企業SNSアカウント開設時にやるべきこと|成功事例を元に徹底解説

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企業SNSアカウント開設時にやるべきこと|成功事例を元に徹底解説

SNSはSocial Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略で、インターネットを介して人間関係を構築できるサービスの総称です。

という説明もいらないくらい、皆さんの生活に浸透した存在になりました。TwitterやFacebook、InstagramといったSNSの利用者は年々増加し、日々の情報収集をする中で欠かせません。
だからこそ、企業や商品・サービスの宣伝をしていくうえで、SNSマーケティングの重要度は高まってきています。

しかし、ひとまず公式アカウントを開設してみたものの、具体的に何から始めたら良いか分からず頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、

  • SNS運用の必要性
  • 企業のSNSアカウントを開設するにあたり考えること
  • 日々の運用で意識するべきこと
  • SNS企業アカウントの活用事例

などをまとめました。

SNS運用担当者の方をはじめ、SNSマーケティングに興味がある方や、これから企業のSNSアカウントを開設してみたいという方などは是非ご一読ください。

SNSアカウント開設のメリットは?

SNSアカウント開設のメリットは?
Facebook・Instagram・LINE・TwitterといったSNS毎の月間アクティブユーザー数は下記の通りで、ユーザー数は年々増加しています。

Facebook:2,600万人(2019年7月時点)
Instagram:3,300万人(2019年6月時点)
LINE:8,300万人(2019年12月末時点)
Twitter:4,500万人(2017年10月時点)

SNS利用ユーザー数が急増していく中、近年はマスメディアやwebサイトではなくSNSでリアルな情報を検索する人が増えています。
そのため、企業のSNSアカウントを開設し運用することで、各SNSを利用しているユーザーとの関係構築が可能になります。
効果的な施策を打つことが出来れば、ファンとの関係強化やブランドの認知度アップ新規獲得などに繋げることが出来ます。

企業のSNSアカウント開設時に考えることは?

現在では企業がSNSアカウントを持つことも珍しくなくなりました。では、企業がSNSアカウントを開設する際、どういったことを考える必要があるでしょうか?

開設するSNSを決める

日本で多く利用されている代表的なSNSはTwitter・Facebook・Instagram・LINEの4つです。
これらのSNSはそれぞれ年齢や性別といったユーザー層が異なりますので、商品やサービスに合ったSNSを選ぶ必要があります。

各SNSの特徴は次の通りです。

特徴ユーザー層
Facebook実名アカウントが原則で、友達や家族と繋がり、自分の出来事を画像やテキストなどの投稿でシェアしたり、他の人の投稿を確認したりすることが出来るSNSです。年齢:30代から50代が最も多い
性別:男女半々ぐらい
Instagram写真や動画をメインに投稿できるSNSです。写真や動画のビジュアルを楽しむSNSなのでオシャレな写真が多く見られ、2017年には「インスタ映え」という流行語も生み出しました。年齢:20代~30代が最も多い
性別:女性が多いがほぼ半々ぐらい
LINE無料でチャット・通話ができ、多くの人に利用されているコミュニケーションツールです。年齢:全世代の幅広い年齢層
性別:男女半々ぐらい
Twitter友達や同じ趣味を持つ人などと繋がり、140文字以内のテキストや画像の投稿をシェアしたり、他の人の投稿を確認したりできるSNSです。他のユーザーの投稿を別のユーザーが拡散する機能もあり、拡散力が強いことが特徴です。年齢:20代~40代が最も多い
性別:男女半々ぐらい

自社のターゲット層(年齢や性別・職業・興味関心)や、SNSマーケティングの目的・ゴールを明確にし、それらに合ったSNSを選びましょう。

また、それぞれのSNSにある文化を想定することも重要です。例えば、Facebookではグループなどで第三者と比較的濃い関係性を築くことがあります。一方、InstagramやTwitterにはそうした文化はあまりありません。いいねやリツイート、シェアなどを通じて、趣味や興味により浅く広く繋がります。一方、LINEはSNSでありながらより個人のプライバシーと密接に関わっているため、SNS上で広くつながるというよりも、リアルなつながりに使われています。
こうしたSNSごとの文化や利用傾向、利用意向を知ることは、SNSマーケティングに取り組むうえで非常に重要です。

また、SNS運用に割くことが出来る時間やリソースには限りがあると思いますので、複数のSNSアカウントを開設する場合、どのSNSに力を入れるかの優先順位を決めることがお勧めです。

