえっている今では、広告だけで成約獲得やLTVの最大化を狙うことは難しくなっています。
そのため、インバウンドマーケティングにおけるペイドメディアは「認知の獲得」や「オウンドメディアの育成」に特化して使うことになります。

メディア② オウンドメディア

オウンド(自分たちの)メディアとは、ブログサイトのように、自社が保有し運用するメディアを指します。
もともとは、自社で保有しているという意味で、パンフレットやオフィシャルサイトなども「オウンドメディア」と呼ばれていました。インバウンドマーケティングにおいては、自社のブログサイトやソーシャルメディアのアカウントなどが分類されます。また、メールマガジンやLINE@もオウンドメディアに含まれます。

オウンドメディアの長所は、自社主導で情報を発信できることです。
ブログやメールマガジンであれば伝えたい情報をダイレクトに伝えることができます。例えば、広告(ペイドメディア)では伝えきれなかった商品の詳細な情報、開発ストーリーや担当者の想いなどを伝えることができます。

豊富な情報、自分たちの伝えたい情報を自由に伝えられる一方、既存顧客への情報発信が中心となり、新規顧客、潜在顧客へアプローチが難しいという短所があります。
そのため、ペイドメディアを使った新規顧客へのアプローチをバランスよく活用していく必要があります。

オウンドメディアの役割は、顧客、見込み顧客に自社の商品・サービスのことを理解してもらう、興味を深めてもらうことにあります。
つまり、インバウンドマーケティングの「リードナーチャリング」で非常に重要となってくるメディアです。

以前、インバウンドマーケティングについて紹介した「“見込み顧客”の心をつかむコツ」で、「優れたコンテンツ」「魅力的なコンテンツ」がいかに重要かを伝えました。
その「魅力的なコンテンツ」を掲載するメディアは、オウンドメディアが中心になります。

インバウンドマーケティングの成功には、このオウンドメディアと、次に紹介するアーンドメディアでの戦略が肝になります。

メディア③ アーンドメディア

アーンド(信用や評判を獲得する)メディアとは、SNSや口コミサイトのように、ユーザー自身の声によって作り上げられるメディアです。
インバウンドマーケティングを提唱したHubSpotでは、アーンドメディアを次のように定義しています。

アーンドメディアとは、簡単に言うと口コミで獲得したメディア露出のことです。自社が公開した素晴らしいコンテンツ、SEOの取り組みによる効果、提供したカスタマーエクスペリエンス、あるいはその組み合わせなど要因はさまざまですが、「結果として獲得したメディア上の認知」がアーンドメディアになります。
HubSpotマーケティングブログ

最大の長所は、ユーザー自身の声であるため他のユーザーの共感を惹きやすく、信用されやすいということです。
また、SNSが持つ拡散力により、いわゆる“バズる”と呼ばれる状況にもつながる可能性があります。
アーンドメディアを効果的に活用できると、費用もかからず強いブランディングを築き、多くの新規顧客・潜在顧客にアプローチできます。

一方で、アーンドメディアは、ユーザー自身が育成していくため、企業主体のコントロールが利かないという短所があります。
また、ユーザー主体であるため、望まないメッセージが拡散する“炎上”につながる可能性もあります。

アーンドメディアは、新規顧客を獲得するリードジェネレーションで活躍することはもちろん、信頼を得ることでリードナーチャリングもスムーズに行うことができます。

自社主体のプロモーションでアーンドメディアを活用するには、より良い商品・サービスを提供することはもちろん、アフターサービスの充実、既存顧客へのアプローチが重要になります。
アーンドメディアの活用では、既存顧客に対して「Twitterでシェアしてくれたら10%オフ」のようなキャンペーンをおこなったり、チャットツールによってアフターサービスを効率的に行なったり、MAの機能を有効活用することが重要です。

