目次
最新のマーケティング手法!「インフルエンサー・マーケティング」の始め方
2010年代に入ってから「インフルエンサー・マーケティング」が新たなマーケティング手法として脚光を浴びています。従来のインフルエンサー・マーケティングは、芸能人など一部の有名人を活用した非常に高価で手間のかかるブランディング手法でした。しかし、ここ数年はSNSの普及とともに、少ない費用でも費用対効果が期待できる手法になっており、様々な企業が積極的に活用しています。
インフルエンサーとは何か?それを活用したマーケティングの方法とは?
ハードルが高い気がするけれど始め方や費用は?
今回は、「インフルエンサー・マーケティング」をテーマにお送りします。ぜひ気になるポイントをチェックしてみてください。
インフルエンサーとは?
そもそも「インフルエンサー(Influencer)」とは、「影響力を持つ人物」を指します。
もともとは多くのファンがいる芸能人、各分野の権威として支持されている専門家(学者)、オピニオンリーダー(世論などに影響を与える人)の政治家などがこれにあたります。しかし、誰もがSNSを活用して情報を発信できる現在では、影響力の強い「一般の人」のインフルエンサーが多く誕生しています。
影響力の強い一般の人とは、簡単に言うとSNSで「フォロワー」が多い学生や主婦、会社勤めのサラリーマンなどです。彼らの意見はより多くの人の「身近な共感」を呼び、ユーザーの購買意欲やブランディングに影響を与えています。
こうしたインフルエンサーをマーケティングに活用することを「インフルエンサー・マーケティング」といいます。
芸能人を起用することもインフルエンサー・マーケティングの一種ですが、今回は注目が高まっている「一般の人」を起用するインフルエンサー・マーケティングを中心に紹介します。
インフルエンサー・マーケティングのメリット
インフルエンサー・マーケティングそのものは、芸能人の起用などでマスメディアが誕生したころから活用されている手法です。
芸能人を起用した場合、テレビCMや雑誌などに露出させることが一般的ですが、「一般の人」を起用した場合は、売り出したい商品やサービスを実際に使ってもらい、SNSを通じて広めてもらう方法が一般的です。そのため、インフルエンサー・マーケティングにおいて、芸能人と「一般の人」のどちらを起用かにより、その方法や効果、費用が大きく異なります。
メリット① 費用が安い
トップクラスの芸能人を起用すると、数千万円単位の費用がかかってしまいます。しかし、「一般の人」のインフルエンサーを起用する場合は、数万円程度で起用できることも珍しくありません。
また、インフルエンサー・マーケティングにおいては費用が安いからといって成果が期待できないわけではありません。一般的に知名度のある芸能人と異なり、知名度は低いものの特定の業界で影響を持っている人が多く存在します。商品・サービスに合わせて最適なインフルエンサーを起用すれば、非常に高い費用対効果が期待できます。
メリット② 特定の層を狙える
特定の業界で影響を持っている人を起用すると、費用を安く抑えられるだけでなく、ニーズとマッチしたターゲットに商品やサービスを届けることができます。
ファッションという大きな区切りではなく、「カジュアル」や「ストリート」など小さな区切りで影響力を持った人も多くいます。また、工具や希少なペットなど非常にニッチな業界で影響力を持つ人もいます。ニッチな市場でも、インフルエンサーを活用することで、最適なターゲットに向けてプロモーションが行えます。
メリット③ エンゲージメントが高い
エンゲージメントとは「約束・絆」といった意味を持つ言葉で、プロモーション効果を測る指標の一つです。
広告の普及・進歩とともに、芸能人が出演するテレビCMなど、明らかに企業のプロモーションとわかるものに影響されるユーザーは減ってきています。それに反して、SNSで通常の投稿として発信される内容に影響を受けるユーザーが加速度的に増えています。
インフルエンサー・マーケティングでは、売り出したい商品やサービスをインフルエンサーに使ってもらい、その感想や使用風景をSNSで広めてもらいます。フォロワーはもともとそのインフルエンサーの投稿を好意的に見ている人なので、エンゲージメントが非常に高くなり、ブランディングと購買促進の両方で効果が期待できます。
