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Web広告の出稿前に知っておきたい|適切な広告代理店の選び方

Web広告の出稿前に知っておきたい|適切な広告代理店の選び方

    

このシリーズは「初めてのWeb広告|広告出稿前に知っておきたいことシリーズ」というテーマで、これからWeb広告を活用しようという広告主様に向けて届けています。
これまで主要な広告手法やWeb広告のメリット・デメリット、Web広告の原則などを紹介してきました。そのほかにも、Grabでは広告クリエイティブやターゲティング設定、戦略など様々なテーマの情報をお届けしてきました。

これからWeb広告を活用しようという広告主様の中には「やっぱり難しそう」「すべてを理解するのは大変」「自社で運用するリソースやノウハウがない」と感じる方も少なくないと思います。

そこで活用したいのがWeb広告の運用代行、コンサルを行ってくれる代理店です。
広告代理店は広告のプロが在籍しており、適切なところに依頼すれば自社のリソースを割かずに広告成果を得ることができます。

しかし、広告代理店によって特徴や強み、運用方法は様々です。自社にとって適切な代理店を選ばないと、成果が得られないだけでなく、コミュニケーションなどで思わぬコストがかかってしまうこともあります。

それでは、広告代理店を選ぶ際、どういう点に注目すればいいのか、何を確認すればいいのかを見ていきましょう。

関連記事:Web広告の自社運用・代理店運用のメリット・デメリット

広告代理店の運用体制を確認

広告運用を依頼する以上、一番大切なことは運用体制です。同じ広告を運用しても代理店によって運用方針は様々です。
運用方針とはつまり「広告運用において何を大切にしているか」です。広告主のお金を預かる以上、リスクヘッジを第一に考える代理店もあれば、純粋に成果獲得を求める代理店、説明責任を果たすことを重要視する代理店もあります。

広告代理店は単なる外注先、取引先ではなく、ともに事業成果を伸ばすビジネスパートナーと考えることが重要です。

事前にシミュレーションを行うなど数字による提案があるか

事前にシミュレーションを行うなど数字による提案があるか
Web広告の出稿前に知っておきたい5つの原則」で「計画段階で広告成果は8割決まっている」という原則を紹介しました。Web広告では過去実績や業界の平均値など様々なデータを活用し、事前に成果をある程度予測することができます。
代理店が広告運用前にしっかりと数字でシミュレーションするかどうかは必ず確認しましょう。シミュレーション無しに提案を進める代理店は危険かもしれません。

ただしあくまでもシミュレーションは予測でしかありません。シミュレーションの数字をうのみにしないよう、次のような質問をしてみてください。

  1. コンバージョン率の根拠は何か
  2. コンバージョンの定義は何か
  3. インプレッション数やクリック数の根拠は何か
  4. 競合商材の場合どういった数字になるか
  5. 具体的にどのようなターゲティングを行うのか

こうしたことをしっかり聞いて納得出来たら、シミュレーションとして十分な品質があるといえます。

営業担当者にも広告知識があるか

会社全体や広告運用担当者の力量も重要ですが、実際のやり取りは営業担当がメインになると思います。その場合、営業担当に広告知識がないと話がスムーズに進みません。
検討している広告手法や目標について、営業担当者自身に聞いてみてください。例えば「ディスプレイ広告はどんなことができますか?」と聞いて具体的な返答がすぐに返ってきたら安心です。

突っ込んだ質問をして相手の知識を測るには、こちらもある程度の知識が求められます。しかし、このシリーズで紹介しているような原則や主要な手法の特徴を知っていれば十分でしょう。

