Webマーケティング

アドワーズが18年の歴史を経て「Google広告」へ|キーノートスピーチの発表まとめPart1

2018年6月27日、おそらくWEB広告に関わる全員が注目したニュースがありました。

新しい効果的な Google 広告ソリューションを − Google AdWords は Google 広告として生まれ変わります。

発表されたのは「Google広告」、「Googleマーケティングプラットフォーム」、「Googleアドマネージャー」の3つの新ブランドです。中でも注目が高かったのはGoogleアドワーズが「Google広告」というブランド名に変わるということでしょう。

現在 Google が提供する広告関連サービスは、Google 検索はもちろん、Google の各種サービス、パートナーのサイト、アプリなども対象とした、非常に幅広いものです。 <中略> 生活の中のさまざまな瞬間を捉えて、何十億人ものユーザーとつながることができます。この広範なサービスを象徴する新たなブランド名になったのが「Google 広告」です。

Googleは18年も前にAdWords のサービスを開始し、世界で最も利用される広告プラットフォームです。リスティング広告、ディスプレイ広告、YouTubeを中心とした動画広告など広告関連プロダクトは非常に多岐にわたります。AdWordsが現代の広告ビジネスの基礎を築いたといっても過言ではないでしょう。

この日は、「“Google広告“という名称に変わる」というだけの発表でしたが、7月10日に行われた「Google Marketing Live」というイベントで、Google広告の新機能が発表されました。

そこで今回は、Google広告をはじめ、「Google Marketing Live」のキーノートスピーチで発表された様々な新機能、アップデートをご紹介したいと思います。

Part1では主にブランド名に関する発表を、Part2ではYouTube、Part3では機械学習に関する発表をご紹介します。

キーノートスピーチの発表まとめPart2
キーノートスピーチの発表まとめPart3

新ブランド「Google広告」

2000年10月に米国でリリースされたGoogleアドワーズ(AdWords)は、現代のWEB広告の基礎を築いたサービスです。アドワーズは、検索連動型広告(リスティング)ではもちろん、ディスプレイ広告においても、掲載するサイト内の文章を解析し、キーワードによるターゲティングが可能でした。

そのため、広告(Ad)とキーワード(Words)を合わせたアドワーズというサービス名は、提供する価値を的確に表したものでした。

しかし、現在ではオーディエンス(ユーザー)の興味関心や行動に関する情報を用いたターゲティングが充実しています。リスティング広告においても、出稿キーワードは設定の一部でしかなく、エリアや年齢層、興味関心などを掛け合わせて運用することが一般的です。

YouTubeの動画広告では、興味関心の高い「動画」を指定することが中心で、「キーワード」を指定することはあまりありません。

もちろん、今でもユーザーが検索するキーワードやウェブサイトの中にある文章は非常に重要です。しかし、キーワード以外の部分でユーザー行動やニーズを推測できる要素が大きくなっていることは間違いありません。

Googleが広告サービスからWordsという言葉を省き、Google広告(Google Ads)とした背景には、こうしたニーズ、ウェブ利用の変化があります。

Google広告という名前には、キーワードだけではなく、様々な情報をもとにターゲティングを行い、ユーザーと広告のより良い関係を目指すというGoogleの意思が感じられます。

「Google Marketing Platform」の登場

Googleには、「DoubleClick」と「Google Analytics 360 Suite」という2つのサービスがあります。これまで別々のサービスとして提供されてきましたが、「Google Marketing Platform」という1つのサービスに統合されます。

「DoubleClick」は、Googleが提供する”デジタルマーケティング支援するためのテクノロジー”の総称で、DSPやアドネットワーク、広告の入札管理ツール、ウェブサイトのクリエイティブ作成支援ツールなどがあります。今回統合されるのは、DoubleClickの中でも広告主向け製品です。

具体的には以下のサービスがGoogle Marketing Platformに統合されます。

  • DoubleClick Bid Manager (GoogleのDSP)
  • DoubleClick Campaign Manager(広告管理、レポーティング)
  • DoubleClick Studio(リッチメディアクリエイティブの作成ツール)
  • Google Audience Center 360(オーディエンスデータの管理ツール)
  • DoubleClick Search (検索広告のキャンペーン管理ツール)

また、Google Marketing Platformに統合される「Google Analytics 360 Suite」は、「Google Analytics」の有料版ツールです。一般的には「Googleアナリティクス360」と呼ばれ、無料版と比較したときに扱えるデータ量やサポート体制がより強力になります。

「Google Analytics 360 Suite」と「DoubleClick」は、互いに連携できることが強みでした。この2つのツールを使いこなすと、ビュースルー効果(広告を見たがクリックせず、その後他の経路でサイトを訪問したユーザーの効果)を閲覧するなど、高度なウェブマーケティングを行うことができます。広告経由のアクセスが数万件もある場合、ビュースルー効果もかなりあると考えられるため、この機能は魅力的です。

