Webマーケティング

YouTube広告に3つの新しい機能登場|キーノートスピーチの発表まとめPart2

2018年7月10日の「Google Marketing Live」のキーノートスピーチでは、アドワーズをはじめ、Googleが提供するさまざまなプラットフォームについての発表がありました。

Part1では主にブランド名の変更について紹介しましたが、今回は世界最大の動画プラットフォームである「YouTube」についての発表をご紹介したいと思います。

キーノートスピーチの発表まとめPart1
キーノートスピーチの発表まとめPart3

世界のユーザーが YouTube で動画を視聴する時間は、1 日あたり 10 億時間を超えます。また、近年顕著になってきているのが、大小さまざまな買い物のための情報やインスピレーションを求めて YouTube にアクセスする傾向です。たとえば、自動車購入者の半数近くが、購入を決める前に YouTube で情報収集すると回答しています。また、ミレニアル世代の半数近くは、食材を買いに行く前に料理のヒントを求めて YouTube にアクセスします。

Googleの動画広告を統括するプロダクトマネージャーのNicky Rettke氏がいうように、YouTubeは月間19億人を超えるユーザーが利用し、1日で10時間以上も再生されています。他にも魅力的な動画プラットフォームは数多く誕生していますが、やはりYouTubeのシェアは圧倒的なようです。

また、ユーザーの購買動向においてもYouTubeが深くかかわっていることを発表しました。YouTubeは単にエンターテインメントな動画プラットフォームではなく、マーケティング戦略において大きな影響力を持っています。

確かに、商品を購入する際、少し前までは口コミサイトやECサイトのレビューを見ることが一般的でしたが、最近ではYouTubeで実際の使用動画を確認することが増えています。

エンターテインメントにとどまらず、マーケティングプラットフォームとして成長を続けるYouTubeについて、キーノートスピーチでは3つの新機能が紹介されました。

現在、YouTube広告を運用している、検討しているのならば、見逃せないものばかりです。

新キャンペーン「TrueView リーチ」

TrueView リーチは、2018年4月に発表されたTrueView動画広告の新しいフォーマットです。

これまでYouTube広告には「TrueView インストリーム広告」と「TrueView ディスカバリー広告」、「バンパー広告」の3つのフォーマットがありました。

このうち、ディスカバリー広告はバナーとテキストによる広告で、インストリーム広告とバンパー広告が動画広告です。

インストリーム広告は、動画の再生前、再生中、再生後に表示されるスキップ可能な広告で、30秒以上または広告動画を最後まで視聴した場合に課金されます。バンパー広告はスキップ不可の6秒広告で、インプレッション(動画の表示回数)に応じて課金されます。

TrueView リーチは、インストリーム広告とバンパー広告の中間にあたるフォーマットで、インプレッション課金のインストリーム広告のようなイメージです。

TrueView リーチでは、ユーザーはインストリーム広告のように5秒後にスキップすることができます。また、バンパー広告のように効率的にリーチを広げるように最適化されています。

TrueView リーチ キャンペーンの 84 件のベータ版テストでは、広告想起率が 10 件中 9 件で大幅に向上し、平均で 20% 近く向上しました。

Pepsi France社のデジタルマーケティング担当マネージャーであるVanessa Tsangaratos氏は、実際にTrueViewリーチを活用し以下のように語っています。

「TrueView リーチを使用したことで、リーチできる自社製品に興味を持ってくれそうな層を大幅に拡大できただけでなく、10 秒の動画での視聴完了率も高くなりました。さらに、インプレッション単価制は競争力が高いことがわかりました。以前のキャンペーンと比べて平均インプレッション単価が 30% 削減しました。これにより、最終的にはインクリメンタル リーチポイントの平均費用を抑えることに成功し、特定のユーザーのテレビ視聴の場合と比べて 46% 低下しました。」

※インクリメンタル リーチポイント = 1リーチあたりの広告費

ブランディングにおいて、リーチは非常に重要な指標です。これまでもリーチを獲得する広告手法は存在していましたが、世界最大の動画プラットフォームで新しいフォーマットが登場したことにより、マーケティング戦略の幅が広がりそうです。

