Yahoo!ディスプレイ広告の掲載箇所・特徴・ターゲティングを解説! Googleディスプレイ広告との違い

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Yahoo!ディスプレイ広告で使えるターゲティング

日本のWeb広告の2大巨頭である、Google広告とYahoo!プロモーション広告。
特に、この2つで配信できるディスプレイ広告のことを、Googleの場合はGoogleディスプレイネットワーク(GDN)、Yahoo!の場合はYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)と呼びます。

GDNとYDNは、どちらもWeb上の至る所にある広告枠にバナー広告を出稿できる媒体で、主要なWeb広告の手法です。しかし、深く掘り下げてみると意外と違いが多いことがわかります。

過去にGoogleディスプレイネットワークで使えるターゲティングを紹介しました。今回はGDNとYDNの2つを比較しながら、特にYDNについて注目して解説していきます。

Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)とは、Yahoo!が提供するWeb広告サービスのうち、ディスプレイ広告だけを取り扱ったものです。
Google広告の場合は、検索広告もディスプレイ広告も同じアカウント・同じ管理画面にまとめられていますが、Yahoo!プロモーション広告の場合は、検索広告を「Yahoo!スポンサードサーチ(YSS)」、ディスプレイ広告を「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」と呼んで区別し、アカウント・管理画面もそれぞれ別個になっています。
YSSとYDNは別のサービスとして提供されているため、管理画面の見方や、使える機能などに様々な違いがあることに注意が必要です。

YDNはどこに掲載される?

YDNで出稿したディスプレイ広告は、Yahoo!が保有する他のサービスや、Yahoo!のパートナーサイトに設置されている広告枠に表示されます。
Yahoo!が保有する広告枠は、その広告の種類によって、以下の大きく3つに大別されます。

  1. 通常のディスプレイ広告
  2. インフィード広告(ネイティブアド)
  3. ブランドパネル

YDNの掲載面①:通常のディスプレイ広告

YDNの中でも大半を占める通常のディスプレイ広告は、Yahoo!のサービスページやパートナーサイトのあらゆる広告枠に表示される可能性があります。
Yahooが保有する他のサービスというのは、例えばYahoo!ニュースや、Yahoo!天気、Yahoo!知恵袋などが該当します。

Yahoo!知恵袋におけるディスプレイ広告の表示イメージ

Yahoo!知恵袋におけるディスプレイ広告の表示イメージ

大手インターネットサービスプロバイダであるYahoo!のページに広告が表示されるため、Yahoo!を日頃から利用しているユーザーにとっては広告が親しみやすく、ブランドイメージが良くなりやすいという長所があります。

YDNの掲載面②:インフィード広告(ネイティブアド)

YDNの掲載面の2つ目は、インフィード広告と呼ばれるもので、別名ネイティブアドとも呼ばれます。
Yahoo!ニュースのような、サムネイル画像と見出し文がセットになっているところの間に、あたかも記事の一部であるかのように広告を表示できるのが、インフィード広告です。
それが広告であることをユーザーに意識させにくく、自然に広告を溶け込ませることができることから、ネイティブアドと呼ばれています。

Yahoo!ニュースにおけるディスプレイ広告の表示イメージ

Yahoo!ニュースにおけるディスプレイ広告の表示イメージ

インフィード広告の長所は、とにかく違和感なくユーザーにアプローチが図れることで、記事の一覧を眺めているうちに自然に目に入るので広告文が読まれやすく、結果としてユーザーの興味を惹きやすく、コンバージョン率が高い傾向にあります。
ただし、通常のディスプレイ広告と違い、広告枠の数がかなり限られるため、クリック単価が高騰しやすいのが難点です。
商材やターゲティングの方法などで変化はするものの、インフィード広告のクリック単価は、通常のディスプレイ広告の3倍~10倍程度になります。
しかし、そのクリック単価の高さを補って余りあるコンバージョン率の高さで、通常のディスプレイ広告よりも低いCPAでコンバージョンを獲得できることもあるのが魅力です。

YDNの掲載面③:ブランドパネル

YDNの掲載面の3つ目は、ブランドパネルと呼ばれるものです。
ブランドパネルは、Yahoo!のトップページの上下左右を埋め尽くすように表示される巨大なバナー広告です。
まるでYahoo!のトップページを「ジャック」したかのように、ページ全体を使ってディスプレイ広告を見せることができるため、圧倒的なクリック率を誇ります。
また、通常のディスプレイ広告やインフィード広告と異なり、表示される場所が完全に固定されるため、複数のバナー広告を組み合わせて1枚の大きなバナー広告のように見せるなど、工夫次第でいろいろと派手な演出が可能になります。

