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企業の戦略とSNSマーケティングは、切っても切れない関係になっている現代。そんな中若い世代に流行している話題の「TikTok」というSNSをご存じでしょうか?「TikTok」とは15秒から最大で60秒程度の動画を作成し、公開する事が出来るショートムービープラットフォームです。日本国内では950万人以上が活用しているといわれています。10代~20代の若い世代にリーチを広げたいのであれば、話題作りのプラットフォームとしてTikTokは最適です。
そんなTikTokから2020年7月にセルフサービス型の「TikTok For Business」がリリースされました。今回の記事では「TikTok For Business」について詳しく紹介します。
TikTok For Businessとは
「TikTok For Business」とは自分でアカウントを開設し、TikTokに広告を出稿出来るプラットフォームです。
ショートムービーを中心としたSNSアプリ「TikTok」を運営している「ByteDance」が、「TikTok Ads」の名前で提供していたサービスメニューを再構築し、新たなマーケティングプラットフォーム「TikTok For Business」を立ち上げました。
ここで目指すのは、TikTokユーザーと企業やブランドを結び付けて広告の枠組みを超えたコミュニケーションの実現です。今までTikTok広告は、運営会社または広告代理店に依頼しないと出稿出来ず、月額数百万円以上の広告予算を持っている企業による活用がほとんどでした。しかし「TikTok For Business」がリリースされた事で、個人で少額であっても自分で気軽にTikTok広告を配信出来るようになったのです。
TikTokの成長と与える影響
「TikTok」アプリのダウンロード数は累計150億を越えています。2018年から急増し、2018年第1四半期から2019年第2四半期まで世界1位でした。
2020年4月Sensor Towerが発表した調査結果によると、
- iOSとAndroid版アプリの累計ダウンロード数20億以上
- コンテンツの再生数 前年比+262%
- 1日の平均視聴時間 55分(前年比+130%)
- 「いいね」を押すなどのエンゲージメント 380%
と急成長している事が分かります。
「TikTok」を活用しているユーザーは国内950万人、全世界では5億人です。今後も増加傾向が続くと予想され、「国内ユーザー数」と「世界ユーザー数」ともに現在の1.5倍から2倍になるといわれています。
7月にリリースされたセルフサービス広告ソリューション
7月に「セルフサービス広告ソリューション」がリリースされました。現代ではマーケティングの主導が企業やブランド中心の時代から、インフルエンサーそしてユーザーに移り変わっています。そのため今後はユーザーと共創するマーケティングフレームがさらに加速すると考えられています。今後のユーザー主導のマーケティング時代では、「UGC(ユーザー製作コンテンツ)」をどれだけ巻き込む事が出来るかが重要なポイントになります。
UGCがうまれやすく拡散力のあるTikTokは、ブランド認知からブランドベネフィットの体験まで全て実現する事が出来るプラットフォームです。
ここからはTikTokの広告の種類とメリットを紹介します。
【起動画面広告】
起動画面広告とはTikTokを起動した際3秒~5秒の間、縦型フルスクリーンで表示される広告のことを指します。TikTok登録後1週間以上経過しているユーザー全てに表示されます。利用者全てに表示される広告である事から拡散力が高く、認知度や知名度を上げたい場合に効果的です。
費用は約600万円で一律設定されており、広告を掲載した場合の最低IMP(インプレッション:表示回数)が保証されているため安心して掲載できます。現在保証されているIMPは300万回となっており、1人に広告を見せる際2000円のコストが発生する計算です。
起動画面広告の1番のメリットは拡散力です。さらに1ユーザーにつき1回表示ではなく起動する際に毎回表示されるので、単純接触効果も期待できます。
デメリットの1つ目は費用の高さです。600万円もの費用を投じるため失敗は許されないでしょう。
2つ目は広告枠を確保するのが難しいことです。起動画面広告は1日1社限定なので、広告枠は申し込み先着順によって決められます。広告には時期、年度も大いに関係するので広告枠を逃してしまう恐れがあるという事は、大きなデメリットでしょう。
【インフィード広告】
インフィード広告とは、おすすめ投稿欄に5秒~15秒で全画面表示される広告のことです。通常の投稿と形式が同じなので、TikTokユーザーに広告だと思われにくくアプリ内ページ・外部サイト・アプリストアへの遷移が出来ます。
