BtoB向けマーケティングオートメーションツール比較【価格・機能で選出した8つを紹介】

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BtoB向けマーケティングオートメーションツール比較【価格・機能で選出した8つを紹介】

MA(マーケティングオートメーション)元年といわれた2014年から数年がたち、MAを導入する企業も年々増えています。
以前は海外からのツールが主流でしたが、日本の製品も少しずつ増え始め、様々な特徴を持ったMAツールが登場しています。
選択肢が増えた分、どのツールにすべきか選ぶのが難しくなっていると思います。MAツールはマーケティング戦略に大きく影響しますが、機能が豊富な分、自社に適切なツールを導入しないと効果も半減するでしょう。

同じMAといっても、ツールによって特徴が異なるため、実現したいマーケティング施策や運用体制などを考慮し、自社にあうツールを選びたいものです。

そこで本記事では、代表的なMAツールのなかから特にBtoBに向いているものを8つご紹介します。

HubSpot -インバウンドマーケティングを提唱した元祖MAツール

インバウンドマーケティングを提唱したHubSpot社が提供する元祖MAツール

インバウンドマーケティングを提唱したHubSpot社が提供する元祖MAツール

画像:HubSpot

「インバウンドマーケティング」を提唱した米国HubSpot社が提供するツールで、世界100か国以上で48,000社が導入しています。弊社でも導入を進めており、HubSpotの連載記事でご紹介しています。
HubSpotには複数のツールがあり、そのなかの一つであるMarketing Hub ProfessionalがMAにあたります。そのほかのツールとして、顧客管理のHubSpot CRM、営業支援ツールのSales Hub Professional、カスタマーサービス向けのService Hub、すべてを統合したProfessional Growth Suite があります。各ツールは単体で使うことも連携して使うことも可能です。

HubSpotの特徴はまず、MAを含めた各ツールにおいて無料プランが用意されており、CRMにおいては完全に無料という点です。有料プランも月額6,000円からスタートと始めやすい価格設定となっているため、まずは基本的な機能から使い始め、使い慣れたら上位のプランに変更するといったことも可能です。

また、メール配信やランディングページ、シナリオにそったワークフローなどの機能のほか、広告管理、SEOとコンテンツ戦略、ブログとコンテンツ作成ツールといった集客やインバウンドマーケティングを実現する機能が揃っている点も特徴です。まずはMAを始めて徐々に施策をレベルアップしていきたい、コンテンツやインバウンドマーケティングに力を入れたいという企業に特におすすめです。

  • 費用例:(Starterの場合)
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:6,000円~
  • コンタクト数:1,000件
  • メール配信数:契約コンタクト数の5倍
  • 無料トライアル(Free)あり

Marketo -高度なセグメントと自由なフローが特徴

Marketoは精度の高いセグメント、自由にカスタマイズできる自動化フローが強み

Marketoは精度の高いセグメント、自由にカスタマイズできる自動化フローが強み

画像:Marketo

Marketoはもともと米国マルケト社によるMAツールでしたが、アドビシステムズ社の統合によりAdobe 製品となりました。現在は、Adobe Marketing Cloud製品の一つであり、B2Bマーケティングのツールとして位置づけられています。

Marketoはこれまで世界39か国6000社以上の企業に導入されており、早くから日本に登場したMAツールの一つです。メール配信、ランディングページ、Webトラッキングなどの機能のほか、高度なセグメントやスコアリング、ナーチャリング機能を備えている点が特徴です。
セグメントは属性や行動だけでなく、時間や頻度も条件として指定できます。また、ナーチャリング機能では、条件によりフローを変えるなど複雑なシナリオも実現可能です。
CRMやSFAの機能はなく、SalesforceまたはMicrosoft CRMとの外部連携になります。Marketoにはほかに、ABM(アカウントベースドマーケティング)や動的にページを表示するプレディクティブコンテンツなどのツールもあり、将来的にABMも視野に入れている場合や、One to Oneマーケティング機能を重視する企業におすすめです。