広告運用担当者と直接打ち合わせできるか

営業担当者の知識があっても、やはり定期的に実際に運用している担当者と打ち合わせすることも重要です。
広告運用担当者は日々あなたの案件に対して、細かな数字を追いかけたり、競合の動きを調査したりしています。また、広告主側でしかわからない感覚を直接運用者に伝えることも重要です。
例えば「最近、問い合わせの数は増えているけれど、受注率が低下している」場合はしっかり伝えましょう。運用担当者は広告管理画面の数字を見て日々の運用改善を行っています。運用改善で見かけ上の問い合わせを増やした結果、問い合わせの質が低下してしまうことはよくあります。
こうした繊細な部分については実際にどういった設定で運用しているのか、最近どんな変更を加えたのかを理解している運用担当者に直接伝えることが重要です。

Web広告の成果だけでなく事業成果まで考慮してくれるか

Web広告の成果だけでなく事業成果まで考慮してくれるか
Web広告は手段であって目的ではありません。大切なことはあなたの事業成果を伸ばすことです。
しかし、代理店によっては広告成果を伸ばすことに注力するあまり、事業成果を考慮できていない場合があります。こうした代理店に依頼すると、広告成果と事業成果のズレが解消できず、互いの正義がぶつかり合ってストレスになります。
代理店は広告成果を上げることが正義、広告主は事業成果を上げることが正義、ではなく、広告はあくまで手段の一つであることを理解して事業成果にコミットしてくれる代理店が理想的です。

弊社でもよくあることですが、事業成果にコミットした結果、広告成果が落ちることがあります。代理店としては非常に心苦しいのですが、こればかりは広告主とコミュニケーションをとって事業成果を追いかけることが正義だと考えています。
弊社も案件によっては広告成果だけではなく、受注につながったかどうかまで共有してもらい、運用に活用しています。そうした対応が可能か聞いてみましょう。

広告の成果・経過報告の方法はどうなっているか

Web広告は原則形がありません。テレビCMや新聞広告であれば、実際に広告が掲載されたところを確認できますが、Web広告ではそうもいきません。
そのため、Web広告では成果や経過の報告、つまり広告レポートが納品物になります。

どういった形のレポートで報告してくれるのか、提出頻度はどの程度かを事前に確認しておきましょう。広告管理画面からエクスポートした生データをそのまま提示する代理店もあれば、分かりやすいように視覚化して必要なデータだけに焦点を当てたレポートを作成する代理店、広告成果の数字のみで広告文やキーワードなどを提示しない代理店もあります。
レポートは細かく数字がのっている方がいいかというと決してそうではありません。自社である程度のレポーティング能力がある場合は生データをもらってもいいでしょうが、そうではない場合はある程度要点をついて整えられたもののほうがいいでしょう。

広告代理店の能力を確認

どんなに運用体制が良くても、成果を出すのはスキル、ノウハウ、つまり広告代理店の能力です。
広告運用のスキルを事前に知ることは難しいですが、ある程度推測することも可能です。

主要な広告手法以外にも対応しているか

主要な広告手法以外にも対応しているか
Web広告の種類は様々で、それぞれ独自の強みや特徴、機能を持っています。弊社が扱っているものも30種類以上ありますが、「一番この手法がいい」というのは存在しません。目的や商材によってベストな手法は都度変わります。

広告代理店の能力を測る場合、どんな広告手法に対応しているかを聞いてみましょう。
幅広い手法に対応している代理店は学習能力が高く、自社に最適な広告手法、新しく登場した広告手法を積極的に提案してくれます。

また、Web広告の成果を最大限獲得するためには、複数手法の掛け合わせが欠かせません。対応している手法が少ない代理店を選ぶと、すぐに広告成果が頭打ちになり、別の代理店を探す必要が出るかもしれません。

ただし特定の広告手法を軸として持っている代理店はあります。弊社で取り扱いが一番多いのはGoogle広告ですが、これは弊社の実績や能力から「Google広告なら任せてください」とはっきり言えるからです。
一方、DSP広告の取り扱いは他の代理店よりも少ないかもしれません。DSP広告にはアドフラウドなどいろいろなリスクがあるため、完全に商材とマッチしている、広告主からの強い要望があるなどを除いて積極的に提案していないためです。

