Web広告・マーケティング関係者は知っておきたい!2019年のトレンド【5選】

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Web広告・マーケティング関係者は知っておきたい!2019年のトレンド【5選】

2019年は平成という元号が終わり、戦後初の生前退位が予定されています。
通常は「崩御」によって元号が変わるため、改元の年は自粛ムードが広がり、景気が低迷するといわれています。しかし、今回は生前退位であるため、純粋なお祝いムードが広がり、日本の景気拡大にいい影響を与えるでしょう。
実際、「平成最後の」をキーワードに様々な企業・団体が興味深いプロモーションを展開しています。

さて、大きな変化が予測される国内市場ですが、マーケティング業界にはどんな変化があるでしょうか。
今回は、今年一年、企業のプロモーションに大きな影響を与えるであろうマーケティングトレンドを5つご紹介したいと思います。

トレンド1:スマートフォンへの動画広告

動画を使ったマーケティングが広がっていることは、Webマーケティング担当者でなくとも実感していると思います。数年前、SNS広告といえばバナー画像でしたが、今ではほとんどのSNSが動画広告に対応しており、出稿する企業も増えています。

この勢いは2019年以降さらに加速すると考えられます。これまで動画広告を検討していなかった企業も、無視できなくなってくるでしょう。


画像:サイバーエージェント

上記は、サイバーエージェントが発表した動画広告市場の予測です。スマートフォン動画広告の市場は、スマートフォンが85%を占めており、2017年から2018年にかけて143%も増加する見通しです。
スマートフォンでの動画視聴はさらに増えると見込まれ、2024年には5,000億円近い市場規模に拡大すると予測されています。

スマートフォンにおける動画視聴には、通信料・通信速度といった懸念があります。しかし、こうした懸念も高機能なスマートフォンの普及、通信料の低価格化といった要因に加え、2020年に向けて導入が進められる5G回線の影響で、飛躍的に伸びるでしょう。
現在、弊社で取り扱っているInstagram広告でも、フィードに表示される画像広告はあまり見られず、ストーリーズでの動画広告のインプレッションが90%を占めています。

また、中国発の動画投稿アプリTikTokの流行など、新しい動画プラットフォームの影響もあります。
TikTokは、リップシンキング(口パク)のパフォーマンスやダンス動画が投稿されています。中高生を中心に人気が急上昇しており、2019年は企業のプロモーションの場としても注目を集めるでしょう。

一方、こんな情報もあります。
1月にスマートフォンで「バナー広告(静止画の広告)」と「動画広告」の両方を見たユーザーのうち、「動画広告より、バナー広告に不快感を持った」人は10.9%、「どちらも同じくらい不快だった」人は31.9%、「バナー広告より、動画広告に不快感を持った」人は18.7%という結果が出ています。


画像:ジャストシステム

「どちらも特に何も感じなかった」人も36.8%いますが、「バナー広告」より「動画広告」に対して不快感を持つ人の方が多いことがわかりました。
動画は強烈なインパクト、豊富な情報を伝えられる分、伝え方を間違えるとユーザーの不快感も大きくなるようです。動画を低価格で作成するサービスも登場していますが、ある程度の予算をかけてクオリティ、戦略ともに検討する必要があります。

トレンド2:オーディオメディア


2018年、スマートスピーカーの出荷台数は全世界で9,000万台に達しました。
また、世界中でポッドキャストのようなオーディオメディア、スマートスピーカーなどのオーディオデバイスへの広告配信が実験、開発されています。
さらに、Adobeの調査によると、消費者の5人に2人は、バナー広告よりも音声広告に興味を惹かれると回答しています。

スマートスピーカー業界をけん引し、広告メディアとしても拡大しているGoogle、Amazon、LINEにとっては非常に良い傾向といえるでしょう。

音声認識の技術は日々進歩しており、消費者は音声でのタスク実行や検索にどんどん慣れていきます。
AmazonやGoogleといったスマートスピーカー、Web広告の大手企業は、これらの技術をさらに発展させていき、広告収益の確立を進めるでしょう。

イギリスの調査会社 ComScore は、2020 年までに検索クエリの 50%が音声ベースになると試算しています。スマートスピーカー・音声検索におけるSEOで紹介したように、今後は音声検索を意識したコンテンツ作りが必要となるでしょう。
また、オーディオメディアがプロモーションの場として注目を集めるようになる前に、今から音声広告、音声を活用したプロモーション情報を収集しておいたほうがいいでしょう。