Oracle Marketing Cloud(Eloqua) -独自のスコアリングとセグメントフィルタを活用

Eloquaでは40種類以上のセグメントフィルタ条件、属性情報と行動情報による16段階のグループで評価できる

Eloquaでは40種類以上のセグメントフィルタ条件、属性情報と行動情報による16段階のグループで評価できる

画像:Oracle Marketing Cloud

Oracle Marketing Cloudは米国オラクル社が提供するマーケティングの製品群であり、そのうちMAにあたるのがEloquaです。
メール配信、ランディングページ、Webトラッキング、キャンペーン管理などの機能のほか、詳細なセグメントやスコアリングの機能を備えている点が特徴です。
セグメントは40種類以上のフィルタ条件が用意されており、組み合わせにより幾通りものパターンの作成が可能です。
スコアリングはプロファイル(属性情報)とエンゲージメント(行動情報)という2軸により16段階のグループで評価されます。
CRM(顧客管理)やSFA(営業支援)の機能はなく、外部連携となります。

Marketing Cloud製品の一つでDMP(データマネージメントプラットフォーム)のBlueKaiとの連携も可能です。セグメントやスコアリングを細分化したい場合や、すでに同社の製品を導入している企業には特におすすめです。

Pardot -セールスフォースと連携し営業戦略を強化

Pardot はSFA大手のセールスフォースと連携し、営業戦略を強化することができる

Pardot はSFA大手のセールスフォースと連携し、営業戦略を強化することができる

画像:Pardot

Pardotは、米国セールスフォース・ドットコム社が提供するMAツールです。メール配信、ランディングページ、キャンペーン管理、スコアリングなどの機能のほか、複雑な育成シナリオも視覚的に設定が可能です。

Pardotでは、見込客の動きを営業に通知したり、担当者を割り当てたりなど、営業との連携に役立つ機能が強化されている点や、CRMの代表的なツールであるSalesforceとの連携がスムーズな点が特徴です。Pardotの顧客情報をSFAの商談情報に紐づけることで、マーケティング施策の受注貢献まで可視化できます。

また、Salesforceには、CRM以外にもカスタマーサービス向けのシステムやWeb接客ツールなどさまざまな製品があります。名刺管理やアンケートシステムなどSalesforce上で使えるアプリケーションも多くあるため、後から機能の追加や強化も可能です。
すでにSalesforceを導入しておりマーケティングのROIを強化したいという企業や、システムの拡張性を重視する企業に特におすすめです。

  • 費用:(Growthの場合)
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:150,000 円~
  • コンタクト数:1万件

SATORI -広告配信にも特化した国産MAツール

SATORIは国産の代表的なMAツールで、広告配信なども管理できる

SATORIは国産の代表的なMAツールで、広告配信なども管理できる

画像:SATORI

SATORIは国産のMAツールであり、国内で400社以上に導入されています。メール配信、ランディングページ、スコアリングといった機能のほか、集客や広告配信に関する機能が豊富です。

SATORIの特徴は、実名顧客だけでなくメールアドレスを取得できていない匿名の見込客に対してもアプローチが可能な点です。匿名の見込客データを管理・蓄積し、条件をもとにコンテンツやフォームの出しわけをすることができます。

集客機能では、自社のサイトにアクセスしていない見込客に対するプッシュ通知や、自社サイトを閲覧している見込客へのポップアップ機能、IPアドレスから企業名を取得する機能が備わっています。広告配信では、顧客情報をもとにした広告の表示や、広告ツールと連携したリターゲティンが可能です。CRMやSFAの機能はなく、外部連携となります。Webからの集客や匿名見込客の育成を重視したい企業に特におすすめです。

  • 費用:
    初期費用:100,000 円
    月額費用:100,000 円
  • カスタマー数: 10万件まで(匿名UU数+実名の合計)
  • メール配信通数:10万通まで
  • Webプッシュ通知 Subscriber数:1万件まで
  • Webプッシュ通知 配信数:1万通まで
  • 無料トライアルあり
    独自ドメインは別途有償

SHANON MARKETING PLATFORM -オフライン施策も併せて最適化するMAツール

SHANON MARKETING PLATFORMはオフライン施策も管理できるMAツール

SHANON MARKETING PLATFORMはオフライン施策も管理できるMAツール

画像:SHANON

SHANON MARKETING PLATFORMは、株式会社シャノンによる国産のMAツールで、国内で900社以上が導入しています。
SHANONはもともとイベントなどのオフライン施策を管理するツールとしてスタートしたことから、イベントや展示会に関連する機能が揃っている点が特徴です。

