リスティング広告の「不正クリック・無効クリック」の正体とは

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リスティング広告の「不正クリック・無効クリック」の正体とは

リスティング広告を運用しているなら無視はできないのが、「不正クリック・無効クリック」と呼ばれるもの。リスティング広告はクリックされたときに費用が発生する仕組みですから、こういった「不正クリック・無効クリック」で無駄な費用を使ってしまっているとしたら、なんとしても防ぎたいですよね。
今回は、そんな「不正クリック・無効クリック」とは何なのか、どのような原因で発生するのか、どういう対策をすれば防げるのかについて、一挙に解説していきます。

不正クリック・無効クリックとは

不正クリックの確認

無効なクリック-あるYahoo!広告では2,895件(全体の8.6%)もの無効クリックが発生していた。この数はYahoo!側で検出され返金されている金額だが、もし検知できていなかったら70万円もの費用が無駄になっていたことになる(平均クリック単価から算出)。

不正クリック・無効クリックとは、ユーザーが意図していない、ユーザーの興味・関心に反する広告クリックのことを指します。
よくある例で言えば、スマートフォンでインターネットを利用している際の誤タップがこれにあたります。ユーザーに広告をクリックする意図がなく、たまたま指が当たってクリックしてしまった場合、また、広告をダブルクリックした場合などに不正クリック・無効クリックとなります。

不正クリック・無効クリックの定義と確認方法

ユーザーが意図しないクリックが不正クリック・無効クリックとされると説明しましたが、実際のところ、ユーザーがそのクリックを意図しているかどうか、あるいは興味・関心をもってクリックしているかどうかなんて、どのように判断すればいいのでしょうか?
参考として、各媒体が定める不正クリック・無効クリックの定義を見てみましょう。

【Google広告の場合】
・広告主様の費用や、広告を掲載するサイト運営者様の収益を意図的に増やすために手動で行われるクリック
・自動クリックツールやロボットなどの不正なソフトウェアによるクリック
・ダブルクリック時の2番目のクリックなど、広告主様にとって価値のない余分なクリック
https://support.google.com/google-ads/answer/42995?hl=ja

【Yahoo!広告の場合】
・ユーザーの正常なサイト訪問や購買につながらないクリック
・ユーザーによる誤クリック
・悪意があると判断されるクリック
https://marketing.yahoo.co.jp/service/quality.html

どちらも抽象的で、具体的にどういうクリックが不正クリック・無効クリックとして扱われるのかはよくわからない説明になっています。実際のところ、不正クリック・無効クリックはある程度自動的に媒体のシステム側で検知・除去される仕組みになっていますが、何を不正とするかは明確ではありません。

媒体のシステムで実際に除去された不正クリック・無効クリックの数は、管理画面で確認することができ、Google広告なら管理画面の表示項目で「無効なクリック」を表示、Yahoo!広告ならレポート作成から「無効なクリック数」を選択することで確認が可能です。
また、不正クリック・無効クリックによって発生した費用は、無効なクリックによって発生した料金として自動的に返金されます。

不正クリック・無効クリックの原因

不正クリック・無効クリックの原因-誤タップ
不正クリック・無効クリックの原因としては、大きく2つが挙げられます。

1つ目が、競合他社や悪意ある業者によって引き起こされる、広告費用を増加させる意図でクリックをしている場合です。アドフラウドと呼ばれるbotによる自動クリックなど、不正にクリック数を増やすことで無駄な費用を生じさせようとする、自社メディアの広告収益を不正に稼ぐ業者は、確かに存在しているようです。

2つ目が、誤タップです。スマートフォンでインターネットを利用している際に意図せず指が触れて広告をクリックしてしまった場合や、ダブルクリックで広告を2回クリックしてしまった場合の2回目のクリックなどが該当します。通常、不正クリック・無効クリックの原因としてはこちらの方が多いでしょう。

要因が特に考えられないのに不自然にクリック数が増加した場合や、クリック数は増えているのにコンバージョン率が異常に低い場合などは、こういった不正クリック・無効クリックが発生していることを疑った方がいいかもしれません。

不正クリック・無効クリックを防ぐための対策

不正クリック・無効クリックを防いで無駄な費用の発生を抑えるためには、大きく2つの方法があります。媒体に報告して調査を依頼するか、不正クリック・無効クリックを検知してくれる専用のツールを使うかの2つです。

不正クリック・無効クリックを媒体に報告する

Google広告では、不正クリック・無効クリックと考えられる事象が発生している場合、媒体側に報告できます。報告すると不正クリック・無効クリックが発生しているかどうか、発生している場合、原因は何なのかなどを調査してもらうことが可能です。
実際に不正クリック・無効クリックが発生していて、かつそれによる無駄な費用が認められた場合は、無効と判断された分の広告費の返金を受けることもできます。不正クリック・無効クリックによってパフォーマンスが低下していると思われる場合は、まずはGoogleに報告して調査の依頼をしてみるのがよいでしょう。

専用の不正クリック・無効クリック検知ツールを使う

Yahoo!広告には不正クリックを検知する仕組みはありますが、こちらから報告する方法はありません。Yahoo!広告等Google広告以外の媒体の場合は、サードパーティ製のツールを使うのがおすすめです。代表的なツールとしては、「X-log」という、不正クリック・無効クリックを検知して遮断してくれるものが挙げられます。

不正クリック対策ツール「X-log」

不正クリック対策ツール「X-log」はGoogleやYahoo!が検知できなかった不正もより厳密に検知できる可能性がある

Google広告やYahoo!広告などの広告媒体は、通常ブラウザに保存されているCookieを利用して、ユーザーの識別を行います。これによって、短時間で同一ユーザーからの複数のクリックがあった場合にはそれらを不正クリック・無効クリックとして判断し、その分の費用を無効化するなどの措置を行います。
しかし、これだけでは、複数のブラウザや端末を利用した不正クリックが防ぎきれないほか、誤タップも検知しきれないなど、どうしても限界があります。
そこで、X-logは、Cookie以外にも8項目の基準を設けることで、Cookieだけでは識別しきれない、別のブラウザや端末からのアクセスを同一ユーザーとして判断することを可能にしています。
これによって、同一ユーザーからの複数クリックがあった場合は警告メッセージを表示してくれたり、自動または手動でそのユーザーからのクリックを遮断したりすることができるのです。
加えて、こういった不正クリック・無効クリックを検知した場合に、その分の広告費用を媒体に請求するための資料を出力するなど、無駄な費用を徹底的に削るための機能が多数用意されています。
これによって、無駄な費用を取り戻せたり、不正クリックの遮断によってCPAを下げられたりと、様々な企業がX-logを活用して広告費を抑えることに成功しています。
不正クリックが発生していると疑われる場合は、X-logのようなツールの導入も検討してみるといいかもしれません。

リスティング広告の「不正クリック・無効クリック」の正体まとめ

今回は、リスティング広告で発生する、不正クリック・無効クリックと呼ばれるクリックについて、その意味や原因、対策を解説してきました。
不正クリック・無効クリックによって発生している広告費は、すべての広告費の10%~30%にも上るなんて言われるほど、意外とたくさん発生しているものです。なんだか急にクリック数だけが増えている気がする……というときは、今回解説したような不正クリック・無効クリックの可能性を疑ってもいいかもしれません。
不正クリック・無効クリックとして判断されたクリックの数は、媒体の管理画面でも確認できますので、一度確認してみることをオススメします。
もし、不正クリック・無効クリックの数があまりに多いようであれば、媒体への報告や、サードパーティ製ツールの導入によって対策を立てていきましょう。