「トリプルメディア」という考え方

ペイドメディアには一方的な発信のため共感を得づらい、費用がかかる一方、即効性・確実性があります。
オウンドメディアは、成果を出すまでに時間がかかり、新規顧客へのアプローチが難しいといった短所がありますが、自社のコントロールの元、伝えたい情報を伝え、顧客の育成が測れます。
そしてアーンドメディアでは、自社のコントロールは聞きませんが、顧客の共感を強く得て、新規顧客を引き付けることができます。

このように、3つのメディアは互いの短所を補い合っています。
どれか一つに力を注げばいいのではなく、どれもバランスよく活用していくことが欠かせません。
そのため、これらのメディアは単体で考えるのではなく、「トリプルメディア」として考える必要があります。

例えば、オウンドメディアを開始した際はペイドメディアを有効的に使う必要があります。
オウンドメディアを活用する際、まず行うことは自社のブログやSNSアカウントを開設し、優れたコンテンツを発信することです。

しかし、それだけではなかなかユーザーが集まらないことに頭を悩ますでしょう。そんな時に活用するメディアがペイドメディアです。
オウンドメディアのスタート時は、「ペイドメディアで新規顧客を多く集め、優れたコンテンツを届けることでリピーターとなってもらう」という戦略をとります。

そしてある程度オウンドメディアが成長してきたら、アーンドメディアにも目を向けます。
ここでは、SNSシェアでのプレゼントなど、リピーターに対して口コミを促す施策をとります。
ブログサイトでユーザーからのコメントに返信したり、自社のSNSアカウントでユーザーとのやり取りを丁寧に行ったりといった動きも欠かせません。

こうしたアーンドメディアでの露出は、リピーターのファン化、新規ユーザーの集客、ブランドイメージの強化に繋がります。
さらに、口コミやユーザーの声をもとに、より優れたコンテンツを企画することもできます。

このように、ペイドメディアを使ってオウンドメディアを育て、アーンドメディアで加速させることができれば、広告を使わずに新規顧客が集まり、優れたコンテンツをどんどん展開していけるといういいサイクルが出来上がります。

トリプルメディアという考え方は2010年ごろに登場しました。そのため、「もう古い」「現在では通用しない」という意見も見られます。

確かに、2010年と現在では、ユーザーの行動は大きく異なります。当時Instagramは登場したばかりでしたし、「ユーチューバー」や「インスタグラマー」など、最近のマーケティング戦略で注目を集めるインフルエンサーもほとんど存在しませんでした。
現在では80%を超えるスマートフォンの普及率も、2010年は10%未満でした。

とはいえ、「ユーザー行動が多様化しており、一つのメディア戦略では効果が出なくなってきている」という背景は変わりません。
むしろ行動の多様化、メディアの増加が加速している現在ほど、トリプルメディアの考え方は重要になっています。

トリプルメディアとマーケティングオートメーション

インバウンドマーケティングの成功に、トリプルメディアでの戦略が重要になってくることは理解してもらえたと思います。

では次に、トリプルメディアを活用するうえで、マーケティングオートメーションがどのように活躍するのかを見ていきましょう。

MAツールはあらゆるメディアを一つのプラットフォームで管理する

HubSpotをはじめとするMAツールは、ブログ、オフィシャルサイト、メールマガジン、SNSなど、あらゆるメディアを一つのプラットフォームで管理することができます。
メディアの枠を超えたユーザー行動を把握・評価するためには、MAツールの導入が欠かせません。

通常、メルマガ登録者とSNSのフォロワー、LINE@の友達は、それぞれ別のプラットフォームで管理していると思います。
そのため、メルマガ登録者がSNSでフォローしてくれていたり、最近メルマガが届かなくなったユーザーが実はLINE@に友達登録してくれていたりといったことがわかりません。

しかし、MAツールのコンタクト管理ではこうしたメディアをまたいだ顧客を連結して管理することができます。

コンタクト管理の機能については、前回の記事をご覧ください。
MAツールによって、連結できるメディアが異なりますが、多くの場合はAPIを発行しているので、少しの開発コストで連結させることができます。

