目次
広告にはさまざまな手法があります。その一種である”タイアップ広告”というものをご存じでしょうか。
”タイアップ広告”という名前は知っていても、具体的にどのような効果があるのか、知っている人は少ないでしょう。
この記事ではタイアップ広告の特徴やメリット・デメリット、効果的な活用方法を紹介します。自社で新たな広告手法を検討している方は、ぜひこの記事を参考にタイアップ広告を活用してみてはいかがでしょうか。
タイアップ広告とは
タイアップ広告は企業がメディアに広告費を支払い、雑誌やWeb上に記事形式で掲載されるのが特徴です。記事形式の広告であることから「記事広告」と呼ばれる場合もあります。
従来のような画面の一部を占有するWeb広告はユーザーに嫌われる傾向にあり、広告を表示させないようにするサービスも登場しています。
このような状況もあり、ユーザーの邪魔にならずコンテンツの一部として画面に溶け込んで表示される「ネイティブ広告」の普及が進みました。タイアップ広告はネイティブ広告の一種で、広告色が薄いのも特徴のひとつです。
タイアップ広告として良質なコンテンツを提供することで、有用な記事としてユーザーに受け入れてもらうことが期待できます。
オーガニック記事とタイアップ広告
タイアップ広告に似たオーガニック記事というものがあります。表示される形は似ていても、それぞれ異なる特徴を持っています。
オーガニック記事
- メディア側が企画して、取材を申し込む
- 費用は無料
- 編集権はメディア側にある
- 掲載保証はなく、いわゆる「ボツ」になる可能性もある
オーガニック記事のメリットは、メディア側から取材を申し込むため、費用が発生しないところにあります。広告費が発生していない記事であるため、「PR」などの表記がなくユーザーに信頼感を与えやすくなります。
反対にデメリットは、編集権がメディア側にある点です。メディア主体で記事を編集するため、意図している文脈で記事が作られる保証はありません。メディア側で状況が変われば、掲載されない場合もあるので、注意が必要です。
タイアップ広告
- 広告を出稿したい企業がメディアに依頼する
- 広告費用が発生する
- 編集はメディアと広告主の双方がディスカッションして決める
- 掲載保証がある
タイアップ広告は企業からメディアに依頼し、記事が公開される流れです。広告費用は発生しますが、記事の方向性については双方で相談して決められるため、企業の意図が伝わりやすくなります。
特定のユーザーに企業の商品やサービスの魅力を広めたい場合は、記事の方向性を調整できるタイアップ広告がおすすめです。
タイアップ広告のメリットとデメリット
上記でタイアップ広告とオーガニック記事の違いを説明しましたが、ここからはタイアップ広告単体のメリットとデメリットを解説していきます。
タイアップ広告の出稿を検討する場合は、これらを踏まえて検討すると良いでしょう。
メリット
1. 第三者目線で記事が書かれるため信頼を得やすい
タイアップ広告は、企業・メディア間で内容や文脈の調整などは行われるものの、基本的にはメディア側が情報収集や取材を行なった上で書かれるものです。
メディアという第三者の視点が入ることにより、通常の広告よりは客観性があるものとみなされ、ユーザーからの信頼を得られます。
2.ターゲット層に効率的に配信できる
どのメディアでもペルソナ設計があります。
例えば、
- 20代の女性
- 新社会人~中堅社会人
- 独身
- 毎月2~3万円美容費を使う
上記のようなメディアとタイアップして「コスメ」「美容器具」の広告を出すと、それらに興味を持っているユーザーに認知してもらうきっかけになります。
このように売り込みたい商品・サービスにマッチしたメディアにタイアップ広告を出すことで、ターゲットとするユーザーに情報を届けられ、効率的に認知を広げられます。
3.メディアのブランド力を活かせる
タイアップ広告では、広告を出稿するメディアの力を活かせます。
知名度の高いメディアに広告を出稿すれば、ターゲットに近いユーザーに情報発信でき、認知度を高められます。
また「信頼できるメディアが出す記事だから、そこに書かれた情報は正しいに違いない」とユーザーが認識することで、広告内に書かれている情報に対して信頼感も得られます。
デメリット
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。タイアップ広告の出稿を検討されている方に向けて、デメリットも細かく解説していきます。
1.費用がかかる
メディアによって課金形態は異なりますが、リスティング広告などに比べて高額な費用が必要です。
相場としては中規模程度のメディアで50〜200万円程度、大手メディアともなれば1,000万円以上かかることもあります。
2.時間がかかる
費用だけでなく時間もかかります。タイアップ広告ではメディア選定後、記事の方向性のすり合わせ、執筆、確認など、メディアと企業の間で多くのプロセスが発生するため、短期間では掲載できません。