最新の認定資格を保有しているか

最新の認定資格を保有しているか
Googleには「Google広告認定資格(GooglePartner)」、Yahoo!には「Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験」などの広告媒体認定取得があります。
そのほかにもGoogleデジタルワークショップ、GAIQ、ウェブ解析士、ネットマーケティング検定など様々なWeb広告、マーケティング関連資格があります。
資格を持っているからといって能力があるとは言えませんが、少なくとも最低限の知識を持っていることは保証されます。認定を受けている代理店から選ぶことで、危険な代理店を選んでしまうリスクを下げることができます。

ランディングページ、広告バナーの制作も可能か

ランディングページ、広告バナーの制作も可能か
Web広告で成果を得るためには、運用意外にランディングページや広告バナー、広告用動画など様々な広告クリエイティブが重要です。
よくランディングページなどは付き合いのある制作会社に依頼し、広告運用を別の代理店に依頼するケースがありますが、あまりお勧めできません。というのも、広告運用と広告クリエイティブは常にセットで考える必要があるからです。

広告運用で新しいターゲティングや広告文、設定を発見しても、それにふさわしい広告クリエイティブがなければ成果は半減します。広告成果とは運用で得るものではなく、運用、クリエイティブ、商品・サービスが一体となって獲得するものです。

そう考えると、広告代理店を選ぶ際は運用力だけでなく制作力も重視する必要があります。

広告代理店は運用代行費の安さで選ばない

広告代理店を選ぶ際にどうしても気になってしまうのが手数料、運用代行費用です。業界の相場としては広告費の10~20%程度が代行費としてかかってきます。

弊社も代理店なのでいいづらい部分ではありますが、広告主にとって代行費が10%か20%かはほとんど重要ではありません。
例えば、広告費が100万円の場合、代行費が10%であれば110万円、20%であれば120万円支払うことになります。運用代行費が10%の会社と20%の会社とでは倍の費用がかかるように感じますが、全体の広告費で見ると10%未満の差でしかありません。
そして広告代理店の運用体制や能力による成果の差は10%どころではありません。代理店を変更しただけで広告成果が数百%改善するということはよくあります。

では、代行費が10%で能力が低い代理店と、代行費が20%で能力が高い代理店に100万円の広告費で運用をお願いした場合、売上にはどんな変化が出るでしょうか。

費用 CPC CVR CV数 売上
代理店A 110万円 100円 1.0% 100件 300万円
代理店B 120万円 50円 2.0% 400件 1200万円

※売上…1CVの見込み売り上げが3万円の場合
※CPC…クリック単価
※CVR…コンバージョン率
※CV数…コンバージョン数

広告代理店は広告費ではなく、代行費で収入を得ています。つまり、代行費が少ない代理店は運用担当者1人当たりが担当する案件数が多くなり、必然的に1案件に割ける時間は少なくなります。
上記の例では、支払う費用はたった10万円しか違わないのに、得られる売上には900万円もの差が生じました。

運用代行費の高い低いは広告費全体や得られる成果から考えるとわずかです。代行費が高いことは決していいことではありませんが、安いという理由で選ぶのは非常に危険です。
広告代理店を選ぶ際は代行費以外の部分で決めるようにしましょう。

広告代理店の選び方まとめ

今回は広告代理店の選び方について、代理店の運用体制や能力でチェックしたいポイントを紹介しました。
いろいろとお伝えしましたが、大切なことは「代理店に何を望むのか」をはっきりさせておくことです。長期的に見たとき、社内運用に切り替えるビジョンがあるのであれば、いろいろと教えてくれることが重要です。逆にすべて任せてしまいたいのであれば、何も言わずにどんどん施策を展開して提案してくれるパートナーシップが重要です。
今回紹介した内容もあくまでも一例、弊社が広告主様にお伝えしていることです。自社にとって何が重要で何が適切か、いろいろな代理店を比較してみてください。