メール配信、ランディングページ、スコアリング、顧客管理などの機能のほか、イベント申込者の定員管理やリアルタイム来場認証、決済連携など、イベントやセミナーの実施において役立つ機能が備わっています。
そのほか、オンラインとオフラインの施策を管理するマルチチャネルキャンペーン管理や、顧客情報と紐づけて広告を配信する広告連携機能、ソーシャルメディア連携などの機能もあります。CRMやSFAの機能はありませんが、Salesforceと連携が可能です。

同社はイベントの企画や運営も支援しており、育成施策として大型のイベントや有料セミナーなどを頻繁に行う企業には特におすすめのツールです。

MAJIN -総合的な国産MAツール

MAJINは国産MAツールでも豊富な機能を持った総合的なMAツール

MAJINは国産MAツールでも豊富な機能を持った総合的なMAツール

画像:MAJIN

MAJINは株式会社ジーニーによる国産のMAツールです。メール配信、ランディングページ、スコアリングなどの機能ほか、販売促進機能や集客機能を備えている点が特徴です。

LINE連携、Webやアプリ上でのプッシュ通知、Webのポップアップ通知の機能があります。また、DMPやリターゲティング広告、提携メディアへの訪問履歴のデータ取得、LTV/ROAS(ライフタイムバリューや広告費用回収率)機能、アトリビューション分析、リスティングの自動化など、広告に関する機能が豊富です。
見込客のニーズが高まったタイミングを営業に知らせるアラート通知やIPアドレスから訪問した企業を特定する機能など、法人営業で役立つ機能も備わっています。CRMやSFA機能はなく、外部連携となります。

広告を中心としたWeb集客やモバイルマーケティング機能を重視しており、MAも含めて1つのツールで行いたいという企業に特におすすめです。

  • 費用:
  • 初期費用:100,000円
  • 月額費用:100,000円
  • カスタマー数:1万件まで
  • ユニークブラウザ数:10万件まで
  • 無料トライアルあり

b→dash -あらゆるデータが一つのプラットフォームで統合

b-dashはあらゆるデータを1つのプラットフォームで統合し、事業戦略の多くを最適化できる

b-dashはあらゆるデータを1つのプラットフォームで統合し、事業戦略の多くを最適化できる

画像:b-dash

b-dashは株式会社フロムスクラッチが提供している国産のMAツールです。「いつでも・ひとつで・誰でも」というキャッチフレーズのとおり、あらゆる機能とデータが一つに集約されている点が特徴です。メール配信、ランディングページといった機能のほか、広告配信やプッシュ通知などの集客機能、BIツールなどのダッシュボード機能も備えています。

※BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)…企業に蓄積されたデータを収集・分析し、意思決定や経営管理を行うツールの総称。営業支援を行うSFA、売上を管理するERP、顧客管理を行うCRMなど様々な種類がある

集客機能では、PCやモバイル上でのWeb接客、LINE連携、SMS配信、アプリからのプッシュ通知、レコメンド機能など一通りの機能が揃っています。
BIはRFM、ROAS、LTVなどさまざまな分析が可能です。顧客情報やWebの行動履歴だけでなく、商品情報や広告の出稿データなどもツール上に統合されており、顧客情報にもとづいた広告配信が可能です。
SFAやCRMの機能はなく、外部連携になります。集客や広告機能を重視したい、MA以外の機能も含めて一つのツールで実施したい企業に特におすすめです。

まとめ

今回は、BtoB向けMAツールを8つ紹介しました。
一言でMAツールといっても、ツールによりいろいろな点で特徴が異なります。価格や機能も重要な要素ですが、どこまでカスタマイズできるのか、自社が今使っているツールからの移行や連携は可能かなど、自社のシステム環境や導入目的とあわせて検討する必要があります。

以前、「マーケティングプラットフォームを導入しよう」という記事で紹介したように、ビジネス活動を効率的に行い、成果を最大化させるプラットフォームには、様々な種類があります。以前はマーケティング施策や顧客管理、営業戦略を個人スキルやExcelなどで管理できましたが、データ量が膨大で、考慮することが多すぎる現在は、こうしたプラットフォームの活用なしに最適化は難しいでしょう。

多くのMAツールは、無料で手に入る資料が用意されています。気になったものがあれば、まずは資料請求を行ってみてはいかがでしょうか。