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最近、スタートアップ企業がテレビCMを打つ事例が増えてきているのをご存知でしょうか。
スタートアップ企業と聞くと、広告にかけられる予算が少ない分、より費用対効果が高いと言われるWeb広告に優先して投資しているイメージがあるかもしれませんが、実はスタートアップ企業だからこそテレビCMを打つべきと言える理由があります。
今回は、スタートアップ企業のCM活用のメリットとデメリットについて解説していきます。
スタートアップ企業でもCM活用は増加している
一般的に、テレビCMを打つ目的はリーチの拡大や認知度の向上とされています。
しかし、テレビCMはかかる費用が大きく、効果測定もしづらい点から、従来では特に予算の少ないスタートアップ企業がテレビCMを打つ事例は多くありませんでした。ですが、最近ではテレビCMも効果測定がしやすい環境が整いつつあるため、少ない予算でも適切にテレビCMを打ってリーチの拡大や認知度の向上の効果を見込めるようになってきています。
例えば、テレビCMを使ってインターネットでバズらせたい(話題にさせたい)というスタートアップ企業の例が多くありますが、実際にテレビCMが話題になっているかどうかだけでなく、その先のアプリダウンロードなどの行動にまでテレビCMの効果が直結しているかどうかまで調べることができるようになっています。
それだけでなく、テレビCMのクリエイティブの内容についても、どのようなクリエイティブを制作すればユーザーの行動に繋がりやすいのかというデータも揃ってきており、今ではもはや「テレビCMは効果測定がしづらい」というデメリットは薄くなってきています。
そのため、スタートアップ企業がテレビCMを打つ事例が徐々に増加してきているのです。
CM活用のメリット
では、テレビCMを打つことによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
順番に解説していきます。
メリット①信頼度が高い
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4つの媒体のことをまとめて4マスと呼びますが、その中でもテレビの影響力が特に強いことは今更解説する必要もないでしょう。中でも、テレビは高齢者層からの信頼度が非常に高いことが特徴的です。
テレビと比較されやすく、より簡単に出稿できる広告として、Web広告がありますが、Web広告はどんな企業でも少ない予算から出稿でき、あるいは個人であっても出稿できてしまうという特徴から、テレビと比べると信頼度では劣ります。逆にテレビCMの場合は、出稿するための考査がWeb広告よりも厳しく、業態考査という「その企業がきちんとした企業かどうか」を確かめるための考査も存在しています。
また、ユーザー目線では、「テレビCMは大企業が打つもの」というイメージが強いこともあり、テレビの信頼度の高さはテレビCMの活用の大きなメリットと言えるでしょう。
メリット②幅広い層にリーチできる
テレビは家族で見られることの多い媒体です。
そのため、同時にいろいろな世代にアプローチすることができます。
特に認知度の向上を目指す場合には、大まかな時間帯だけ指定して出稿することで、その中でランダムにテレビCMが放映されていくので、より広い層のユーザーにリーチすることが可能です。
Web広告の場合は若い世代に偏ったり、紙媒体だと中高年層に偏ったりしますが、テレビCMは年齢層の偏りが少なく、幅広い層にリーチできるのが強みです。
メリット③情報量が多い
テレビCMは、当然ですが映像による広告です。映像は情報量が非常に多く、その情報量はテキストの1,000倍とも言われています。
画像やテキストだけでは伝えにくい内容まで映像であれば伝えられるため、テレビCMはユーザーの購買意欲を高めるための媒体としてうってつけと言うことができるでしょう。
CM活用のデメリット
ここまで、テレビCMを活用することのメリットについて解説してきましたが、何事もメリットがあればデメリットもあるというものです。
テレビCMも例外ではなく、デメリットもいくつか存在します。
ここからは、テレビCMを活用することのデメリットについて解説していきます。
デメリット①考査が必要
先述の通り、テレビCMを打つためには、テレビCMの内容と、テレビCMを打つ企業の業態についての考査が存在します。
そのため、どんな企業でもテレビCMを活用できるわけではありません。
また、医療関係のCMなどは内容に関するルールが特に厳しく、放映できない内容も多くあります。
Web広告であっても出稿のための考査は存在しますが、テレビCMの場合はそれがより厳しくなっていると考えるべきでしょう。ただ、テレビCMを出稿するテレビ局によって考査の厳しさは変わってくるので、広告代理店と相談しながら出稿内容を決めることをおすすめします。
