YouTube広告にかかる費用|4パターンの入札戦略と動画制作費の相場を紹介

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日本国内だけで6500万人、全世界で20億人もの月間アクティブユーザーを持つYouTubeは、今や企業にとって無視できない存在です。2021年にGoogle(Alphabet)が発表した決算によると、YouTube広告の売上は前年同期比83%増と、1年で2倍近くにまで急増しています。

需要が伸びているYouTube広告ですが「動画制作に費用がかかりそう」「テレビCMより安いとはいえ数百万円は必要になりそう」など、コストに対する懸念から、まだ取り組めていない企業も多いでしょう。

そこで、今回はYouTube広告の費用を徹底理解するために、4パターンの入札戦略と制作費について解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

YouTube広告出稿に必要な最低限のコストは…

YouTube広告を出稿するのに最低限必要なコストはどの程度でしょうか。テレビCMの場合、地方局でも数十万円、全国放送なら数百万円以上の費用がないと、そもそも出稿さえできません(15秒スポットCMの相場)。

一方、YouTube広告ならどうでしょうか。Google広告ヘルプをみると、1日1000円〜5000円という少額からのスタートを推奨しています。Google広告少額の勧め

引用:YouTube広告ヘルプ「入札単価と予算の設定

例えば、1日1000円なら、1ヶ月で3万円ほどの広告費になります。実際に出稿する際には予算を1円単位で設定できるので、非常に安価なコストから始められるでしょう。

YouTube広告は自社の目的に応じて、自由に予算を決められます。「とりあえず数万円でテレビCMを出してみよう」というのは難しいですが、「とりあえず数百円でYouTube広告を試してみたい」というのは可能です。

もちろん数百円で成果を得るのは現実的ではありませんし、広告費とは別に動画の制作費も必要になります。ですが、テレビCMや看板・雑誌広告などと異なり、YouTube広告では広告主が完全に予算をコントロールできる点は大きなメリットです。

これから、YouTube広告に初めてチャレンジするという方は、下記の記事で入門編の解説をしています。ぜひ、ご覧ください。

【YouTube広告】種類や仕組みを解説(初心者向け)

【YouTube動画広告の出稿手順】広告掲載の方法を徹底解説

初めてのYouTube広告~全53ページ

YouTube広告4パターンの入札戦略

ここからはYouTube広告の課金体系を見ていきましょう。広告主の目的に応じて、さまざまな入札戦略と、それにあわせた課金体系を選択できます。これらを理解した上で利用すれば、目的に合わせて効果的に予算を使えます。

Youtube広告4パターンの入札戦略

視聴重視

1つ目は「CPV(広告視聴単価制)」と呼ばれるもので、YouTube広告で最も基本的な課金体系です。

広告視聴単価制では、ユーザーが動画広告を30秒視聴(30秒未満の動画であれば最後まで視聴)するか、広告のリンククリックなど何らかの操作を行った際に課金されます。広告が表示され10秒ほど見られてスキップされても、課金されません。

クリック重視

クリック数を重視して広告を配信する場合、クリック重視の入札戦略である「クリック数の最大化」「個別クリック単価制」が活用できます。

「クリック数の最大化」はキャンペーン予算に合わせてクリック数が最大になるように自動調整するものです。また「個別クリック単価制」は、クリック単価を手動で調整するものです。どちらも「CPC(クリック課金制)」がベースになります。

クリックされなければ、広告が最後まで視聴されても広告費がかかりません。したがって、目的がWebサイトへのアクセス増の場合は、効果的な入札戦略です。

露出重視

広告のインプレッション数が重要であれば、露出重視の入札戦略が適しています。広告表示機会に対して実際に広告が表示される割合を指定する「目標インプレッションシェア」はクリック課金がベースになっていますが、露出を増やすために効果的です。

その他、クリックや視聴ではなく広告の表示に対して課金される「CPM(インプレッション単価制)」「tCPM(目標インプレッション単価制)」「vCPM(視認範囲のインプレッション単価制)」も露出重視の課金体系です。

これらは広告の表示回数や表示割合に対して入札するため、認知拡大などインプレッション数が重要な広告施策の場合に有効です。

「vCPM(視認範囲のインプレッション単価制)」では、ただ広告が表示されただけでなく「広告面積の 50% 以上が画面に表示され、かつディスプレイ広告では 1 秒以上の表示、動画広告では 2 秒以上の継続再生があった場合」に課金されます。

コンバージョン重視

4つ目の入札戦略はコンバージョンを重視したスマート自動入札です。クリック課金制ですが、コンバージョン単価が目標以内に収まるように自動調整される「CPA(目標コンバージョン単価)」の他、設定したコンバージョンの値をもとに最適化される「ROAS(目標広告費用対効果)」や「コンバージョン値の最大化」といった種類があります。

