目次
- 1 SEOの歴史を振り返る
- 1.1 1994年~1995年 検索エンジン登場
- 1.2 1996年~2001年 Yahoo!JAPAN登場&台頭
- 1.3 2002年~2011年 被リンク全盛期
- 1.4 2012年 ペンギン・パンダアップデート
- 1.5 2013年 コンテンツSEO 長文・大規模化の流行
- 1.6 2013年 ハミングバードアップデート
- 1.7 2014年 ベニスアップデート
- 1.8 2015年 モバイルフレンドリーの導入
- 1.9 2015年 ランクブレイン導入(記事の質を重要視)
- 1.10 2016年 アルゴリズムの自動化 UXの重要度がアップ
- 1.11 2017年 健康アップデートなど日本独自のアップデート
- 1.12 2018年 コアアルゴリズムアップデート
- 1.13 2019年 BERT導入
- 1.14 2020年 引き続きコアアルゴリズムアップデートを実施
- 2 令和時代、これからのSEO
- 3 SEOの歴史と令和時代のSEO まとめ
日本初の検索エンジンが誕生してから、2020年現在までで26年が経っています。その間に検索結果で上位表示を目指す「SEO」という手法が生まれ、多くのマーケティング担当者が日々対策をしています。
本記事では、検索エンジンが誕生してから現在までの「SEO」の流れを振り返り、現在から今後のSEOに何が重要とされているのかを解説しています。
SEOの歴史を振り返る
SEO対策には時期によってトレンドがあり、上位表示するための難易度も施策も時代ごとによって異なります。現在のSEO対策は過去と違って難易度が高く、年々難しくなってきました。
まずは検索エンジンが生まれた1990年代のSEO対策から振り返っていきましょう。
1994年~1995年 検索エンジン登場
日本ではこの年代に、学生個人が開発した検索エンジンや、NTTが開発した検索エンジンなどが誕生し、一般的に利用されるようになりました。このころはまだまだWebサイト自体が少なく、検索結果で上位表示を目指すための「SEO対策」を実施する必要はそこまでありませんでした。
1996年~2001年 Yahoo!JAPAN登場&台頭
1996年にはYahoo!JAPANがサービスをスタートさせました。元々アメリカで知名度の高いYahoo!ということもあり、いっきに日本の検索エンジンシェアトップに上り詰めました。Yahoo!JAPAN内でディレクトリ登録を済ませたサイトが上位に表示される仕組みであったため、このころのSEO対策は「Yahoo!JAPANにカテゴリ登録をする」というのがメインでした。
2002年~2011年 被リンク全盛期
Googleが登場してから、Yahoo!JAPANよりもGoogleのシェアが拡大されていきました。この時代では「被リンク」さえ大量に獲得していれば上位表示できるというSEO対策が主流でした。
この頃はGoogleからの評価として、被リンクの重要度が高かったことから、上位表示のために被リンクを集める企業が多く、自演リンクや相互リンク、被リンク購入などが多発していました。今ではペナルティになってしまうような被リンク施策が全盛期だった時代です。
2012年 ペンギン・パンダアップデート
このアップデートにより「スパムリンク」や「ブラックSEO」が排除されていき、長く続いた被リンク全盛期が終わるきっかけとなりました。
ペンギンアップデートでは、自演リンクや過度な相互リンクや特定のキーワードを無理やり詰め込んだスパムページを、パンダアップデートでは、キーワードが羅列されていたり広告だらけになっていたりする低品質のページには、インデックス削除もしくは順位下落されました。
このアップデートにより、リンクスパムなどの手法はリスクが大きいという認識がSEO界に広まったのです。
2013年 コンテンツSEO 長文・大規模化の流行
最初のペンギン・パンダアップデートが行われた2012年以降、被リンクではなくコンテンツで上位表示を目指すという流れができました。コンテンツSEOが流行していく中で、徐々にページを長文化する流れが生まれ、長文化・大規模化が流行しました。
2013年 ハミングバードアップデート
