SNSにSEO効果はあるのか【サイテーションとソーシャルシグナル】

7a8733e2aaa3cc5e966e21755bc59ea1a710a057
SNSにSEO効果はあるのか

近年、SEO対策はますます重要になってきています。また企業のSNS活用は、BtoCに限らずBtoBでも注目が集まっています。

そこで今回、SNSとSEOの関係と相乗効果を生むための活用方法を紹介したいと思います。

株式会社ベーシックが行った「新型コロナウイルスの感染拡大によるWebマーケティング活動の変化」という調査の中でも、アフターコロナに力を入れていきたい施策の上位に「コンテンツマーケティング全般」が上がっています。

ツールの導入以外に力を入れていきたい施策

Webマーケティング全体の流れとして、広告を減少させる動きがあります。例えば、Googleはユーザーが広告をコントロールできる仕組みを導入していますし、YouTubeでは広告を非表示にするYouTubeプレミアムというサービスも提供しています。Netflixも広告を掲載せずユーザーの利用料のみで収益化することを明言していますし、最近ではTwitterが広告なしの有料版のリリースを検討していることがニュースになりました。

Web広告がなくなることはないでしょうが、プライバシー・データ利用の観点からも、徐々に限定されていくことが予測できます。

また広告だけに顧客獲得を頼ると、アカウント停止や仕様変更などプラットフォーム側の都合で顧客獲得が滞る可能性があります。

このような流れから、企業自身が積極的に顧客と関わりながら顧客を獲得していくことに注目が集まっています。

そのための方法として、取り組む企業が増えているのが「SNSの運営とオウンドメディアの運営(コンテンツマーケティング)」です。

どうせ取り組むなら、SNSとオウンドメディアが相乗効果を生んでくれるのが理想でしょう。SEO業界では昔から話題になることですが、SNSの投稿にSEO効果はあるのでしょうか。

もっと直接的な言い方をすれば、SNSを活用することでオウンドメディアの成長に繋げられるのでしょうか。

SNSに被リンク効果はあるのか

まず一番気になるSNSの被リンク効果について。被リンクは依然としてSEOの重要な指標の1つです。

結論からいうと、TwitterやFacebookなどのSNSはリンクにnofollow属性がついているので、被リンク効果はありません。これについては、Googleが公式に発表しています。

SNS上でシェアされるリンクには、nofollowがついています。nofollowは、検索エンジンに対してページの評価を無効にさせる指示を出します。

SNSは利用者が多く、また不正に使用されてしまうリスクがある為、検索順位を操作する目的で使用されない様に、nofollowが設置されています。

いくらSNSによる被リンクが増えたとしても、検索エンジンはそれをSEOの評価に加えることはありません。

引用:English Google Webmaster Central office-hours hangout

これが結論です。SNSでいくらシェアされても、被リンク効果は一切ありません。

では、SNSを運営してオウンドメディアを成長させることはできないのでしょうか。そんなことはありません。

ここからは、SNSを活用するメリットとその活用方法を見ていきましょう。

SNSとオウンドメディアを併用するメリット

オウンドメディアとSNSを併用すると様々なメリットがあります。ここでは代表的なメリットを2つ紹介します。

基本的な流入が増える

ジャンルや戦略にもよりますが、一般的なWebサイトの流入の7割程度が検索からの流入といわれています。しかしこれで安心しているのは健全ではありません。例えば、Googleのアルゴリズムが変わったり、よりSEO対策を綿密に行っている競合が現れると、流入の多くを失ってしまう可能性があるからです。

長期的に安定した成果を得るなら、検索流入が5割くらいになるよう、リファラーなど別の流入の確保に力を入れましょう。

SEO効果がなくても、SNSからの流入を狙うことは非常に重要です。多くの人があなたのWebサイトを積極的にシェアしてくれるようになれば、基本の流入が増え、継続的に新規・リピーターを獲得し続けられます。

キュレーションメディアで取り上げられる可能性があがる

Googleの検索エンジンはSNSのリンクを考慮しませんが、キュレーションメディアの中には重視しているものもあります。

例えば、総ダウンロード数5000万以上のニュースメディア「SmartNews」では、GoogleのようにWebサイトをクローリングして、アルゴリズムによって評価し、載せる記事を選定しています。

当然、GoogleのクローラーとSmartNewsのクローラーは仕組みが違い、SmartNewsはSNS(特にTwitter)を重視して評価しています

SmartNewsに掲載されると爆発的なアクセスがあるため、「スマニュー砲」と呼ばれています。Twitterでのシェアが多ければ、スマニュー砲を狙えるかも知れません。

他にも、SNSでシェアされる=話題になっているという認識から、様々なメディアで取り上げられる可能性があります。

狙ってやるのは難しいですが、SNSを活用していれば一気にWebサイトの流入・知名度が向上するかも知れません。

Tips:被リンク効果のあるSNSもある

ここまでSNSには被リンク効果がない、という話をしてきましたが、すべてのSNSでそうというわけではありません。

「はてなブックマーク」は古くからあるブックマークサービスで、今も多くのユーザーがいます。ここでシェアされると被リンク効果を得ることができます。それも、ブックマークしたそれぞれのユーザーのマイページに被リンクが貼られます。つまり、100人がブックマークしたら100個の被リンクが得られるということです。