インフルエンサー・マーケティングのデメリット
インフルエンサー・マーケティングは急激に注目を集め、活用が広がっていますが、まだまだ不完全な部分もあります。
デメリット① 効果が計測しづらい
プロモーションは常に効果を計測し、費用対効果を見直すことで改善を重ねる必要があります。しかし、インフルエンサー・マーケティングはSNSでのシェアを中心に展開していきます。また、インフルエンサーによっては広告感を減らすため商品ページのURLをシェアしてもらえない場合があります。そうした場合はSNSでのエンゲージメントは測定できても、実際にどれだけ購入などにつながったかが計測しづらくなります。
インフルエンサー・マーケティングを計画する際は、効果を測定する方法を前もって検討しておくことが重要です。
デメリット② マイナスイメージにつながる可能性がある
万が一、起用したインフルエンサーが不祥事を起こしたり、何らかの問題が発生した場合、インフルエンサー・マーケティングの効果にダイレクトに悪影響を与える場合があります。もちろん、芸能人を起用した場合でも同様のリスクはありますが、事務所が付いているため被害に対してはある程度補償してもらえます。
「一般の人」を起用する場合は、このようなリスクがあることを理解し、入念に調査したり、リスク分散のため複数のインフルエンサーを起用したりなど、対策を検討しておく必要があります。
インフルエンサー・マーケティングで活用したいSNS
話題が急速に広がるTwitter、今なお世界的な人気を誇るFacebook、ちょっと懐かしいところではmixiなどさまざまなSNSがある中で、特に今、注目したいのはInstagramです。
2010年にサービスがスタートしたInstagramは、言語の壁を超えて共感を呼ぶ「画像」をフィーチャーしたことで一躍人気のSNSとなり、2017年には世界で8億人以上が利用していることが明らかになっています。日本では、特に10~20代の女性の間で人気です。
多くの人を魅了するフォトジェニックな画像=“インスタ映えする画像”を投稿することが世界中で流行し、2017年には日本で「インスタ映え」が流行語大賞を受賞したのも記憶に新しいところだと思います。
画像だからこそ良さを伝えられる商品、たとえばファッションや美容関係の商品を売りたい場合、あるいは10~20代の若い女性をターゲットにした商品やサービスを売りたい場合には最適なSNSとなるでしょう。
ちなみに、現在ではSNSだけでなく動画投稿サイトのYouTubeもインフルエンサー・マーケティングで活用されつつあります。多くの人から支持を集める、いわゆる「ユーチューバー」をインフルエンサーとして起用するケースが見られます。
インフルエンサー・マーケティングの始め方
インフルエンサー・マーケティングを始めるには、インフルエンサーにコンタクトをとって商品やサービスの紹介をしてほしい旨を依頼する必要があります。
このとき、まずは「どんな層をターゲットにした商品、サービスなのか」「消費者にどのようなイメージを持ってもらいたいのか」をまとめたうえで、こちらの意図に重なる人を探すことが大切です。
また、「ステルスマーケティング」にならないようにするというのもポイント。
いわゆる「ステマ」は、インフルエンサーを金銭で雇い、自然な投稿を装って商品やサービスの宣伝をさせる手法ですが、これは禁じ手。いわば「サクラ」「ヤラセ」的な手法であり、アメリカやイギリスでは明確な法律違反となるものです。
インフルエンサー・マーケティングを行う際には、インフルエンサーがSNSに投稿するときに宣伝であることを明記してもらったうえでその良さを伝えてもらう必要があります。
まずは何よりもインフルエンサーその人に商品、サービスの良さを知ってもらい、好きになってもらうこと。
これがインフルエンサー・マーケティングの基本です。
そのためには、売り出したい商品、サービスにしっかり共鳴してくれる人を見つけることが欠かせません。
SNSの膨大なデータを解析し、最適なインフルエンサーを見つけるサポートをしてくれる「Klear」などのツールも活用しつつ、進めていきましょう。