今までのSEO対策ではサイト内にキーワードが埋め込まれていれば、検索意図とマッチしていなくても上位表示されていましたが、このアップデートにより記事内に埋め込まれているキーワード数よりも検索意図とのマッチ度が重視されることになったため、「自然なコンテンツを書くこと」が主流になりました。
2014年 ベニスアップデート
2011年ごろからスマートフォンが急激に普及し、外出中にスマートフォンでWeb検索をする人が増えました。これによりエリア関連のキーワードが位置情報と結びつくように「ベニスアップデート」が行われました。
すぐに情報を知りたいというときに、スマートフォンで検索することが多いですが、「ベニスアップデート」によりエリアと関係の深いキーワードが検索された際に、検索キーワードにエリア名を含んでいなかったとしても、位置情報で判別した「現在地」に最適化された検索結果が表示されるようになりました。
エリアと結びつきのないページにおいては関係のないアップデートですが、歯医者や美容室、レストランなど地域と関係の深いページには影響が大きなアップデートとなりました。
2015年 モバイルフレンドリーの導入
2015年にアメリカや日本など世界10か国で、Google検索の回数がPCよりスマホ経由のほうが多くなったとGoogleから発表されました。
この状況を受けて、Googleはモバイルフレンドリーアップデートを行い、スマホでの閲覧に最適化できていないページの「スマホからの検索順位」を下げました。この頃はまだスマホ最適化がされていないサイトも数多く存在していましたが、このアップデートによりサイトのスマホ最適化はSEO対策の必須事項となったのです。
2015年 ランクブレイン導入(記事の質を重要視)
モバイルフレンドリーと同年に「ランクブレイン」が導入されました。検索クエリと記事の関連性をAIが判断するアルゴリズムのことで、重要な指標とされています。
これまでの歴史により、ブラックハットSEOはだんだんと衰えていき、SEO対策は小手先のテクニックでどうにかなるものではなく記事の質を上げることが重要になりました。
2016年 アルゴリズムの自動化 UXの重要度がアップ
2016年にペンギンアップデートがコアアルゴリズムに組み込まれ、リアルタイムで反映されるようになりました。こうした流れの中でSEO対策で重要視されるようになったのが「UX(ユーザーエクスペリエンス)」です。UXとは、ユーザーがサイトを利用した際の満足度のようなもので、ランキングに影響する可能性が高いと言われています。
■SEOに影響がある(のではないかと言われる)UX項目と、その改善策の例
UX項目 | 改善策 |
検索結果画面でのクリック率(CTR) | タイトル、メタディスクリプションの改善など |
表示スピード ※のちにランキング要素に加えられた | サーバー変更や画像容量の縮小など |
サイトに訪問して、1ページだけを見て検索結果に戻ったユーザーの割合(直帰率) | 適切な内部リンクを設置する |
ページ滞在時間 | 訪問ユーザーの役に立つコンテンツにする |
これらの気を配りながらSEO対策を行うのが、現代では一般的となっています。
2017年 健康アップデートなど日本独自のアップデート
2016年にとあるキュレーションサイトが不正確な医療情報を掲載していたにもかかわらず、検索結果で上位表示されていたという問題が起こりました。この件を受けて日本では「日本語アップデート」と「健康アップデート」の2度アップデートが行われました。
これらのアップデートにより、「YMYL(健康・医療・お金・生活)」などに関連する領域の検索結果では、病院や製薬会社・公的機関など信頼性・権威性の高いサイトが上位表示されるようになり、反対に医療関係者ではない個人や企業の作ったサイトの多くが順位を落としました。
健康アップデート以降、Googleの検索品質評価ガイドラインで定義されている「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」という概念の重要性が高まり、「YMYL」領域では「E-A-T」があるとみなされたサイトが上位表示されるようになりました。
2018年 コアアルゴリズムアップデート