デメリット②費用がかかる
テレビCMは、Web広告に比べて高い費用がかかります。
特に、全国区で出稿しようとしたり、ゴールデンタイムに出稿したりしようとすると、莫大な予算が必要になり、使える予算の少ないスタートアップ企業ではとても出稿できるものではありません。
しかし、すべてのテレビCMがそれだけ費用が掛かるというわけではなく、ローカル局で限定的な地域での出稿であれば、比較的安い費用でテレビCMを出稿することができます。目安としては、ローカル局でテレビCMを出稿する場合の最小の予算が50万円~100万円程度です。
この程度の金額であれば、出稿することができるという企業も多くなってくるのではないでしょうか。
デメリット③効果測定がしづらい
テレビCMはWeb広告と比較して、効果測定がしづらいというのがデメリットとしてあります。
Web広告の場合、直接的かつほぼリアルタイムにデータが集計されるので、非常に効果測定がわかりやすく、かつ費用対効果も計測しやすいという大きなメリットがあります。
それと比べると、テレビCMは直接的な効果をすぐに得ることはできないので、効果測定のしやすさという面ではWeb広告に大きく劣ります。
また、費用面についても目安がわかりづらく、統一的な料金体系というものが存在するわけではないので、各テレビ局に見積もりを聞いて出稿を検討することになります。
ただ、効果測定については、冒頭でご説明した通り、テレビCMの効果を測定するためのデータ分析の環境が最近では整ってきており、今までと比べるとずっとわかりやすくなりました。
費用面についても、広告代理店に相談すれば各テレビ局の費用の目安を教えてもらうこともできるので、ある程度解決できます。
効果測定のしづらさというデメリットは小さくなってきています。
CMを打つことで得られる効果
では、テレビCMを打つことで、実際にどのような効果が得られるのでしょうか。
大きく3つの効果を挙げることができます。
テレビCMの効果①短期間で認知度を向上できる
テレビCMの効果の1つ目は、短期間で認知度を向上できることです。
近年では、Web広告の普及によってテレビよりもWeb広告の効果が高くなってきていると言われていますが、それでもまだテレビの視聴時間は決して短くはありません。
テレビの視聴時間は週平均で3時間31分というデータがあり、ユーザーは確かにテレビという媒体に触れているのです。
また先述の通り、テレビCMのメリットとして幅広い層にリーチできるという点が挙げられます。
そのため、テレビCMには短期間で幅広い層に認知度を向上する効果が期待できます。
テレビCMの効果②顧客の印象に残りやすい
テレビCMの効果の2つ目は、顧客の印象に残りやすいことです。
テレビCMは、短い時間で顧客の印象に残りやすくするため、様々な工夫が施されています。
放映時間が短く端的でわかりやすい、繰り返し放映される、視覚と聴覚に訴える、などです。
この記事を読んでいる方々も、テレビCMで頭の中で思い出せるものは数多くあるのではないでしょうか。
短くてわかりやすいテレビCMは印象的で、知らず知らずのうちにユーザーの記憶に残ってくれます。中でもインパクトのある映像やストーリーや音で構成されたCMは強く記憶に残ります。
テレビCMの効果③商品ブランドの信頼度を高められる
テレビCMの効果の3つ目は、商品ブランドの信頼度を高められることです。
先述した「テレビは信頼度が高い」というメリットとも重なることですが、テレビCMは視聴者のブランド意識を高める効果をいくつも持っています。
「費用の掛かるテレビCMを打てるのだから資金に余裕のある会社だろう」
「テレビCMを打つのだから有名な企業なのだろう」
「テレビCMで流れているのだから安心できる商品だろう」
といったようなイメージを視聴者に対して持たせることができ、結果として商品ブランドの信頼度向上に繋がります。
スタートアップ企業でのテレビCM活用 まとめ
今回は、スタートアップ企業がテレビCMを打つことのメリットとデメリット、またその効果について一挙に解説してきました。
最近では、Web広告の普及から、テレビCMよりもむしろWeb広告を選ぶ企業が増えているのが現状ですが、テレビCMの効果が薄れたわけではもちろんありません。Web広告はWeb広告の、テレビCMはテレビCMのそれぞれ良さや持ち味があります。
特に、今回ご紹介したテレビCMのメリットは、Web広告にはないものばかりですので、テレビCMを打つことを検討する材料のひとつになるのではないでしょうか。
先述した通り、テレビCMもローカル局での放映であれば比較的小さな費用で始めることができますし、知名度の低いスタートアップ企業こそ、テレビCMのメリットを活用してテレビCMを打ってみてはいかがでしょうか。Web広告だけでは得られなかったたくさんの効果が期待できるはずです。