ビジネスシーンでの利用もよく見かけるようになってきたTikTok。
広告の掲載を検討されている経営者やウェブ担当者の方も多いのではないでしょうか。
TikTok広告には大きく分けて「純広告」と「運用型広告」の2種類があります。目的に合わせてアプリ起動時や動画視聴時に表示したりと、様々な掲載方法から選ぶことができます。
広告感が薄く嫌悪感を抱かれにくいのも特長で、TikTok広告を活用して購買意向が22%増加したケースもあり、いま注目されている広告手法です。
本記事ではそもそもTikTokに馴染みがないという方のために、TikTokのカンタンな説明や広告の種類、費用感、効果が出る広告の特徴、成功事例をご紹介します。
TikTokとは
TikTokとは中国のByteDance社が運営する、誰でもカンタンに最大3分のBGM付きショートムービーを投稿・閲覧できるSNSです。閲覧履歴からユーザーの興味関心にピッタリな動画をオススメしてくれる、AIレコメンド機能が優秀です。
ByteDance社から公表されているTikTokの利用者データによると2018年時点での国内月間アクティブユーザー数(MAU)は950万人でした。2021年現在のMAUは公表されていませんが、2020年にはアプリとしてFacebookやWhatsAppなどを抜きダウンロード数世界首位を獲得、2021年上半期にはFecebook製アプリ以外で初めて30億ダウンロードを突破したことから、今後もユーザー数は増加していくと予想できます。
日本国内のユーザー人口統計のデータは次の通りです。
TikTokは10代や20代が踊っている動画を投稿するSNSというイメージが強く、若者向けのSNSという印象を持つ方は多いかもしれません。しかし実際には30代~40代男性の利用が多く利用しており、TikTok広告は幅広い年齢層に効果的な手法と言えます。
TikTok広告の種類
TikTokにはユーザーが共感できるコンテンツであれば広告でも高いエンゲージメントを獲得できるという特徴があり、ブランドの認知向上を目的として多くの企業が広告を出稿しています。
TikTok広告には大きく分けて「純広告」と「運用型広告」の2種類があります。
■純広告
- 起動画面広告
- Top View
- Brand Premium
- One Day Max
- ハッシュタグチャレンジ
- ブランドエフェクト
純広告とは、一定期間決まった場所に表示される広告のことです。アプリ起動時に全画面表示されるなど、認知拡大を期待できますが、枠に限りがあり、コストの高さがデメリットです。
■運用型広告
- インフィード広告
運用型広告はインハウスで運用できるため、手軽でコストを抑えられるのがメリットです。一方で興味・関心を引き付けられなければスキップされてしまうので、クオリティの高いクリエイティブ制作が必要です。
今回はこの中から3つの広告をピックアップし、特徴を解説します。
起動画面広告
起動画面広告はTikTok広告の純広告枠です。TikTokアプリの起動時に、静止画を3秒もしくは無音の動画を5秒間表示します。
起動画面広告の特徴
- アプリの起動時に全画面表示され、訴求力が高い
- 1日1枠の1社限定メニューのため、広告コストが高い
- アプリ内ページもしくは外部サイトへ遷移可能
圧倒的なインパクトにより、ブランド認知の向上に有効です。
ハッシュタグチャレンジ広告
ハッシュタグチャレンジ広告はアプリ内でハッシュタグ(例:#そろいもそろってメイク落ちない)を設定し、そのハッシュタグに応じた動画の作成・投稿をユーザーに促す広告です。一般的に商品やサービスの認知拡大を目的に使用されます。
ハッシュタグチャレンジでは、UGCと呼ばれるユーザーが作るコンテンツ(投稿)を巻き込みながらブランドの認知を拡大し、その商品やサービスを利用することで、どのような良い体験に繋がるのかを伝えることが重要です。
UGCではユーザー自身が宣伝の一端を担うため、広告感の薄いトレンド情報として自然に広まっていきます。二次拡散などを引き起こし、予想以上の効果を得られることもあります。
ハッシュタグチャレンジ広告の特徴
- ユーザー自身が拡散するため、広告感が薄く、嫌悪感を抱かれにくい
- 広告コストが高い
運用型インフィード広告
通常投稿の間に最大15秒間表示されるのがインフィード広告です。インフィード広告は一般ユーザーの投稿のように自然で広告感が薄いのも特長です。質の高いクリエイティブを用いて適切なターゲティングを行えば、ユーザーによる拡散も期待できます。
インフィード広告の特徴
- おすすめ投稿に表示される
- 興味のない人はスキップできる
- より細かいターゲティングが可能
本記事で紹介する3つのTikTok広告のうち、最もコストを抑えられる方法です。
効果が出るTikTok広告の特徴
効果が出るTikTok広告には3つの特徴があります。ユーザーの視聴環境を意識する、最初の数秒で心を掴む、有名なインフルエンサーを活用する。これらを意識したクリエイティブの作成により、広告視聴回数の増加やSNSでの拡散が期待できます。
ユーザーの視聴環境を意識した縦型のクリエイティブ
TikTokユーザーの多くがスマートフォンで視聴しているため、縦型クリエイティブを好みます。YouTubeに多い横型クリエイティブをそのまま使うと、小さくて見にくい広告が表示されるため注意が必要です。