ある程度のコンバージョン数が獲得できないと自動最適化が働きにくくなります。そのため、予算が少なすぎるとうまく機能しないといったデメリットがありますが、コンバージョンを重視した広告施策では、効果的な入札戦略です。

Youtube広告の費用対効果を高めるポイント

ここまでご説明してきたように、Youtube広告では目的に合わせた入札戦略の選択が非常に重要です。広告に求める結果が「コンバージョンの獲得」なのに「露出重視」の入札戦略を選んでも十分な成果は得られません。広告の目的と入札戦略を練ることは必須です。

ここでは、さらにYoutube広告の費用対効果を高める4つのポイントについて解説していきます。

Youtube広告の費用対効果を高めるポイント

適切なターゲティング

Youtube広告では、Googleが蓄積しているユーザーデータを利用できます。年齢や性別、居住地、年収などを詳細に絞り込んでターゲティングしましょう。

広告の配信状況を参照しながら適宜見直すことで、費用対効果を高めていけます。

分かりやすい導線

ユーザーに取ってほしい行動を明確にし、その行動を促せるように導線を分かりやすくする必要があります。

動画広告視聴中に概要欄など、ユーザーが見つけやすい場所に誘導したいページのリンクや「〇〇で検索」という文言を記載するなどの工夫を考えましょう。

最初の5秒が勝負

Youtube広告はスキップされる割合が高いです。スキップされないためには、最初の5秒でユーザーの興味を引くような仕掛けが大切です。

動画の冒頭で分かりやすく明確なメッセージを表現すると共に、続きが見たいと思わせるような工夫を施しましょう。

リターゲティングの活用

Youtube広告では、動画視聴者やチャンネル登録者に対してリターゲティング広告を配信できます。興味関心の高いユーザーにリーチできるため、費用対効果を高められます。

下記の記事では、成功事例を基にYoutube広告運用のポイントを詳しく解説しています。ぜひ、こちらも併せてご覧ください。

YouTube広告の成功事例3選|動画広告のキホンから紹介

YouTube広告動画制作費の相場

続いて、YouTube広告動画制作費について確認しましょう。広告費よりも、動画制作の費用がネックでYouTube広告を始められていない企業も少なくないかもしれません。

結論から言うと、動画制作のコストはピンキリです。プロの映像制作会社に依頼し撮影・キャスティングなどを行えば数百万円かかる場合もあります。一方で、フリーランサーなどにアニメーション動画を外注した場合、数万円で済むケースもあるでしょう。

パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトでも、動きのある動画を作れますし、無料で簡単な動画を作成できるCanvaなどのサービスもあります。もちろんプロが作ったものには劣りますが、コストゼロで自作できます。

まずは、動画制作にいくら使えるのか、予算をしっかり考えましょう。動画制作に100万円使えるのか、5万円が限界なのかで検討する方法も全く変わってきます。

5万円しか使えない場合は、Lancersなどのクラウドソーシングサービスを使い、フリーランサーに依頼する方法を検討してください。撮影なしで、簡単なアニメーションか素材動画をもとにした編集のみであれば、時間単価2000円以下で作成してくれるフリーランサーが数多くいます。こちらの要望を伝えれば、5万円以内で作れる範囲のものを提案してくれるでしょう。

数百万円かけて撮影・キャスティングをしたプロの映像じゃないと効果がないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。素材動画を切り貼り・加工しただけの動画でも、メッセージがしっかりしていて、的確に運用すれば成果を出せるのがYouTube広告です。

まとめ

今回はYouTube広告にかかる費用として、出稿するために必要な費用や入札戦略、課金体系に関する知識を紹介しました。また、費用対効果を高めるポイントや動画制作の相場について解説しました。

YouTube広告自体は1円からでも出稿できます。動画制作も無料の動画編集サービスを使えば、コストゼロで自作も可能です。また、クラウドソーシングなどを活用する場合は、数万円で制作できます。

冒頭で説明した通り、YouTubeは企業にとって無視できないほどの巨大なプロモーションメディアです。テレビのようにエンターテインメントやニュースを届けることもできれば、本や雑誌のように知識を届けることもできます。また、SNSとして個人的なつながりも作れます。

工夫次第で、どのような企業でもYoutubeの活用を成果につなげられるはずです。もしも、コストの問題でYouTube広告に取り組めていないなら、今回の内容を参考に取り組み始めてください。創意工夫を凝らせば、ほぼゼロコストで活動をスタートできます。

本記事をきっかけにYoutube広告にチャレンジしてみたいという方は、下記の資料もぜひ、参考にしてください。