掲載までに最低でも1ヶ月程度の準備期間が必要なので、時期が迫る期間限定のキャンペーンなどには活用できないでしょう。
3.リテラシーの高いユーザーが離脱する可能性もある
タイアップ広告は規制上PRであることを紙面や画面上に掲載しなければならないため、リテラシーの高いユーザーは広告だと判断し、記事を読まずに離脱することが考えられます。
タイアップ広告の効果的な活用法
続いては高いマーケティング効果が得られるタイアップ広告の活用方法を紹介します。
ターゲットがマッチするメディアに掲載する
ユーザー層や掲載ジャンルが限定されているメディアを活用することで、より効率的にタイアップ広告を活用できます。
記事をメディアに出稿するとなると、大手のメディアで広告を発信して膨大なユーザーに読んでもらうことがベストであると思われがちです。それが必ずしも悪いわけではありませんが、大手のメディアは広告料が高く、万人に受け入れられる記事を出稿しなければならないため、マーケティングにおけるターゲットが明確な場合には効率の良い方法とはいえません。
高価な時計であれば高所得者のビジネスマンをターゲットとしたメディアに出稿する、というように、ターゲットとマッチしたメディアにタイアップ広告を出せば、広告料を抑えながら高い宣伝効果が得られます。
連載記事により認知度をさらに高める
タイアップ広告は企業側の負担も小さくないため、単発で終わってしまうケースも多いのですが、マーケティングの観点からは連載した方が効果は高まります。
コンテンツが良質であれば、回を重ねるごとに読んでくれるユーザーは増えていきます。初めはPRという文字を見て敬遠していた人も、徐々に書いている内容に興味を持ち、やがて広告を読んでくれるかもしれません。
継続的な連載により「単なる広告」ではなく、「特定企業が発信している読み物」としての地位を確立できれば、自然な形で商品やサービスのPRにつなげられます。
コンテンツを工夫して記事の信頼性を高める
「結局は広告だから」とユーザーが離脱してしまうデメリットは、コンテンツを工夫することでカバーできます。
例えば、有識者などを巻き込んだ記事にすることで、より記事の信頼性を高めることが可能です。もちろん、有名人やインフルエンサーの起用それ自体がユーザーを惹きつける効果もあります。
- 有識者や著名人との対談
- ユーザーへのアンケート調査結果を踏まえた記事
- インフルエンサーを起用した企画の実施
いずれの手法も単なるタイアップ広告よりも、費用や負担は発生するものの、他者を巻き込むことで、情報の信頼性を高めて、効果の出やすい広告を出稿できるでしょう。
タイアップ広告が向いているケース
「自社発信の広告に限界を感じ、新しい施策を試してみたい。」「新商品・サービスを広めたい」こういったお悩みをお持ちの方には、タイアップ広告がおすすめです。バナーよりも多くの情報量を伝えられるため、新商品・サービスへの認知を広げ、理解を深めたい場合に適しています。
メディアの力を借りることで、信用を勝ち取りやすいため、新たな何かを紹介したいケースに最適です。
タイアップ広告が向いていないケース
「コストをかけたくない」「すぐに情報を発信したい」方には、タイアップ広告はおすすめできません。
デメリットでもお伝えしたように、タイアップ広告の出稿には高額な費用と時間が必要です。まずはコストや時間をかけずに試してみたいという方は、リスティング広告などから始めるとよいでしょう。
何を言っているかではなく、誰が言っているか
年々ユーザーのネットリテラシーは高くなっており、誰が発信している情報なのかを重要視する傾向にあります。
フォロワーの少ない一般人が発信している情報よりも、人気インフルエンサーが発信している情報に関心を持ちやすかったり、企業が発信している情報よりもユーザーレビューを重視したり、ユーザーの行動は”発信者”によって変容を起こします。
”誰が”によりユーザー行動が変化する点から見ると、メディアの力を借りられるタイアップ広告の重要性は今後増していくと推測できるでしょう。
まとめ
メディアと連携して発信するタイアップ広告は、純粋な広告による集客が難しくなった中で普及した広告形態です。高品質な記事を自社のターゲットに適したメディアに出稿すれば、効率的に企業の商品やサービスの認知を広げられます。
費用がかかる、掲載までに時間がかかるといったデメリットはありますが、メディア編集者と綿密に議論し、良質な記事を発信することでマーケティング効果は一層高まります。
タイアップ記事の出稿を検討する場合には、充分な予算と余裕のあるスケジュールを組んだ上で、自社のターゲットに沿うメディアを厳選して依頼することがおすすめです。
【広告手法チートシート】主要38種類の広告手法から今必要な広告施策が必ず見つかる
タイアップ広告以外にもWeb広告にはたくさんの手法があります。ターゲットや目的に合った広告手法を選ぶことで、得られる効果は高まります。自社に合う広告手法を見つけたい方は、こちらのチートシートを参考に適切な手法をお選びください。