IMP保証・CMP課金(表示回数1000回ごとに費用を支払う課金モデル)・CPC課金(クリック数に応じて費用を支払うモデル)での配信が出来るので、自分の希望に沿う形の広告を設定する事が出来ます。いいね・コメント・シェアが出来るタイプの広告なので、TikTokユーザーの興味を引く事が出来れば高い広告効果が期待されます。
インフィード広告のメリットは伝えられる情報が多いということ、コストが比較的安いこと、自然な形でTikTokユーザーに視聴させられることの3つです。デメリットは国内にしかアプローチ出来ないところです。使用用途は国内限定に限られており、全世界中にアプローチする事が出来ません。
【#ハッシュタグチャレンジ広告】
#ハッシュタグチャレンジ広告とは、TikTokユーザーがダンスや色々なアクションに挑戦する際に活用されます。企業コンテンツの作成や投稿を促す広告としても積極的に活用されています。
メリットは、TikTokユーザーに宣伝活動をしていると感じさせないところです。近年では広告を嫌うユーザーも増えてきており、人気の高い商品であっても「宣伝活動によるもの」という事が分かった瞬間に、バッシングを受けてしまう事があります。しかし#ハッシュタグチャレンジ広告はユーザーが自ら興味のある動画を投稿するので、嫌悪感を感じさせずに積極的に参加してもらえるので嫌悪感を抱かる可能性が低くなります。
ただやはりこちらの広告も「製作費」「広告費」「キャスティング費」「企画費」等が、全て含まれるので広告費は高くなります。
また#ハッシュタグチャレンジは、TikTokをはじめてすぐの段階ではチャレンジを行うユーザーは少ないので、インフルエンサーを活用してリーチを稼ぐ事が一般的です。
#ハッシュタグチャレンジには全部で4種類あります。
- スタンダードハッシュタグチャレンジ
- ハッシュタグチャレンジプラス
- バトルハッシュタグチャレンジ
- ベーシックハッシュタグチャレンジ
種類によって費用や掲載期間、保障IMP数も異なるため、商材にマッチする「#ハッシュタグチャレンジ」を選びましょう。#ハッシュタグチャレンジは、商材がマッチしていればかなり高い費用帯効果を得る事が出来る広告手法です。
TikTok For Businessでできること
ここからはリリースされた「TikTok For Business」を活用して、出来ることを紹介します。
- ユーザーとしてTikTokを楽しめる
- 投稿したコンテンツの分析が出来る
- 「TikTok広告」で若い世代にリーチする
- EC機能の活用でビジネスを加速させる事が出来る
- TikTokの動画編集で活用出来る無料のアプリ&ツール
「TikTok For Busiess」では活字離れが進んでいる若い世代に向けて、文字だけで訴求するのではなく動きや音楽を混ぜて訴求できるようになっています。TikTokは若い世代のアクティブ率が極めて高いため、若い世代に対するアプローチであれば「TikTok For Business」が適しているといえるでしょう。
TikTok For Businessの登録手順
ここからは「TikTok For Business」の登録手順を解説します。
TikTok For Businessアカウントの開設作業は5分~10分程で完了しますが、広告主審査は約1営業日かかります。割と早めに審査は完了しますが、広告を配信したいタイミングがある方は時期に余裕をもってアカウントを解説しましょう。
【手元に用意しておく情報】
- メールアドレス(受信を確認出来るアドレス)
- 電話番号
- 住所
- サービスサイトやコーポレートサイトURL
【アカウント開設の手順】
- 「TikTok For Business」のWebサイトへアクセスして、「開始する」をクリック。
- 「請求書の国/地域」と「アカウントの目的」を選択して次へ。
- 必要事項を入力し、「検証コードを送る」をクリック。メールアドレスに届く検証コードを入力し「登録」ボタンに進む。
- 広告アカウント名や電話番号など必要項目を入力すればアカウント開設完了です。
簡単に登録できて、すぐ利用開始できるのがTikTok For Businessの特徴です。これからもっと積極的にWebマーケティング・SNSマーケティングに取り組もうとお考えの方は、登録してみてはいかがでしょうか。
まとめ
TikTokは「TikTok For Business」について、「従来の広告の枠を乗り越えたコミュニケーションを通じ、認知拡大から顧客獲得までを目指すプラットフォーム」と表現しています。
若い世代向けのマーケティングやプロモーション、または企業向けのサービス開発など「TikTok For Business」で出来る事はたくさんあります。爆発的に認知促進できるという特徴がある「TikTok」は、他のSNSと合わせて活用することでさらに良いマーケティングの手段になるのではないでしょうか?
従来の動画広告とは違う、TikTokならではのアプローチが期待出来る広告として、「TikTok For Business」の動きに今後も注目していくべきでしょう。