新キャンペーン「TrueView アクション」

TrueView アクションも、TrueView リーチとともに発表されたTrueView動画広告の新しいフォーマットです。

TrueView動画広告は、ユーザーの動画視聴がおもな目的で、商品やサービス認知拡大に向いている広告フォーマットが主流でした。しかし、TrueView アクションは、動画の再生前、再生中、再生後に広告のクリックやウェブサイト上での行動を促すことに適した広告フォーマットです。

TrueView アクション キャンペーンは、「見込み顧客の獲得」または「ウェブサイトのトラフィック」の目標を使用して作成されます。このキャンペーンでは、商品またはサービスにユーザーの関心を引き付けるためのおすすめの設定と機能を使用できます。

TrueView アクションを活用すると、広告に「行動を促すフレーズ」とテキストの見出しを表示させることが可能です。「行動を促すフレーズ」はボタン形式で表示され、「購入」や「会員登録」など、ユーザーに望むアクションを自由に入力できます。

動画広告というと、ブランディングに使われることが中心でしたが、Nicky Rettke氏がいうように、買い物のための情報やインスピレーションを求めてYouTubeにアクセスする傾向が高まっています。TrueView アクションを活用すると、動画広告から購入や申し込みといった直接的な成果が期待できます。

ブランディングを加速させるTrueView リーチと、ユーザーに行動を促すTrueView アクション。この二つの新フォーマットにより、YouTube広告を活用したマーケティング戦略は、大きく幅が広がりそうです。

「ブランドリフトの最大化」の発表

さらに興味深い機能として「ブランドリフトの最大化」という機能が発表されました。

ブランドリフトとは、ユーザーがそのブランドに対して抱く感情が変化することを指します。ブランディングという抽象的な概念を数値化し、効果を見出すために使われる概念です。

この設定では、動画広告の視聴が購入検討につながる可能性が特に高いユーザーに、広告を表示しやすくなります。「ブランドリフトの最大化」も機械学習を使った機能であり、スマート自動入札の戦略のひとつとして提供されます。

ブランドリフトの最大化は、入札戦略の一つとして提供されます。

Google広告には、「スマート自動入札」が数多く存在します。これは、Googleのアルゴリズムに従って、広告の目的によって様々な調節を自動で行うものです。これまでも、指定したコンバージョン単価に収まるように調整される「目標コンバージョン単価制」や、コンバージョン単価に関わらずコンバージョン数を最大化する「コンバージョン数の最大化」、予算内で最も多くクリックされるための「クリック数の最大化」などがありました。

ブランドリフトの最大化も、入札戦略の一つであり、機械学習による自動調整が働きます。

購入やクリックといった直接的なアクションではなく、広告動画の視聴がブランドイメージに与える影響力がアルゴリズムに組み込まれています。Googleがもつ機械学習の進化、WEB広告のブランディング活用の増加を受けて、ブランドリフトの最大化が誕生しました。

この機能は現在ベータ版として提供されており、年内に正式リリースされる予定です。

まとめ

今回は、「Google Marketing Live」のキーノートスピーチの中でも、「YouTube」についての発表をご紹介しました。

InstagramがIGTVで動画市場に参入し、Showroomのようなライブ配信アプリも人気が出ていますが、依然としてYouTubeのシェア、マーケティング効果は圧倒的です。

今回の発表から、YouTubeはブランディングから顧客獲得まで、あらゆるマーケティングシーンで活用できるプラットフォームに、さらに成長すると考えられます。

また、YouTubeに限らず、動画広告市場は今後加速度的に拡大していくことが予測できます。もし、マーケティングに動画広告を検討されているなら、「TrueView リーチ」や「TrueView アクション」、「ブランドリフトの最大化」といった新機能を積極的に試してみてはいかがでしょうか。

Part3では、Googleがいま最も力を入れている「機械学習」に関する発表をご紹介します。

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