また、NewsPicsも被リンク効果のあるSNSです。アカウントを作り自分のWebサイトをPicするだけで、そこからの流入が期待できるだけでなく、被リンク効果を得ることができます。

このように、Webサイト運営者自身が積極的に投稿し、被リンクを得られるようなSNS・メディアは色々あります。自身のWebサイトのカテゴリでそうしたものがないか探してみてください。

SNSをオウンドメディアに活用する方法

それでは、SNSを活用してオウンドメディアを成長させる具体的な方法を見ていきましょう。

基本になるのは、そのWebサイトの公式アカウントです。公式アカウントを作り積極的に情報を届けて、ユーザーとコミュニケーションを取ることが基本です。

今回は、その他にWebサイト側でできる2つのポイントを紹介します。

シェアされやすい記事

一番基本となるのは、やはりコンテンツです。コンテンツがシェアしたいと思わせるものでなければ、他の部分を工夫してもシェアされません。

ニューヨーク・タイムズの調査では、ユーザーがシェアするのは「人と繋がりたい」という欲求が根幹あり、それらは次の4つに分けられています。

1.主張を表現するため

2.流行の伝道師になるため

3.交友関係の拡張、維持

4.自己確立

この記事をシェアすればこの4つのいずれかを満たすことができるか?という視点で、コンテンツを見てみてください。

1つ目の「主張を表現するため」というのは、つまりコンテンツに共感できるか、自分の意見として主張したいかが重要になります。

2つ目の「流行の伝道師になるため」は、自分しか知らないユニークな情報、新しい情報を、自ら他の人に教えたい、というモチベーションです。

3つ目の「交友関係の拡張、維持」は、人の役に立ちたい、といっても良いかも知れません。良い情報をまわりに教えることで、関係を良くしたいのです。

4つ目の「自己確立」ですが、これは「自分はこういう人間である」というアイデンティティです。自分が共感したもの、納得したもの、反感を持ったものなどをSNS上に残すことで、自分のアイデンティティを作ります。

こうした要素の中でも、満たしやすいのは2つ目と3つ目ではないでしょうか。

新しくユニークで、オリジナリティのある情報か、人に教えたくなるほど有益な情報か、という視点でコンテンツを考えると、シェアされやすくなるでしょう。

シェアされやすいUI

もう一つはUI、サイトのデザインや機能です。

例えば、GrabではSNSのシェアボタンが記事の一番下にあります。これは、記事を読み、内容を理解した上でシェアしてほしいという狙いがあって配置しています。

Webサイトによっては、記事の上下についていたり、ヘッダーについていたり、サイドカラムに追従したりするものもあります。

エンタメ性の高い記事で、タイトルとリード文だけでシェアされる可能性があるなら、ページの上部にシェアボタンを配置しておいてもいいでしょう。

シェアボタンの配置は慎重に考え、いろいろ試すことが大切です。

例えば、マーケティングメディア「ferret」は数年前まで、記事の左側にシェアボタンが追従するUIを使っていました。しかし、リニューアルの際、記事の最初と最後に比較的小さなボタンで表示されるように変更されています。

おそらく、シェアボタンが追従することで、記事本文の読みやすさなどに悪影響があったのでしょう。

このようにシェアされることを重視したUIを考えることは重要ですが、あくまでもコンテンツの価値が伝わることが前提となります。

最後に:サイテーションとソーシャルシグナル・UGC

今回は、SNSにSEO効果はあるのかというテーマで「SNSにはSEO効果は基本的にないこと」「それでも活用したほうが良い」という2点について紹介しました。

最後に、SNSとSEOを考えるときによく言われる「サイテーション」「ソーシャルシグナル」「UGC」という言葉を紹介します。

サイテーションとは引用という意味で、SNSだけでなく他のブログなどで自身のWebサイトについて言及されることを指します。

UGCは「User Generated Content」の略で、ユーザーが生み出したコンテンツを指します。

そしてソーシャルシグナルは、それらをもとに関心の度合いなどを評価する指標です。

サイテーションとUGCの違いは厳密にありません。SEO業界ではサイテーションといい、SNSマーケティング業界ではUGCといいます。しかし、サイテーションはソーシャルシグナルを目的とした言葉で、基本的にはそれによって被リンク効果が得られるか、YMYL(人生やお金など正確性が求められるテーマ)やE-A-T(専門性、権威性、信頼性を基準にした評価)を得られるか、を目的としています。

一方、UGCはユーザー自身が生み出したコンテンツそのものに焦点を当てています。つまり、それによってSEOを効果があるかどうかではなく、それ自体によってユーザーの行動にどう影響を与えられるか、と重視しています。

そしてソーシャルシグナルですが、SNSに被リンク効果がないため存在しないという意見もあります。

しかし、ソーシャルシグナルはあると考えたほうがいいでしょう。GoogleはSNSの被リンク効果を否定しているだけで、SNSで言及されることに意味がないとは言っていません。多くの人がSNSでシェアし話題になるようなコンテンツを、「被リンクが少ない」というだけの理由で低く評価するとは考えられないため、被リンク以外の方法で評価していると考えるほうが自然です。

SNSには被リンク効果がないという理由であまり注力しないWebサイト運営者も少なくありませんが、被リンクは無数にあるSEO評価指標のごく一部です。SNSからサイトへの流入を増やすためにも、SNSを活用したオウンドメディアの運営を行っていきましょう。