2018年以降、年に数回コアアルゴリズムアップデートが行われるようになりました。アップデートによりどのような変更があったのかは明かされていませんが、全体的には「信頼性重視」になっていると予想されています。この頃からページやサイトの質だけでなく、サイト運営者の持つ「E-A-T」が評価されるようになりました。そこに今までの歴史にあった「被リンク」「UX」などの評価が加わるため、昔のようにテクニックだけでの上位表示は難しくなり、総合力を高めたSEO対策が広まったのです。
2019年 BERT導入
2019年に「BERT」が検索アルゴリズムに導入されました。「BERT」とはGoogleが開発した自然言語処理技術です。会話型クエリやあいまいな検索クエリからでも正確な検索結果を返せるようになり、クエリとマッチするページが上位に表示されるようになりました。
2020年 引き続きコアアルゴリズムアップデートを実施
2020年になってからもすでに1月と5月にコアアルゴリズムアップデートが実施されました。このアップデートでも「E-A-T」があると見なされたサイトが上位表示される傾向にあります。
令和時代、これからのSEO
ここまで過去のSEO対策について振り返りましたが、これから先のSEO対策はどのようになっていくのか考察していきます。
過去のようなわかりやすい対策はなくなった
検索エンジンが生まれてから約30年間、SEOは激動でした。さまざまなアップデートが重ねられた今、「SEO対策」は小手先のテクニックでどうにかなるものではなくなっています。どれか一つを対策すれば上位表示されるものではなくなりました。
今後のSEOでやるべき施策
上述していますが、SEO対策は年々複雑化し、難易度が上がっています。これだけやれば順位が上がるという施策はなく、今後もますます複合的な施策が求められるようになるでしょう。そんな中でもこれからのSEO対策の中でより重要とされている施策やポイントをまとめてご紹介いたします。
■「Googleファースト」ではなく「ユーザーファースト」を心がける
「Googleが掲げる10の真実」というGoogleの理念があります。この中で1番目に記載されているのが「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」という文章です。
Googleが今まで実施してきたアップデートはすべてユーザーの利便性を上げるためのもの。これから先のアップデートも同じ目的で実施されていくでしょう。これからの時代はアルゴリズムの穴をつくのではなく、ユーザー目線に立ったサイト運営によりSEO対策を行うべきと言えます。
【検索ユーザーのための施策例】
・コンテンツの質の向上
・正確な情報を掲載する
・検索ユーザーの知りたいことを端的に伝える
・画像やイラストを使って視覚的に分かりやすくする
・他サイトにないオリジナルの内容
・無理にキーワードを入れこまない
など、ユーザーの利便性を上げるための施策をとりいれて、上位表示を狙っていきましょう。
■E-A-Tを獲得する
近年のGoogleアップデートでは、E-A-Tの高いサイトが上位表示する傾向があります。特にYMYL領域では、E-A-Tの高いサイトでないと上位表示できないクエリが増えています。E-A-Tはすぐに高められるものではありませんが、対策として下記のようなものが考えられています。
・運営者情報を明記する
・コーポレートサイト・Googleマイビジネスのリスティング・SNSアカウントなどを作り、内容も充実させる(理念・事業内容・資格など)
・上記のサイト等と運営サイトを相互リンクする
・Webサイトとコーポレートサイトを相互リンクする
・受賞歴やメディア出演歴などを明記する(schema.orgのプロパティを使うと良い)
・ドメインのwhois情報を運営者のものにする(whois代行などを使わない)
・被リンクまたはサイテーション(Webサイトや運営者へのネット上の言及)の獲得
SEOの歴史と令和時代のSEO まとめ
SEOで上位表示するための答えというものは誰にもわかりません。アップデートが自動化された現在では、リアルタイムで検索順位が変動するため今後のSEO対策はより難しくなっていくでしょう。
ですが、Googleは創業以来一貫して「ユーザーファースト」を理念として掲げています。数々のアップデートもユーザーの役に立つ検索エンジンとなるために行われています。今後のSEO対策では、むやみやたらに施策を張り巡らせるのではなく、ユーザーから評価されるサイト作りを行うことで、結果的にGoogleから評価されていくサイトを作っていくことがおすすめです。