Yahoo!ブランドパネルの表示イメージ

Yahoo!ブランドパネルの表示イメージ

これらの特徴から、「ブランドパネル」の名の通り、コンバージョンの獲得を目指すというよりも、とにかく広告を見てもらい、Webサイトに流入してもらうことで、ユーザーの認知度を上げるブランディング施策に使われます。

YDNで使えるターゲティング手法

YDNで使えるターゲティング手法のほとんどは、GDNと同様です。
Yahoo!が提供する検索広告のYSSでは、年齢や性別といったユーザー属性でのターゲティングが不可能ですが、YDNでもこれらを使ったターゲティングも可能になっています。
年齢・性別・地域・時間帯・デバイスといったユーザー属性全般に加えて、GDNと同じくユーザーの興味・関心を活用したターゲティングであるインタレストカテゴリー、ユーザーではなく広告を表示するWebサイトをターゲティングするサイトカテゴリー・プレイスメントターゲティング、
そして、過去に自社のWebサイトに訪問したことがあるユーザーを対象にディスプレイ広告を配信するリターゲティング(サイトリターゲティング)があります。

さらに、GDNにはなく、YDNのみで行えるターゲティング手法として、「サーチターゲティング」があります。

YDNのサーチターゲティングでは検索語句に基づいたターゲティングが可能

画像:Yahoo!公式ラーニングポータル YDNのサーチターゲティングでは検索語句に基づいたターゲティングが可能

サーチターゲティングとは、特定のキーワード(検索ボリュームが一定以上あるもの)を登録しておくことで、Yahoo!の検索エンジンでそのキーワードを検索したユーザーだけを対象にディスプレイ広告を表示するターゲティング手法です。
YDNが予め用意しているキーワードしか使用できないので、ある程度有名なキーワードだけという制限はあるものの、ユーザーがそのキーワードを検索しさえすればディスプレイ広告でターゲティングできます。ユーザーの検索行動と連動させたターゲティングが可能なのは、GDNにはないYDN独自の大きな強みと言えます。
ちなみに、GDNに用意されている「購買意向の強いユーザー層」というターゲティングも、直近の検索結果やそのクリックなどの情報に基づいてターゲティングされます。しかし、ターゲティング精度という点ではYDNのサーチターゲティングのほうが具体的で確実でしょう。

なぜサーチターゲティングが大きな強みになるのかと言うと、ディスプレイ広告でニーズの強いユーザーに配信できるからです。
一般に、検索広告は「検索する」という行動を起こしているユーザーに対して配信されるため、ニーズが強く、購買に至りやすいユーザーが対象となります。
反対に、ディスプレイ広告はユーザーの普段のWeb利用時に表示される形になるので、様々なターゲティング手法を駆使していても、検索広告に比べてニーズが弱いといえます。実際に「自分から調べる」という行動を起こしていない以上、購買には比較的至りにくいユーザーが対象といえます。

しかしサーチターゲティングの場合は、ディスプレイ広告でありながら「検索する」という自発的な行動を起こしているユーザーを対象にできるため、検索広告に近く購買意欲が高いユーザーにアプローチが可能になるのです。
これが、YDNのサーチターゲティングの大きな強みです。

YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)とGDNの違い・まとめ

YDNとGDNの違いは、大きく以下の4つにまとめられます。

  1. Yahoo!自らが持つ広告枠に出稿できる(ブランドイメージが良い)
  2. インフィード広告でユーザーに違和感を抱かせにくい
  3. ブランドパネルの強いインパクトによるブランディングが可能
  4. サーチターゲティングで購買意欲の高い層にリーチできる

GDNとYDNの両方を運用している場合、特に大きな強みに感じられるのが、インフィード広告ではないでしょうか。
インフィード広告は、GDNでは配信できない形態で、かつ非常に高いコンバージョン率を誇るので、購買目的での広告出稿で圧倒的な威力を発揮します。

特に、Yahoo!ニュースなど、インフィード広告が表示されるサービスをよく使っている層に対して広告を出稿する場合は相性抜群なはずです。
ターゲティングの種類や広告クリエイティブ、管理画面の操作性などでGoogleディスプレイ広告のほうが評価される傾向にありますが、商品・サービスによってはYahoo!ディスプレイ広告のほうが適しているかもしれません。

これからYDNを運用してみたいと考えている方は、ぜひこれらのYDN独自の強みを活かして、GDNではできないアプローチを試してみてください。