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公開日:2022年3月10日/更新日2022年5月31日
手軽に投稿でき、同じ興味を持つ人と簡単に交流できるTwitterは、近年多くの人に利用されています。Twitterからトレンドが生まれ、テレビに取り上げられることも多く、ビジネスシーンにおけるマーケティングでも一目置かれる存在です。
Twitterを活用したマーケティングにチャレンジしている企業も年々増えていますが「始めたは良いものの、どうやってアカウントを育てたらよいか分からない」という声をよく聞きます。
そこで、今回は企業のTwitter運用担当者に向けて、アカウント育成に必須の「分析」について解説することにしました。分析によって課題が明確になり、アカウントを伸ばすための道筋が見えてきます。ぜひ、本記事を参考に今日から分析に着手してください。
Twitterのフォロワー数を伸ばすためには「分析」が重要!
Twitterは有用なWebマーケティングツールです。近年、多くの人がSNSを活用していますが、国内でも利用者が特に多く、利用率は4割を超えています。特に、消費意欲の高い20代では8割に迫る人々が利用している状況です。
(出典:総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」)
現代では、ビジネスチャンスを掴むためにTwitter集客は欠かせない手段となりつつあります。
Twitterは気軽にアカウントを開設できるSNSですが、闇雲にツイートしていても期待通りの効果は得られません。フォロワー数を伸ばし、自社製品・サービスの認知拡大や集客を目指すためには、Twitter分析が重要となります。
分析を実施すれば、ユーザーの生の声をリアルタイムで把握できます。自社製品・サービスがユーザーにどのように受け取られているのかを知ることで、製品・サービスの改善点が明確になります。また、Twitter分析はユーザーの属性や年齢層の把握にも有効です。
競合他社のアカウント分析では、ライバルの投稿内容やどのようなアクションをいつ行っているかが分かり、自社アカウントの運営改善のヒントを得られます。このように、Twitter分析はマーケティングにおいて重要な存在だと言えます。
なお、Twitter集客を成功させるより具体的な方法は、下記の記事で詳しく解説しています。興味のある人はぜひご覧ください。
▶Twitter運用のコツ|フォロワーを増やす方法・成果を出すポイント
Twitter分析を行う4つのメリット
Twitterの持つ拡散力を効果的に活用するためには、分析に基づく運用の改善が必要です。「なんとなく」や「思いつき」の運用では、継続的にアカウントを成長させられません。ここでは、Twitter分析を行う4つのメリットを解説します。
アカウントの運用状況を可視化できる
Twitterに関する各種データを整理することでアカウントの運用状況を可視化できます。数値をベースにした客観的な成果と課題が把握できるようになり、社内での情報共有にも役立ちます。
伸びているツイートの傾向が分かる
Twitter分析では、自社アカウント以外のツイートも調査対象になります。現在バズっているツイートを分析すればその要因を掴めます。また、ユーザーが興味を持ちやすいトレンドを読み取ることも可能です。分析結果を自社のツイートに落とし込めば、より効率的な集客ができるでしょう。
競合他社の動向をチェックできる
競合他社のTwitter分析を実施し運用内容を調査すれば、動向をリアルタイムでチェックできます。ツイート内容や投稿頻度などを分析すると、競合他社のブランディングや広告戦略を確認できます。
他社アカウントが順調にフォロワーやエンゲージメントを獲得しているなら、その企業の運用方法を参考にするのは有効な手段です。また、動向を詳細に分析することで、当該企業との差別化を図ることもできます。
アカウントの成長を加速させられる
Twitter分析の結果を踏まえて、見えてきた成果と課題をベースに運用の改善に努めましょう。投稿内容や投稿時間の改善、他社が行っている効果的なアクションなどを取り入れることで、アカウントの成長を加速させられるようになります。
Twitter分析に重要な3つの視点
闇雲にデータを集めるだけでは、効果的な分析は行えません。見るべき視点、見るべき指標を明確にしておくことが大切です。
ここでは、Twitter分析で重要となる3つの視点と各種指標について解説します。
自社アカウント分析
投稿内容やアクションの改善において必要不可欠なのが自社アカウント分析です。運用の目的に応じてどの指標を重点的にチェックすべきかは変わります。投稿経由のフォロワー数を増やしたい場合は、まず、ユーザーがアカウントをフォローするまでのプロセスを確認しましょう。