トレンド3:人間味のあるコミュニケーション

人々はレビュー、ブログ記事、知り合いの口コミ、ブランドのサイトなど、様々な方法で信頼できる情報を得るようになっています。その影響で、広告を主要な情報源とするユーザーは減ってきています。
マーケターとしては喜ばしくないですが、この傾向は今後ますます加速するでしょう。

しかし、よりユーザーニーズにマッチした広告配信であれば、人々の心をつかみ、購買意欲を刺激したり、ブランド価値を高めたりすることが可能です。
こうした変化もあり、InstagramやTwitterなどで活躍する「インフルエンサー」に委託する「インフルエンサーマーケティング」や、各種SNSやYouTube動画、ライブ配信などを効果的に使ったコンテンツマーケティングが存在感を増しています。

弊社が提案している「インバウンドマーケティング」も、「愛されるマーケティング」と呼ばれ、ユーザーニーズに寄り添うことに重きを置いています。
今後、純広告やテレビCMの延長線上にあるようなバラマキ型、一方通行型のプロモーションは効果を発揮しなくなるでしょう。
ターゲットを明確に定め、消費者の「欲しい」という気持ちに、より人間味のあるコミュニケーションで応える宣伝方法が重要になります。

トレンド4:多様性への対応

以前、テクノロジー関連の未来予測で有名なガートナー社が発表した「Gartner Symposium/ITxpo 2018」の中で、「多様性と受容性を採用した組織の75%が財務目標を上回る」という内容を紹介しました。

東京五輪を2020年に控え、多くの訪日外国人が市場を作る日本では、ダイバーシティ対応戦略がますます重要になります。
ダイバーシティとは、「多様性」を意味し、性別や国籍、年齢などに関わりなく、多様な個性が力を発揮し共存できる社会のことをダイバーシティ社会といいます。

具体的には次のような対応があります。

  • 宗教・アレルギー・ベジタリアンなどに対応した食事メニュー
  • Webサイトの多言語対応
  • さまざまな年齢層に合う文字表示
  • 訪日外国人が利用できる支払い方法や商品発送の対応

以前の記事で紹介したように、訪日外国人による市場規模は大きく右肩上がりになっており、この市場を活用できるかどうかが企業の収益を大きく左右します。
上記の例は基礎的な内容で、2020年にかけて多くの業界で対応が進むでしょう。一歩先んじるためには、ダイバーシティという一歩進んだ考えを取り入れ、戦略を立てていく必要があります。

また、いまさら言うことではありませんが、Web上で何かを行うということは全世界とつながることになります。
「外国人向けの事業をやっていない」「訪日外国人や旅行客は収益に関係しない」そう言って多様性への対応を怠れば、競合に差をつけられ、非常に厳しい状況になるかもしれません。

トレンド5:「サスティナブル」が経営テーマに

サステナブル(sustainable)とは「持続可能な」という意味で、サステナビリティ(sustainability)は「持続可能性」という意味になります。

現在の社会、暮らし、経済、経営などを将来に渡って「維持し、継続できる」という文脈で使われます。

近年では持続可能であることが社会に求められており、企業のブランド価値創造においても「サステナブル」は重要なキーワードです。
例えば、どれほど優れた商品を開発しても、地球温暖化などの環境問題を加速させるような要因があれば、「サスティナブルではない」とみられ、強固なブランドを築くことはできないでしょう。

最近は「サスティナブルフード」という言葉も登場しています。これは漁業の乱獲によりウナギやマグロが将来的に食べられなくなってしまうかもしれないという問題から注目されました。そのため、生態系に悪影響を与えない方法で調達された魚介類を使った寿司を「サスティナブル寿司」と呼び、導入した企業がブランドを築いています。

会社・商品・サービスの成功にはユーザーからの「信頼」が重要になってきます。サスティナブルは、この「信頼」に影響します。

信頼の獲得には、実績や評価、コンプライアンス、企業価値・商品価値はもちろん、これからはサスティナビリティがあることも大切になります。

まとめ

今回はマーケティング業界における2019年のトレンドを紹介しました。
広告技術は日々進歩し、毎日のように新しいサービスが登場しています。弊社でも取り扱っている「ジオターゲティング」は、位置情報に基づいた広告で、まだまだ課題もありますが各企業で開発が進んでおり、2020年ごろには主流なものになっているかもしれません。

また、ダイバーシティやサスティナブルなど、マーケティングというよりも経営に影響を及ぼすキーワードもあります。
トレンドを追いすぎて自社の信念やビジョンを見失うことは危険ですが、変化の速い中、トレンドに敏感になり、柔軟に取り入れていく姿勢は重要かもしれません。