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マーケティングオートメーション(MA)導入に潜む5つのハードル

マーケティングオートメーション(MA)導入に潜む5つのハードル

マーケティングオートメーション(MA)が日本に登場して以来、MAに関する認知度も高まり、年々導入する企業も増えています。導入メリットや事例など、MAに関する情報を見聞きする機会も多くなりましたが、一方で、導入でつまずいてしまうケースも残念ながらあるようです。
そこで本記事では、MAの導入において起こりがちなハードルについて整理し、それを回避するポイントもあわせてご紹介します。

MA導入に潜む5つのハードル

多くのMAツールは、Googleアナリティクスのようにタグを1つ入れるだけで導入できます。しかし、それ以外の作業においては、社内で行ったり、代理店に頼んだり、ツールベンダーにサポートしてもらったりする必要があります。
MA導入のハードルは、選ぶツールや行いたい施策、また現在使っている社内システムとMAの互換性など、様々な要因が絡んできます。
本記事ではどの場合でもMA導入において起こりうる課題をご紹介します。

HubSpot導入後の売り上げの伸び率

世界シェアNo1のMAツール、HubSpotを導入し、8割もの企業が売り上げを伸ばしている。一方で、これから紹介するようなハードルが超えられず、売り上げが変わらない、減少したという企業も少ないながらも存在している。

シナリオの設計

シナリオとは、MAのプログラムを実装するための設計図のようなものです。見込み客の購買プロセスをもとに、どのセグメントに対しどのような施策をするのか、それをMAでどのように組んでいくのかということを計画します。
例えば、「マンションの選び方」についての資料をダウンロードした見込み客は、その後の成約率が高いという場合、マンションをテーマにしたコンテンツを配信しながら、資料のダウンロードに誘導するようなシナリオを設定します。

MA導入において難しいとされることの一つが、このシナリオ設計です。シナリオの設計が難しい理由はいくつか考えられます。まず、見込み客の購買プロセスが不明というケースです。見込み客の購買行動が把握できていないと、注力するセグメントや訴求内容も決まらず、シナリオの作成が難しくなります。
もう一つの理由は、購買シナリオをどのようにMAに置き換えて良いかわからないというケースです。MAの機能や仕組みを理解しながらの作業となるため、特に導入初期はハードルとなることが考えられます。

シナリオ設計

シナリオ設計は様々な観点から顧客行動を分析する必要がある。

スコアリングの設定

スコアリング設定も、MAの導入においてつまずくことの多い点の一つです。
スコアリングとは、見込客の属性や行動など、一定の条件に対して点数やグレードを付与していく仕組みです。
スコアリングがハードルとなる理由としては、確度の高い行動や属性が把握できていても、各条件にどの程度のスコアを配分するか判断が難しいためです。
スコアリングの配点が適切でないと、商材への興味が高まっている見込み客を逃したり、逆に、初期段階の見込み客に営業をかけてしまったりと、MAの利用が思ったような成果につながらない結果となってしまいます。

スコアリング例

上記のようなスコアリングと施策を考えた場合、「メルマガ開封は本当に1点でいいのか?」「LINE@に登録したユーザーは、5ページ以上閲覧したユーザーよりも確度が高いと考えていいのか?」といったことを問い続ける必要がある。

自社の運用体制

体制面では、大きくわけてMAの運用とその後の営業フォローにおける課題があります。
MAの運用においては、自社で十分なリソースが確保できないというケースです。選んだツールや自社の施策により異なりますが、ツールの使い方がわからない、他の業務が多くMAに費やす時間がとれないなどが理由として考えられます。

また、MAの導入においては、営業体制も重要です。見込み客の商材への関心が高まったタイミングで、即座にアプローチすることかどうかで、その後の結果にも影響します。MAでせっかく良質な見込み客を集めても、それをフォローする体制がないとMA導入効果は半減してしまいます。

顧客データの精度

意外と見落としがちですが、施策において鍵となるのが顧客データの精度です。
データの精度が低いと必要な条件でセグメントを絞ることが困難になります。例えば、従業員規模が1000人以上の企業にアプローチしたい場合、そもそも顧客データに従業員情報がなかったり、1000人や1,000人など表記ゆれをしていたりすると、条件に合致する顧客がごくわずかとなり施策をする意味がなくなってしまいます。
また、担当者によって表記ゆれが発生し、企業やコンタクトユーザーの重複が生じることも精度が落ちる大きな要因です。