1 タイムラインなどから投稿を閲覧する
2 投稿者のプロフィールをクリックする
3 プロフィール画面のフォローをクリックする
従って、インプレッション数の増、プロフィールクリック数の増、フォロー率の向上がフォロワー数を増やすために重要となります。下記の3指標を重点的にチェックすると良いでしょう。
- インプレッション数
ツイートがユーザーのタイムラインに表示された回数です。インプレッションが低い場合は、その投稿はあまり見られていないと考えられます。インプレッション数が伸びる投稿と伸びない投稿の違いを分析し、投稿内容の改善に努めましょう。
- プロフィールへのアクセス数
ツイートからプロフィールがクリックされた回数です。プロフィールにあるフォローボタンが押されなければフォロワー数が増えません。分析を重ね、プロフィールへのアクセス増に結びつく投稿を増やしていきましょう。
- フォロー率
新規フォロワー数をプロフィールへのアクセス数で割ったのがフォロー率です。例えば、直近28日間の新規フォロワー数が50、プロフィールへのアクセス数が5,000だった場合は、フォロー率は1%になります。フォロー率向上のためには、ヘッダー画像、プロフィール画像、プロフィール、固定ツイートの改善が重要です。
ここで紹介した各種指標に関しては無料で使えるTwitterアナリティクスでチェックできます。データの書き出し方、確認の仕方は後ほど紹介します。
フォロワー分析
どのようなアカウントにフォローされているか、フォロワーのアクティブな時間帯はいつかなどの情報も非常に重要です。フォロワー分析によってニーズに合わせた的確な情報発信が可能になります。
フォロワー分析では、下記の3指標を重点的にチェックすると良いでしょう。
- フォロワー数
フォロワーがどの程度増えているのか定期的にチェックしましょう。また、どのような投稿やアクションがフォロワー獲得に結びついたのかを分析し、運用の改善に活かすことが大切です。
- フォロワー属性
自社のフォロワー属性や特徴を把握すれば、どのような投稿が効果的なのか仮説を立てられるようになります。BtoB企業であれば、ターゲットとしている業界の企業にフォローされているかは大事な視点です。BtoC企業の場合も、自社の商品やサービスを求める層のアカウントにフォローされているかをチェックしましょう。
ターゲットとフォロワーにずれが生じている場合は、投稿内容を始めとする運用の改善が必要になります。
- フォロワーのアクティブな時間
投稿を見てもらうためには、フォロワーのアクティブな時間帯を把握しておく必要があります。非アクティブな曜日や時間帯にツイートすると、投稿のインプレッションが下がり、エンゲージメント率も低下してしまいます。
競合分析
自社アカウントについては、Twitterアナリティクスを活用して詳細な分析データを得られますが、他社アカウントの詳細データは得られません。他社アカウントは「ツイートの形式・内容」「投稿時間」「投稿回数」「ハッシュタグ」の4つをポイントに分析しましょう。
- ツイートの形式・内容
他社アカウントを分析する際は、まずツイートの形式・内容を精査しましょう。文字数やリンク、文体などの分析により、傾向を知ることができます。また、他社アカウントが扱う内容やジャンル、使用頻度の高い語句を確認すると、どのような戦略に基づき運用し、どのようなフォロワーを獲得しているかを把握できます。
- 投稿時間
他社アカウント分析では、ツイートが投稿される時間は大切な分析ポイントです。Twitterは時間帯によってアクティブ数が大きく変動します。同じ形式・内容のツイートであったとしてもインプレッション数やエンゲージメント率は投稿時間によって異なるのです。他社ツイートへのアクションが多い時間帯を分析すると、自社ツイートを投稿する時間の参考になります。分析したい他社アカウントの投稿通知を設定しておき、フォロワーからいいね・リプライ・リツイートなど各アクションが行われる数を把握しましょう。朝・昼・夜などおおよその時間帯に分けて検証するとよいでしょう。
- 投稿回数
ツイートは「回数を重ねるほど宣伝効果があがる」ほど単純なものではありません。ツイートの乱発はフォロワーに不快な印象を与え、逆効果となります。また、他社アカウントの1日あたりの平均投稿回数は、自社アカウントを運用する際の目安となる重要な指標です。フォロワー数の多い競合他社アカウントが1日にどれほどツイートしているか、どのような日に多くツイートされているかなどを細かくチェックしましょう。
- ハッシュタグ
ハッシュタグとは、「#(ハッシュマーク)」でタグ化されたキーワードのことです。ツイートにハッシュタグを入れることで、拡散スピードが飛躍的に向上します。そのため、他社アカウントのハッシュタグ分析は重要です。特にチェックすべきポイントは、ハッシュタグの挿入頻度や内容・ジャンルです。これらのポイントを分析することで、閲覧されやすい・拡散されやすいハッシュタグを発見できるでしょう。