MAと各メディアの連携により、例えば次のようなことが可能になります。

  • 自社のTwitterアカウントで頻繁にいいねしてくれるユーザーが、ブログサイトを訪問した際に「リツイートでプレゼント」のバナーを表示
  • LINE@登録者、メルマガ登録者には同じ内容を送り、LINE@とメルマガ両方を登録しているユーザーには異なる内容を送る
  • 自社のURLをTwitterで投稿したユーザーがサイトを訪問した際にキャンペーンバナーを表示
  • LINE@登録者には10点、メルマガ登録者には10点とし、両方登録してくれている場合は20点ではなく30点の点数を与える

このように、メディアをまたいだマーケティングキャンペーンを展開できることが、MAツールの強みです。

また、運用コストが下がることも重要なポイントです。
複数のメディアをそれぞれ別に管理することは簡単ではありません。そのため、企業がSNSアカウントの活用を始めたとき、運用に想像以上の手間がかかってしまい、ほとんど更新できていないという例が少なくありません。

しかし、メディアを連結して管理できるMAツールでは、一つの管理画面からブログを更新し、Twitterに投稿し、といったことが可能です。
ワークフローの活用により、「ブログ更新時にTwitterとLINE@、メールマガジンに通知を出す」といった定型的な業務を自動化することもできます。

MAツールとLINE@を連携させる

一昔前、オウンドメディアのプロモーションといえば、ブログとメルマガでした。しかしご存知の通り、メルマガの到達率は年々下がり、マーケティング上の影響力を失っています。

そこでぜひとも活用したいメディアが「LINE@」です。
以前、「LINE@のビジネス活用法」という記事で、LINE@の基本的な機能と始め方についてご紹介しました。

LINE@は、BtoCはもちろんBtoBでも影響力を高めています。

しかし、LINE@の活用はまだまだ手探りで、試験的な導入にとどまっている企業がほとんどというのが現状です。
MAツールとLINE@を連携させると、「1週間以内に商品詳細ページを3回見た」、「購入には至っていないけど、お気に入り登録までは行った」といったウェブ上での行動をもとに情報配信することができます。
LINE@のアンケート機能とMAツールのスマートコンテンツの機能を掛け合わせることで、「Aが好きと答えたユーザーにはコンテンツA’を表示」「Bが好きと答えたユーザーにはコンテンツB’を表示」のような活用方法も可能です。

LINE@は今後のマーケティング戦略に欠かせないメディアです。
その活用方法に迷ったら、より効果的に活用したければ、ぜひMAツールと連携させましょう。

インバウンドマーケティングについて、HubSpotについて、もっと知りたいことや質問がありましたら、ぜひLINE@に友達登録してみてください。

【第3回】優れた戦略に必要な「3つのメディア」

今回は、全9回にわたってお届けする「MAインバウンドマーケティング」第3回として、インバウンドマーケティングの成功に欠かせない「3つのメディア」をテーマにご紹介しました。

繰り返し伝えているように、ユーザーの行動・ニーズは多様化し続けています。圧倒的な戦略を持っていても、それが一つのメディアでしか使えないのであれば、大きな成果は期待できないでしょう。
「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つの役割を認識し、効果的に活用していきましょう。

また、それぞれのメディアを効果的に活用するために、いかにMAツールが重要かもご紹介しました。

次回のテーマは「ペルソナとカスタマージャーニー」です。

ペルソナ、カスタマージャーニーとは?
どんなふうに使えば効果的なのか?
MA、インバウンドマーケティングにどう活かすのか?

マーケティングにかかわっているなら頻繁に耳にする2つのキーワードも、インバウンドマーケティングの成功に欠かせない要素の一つです。

 

【第1回】インバウンドマーケティングとMA
【第2回】MAツール「HubSpot」でできること
【第3回】優れた戦略に必要な「3つのメディア」
【第4回】ペルソナとカスタマージャーニー(1)
【第5回】ペルソナとカスタマージャーニー(2)
【第6回】リードナーチャリングとリードクオリフィケーション
【第7回】MA導入の懸念点と注意事項
【第8回】HubSpotを活用してLINEでクロージングする方法
【第9回】HubSpotを用いたインバウンドマーケティング10週間計画