コンテンツの作成

MAの運用にはコンテンツが不可欠です。具体的には、メール配信やブログ、ホワイトペーパー、ウェビナーなど、オンライン上で提供できるコンテンツが該当します。自社のコンテンツ資産を把握しないままMAを導入してしまうと、コンテンツが不足し、施策が途中で滞ってしまうという状況になります。特に、配信頻度やセグメントの種類を多くするほど、コンテンツの量が必要になります。

MA導入のハードルをクリアするには

ここまで読んでいただき、MAを導入するのは大変なのでは…と思ってしまった方もいるかもしれません。しかし、多くの企業がMAの導入ハードルを越え、成果に繋げています。
そのようなハードルを回避するポイントについてご説明します。

顧客の購買プロセスを明確にする

MAに限らずどのマーケティングツールにも共通することですが、自社の顧客像や購買プロセスを把握しておくことが必要です。購買にいたるまでにどのような属性の見込み客がどのような行動をとるのか、過去の営業やマーケティングの結果をもとに整理をしておきます。自社の顧客像や購買プロセスを明確にすることで、シナリオの作成やスコアリングの設定もしやすくなります。新商材など購買プロセスが不明な場合は、まずは仮説ベースで始めます。その際は後から改善がしやすいよう、プログラムの実装に負担の少ないものが良いでしょう。

カスタマージャーニーの例

顧客の購買プロセスを知るには、一般にカスタマージャーニーを作成する。カスタマージャーニーからMAを使ってアプローチできる部分を探し、実装していく

MAのシナリオ設計に役立つ顧客購買プロセスについては、下記で詳しく紹介しています。
ペルソナとカスタマージャーニー(1)
ペルソナとカスタマージャーニー(2)

シンプルまたは限定的な施策で小さく始める

もう一点は小さく始めるということです。「スモールスタート」という言葉がよく使われるように、新しいシステムやツールの利用においては、あまり手を広げすぎず小さな施策から始めることで導入時のハードルを回避できます。

「小さく始める」方法の一つは、シンプルな施策から行うことです。例えば、一斉配信メールを送り、特定の行動をした場合にスコアを付与する、スコアが一定以上になったら次のアプローチをするといったように、単純な施策をつないでいくことから進めます。最初からシナリオをしっかり組むのではなく、シンプルなフローにしておくことで、ツールの使い方に少しずつ慣れながら進めていくこができます。MAには無料のプランを提供しているものもあるので、導入初期は最低限のプランで開始をし、慣れてきたらより高機能なプランにアップグレードをするといった使い方でもよいでしょう。

 

もう一つの方法は、優先度の高いセグメントに絞って施策を行うことです。いくつかある購買パターンのなかから、どれか一つのセグメントのみに施策を行います。自社にとって最も確度の高い属性や、該当数が多い条件、または手を付けられていなかったリストなど、特定のセグメントだけに限定することで、シナリオやスコアの設定もしやすくなり、データ整備やコンテンツも限られた工数で進めることができます。

ベンダーやコンサルティング会社に依頼する

社内の体制だけでは難しいという場合、運用の一部またはすべてを外部に依頼するという手段もあります。例えば、導入後の3か月までベンダーのサポートを受ける、シナリオやスコアリングなど設計だけ外部に依頼するというような方法があります。特に、見込み客の育成シナリオやスコアリングの設定は、一定期間運用していく必要があるため、見直しの時期に設計のみ外部に依頼するということも考えられます。

インサイドセールスは不可欠

MAが必要とされる商材は、検討時間が長いBtoBの商材や、高額のBtoC商材がほとんどです。その場合、Web経由で購入を決めるというよりは、他社と比較をしたり販売担当者から話を聞いたりなど、検討を重ねて購入につながるケースがほとんどです。MAとはいわば、1000人のリストからより確度の高い100人の見込み客を抽出するためのツールです。その100人を売り上げにつなげるには、営業フェーズへとつなぐ役割が欠かせません。このポジションは「インサイドセールス」とよばれ、MAの普及とともに導入する企業も増えてきました。営業担当者が兼ねることもありますが、できるだけ専任で体制を作ることをおすすめします。

まとめ|MAの導入ハードルを越える方法

MAを導入するうえで課題となりがちなハードルについてご説明しました。MAだけでなく、新しいツールを導入する際に共通する点も多くあると思います。
MAのツール選定の際に、これらの点を確認しておくことで、導入をよりスムーズに進めることができるでしょう。すでにツール選定が終わっている場合や運用を開始している場合でも、今後MAを使っていくうえでのヒントとしていただければと思います。

弊社は世界シェアNo1のMAツール「HubSpot」の導入支援を行っています。無料版の活用コンサルティングから、社内導入のサポートまで行いますので、お気軽にご相談ください。
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