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「IGTV」登場!インフルエンサー・マーケティングを進化させるInstagramの動画アプリ
以前、「最新のマーケティング手法!「インフルエンサー・マーケティング」の始め方」という記事でも紹介した通り、インフルエンサー・マーケティングへの注目度は非常に大きくなっています。
中でも、Instagramの持つ影響力が高まっており、多くの企業が活用しています。
そんなInstagramが、今年の6月20日にとても興味深い発表を行いました。
一つは、「Instagram」の月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破したということです。2013年に1億人を突破してから、加速度的に利用者が増加しています。Instagramは、よりグローバルなコミュニティとして影響力を増し、マーケティング戦略においても重要になってくるでしょう。
そして、もう一つの発表が「IGTV」のリリースです。
2つめは、これまでに発表した中でも最もワクワクするような機能、IGTVについてです。この新しいアプリでは、お気に入りのInstagramクリエイターによる長尺の縦型動画をご覧いただけます。大自然の中へ冒険に連れて行ってくれるオーストラリアの @alexhayess から、新しいコースに挑戦中の @nonaka_miho まで、さまざまなクリエイターによる動画コンテンツが盛りだくさんです。IGTV専用のアプリもありますが、コミュニティの皆さま全員に気軽にコンテンツを楽しんでいただけるよう、これらの動画はInstagramアプリ内からでも視聴できます。
10億人が利用する“画像SNS”のInstagramですが、「IGTV」は“動画”のアプリです。
今回はこの新アプリをテーマに、マーケティングへの活用方法をご紹介します。
IGTVならではの特徴と、Instagramを活用した「インフルエンサー・マーケティング」に与える影響についてまとめてみました。
「IGTV」とは?
「インスタ版YouTube」とも呼ばれるIGTV。“TV”という語が入っていることからもわかるように、IGTVは動画アプリです。「インスタグラムテレビ」を略して「IGTV」と名付けられました。
Instagramは「日常のワンシーン」を気軽にシェアできることが特徴のSNSです。これまでも通常の投稿やストーリーズで動画を投稿することはできましたが、通常投稿は最大1分、ストーリーズは最大15秒と、短い動画しか投稿できませんでした。さらに、通常投稿では動画が正方形になってしまうという欠点もありました。
しかし、「IGTV」では、Instagramのアカウントを使用して最大10分の動画を投稿したり、閲覧したりすることが可能です。さらに、特にフォロワー数が多く人気が高いアカウントや認証済みアカウントは、最大60分の動画を投稿できます。
これまでの動画投稿機能と、IGTVの特徴を分けると、以下のようになります。
通常投稿 | ストーリーズ | IGTV | |
---|---|---|---|
再生時間 | 最大1分 | 最大15秒 | 最大60分 |
削除方法 | 削除するまで動画が残る | 公開後24時間で消える | 削除するまで動画が残る |
動画比率 | 正方形 | 縦型フルスクリーン | 縦型フルスクリーン |
すでにInstagramで活躍中のインフルエンサーたちが利用しているほか、ナイキやルイ・ヴィトンといったブランド、また動画配信サービスのNetflixなどが、それぞれのアカウントでIGTVに動画を投稿しています。
IGTVをリリースしたInstagramといえば、フォトジェニックな静止画=インスタ映えする画像を投稿・閲覧することが世界的なブームとなっているアプリ。「インスタ映え」は流行語にもなりました。
そして今、IGTVが登場し、多数のフォロワーを抱えるインスタグラマー=インフルエンサーが“フォトジェニック”ならぬ“ムービージェニック”な動画を続々と投稿しています。
「動画映え」が流行語になる日も遠くない、といえるでしょう。
さて、そんなIGTVならではの特徴とは?
そして、インフルエンサー・マーケティングに与える影響とはどのようなものなのでしょうか。
“タテ型動画”の時代
IGTVの大きな特徴は、スマホのディスプレイに合わせた“タテ型動画”が見られること。
私たちは長らく映画のスクリーンやテレビ画面の横に長い“ヨコ型動画”に慣れ親しんできたわけですが、今や多くの人が(特に10~20代の若い世代の人々)、映画館やお茶の間のテレビではなくスマートフォンの画面を通して動画を目にする時代です。
スマートフォンをわざわざ横向けにして動画を見ることはストレスですから、“タテ型動画”の登場は、まさに時代の必然であるといえるでしょう。
実際、スマートフォンの普及とともに注目を集めた「Tik Tok」や「mix Channel」、「C Channel」など、は “タテ型動画”が基本となっています。これらのアプリはスマフォネイティブの間で大流行しています。YouTubeでも、2016年にタテ型動画で表示する機能が追加されました。
タテ型動画のほうが没入感が高く、ユーザーのブランドイメージに与える影響や行動に結びつける力が強いといわれています。そのため、企業がプロモーションを行う際、スマホ向けの動画広告を配信する際にあえて“タテ型”を選ぶ企業も増えつつあります。
「IGTV」がインフルエンサー・マーケティングを進化させる!
“タテ型動画”を発信できるということで、スマホで動画を見る若い世代を魅了するアプリになると思われるIGTV。このアプリは、インフルエンサー・マーケティングをより進化させるものでもあるといえます。
フォトジェニックな画像で人々を惹きつけるInstagramは、特にファッション関係の商品やサービスを売り出すためのインフルエンサー・マーケティングに最適ですが、IGTVはムービージェニックな動画によってさらに高い効果を得ることができます。
最大のポイントは“タテ型動画”です。
たとえば、可愛いコーディネートでアイテムを身につけるモデルの全身を動画に収めるとき、“ヨコ型動画”ではどうしても上下にカメラを動かしたり、カメラを引いて小さく全身像をとらえたりするしかありません。
しかし“タテ型動画”なら、ワンショットでモデルの全身を映し出し、着こなしや身のこなしをより魅力的に見せることができます。
またファッションに限らず、動画だからこそ良さを伝えられる商品やサービスを紹介するとき、わざわざスマホを横に倒さなくてもスムーズに視聴できるIGTVは、よりユーザーにとって便利で心に届きやすいツールとなるでしょう。
まとめ
IGTVは専用アプリがリリースされていますが、アカウントの切り替えなど一部の機能を除いて、通常のInstagramアプリからでもほとんど同じように利用できます。さらに、Instagramでのフォロー・フォロワーはそのまま引き継がれるため、IGTVのアカウントをゼロから育てていく必要がありません。
この利用しやすさもあって、リリースからひと月ほどの間に様々な企業がIGTVをマーケティングに活用しています。
また、InstagramなどのSNSでは、数百万円かけて作成したプロモーション動画よりも、スマホで撮ったアマチュア動画が共感を呼びます。
IGTVを活用した動画マーケティングは、まさに手間・コスト・リスクなしのマーケティング手法です。
「SNSはマーケティングに活用しているけれど、動画は敷居が高くて…」という企業こそ、IGTVで動画マーケティングを始めてみてはいかがでしょうか。