Twitterアナリティクスで自社アカウントを分析する方法
それでは、実際にTwitterアナリティクスを用いて、自社アカウントを分析する方法を解説していきます。Twitterアナリティクスは、PCで表示されるTwitter画面の左メニューの「もっと見る」から「アナリティクス」をクリックすると使用できます。
ホーム画面
ホーム画面の上部には「過去28日間でのパフォーマンスの変動」が表示されます。また、画面右側には月ごとのパフォーマンス概要が表示されており、下にスクロールすれば、過去のデータが閲覧できます。
表示されている各種指標は下記の内容を表しています。
ツイート | 自社アカウントから発信したツイート数 |
ツイートインプレッション | 投稿したツイートが表示された回数 |
プロフィールへのアクセス | プロフィール画面が見られた回数です。 |
@ツイート | 自社アカウントに対するメンション(@ツイート)の数 |
フォロワー | 現在のフォロワー数を表しています。 |
画面中央のカラムには、各月のトップツイート、トップの@ツイート、トップフォロワー、トップメディアツイートが表示されています。それぞれの項目は下記の内容を表しています。
トップツイート | 最もインプレッションの多かったツイート |
トップの@ツイート | 最もエンゲージメントが多かったメンション付きツイート(@ツイート) |
トップフォロワー | その月に新規フォローされた中で最もフォロワー数が多いアカウント |
トップのメディアツイート | 最もインプレッションが多かった画像や動画付きのツイート |
ツイートアクティビティ画面
ツイートアクティビティ画面では、投稿ごとのインプレッション、エンゲージメント数、エンゲージメント率をチェックできます。CSVデータを書き出すとさらに詳細な情報を確認できます。期間を区切ってデータを表示させたい場合は画面右上の「過去28日間」と書かれているボタンをクリックしましょう。
開始日と終了日を設定し、更新を押すと指定した期間のデータを表示させられます。
期間指定後、画面右上の「データをエクスポート」と書かれたボタンをクリックし、「by tweet」を選択するとCSVデータが書き出されます。
書き出したファイルをExcelで開いた時に文字化けしている場合があります。その際は、Excelの新規ファイルを作成し「データ」を選択後、「テキストまたはCSVから」をクリックし、書き出したCSVデータをインポートすれば閲覧できます。インプレッション、エンゲージメントをはじめ、投稿ごとの詳細なデータを確認できます。
前述した通り、フォロワー増を目指したい場合は「インプレッション数」と「ユーザープロフィールクリック」に着目してください。
例えば、インプレッション数が1,000でユーザープロフィールクリックが10だとすると、プロフィールクリック率は1%となります。また、別の投稿でインプレッション数が500、ユーザープロフィールクリックが50だとすると、プロフィールクリック率は10%となります。
この場合、前者の方がインプレッション数は伸びているため「インプレッションが伸びやすい投稿だった」と考えられます。
また、プロフィール数は後者の方が伸びているため「プロフィール数が伸びやすい投稿だった」と考えられます。
フォロワー増のためにはインプレッション数、プロフィールクリック数ともに重要な要素です。インプレッションが伸びた要因、プロフィールクリックが伸びた要因の仮説を立て、次回からの投稿に反映していくことでフォロワー増加につなげられるようになります。
Twitterのアルゴリズムも変化するので「〇〇をすれば伸びる」というインターネット上の情報を鵜呑みにするのではなく、定期的に分析し伸びる投稿、伸びない投稿の要因を探ってみましょう。
継続的に分析を行い、改善のための仮説を立てて次のアクションにつなげることでアカウントを成長させられるようになります。ぜひ、取り組んでみてください。
まとめ
Twitterのフォロワー数を伸ばし、効果的に活用するためには、分析が欠かせません。Twitter分析により、自社、フォロワー、競合の動向を把握することで、アカウントの運用改善につなげられます。
分析の際は、まず、Twitterアナリティクスでの自社分析にチャレンジし、目的に応じてインプレッション数やエンゲージメント率など各種指標を精査してください。伸びる原因、伸びない原因を考え、改善のための仮説を立てて運用に反映することで、アカウントを育てていけるようになります。
本記事ではTwitterアナリティクスの使い方をキャプチャー付きで詳しく解説しました。ぜひ、参考にしながらアカウントの分析にチャレンジしてください。