アカウント運用者のキャラクターを設定する

アカウント運用者のキャラクターを設定する
SNSを利用するに際に、企業アカウントを更新する人のことを「中の人」と呼んでいる場面を見たことがありますでしょうか?
この「中の人」が、ユーザーにとって親しみがあるキャラクターだと、多くの人に興味を持ってもらえたりフォローや反応をしてもらえたりする可能性が高まります。

キャラクター設定例として、例えば
・企業のマスコットキャラクターがある場合、そのキャラクターが話している風の投稿
・企業の広報担当者やSNS運用担当者が更新していることを明かした上で投稿
・カスタマーサポート風
などが挙げられます。

また、マスコットキャラクターが話している風にする場合でも、丁寧で少し固い感じの口調なのか、カジュアルな口調なのかといった方向性も固めておくと、キャラクターがぶれずに運用できそうです。

例えば、ニッカウヰスキーでは、ウイスキーボトルにも印刷されている「ひげおじさん」と呼ばれるキャラクターがTwitterを更新しています。彼の口調に合わせて語尾は「~じゃ」や「~だのう」「楽しかったぞい」といった口調で投稿されています。

一方、インターネットセキュリティを提供するカスペルスキーのTwitterアカウントは、セキュリティに関する情報を届けるなど、カスタマーサポート風に運営されています。

投稿プランを立てる

継続的にユーザーの興味を惹く投稿を続けるためにも、クリスマスやハロウィンといった季節のイベントや、周年記念などのタイミングに合わせた投稿やキャンペーンといった投稿プランを事前に立てましょう。

特にキャンペーン施策を行う場合は、投稿に入れる画像だけでなくLPなどの作成が必要になることもあり、準備に時間がかかるため、早めに投稿プランを立てておくことで計画的に準備を進めることが出来ます。

また、SNSアカウント運用で成果を出すには、長い時間をかけてアカウントを成長させていく必要があります。初めて数週間、数か月で「効果がなかった」と決めつけてしまってはもったいないです。最初からある程度のスパンの投稿プラン、成果の評価プランを決めておきましょう。

また、話題のネタを取り入れた投稿は好まれる傾向にあるので、一度立てた投稿プランだけではなく、トレンドを絡めた投稿も追加していくことを常に意識しましょう。

Webサイトとの連携

企業のホームページやメルマガ配信・アプリなどがある場合は、そうした場で企業SNSアカウントを紹介しましょう。
自社に興味を持ってくれたユーザーをSNSに流入させ、そこからお得なクーポンやセール情報・商品のおすすめポイントなどを紹介することでファンの育成に繋がります。
既存顧客、ファンにSNSアカウントをフォローしてもらうことができれば、いいスタートダッシュを切ることができます。

SNSアカウント運用時のコツは?

SNSアカウント運用時のコツは?
どのSNSでアカウントを持つかが決まったら、実際に運用していきます。しかし、企業のSNSアカウント運用は非常に難しく、多くのSNSアカウントは効果に繋げることができていません。また、マーケティング手法としての歴史も浅いため、運用ノウハウがまとまっているわけでもありません。
そこでここでは、最低限やっておきたい運用のコツを4つ紹介します。

更新頻度を工夫する

更新頻度は、多ければ多いほど良いと思われがちかもしれませんが、SNSによって更新頻度を変えることが必要です。
Twitterは投稿がタイムラインに表示され、すぐに情報が流れていくため、1日数回の投稿でもユーザーにストレスがないとされています。しかしFacebookやInstagramは独自の基準により表示される投稿が決まるため、投稿数を増やしても特定のユーザーに表示されないことや、逆に表示が多すぎてしまうこともあります。
ただし、Twitterもデフォルトでは、アルゴリズムによってタイムラインの並び順が調整されていますし、ユーザーが特定アカウントの更新頻度が「多い」「少ない」と感じるのは、そのユーザーのフォロワーの投稿頻度やフォロワー数に依存します。
そのため、最適な更新頻度に適切な答えはありません。運用する中で見つけていく必要があります。

しかし、各SNSの文化や利用傾向、タイムラインの仕様から、ある程度適切な数を推測することができます。

Twitterは情報収集目的に使われることが多く、投稿一つの情報量は小さいです。そのため、興味のない投稿を飛ばすことにストレスがありません。投稿頻度が多すぎて嫌がられる可能性は低いと考えられます。
一方、Instagramはビジュアルがメインで、趣味や興味でつながる場です。投稿一つ一つをしっかり見る傾向にあるため、興味や趣味から外れた投稿が多いと嫌がられる可能性は高いでしょう。
また、LINE公式アカウントは、配信をするとトーク画面に通知が表示されるということもあり、ユーザーの受け取り方はメールマガジンに近い特徴があります。そのため、配信内容によっては1度の投稿でもブロックされる可能性が高いのです。

