目次
第1回:SEOとは|Googleの理念を基に真のSEOとは何かを理解する
第2回:SEOの3つの柱|テクニカル・オンページ・オフページSEO
第3回:サイト運営者なら知っておきたい!metaタグを理解しよう
第4回:オンページSEO(内部対策)のキーワード選定方法
第5回:SEOライティングの基礎|タイトルとディスクリプション・コンテンツライティング
第6回:SEOの内部対策vs外部対策
第7回:SEO対策に必要なツール
第8回:Googleアナリティクスで確認する指標
第9回:今後のSEO
【SEO対策大全-検索からの集客力を高める方法】シリーズ。SEOの基礎から、SEO対策の中心となる内部対策の具体的な方法や解析ツールなど、必要なノウハウをお届けしてきました。
今回はSEO対策大全の最終回として、今後のSEOについて解説したいいと思います。
2019年9月にGoogleはコアアルゴリズムアップデートを発表しました。
Later today, we are releasing a broad core algorithm update, as we do several times per year. It is called the September 2019 Core Update. Our guidance about such updates remains as we’ve covered before. Please see this blog for more about that: https://t.co/e5ZQUAlt0G
— Google SearchLiaison (@searchliaison) September 24, 2019
日本語訳:本日、年に数回行うようなコアアルゴリズムの更新をリリースします。これは、2019年9月のコアアップデートと呼ばれます。この更新に関する詳細はWebマスターブログをご覧ください。
メディアを運営している人は影響を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最新のコアアルゴリズムアップデートの内容をカバーしつつ、YouTube動画市場や音声検索といった未来のSEOの展望をみていきましょう。
コアアルゴリズムアップデート
“The September 2019 Core Update”(2019年9月コアアップデート)と名付けられた今年に入って3度目となるGoogleのコアアルゴリズムアップデート。
まず、第一回目のSEO大全「Googleの理念を基に真のSEOとは何かを理解する」でも紹介した通り、SEOを制覇するためにはGoogleの方針と理念を深く理解する必要があります。
Googleは世界の検索エンジン上でトップのシェアですので、その土俵で戦うのであれば親であるGoogleの意図を汲み取るべきであることはわかるはずです。
今回のアップデートについて、Googleのウェブマスターセントラルブログに詳しく書かれています。
今回注目すべきは、Googleからコンテンツ制作者、Webサイト運営者に向けた具体的な質問が公開されていることです。これらの質問はGoogleの考えを表している、つまりGoogleのアルゴリズムにも組み込まれているため、非常に参考になります。
SEOに取り組むなら、ぜひ目を通しておき、コンテンツを公開する前に自問してみましょう。
コンテンツと品質に関する質問
1.そのコンテンツは、独自の情報、報告、調査、または分析を提供していますか?
2.そのコンテンツは、トピックに対して実質的で完全、包括的な説明をしていますか?
3.そのコンテンツは、洞察力に富んだ分析や、興味深い情報を提供していますか?
4.そのコンテンツが他のソースを使用している場合、単なるコピーではなく、付加価値と独創性を提供していますか?
5.見出しやページタイトルは、内容を説明する有用な要約になっていますか?
6.見出しやページタイトルは、誇張や誤解される表現になっていませんか?
7.そのコンテンツは、ブックマークしたり、友人との共有したり、お勧めしたいページですか?
8.そのコンテンツは、雑誌や百科事典、または本で参照されると思いますか?専門的な質問
1.そのコンテンツは、明確な情報源、証拠、著者や引用するサイトの情報(著者ページへのリンクやサイトの概要など)など、を呈示していますか?
2.そのコンテンツを制作している人は、そのトピックの権威者、または広く認識されている人ですか?
3.そのコンテンツは、そのトピックの専門家や愛好家によって書かれていますか?
4.そのコンテンツには、簡単に確認できる事実上の誤りがありませんか?
5.お金や人生といった問題について、そのコンテンツを信頼できますか?プレゼンテーションと制作の質問
1.そのコンテンツに綴りやスタイルの間違いはありませんか?
2.そのコンテンツは、上手く制作されましたか、それとも不完全に見えますか?
3.そのコンテンツやWebサイトが注目されない場合、外注でコンテンツを量産したり、リンク購入したりしていませんか?
4.そのコンテンツには、メインコンテンツから注意をそらすような広告が大量に含まれていますか?
5.モバイルデバイスでコンテンツを表示すると、コンテンツは適切に表示されますか?比較質問
1.検索結果の他のページと比較した場合、コンテンツは実質的な価値を提供しますか?
2.そのコンテンツは、サイトの訪問者の利益に貢献しているように見えますか?それとも検索エンジンのランクを上げるために存在しているように見えますか?