「Google Analytics 360 Suite」と「DoubleClick」の連携・併用は、ウェブマーケティングに力を入れる企業にとって非常に価値が高いため、Google Marketing Platformに統合されました。

統合されたことにより、より連携しやすくなり高度なウェブマーケティングが展開しやすくなると予測できます。

「DoubleClick」の中で、広告主向け製品はGoogle Marketing Platformに統合されましたが、パブリッシャー(広告枠を持つ媒体主)向けの製品は「Google Ads Manager(Googleアドマネージャー)」に統合されました。

ユーザーが複数のデバイスを通してコンテンツを利用するようになり、広告主からはプログラマティックなアクセスを求める声が高まる現在、パブリッシャーの皆様には、さらにシンプルかつ効率的にビジネスを管理できる仕組みが必要となっています。

ユーザーのニーズ、シーンが多様化する中、広告主側だけでなく、媒体主側にも専門スキルを求められるようになりました。様々なサイズのデバイス、その時折の通信環境などを考慮し、常に適切な広告をユーザーに届けることは容易ではありません。

Googleは「すべての媒体主の収益を最適化する」というビジョンのもと、「DoubleClick for Publishers」 と「DoubleClick Ad Exchange」というサービスを提供していました。それが今回、「Google Ads Manager(Googleアドマネージャー)」に統合され、より高い収益を効率的に得ることができるようになります。

アフィリエイターは、Googleアドマネージャーを使うだけで、自身のメディアに出る広告を、様々な形で最適化できるようになります。

Google 広告の透明性・コントロール性の向上

 

ターゲティング広告には、適切なユーザーに適切な広告を表示できる一方、不適切な広告表示や個人情報など、様々な課題もあります。また、ターゲティングの精度、データ量が多くなるにつれ、ブラックボックス化し、ユーザーが広告表示に不必要な不安を抱くこともあります。

そこで、Googleはユーザーの広告体験の透明性を向上させ、コントローラブルにするため、「Google広告設定」というページを公開しました。Google広告設定は、「なぜ広告が表示されるのか」をユーザーに伝えるものです。

Google広告では、ユーザーの行動から推測された興味関心や、GoogleアカウントやGoogleのパートナーサイトで入力した情報をターゲティングに活用しています。Google広告設定では、広告配信に利用されるユーザー自身の情報を確認、編集することができます。

以下のページにアクセスすると、現在のGoogleアカウントでの広告設定を確認できます。

https://adssettings.google.com/authenticated

例えば、年齢が18~44歳、興味関心に「クラシック音楽」「アクションゲーム」となっていたとします。Google広告設定を使うと、自分の年齢を正確に入力することで、より自分にマッチした広告がでるように調整できます。逆に「アクションゲーム」の広告が多くてうっとうしいと感じたら、興味関心カテゴリから削除することも可能です。

また、「Why this ad?(広告が表示される仕組み)」という機能も公開されました。これは、Google検索やYouTube、Google Play、Googleの広告枠を持つパートナーサイトにおいて、その広告が表示されている仕組みを公開するものです。

ウェブサイトを閲覧中、表示されている広告がGoogle広告であった場合、上記の図のようなマークが表示されます。マークをクリックすると、表示されている理由を知ることができます。

表示理由を確認し、表示されないように広告設定を調整することも可能ですし、不適切な広告であればGoogleに通知を出すこともできます。

  • 広告ターゲティングの内容を自身で管理できる
  • 今表示されている広告がどういった理由で表示されているのかを知ることができる

この2つの機能は、ユーザーの広告体験を大きく変えると予測できます。

しかし、それだけではなく広告主にとってもメリットが多くあります。ここ最近、不適切なサイトへの広告出向や、媒体の個人情報流出などが問題視されることが多くありました。そのため、広告の透明性が増すことは、広告主、広告代理店が、安心してウェブマーケティングを展開するために重要です。

また、ユーザーが自身の広告設定を最適化することで、ターゲティングの精度も向上すると考えられます。

まとめ

今回は、7月10日にキーノートで発表された内容のうち、ブランド名の統合・変更と、ユーザーの広告体験を大きく変えるGoogle広告設定を紹介しました。

機能に直接かかわる部分はありませんが、ユーザーと広告主、媒体主の全体に対してより良いものを提供するというGoogleのビジョン・信念が感じられるものばかりです。新ブランドについては、今後様々な機能追加、アップデートの発表が予測されます。

次回の記事では、キーノートスピーチの発表まとめPart2で、YouTubeに関する発表を一挙ご紹介いたします。

キーノートスピーチの発表まとめPart2
キーノートスピーチの発表まとめPart3