このように、SNSにはそのSNS独自の傾向があるので、それらを把握したうえで運用に臨みましょう。自分が普段使っているSNSであれば、「自分ならどう感じるか」を基準にするのも一つです。

コメントの返信をする

フォロワーとの交流を深めるために、コメントや拡散などでリアクションしてくれた人に対して積極的に返信しましょう。コメント数が多くどうしても返信しきれない時でも、「いいね」などで反応をしましょう。
芸能人や友達にコメントをして、返信や「いいね」をしてもらえたら嬉しいのと同じように、公式アカウントでも積極的にユーザーとコミュニケーションをとっていくことで、ファン育成に繋がります。

フォロー作業をする

自社の顧客になりそうな人に対してフォローをし、フォローバックをしてもらうことで、そこから新規獲得に繋げることが出来ます。アカウントを開設してすぐは、投稿してもほとんど見てもらえません。自分から積極的にアクションしていくことが重要です。
その際にむやみやたらに誰でもフォローするのではなく、自社のターゲット層となる人を狙ってフォローをしましょう。そのターゲット層に関心のありそうなコンテンツを普段から投稿できていれば、コンテンツを見たユーザーが興味を持ってくれて、フォローバックをしてもらいやすくなります。

また、Twitterはアカウントの最上部にツイートを1つだけ固定することが出来ます。過去に反応の多かった人気の投稿や、興味を持ってもらえそうな投稿を固定することで、面白そうなアカウントだと思われてフォローしてもらえる可能性が高くなります。

SNS広告も活用する

SNS広告も活用する
企業アカウントのさらなる認知度アップのために、SNS広告を利用することも視野に入れましょう。
Facebook・Instagram・LINE・Twitterはすべて、広告を配信することが出来ます。商品やサービス・企業についての宣伝するための広告はもちろん、アカウントの友達を増やすことを目的とした広告を配信することも出来ます。
日々のSNS運用だけでフォロワーがなかなか増えないという方や、さらに企業アカウントを強化させたいという方は広告も活用しましょう。

Twitter広告とInstagram広告は、アプリからすぐに出稿することができます。その方法について、キャプチャ付きで紹介している記事があるので、ぜひご覧ください。
初めてのWeb広告にチャレンジ! 今からInstagram広告とTwitter広告に出稿してみよう

SNSアカウントの活用事例

それでは最後に、すでに成功しているSNSアカウントの活用事例を見てみましょう。

日本マクドナルド-記念のフォロー&リツイートキャンペーン

「おてごろバーガーズ」の販売が登場して半年で累計5,000万食を突破したことを記念して行われたフォロー&リツイートキャンペーンです。
通常のフォロー&リツイートキャンペーンと違い、当選したユーザーにはフォロワー数分のお試し券がプレゼントされるという点がユニークなキャンペーンです。
参加者側は自身のフォロワーが多いほどお得になり、企業側はフォロワーが多い人にリツイートされるほど効果的です。似たようなキャンペーンは数多くありますが、フォロワーが多い人の参加をうまく促すことで、より多くの拡散が期待できます。

ポッキー-プレゼントなしでギネス世界記録更新

ポッキーは、Twitterで「ポッキー」を含んだ投稿数(ツイート数)で「24時間にもっともツイートされたブランド」として世界記録を目指すという企画を実施しました。
ポッキーほど知名度のある商品だから世界記録に挑戦できたと考えることもできますが、特別な特典をつけることなく、ユーザーにモチベーションを与えた優れた事例です。

ポッキーのギネス記録更新ツイート

画像:ポッキー

多くのユーザーの興味を惹くことに成功し、3,710,044ツイートを記録しました。
プレゼントキャンペーンは費用がかかるためなかなか実施できないという場合は、ポッキーのようにユーザーが自らの意思で積極的に参加したくなるモチベーション付けを考えてみましょう。

SHARP-自虐ネタで大きな話題を確認

SHARPのTwitterアカウントは、中の人の飾らず親しみやすい投稿やコメント返信で人気を集めています。

上の2つの投稿はどちらも「自虐ネタ」に属します。3つ目はユーザーの意見を聞くように見せかけて選択肢を1つしか与えないというネタです。SHARPのアカウントは自虐ネタが多いのですが、それがユーザーに受けて話題を生んでいます。3つ目も、単なるネタですが、大きな話題になり、テレビなどいろいろなメディアで取り上げられました。
SNS、中でもTwitterは自慢話よりも自虐ネタのほうが好まれます。ちょっと硬い投稿が多いなと感じたら、SHARPの投稿を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ファンタ-フォロー&リツイートで新商品お試し