縦型動画はユーザーにダイナミックな印象を与え視聴してもらいやすいため、TikTok広告を利用するなら縦型動画をオススメします。
最初の数秒で心を掴むクリエイティブ
TikTokユーザーは最初の1~2秒で動画を視聴するかスキップするかを決定すると言われています。
最初の数秒で心を掴むには、動きがあるクリエイティブの作成を意識してください。画像に文字を入れただけのスライドショーなどは飽きられやすく、スキップされてしまう可能性が高くなるため避けましょう。
またTikTokではBGMが重要な役割を果たします。トレンドになっている音楽の中から、リズミカルで最後まで聴きたいと思わせるBGMを選びましょう。
インフルエンサー(TikToker)を活用したクリエイティブ
TikTokにはTikTokerと呼ばれるインフルエンサーが存在します。インフルエンサーを活用することで、インフルエンサーのファンへリーチを広げられます。特にインフィード広告は広告感の強いものだと途中でスキップされてしまうリスクや、嫌悪感を与えてしまうリスクがあります。
しかしインフルエンサーを活用することで、最後まで視聴を促し、商品やサービスへの興味を深めるだけでなく、SNSで拡散してもらうことも期待できます。
TikTok広告の成功事例6選
ドミノ・ピザ(ハッシュタグチャレンジ)
ドミノ・ピザは新商品の販売に伴い「#ドミノチーズ100万」というハッシュタグキャンペーンを行いました。チーズの魅力あふれる動画にハッシュタグをつけて投稿した人の中から「最高チーズ責任者」を決め、報酬として100万円をプレゼントするという内容です。
キャンペーンを広げるため、インフルエンサーを起用し知名度を向上させ、結果的に新商品の知名度と売り上げの向上に成功しました。
ローソン(ハッシュタグチャレンジ)
ローソンは「#いつでもLチキチャレンジ!」というハッシュタグを設定し、ローソンの人気商品である「Lチキ」のBGMをTikTokに提供し、指をLの形にして踊る動画の投稿を促しました。
結果的に、指をLの形にして踊る「Lチキハンドサイン」が可愛いと女子高生の間で話題となり、売り上げの向上に繋がっています。
キレイモ(ハッシュタグチャレンジ)
【全員に当たる⁉️総額10億円ばらまき企画🎉】
TikTok|KIREIMO#キレイモいいね割チャレンジ 👍👍👍企画のアンバサダーには、10代から大人気の4名が!!#西川樹里 ちゃん#粕谷音 ちゃん#里吉俊 くん#森長一誠 くん
4人のキレイモ #きゅんです 動画も大人気♬ pic.twitter.com/rZZVNjNHf2— 【公式】全身脱毛サロン キレイモ (@kireimo) August 27, 2020
キレイモは「#キレイモいいね割チャレンジ」というハッシュタグを設定し、投稿した動画のいいね数だけ特典がもらえるというキャンペーンを実施しました。
既にTikTok内で流行っている楽曲をベースに作者にリミックスを依頼。認知度のある楽曲を採用することでエンゲージメントを高めています。その結果、最終的に8万人ものユーザーがキャンペーンに参加し、認知度の向上に成功しました。
DIESEL(インフィード広告)
DIESELはフルスクリーンの縦型動画でブランドの世界観を表現したクリエイティブを、インフィード広告に配信しました。
その結果、ブランド認知・広告認知・好意度・購買動向の全ての項目で高い数値を記録し、購買動向についてはインフィード広告の過去のベンチマークと比較しても、強いインパクトを残すことに成功しています。
メイベリン(ハッシュタグチャレンジ)
外資系ブランドのメイベリン ニューヨークには日本の消費者にとって、ニューヨークというイメージに憧れられる一方で、親近感を持ってもらいにくいという課題がありました。
そこで親しみやすさをアピールするため、新商品のリップスティックをテーマに「#落ちないリップチャレンジ」というハッシュタグを設定し、動画投稿を促しました。
その結果、ブランド認知度・メッセージ想起・購買意向・ブランド好意度・広告想起の全項目で高い成果が見られています。
バズるTikTok広告|種類・特徴・成功事例をご紹介 まとめ
今回はTikTokの基礎知識や広告の種類と合わせて、バズるTikTok広告の特徴をご紹介しました。
TikTokはショートムービーを投稿・閲覧できるSNSで、国内950万人以上の幅広い年齢層の方に利用されています。今回はTikTok広告の中から3つをピックアップしてご紹介しましたが、他にも効果の高いTikTok広告が複数存在します。どの手法も他のSNS広告に比べて広告感が薄く、ユーザーから嫌悪感を抱かれにくいため、エンゲージメントを獲得しやすいのが特徴です。
TikTok広告をバズらせるには、クリエイティブ作成にこだわることが重要です。ユーザーの視聴環境を踏まえて、目を引くようなクリエイティブを広告として配信しましょう。さらにインフルエンサー(TikToker)を利用することで、よりリーチを広げることができます。
TikTok広告の出稿を検討している方は、一度広告代理店に相談してみてはいかがでしょうか。
弊社にご相談いただいた場合は、お客様に合った広告の種類や、クリエイティブの内容について一つひとつ丁寧にアドバイスさせていただきます。TikTok広告よりも適した広告媒体があれば、戦略と一緒に提案させていただきますので、お悩みの方は是非一度ご相談くださいませ。
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