WEB広告の最大の特徴は、広告に対するレスポンスを計測できることです。

テレビCMや新聞広告の場合、視聴率や発行部数からある程度のリーチ数を推測できますが、実際にどれだけの人に広告が届いたかを判断することは困難です。また、広告施策経由の効果を正確に測ることも難しく、根拠に基づいたPDCAサイクルを回しづらい傾向にあります。

しかし、WEB広告では、ユーザーのWEB上での行動を比較的正確に計測できるため、「いったい何人に見られたのか」「広告経由の成果はどれだけあったのか」「一人獲得するためにいくらかかったのか」などを知ることができます。

的確なデータ(指標)を用いることで、PDCAサイクルを回し、広告効果の改善を目指せます。

そこで、今回はWEBマーケティングで欠かせない「広告評価指標」をご紹介します。

インプレッション(Impression)

広告の表示回数をインプレッションといいます。WEB広告の課金携帯は、大きく「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」、「エンゲージメント課金(CPE)」の3つに分けられます。このうち、インプレッション課金(CPM)は広告の表示回数に基づく課金形態です。また、すべてのWEB広告は常にインプレッションを起点とするため、非常に重要な評価指標です。

インプレッションシェア

インプレッションシェアは、広告が表示される可能性があるときに、実際に表示された割合です。WEB広告は、入札単価、品質など様々な要素を考慮して表示されます。競合に対し入札単価が低かったり、サイトの質が低かったりするとインプレッションシェアも低くなります。

買い取った枠に常に掲載される純広告などを除き、ほとんどのWEB広告において、機会損失を測る重要な指標です。

リーチ

交通広告などのオフライン広告では、広告の到達率を意味します。WEB広告では、一般的に広告が到達した人数をリーチといいます。インプレッションが回数であるのに対し、リーチは人数です。

より多くの人に広告を届けたいのか、何度も繰り返しアプローチしたいのか、目的によってリーチとインプレッションの関係から評価します。

コンバージョン(CV)

WEBサイトにおける成果をコンバージョンといいます。コンバージョンの内容はWEBサイトの目的によって異なり、問い合わせ、電話、特定のアクションなどがあります。WEBサイト上で成果が計測できない実店舗などでも、位置情報などを用いて「来店コンバージョン」を設定することがあります。

コンバージョンは、Webマーケティングの直接的な成果を測る重要指標です。

アシストコンバージョン

アシストコンバージョンとは、コンバージョンには至らなかったものの、コンバージョンのきっかけ、影響を与えた訪問を意味します。広告や自然検索、SNSなど複数のメディアから複数回訪問し、最終的にコンバージョンに至った場合、コンバージョンに至った訪問だけを評価することは適切ではありません。

ユーザー行動、チャネル(媒体・経路)が多様化してきたことにより、より重要になってきた指標です。アシストコンバージョンはGoogleアドワーズ(Google広告)などの広告ツール、Googleアナリティクスで確認することができます。

アトリビューション

アトリビューションとは、コンバージョンへの貢献度を測る指標です。リスティング広告で獲得した新規ユーザーが直接コンバージョンに至った場合、そのコンバージョンに対するリスティング広告の貢献度は100%といえます。しかし、バナー広告で獲得した新規ユーザーがYouTube広告を経てリスティング広告でコンバージョンした場合、バナー広告の貢献度は33%と考えられます。

アトリビューションには、起点モデルや線形モデルなど、様々な分析手法があります。

フリークエンシー

フリークエンシーとは、ユーザーが一定期間内に広告に接触した回数のことです。1か月間の広告施策の目的が10,000人に30,000回広告を届けることだった場合、フリークエンシーは3になります。

ユーザーにブランドを記憶させるために必要な最小限のフリークエンシーを「最低有効フリークエンシー」と呼び、露出過多によるマイナスイメージを生じない最大限のフリークエンシーを「最高有効フリークエンシー」と呼ぶことがあります。ブランディングを目的とした場合は、特に欠かせない指標です。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、ユーザーが積極的に行うポジティブな行動を指します。ブランド・商品とユーザーの親密さや繋がりを測る指標の一つで、SNSの普及ともに注目を集めています。

具体的にはTwitterでの「リツイート」「いいね」、facebookでの「シェア」、YouTubeでの「高評価」などがエンゲージメント指標になります。Twitter広告は、エンゲージメントに対して費用がかかるエンゲージメント課金の広告手法(CPE広告)です。

CPM(Cost Per Mille)

CPMとは、1,000回表示当たりの広告費を指し、「インプレッション課金」とも言います。CPM課金の広告手法では、クリックやそのほかのアクションにかかわらず、表示回数に応じて費用がかかります。純広告やアドネットワーク、SNS広告等、様々な広告手法で導入されている課金形態です。

vCPM(viewable Cost Per Mille)

「実際にユーザーが閲覧できる状態にあった広告インプレッションに対する広告費」をvCPM(視認範囲のインプレッション単価)といいます。CPM(インプレッション課金)では、バナーの表示位置までスクロールされなかったり、ページのロード中に離脱したりした場合にもインプレッションとして計測される課題があります。

Googleでは視認範囲のインプレッション単価制という入札方法を用意しています。視聴範囲は「広告の面積の50%以上が、ディスプレイ広告では 1 秒以上、動画広告では 2 秒以上画面に表示された場合」と明確に定義しています。

確実に見られた場合にのみ費用を払いたいという広告主のニーズが強く、Twitter広告でも一部採用されている課金形態です。

eCPM(effective Cost Per Mille)