※和訳はGrab編集部が担当
1. コンテンツの質はさらに求められる時代に
これまでもコンテンツの質を大切にとはいわれてきましたが、Googleはコアアップデートでさらにコンテンツのクオリティーを追求しています。
Googleのいう質の高いコンテンツとは、
- オリジナル(第一次情報)の内容であるか
- リサーチや研究がされているか
- トピックに対して完全な理解を深める内容であるか
- 当たり前のことを並べえただけでなく付加価値はあるか
- ヘッドラインやタイトルはコンテンツを要約したユーザーにわかりやすい内容になっているか
- ブックマークしたり友達にシェアしたい内容か
- 雑誌や専門書、書籍などに載せれるような内容であるか
といったことが挙げられています。
質の高さがさらに求めれられているということがわかりますね。
とはいえ、基本はやはり変わらないので、忠実にコンテンツを作ってきた人にとっては成果が実ったコアアップデートだったとも言えるでしょう。
2. 専門性・関連性・権威性の高さ
アップデート以降、専門性・関連性・権威性の高さもさらに求められています。
Googleのコアアップデートの目的は、関連性が高く権威性のあるコンテンツをユーザーに届けること。
- ソースやエビデンス、専門家のバックグラウンドなどが明記・リンクされていて信憑性の取れる内容か
- サイトは信頼できるもので多くの人に知られているものか
- コンテンツはそのトピックについてよく知る専門家によって書かれたものか
- 嘘は書かれていないか
- お金や人生に関わる内容の場合、安心して信頼できる内容であるか
といったことが挙げられています。
3. SEO以外からの流入に徐々にシフト
コアアップデートの内容の一つに、
- SEOで上位に行くためだけに考えられたサイトになってはいないか
- コンテンツがユーザーの純粋な興味を満たす内容ではあるか
ということも書かれています。
つまり、今後はSEOだけのための小手先だけのテクニックであったり、質の伴わないコンテンツはどんどん評価がされなくなっていくということがわかるはずです。
4. コンテンツの邪魔になる広告は削除
コンテンツの邪魔になるほど広告を貼るのはNGであるということも発表されています。
収益目的で広告ベタ張りのメディアは、ユーザーからすると見にくいですよね。
やはりここでも、ユーザー目線を貫くことが今後のSEOでは最重要視されているという結論になります。
ユーザー目線ということに言及しておくと、誤字や文字のスタイルも影響すると発表されています。また、大量生産型のキュレーションメディアも良くないということも明らかになりました。
YouTube動画がGoogle検索結果上位に登場
最近のGoogleの検索結果では、YouTubeの動画が上位に表示されているということに気付いた方も多いのではないでしょうか。
これからのSEO対策はテキストコンテンツだけでは足りません。YouTubeをはじめとする動画メディアなど、Googleの検索結果には様々なコンテンツが表示されるようになっています。
YouTubeはGoogleが運営している
YouTubeはGoogleが運営しています。YouTube上にはYouTube独自のサーチエンジンがあるのですが、YouTubeのコンテンツもいわばGoogle上のコンテンツということになります。最近は多くの検索クエリで検索結果1ページ目にYouTube動画が多く表示されていることを見れば、今後Googleは動画市場に注力していくということも読み取れるはずです。
テキストコンテンツから動画コンテンツの時代に
動画広告市場が勢いを増して拡大をしている今、企業は動画コンテンツにどんどん参入している状況です。2020年には5G利用もスタートされ、通信速度が爆速に。
Googleの調査では、「買い物前に動画を探す」と回答した人は50%以上だそうです。ユーザーの行動を読むことで、オンラインの動画コンテンツがいかにエンゲージメント率の高いメディアであるかということがわかります。
スマホ上での動画チェックはもちろんですが、街中や電車の車内広告でも動画広告を目にすることは増えたはずです。
こういったことから、Googleもさらに動画コンテンツ、すなわちGoogle社の持っているYouTube市場を評価し拡大していくというトレンドであることは言わずもがなの事実ではないでしょうか。
音声検索が検索流入の重要な要素に
2020年には50%以上が音声検索になるといわれています。
SiriやAlexa、Google Homeなど、デバイスに話しかけるだけで対話のように検索の結果が返ってくるのは非常に便利ですよね。実際に海外では、音声検索に対応するSEOに注目をし、すでに対策を始めているところも多いようです。
音声検索SEOでは、
- ページスピード
- ページがHTTPSであること
- 音声検索に対する短い答え(29文字)があること
- ウェブサイトの権威性
- SNSでのシェア数の多さ
- 小学生でもわかるようなシンプルな内容
- 強調スニペットに表示されている内容
が強いということが研究で分かっています。
しかし電車での通話禁止や公共の場で独り言をブツブツと話す文化のない日本では、どれほど浸透するのか非常に興味深いです。中華圏やアメリカでは筆者もよく音声検索をしている人を見るのですが、日本ではまだ少ないかもしれないですよね。国民性が出る部分かと思います。
今後のSEO まとめ
今後のSEOについて、最新のコアアルゴリズムアップデートの情報を解説しながらお話ししました。
全9回のSEO大全で、いろいろなことをお伝えしましたが、初回から変わらず基本にあるのは“Googleの理念を理解すること”。
確かに、SEOのテクニックや手法を学ぶことも良いのですが、その裏にある理由付けまで必ず確認をすることで、なぜその作業が必要なのか理解できるはずです。
アップデートが進化していくにつれ、小手先だけの手法はいずれ通用しなくなります。自分が一ユーザーとしてどういったコンテンツに満足し、人と共有したいと思えるかを忘れずにSEO対策に取り組めば、アルゴリズムのアップデートに影響を受けることはないはずです。
ネットの世界とはいえど、時代が進めば進むほど人間らしさが求められているのではないでしょうか。
当記事は「Misaki Hoshi」からの寄稿記事です。
ライター:Misaki Hoshi
海外IT企業にて月間400万PVのサイトの編集長や20サイト以上の運営を務め、社内SEO教育も行う。現在は退社し、独立。SEOのコンサルタント業や、自身の開催するオンラインライター講座でSEOライティングを教える。人生のヒントやメンタルヘルスへの理解向上を目指すLIFEカタログ(https://life-catalog.com)を運営。
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