ファンタは、フォロー&リツイートで、新商品「ファンタすいか」を先行1000名にプレゼントするキャンペーンを実施しました。このように新商品の先行体験ができるキャンペーンを行うことで、企業アカウントのフォロワーを増やすだけではなく、新商品の宣伝にも繋がります。
フォロー&リツイートは企業のSNSアカウントで頻繁に行われています。頻繁に行われているということは、それだけ効果があるということです。

ハーゲンダッツジャパン-高品質な投稿で人気を獲得

ここまでTwitterの事例を紹介してきましたが、Instagramは全く違った投稿が人気を集めています。同じ企業でも、TwitterとInstagramでキャラクターが大きく違うことは珍しくありません。

 

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豊かな甘味と華やかな香りが特長の白桃果汁を使用した白桃アイスクリームに、 時間をかけて追熟したやわらかな食感の白桃果肉を散りばめました。 甘く芳醇な白桃とコク深いミルクの味わいをお楽しみください♪ 『白桃』本日発売! 食べたら『#ハーゲンダッツ白桃』で感想を教えてくださいね♫ #ハーゲンダッツ #haagendazs #おうちダッツ #期間限定 #白桃 #ハーゲンダッツ白桃 #桃 #ピーチ #桃アイス #フルーツ好き #桃スイーツ #桃活 #桃好き #プチ贅沢 #自分へのご褒美 #至福の時間 #3時のおやつ #アイス部 #今日のアイス #おやつの時間 #アイス #アイスクリーム #コンビニアイス #アイスタグラム #スイーツ #甘党 #甘いものは別腹 #icecream #peach #whitepeach

ハーゲンダッツ ジャパン(@haagendazs_jp)がシェアした投稿 –

Instagramにも多くの企業の成功事例があり、こちらはハーゲンダッツジャパンのInstagramアカウントです。人気のアイスクリームであるハーゲンダッツのおしゃれな写真をはじめ、新商品の紹介やアレンジレシピなどを紹介しており、非常に人気のあるアカウントです。

投稿を見ていると、一つ一つの投稿のクオリティが非常に高いことに気づくと思います。全てプロのカメラマンがきちんと撮影し、デザイナーが作成した画像です。ここまでのクオリティを維持することは簡単ではありませんが、ビジュアルメインのSNSでは、写真や動画などビジュアルコンテンツが成果を大きく左右します。

スターバックスコーヒージャパン-ハイクオリティなコンセプトビジュアル

スターバックスコーヒージャパンのInstagramアカウントです。季節に合ったカラーを取り入れた写真や、新商品の紹介・おいしいコーヒーのいれ方の紹介などをしており、約263万人(2020年5月時点)を誇る人気のアカウントです。
こちらも、ハーゲンダッツと同じく、投稿クオリティが非常に高いアカウントです。ハーゲンダッツと比べて、商品そのものよりも商品を軸にしたコンセプトビジュアルが多いように感じます。

Sour-低クオリティでもリアリティで勝負

ハーゲンダッツとスターバックスの事例を見て、Instagramの運用はハードルが高そうと感じたかもしれません。実際、Instagramで注目を集めるのは、Twitterよりも難しいでしょう。
しかし、プロのカメラマンやデザイナーがいなくても、Instagramアカウント運用を成功させた事例はあります。

こちらは、京都のフルーツサワー専門店「sour」のInstagramアカウントです。スマートフォンで撮っただけの写真ですが、リアリティのある投稿が多く、同規模のフルーツサワー専門店と差を付け、かなりの人気を獲得しています。
スターバックスのようにオシャレなコンセプトビジュアルを創ることは難しいかもしれませんが、こうしたリアリティのある投稿はできると思います。
自社のリソースやSNSアカウントにかけるコストから、適切な運用レベルを見つけていきましょう。

まとめ

今回は企業のSNSアカウント運用について、紹介しました。
SNSの利用者数は約10年で急増し、今もなお様々なビジネスシーンで活用されています。企業アカウントを有効活用し、是非ファンとの関係強化やブランドの認知度アップ・新規獲得などに繋げたいですね。

SNSは、重要なユーザーとの接点です。従来は一方的に情報を届けるだけだったプロモーションが、インターネットの活用により検索などでユーザーから見つけてもらうプロモーションが誕生しました。そして今、注目されているのはSNSを通じて、ユーザーと企業が対等の立場で双方向のコミュニケーションを行うプロモーションです。

この記事が、SNS運用のご参考になれば幸いです。