WEB広告には様々な課金形態があり、実際の費用対効果が見えづらくなることがあります。そこで、eCPMという指標があります。eはeffective(実際の)を表し、課金形態にかかわらずインプレッションに対するコストを知るための指標です。

例えば、CPCが50円でCTRが1%の場合、eCPMは500円となります。複数の課金形態の広告手法を検討する際は、eCPMなどを活用し、同じ指標で見ると比較しやすくなります。

CPC(Cost Per Click)

CPCは1クリック当たりの広告費を指し、クリック単価と呼ばれます。クリック単価に基づく課金を行う広告手法をCPC広告といい、リスティング広告をはじめ、様々な広告で使用されています。クリックというアクションに対して課金されるため、直接的なコンバージョンを狙う場合に高い費用対効果が期待できます。

CTR(Click Through Rate)

CTR(クリック率)は、広告がクリックされる割合を表します。クリック数÷インプレッション数で算出されます。広告文やバナーデザインの良し悪しを判断するため、広告の運用改善においては欠かせない指標です。

CVR(Conversion Rate)

CVR(コンバージョン率)は、サイトに訪問したユーザーがコンバージョンする割合です。コンバージョン数÷流入数(広告効果にフォーカスする場合は広告のクリック数)で算出されます。広告の効果評価はもちろん、WEBサイトの評価にも利用できる重要な指標です。

CPA(Cost Per Acquisition)

CPAは、コンバージョン一件当たりの広告費用です。WEB上のコンバージョンが直接受注につながる場合は「獲得単価」や「成約単価」ということもあります。CPAは費用対効果に直結するため、WEB広告の目標設定から、効果の評価まで、不可欠な指標です。

CPV(Cost Per View)

CPV(視聴単価)は、広告動画の視聴一回当たりの単価です。動画広告でのCPV は、リスティング広告やディスプレイ広告におけるCPC(クリック単価)やCPM(インプレッション単価)にあたります。視聴の定義はメディアによって変わりますが、YouTube広告の基本的なキャンペーンでは「30秒以上もしくは動画の最後まで閲覧」と定義されています。

CPCV(Cost Per Completed View)

CPCV(完全視聴単価)は、広告動画を最後まで(完全に)視聴された場合に課金される形式です。YouTube広告には「スキップ不可のインストリーム広告」という形式があり、CPCVによる課金形態がとられています。

CPE(Cost Per Engagement)

CPE(エンゲージメント単価)は、1件のエンゲージメント(広告に対するユーザーのポジティブな反応)獲得に対する広告費を意味します。エンゲージメントによって課金される広告手法をCPE広告といい、主にSNS広告で用いられています。エンゲージメントの定義はメディアや手法により様々で、Twitter広告ではリツイート、クリック、返信、お気に入り登録などをエンゲージメントとしています。

CPI(Cost Per Install)

CPI(インストール単価)は、アプリなどのインストールに対する広告費です。アプリ市場の拡大とともに、CPI広告(インストール課金型広告)の種類は非常に多くなりました。インストール完了して初めて課金されるため、アプリのマーケティングにおいては高い費用対効果が期待できる広告手法です。

CPF(Cost Per Friend/Fan/Follow)

CPF(Friend:友達登録課金)は、LINE Ads PlatformではLINEの友達追加1件当たりの広告費を意味します。Facebook広告の場合はFan(フェイスブックページの「いいね」)獲得当たり、Twitter広告の場合はフォロー1件獲得当たりの広告費です。

いずれにおいても、ユーザーとの長期的な関係構築が期待できるため、マーケティング戦略上重要な指標です。

CPO(Cost Per Order)

CPO(新規顧客の獲得単価)は、新規ユーザーが初めて商品・サービスを購入するまでにかかった広告費です。通販業界では、1回目の購入が非常に重要になるため、広告効果をCPOで評価することが多くあります。

CPR(Cost Per Response)

CPR(レスポンス単価)は、顧客からレスポンス(問い合わせや資料請求等)に対する広告費です。BtoBや健康食品のように検討段階が長い場合は、購入や申し込みなどのコンバージョンと区別し、CPRによる評価を行います。

ROAS(Return On Advertising Spend)

ROASは、投資した広告費に対してどれだけの売り上げが発生したかを測る指標で、売上×広告費×100で算出されます。ROASが表す数値は「広告費をいくらかければ、どれだけの売り上げがでるか」を意味します。ROASが200%の場合、100万円の広告費に対し、200万円の売り上げが期待できるということです。

ROI(Return On Investment)

ROASが売上ベースであるのに対し、ROI(投資収益率)は利益ベースで算出します。利益×広告費×100で算出され、広告投資に対して何%の利益が得られたかを表します。ROASがプラスでもROIがマイナスになるケースはよくあります。事業計画のフェーズにより重視すべき指標が変わってくるため、両方の意味を理解しておく必要があります。

まとめ

WEB広告の評価には様々な指標が用いられますが、それぞれの定義があいまいで広告代理店や担当者によって使い方が異なることがあります。

例えば、「CPC」はクリック単価を意味しますが、「クリック単価によって課金される広告手法(CPC広告)」を指していることがあります。インプレッション課金など、他の広告手法においてもクリック単価を評価指標として使うことがあるため、どちらの意味で使っているかを確認する必要があります。

また、ROIは広告投資に対する利益の割合を示しますが、利益の考え方も様々です。広告代理店から提示されるROIは「売上-広告費=利益」として算出されることがありますが、広告主側では商品の原価も含めて計算するため、数字のずれが発生します。

WEB広告を評価するときには、適切な指標を求めることはもちろん、その指標の意味を関係者間で統一しておくことが大切です。