目次
- 1 Dairy Queen(ソフトクリーム店、アメリカ) -ユニークなキャンペーン「Upside Down or Free」の告知で2,000万人にリーチ
- 2 アンダーアーマー(スポーツブランド)-キャンペーンに合わせた写真広告でブランド理解促進
- 3 Golden State Warriors(NBAチーム)-カルーセル広告、動画広告によるチケット・グッズ売上拡大事例
- 4 Beanpole Outdoor(韓国アパレルブランド)-ストーリーズ広告によるコンバージョン率拡大事例
- 5 Parachute Home(寝具・バスルーム用品ブランド、アメリカ)-クオリティの高いビジュアル、ユニークなキャンペーンで高いROIを実現
- 6 Instagram広告の海外事例まとめ
Instagramを日々使っていたら知っていると思いますが、Instagram広告はスマホアプリからも出稿できます。
普通に投稿して、「広告を作成」というボタンを押せば、あとはInstagramの指示に従って数回タップや入力を行えば、数時間後には広告が出始めます。
Instagramに限らず、Web広告のハードルは下がり続け、個人でも気軽に出稿できるようになりました。
だからこそ、無数にある広告の中で成果を得る、オーディエンスの記憶に残るためには、「戦略」が重要になってきます。
そして、戦略を学ぶ上で最も効率的な方法が「実例を見る」ことです。
今回はInstagram広告の海外事例として「Dairy Queen(ソフトクリーム店、アメリカ)」「アンダーアーマー(スポーツブランド)」「Golden State Warriors(NBAチーム)」「Beanpole Outdoor(韓国アパレルブランド)」「Parachute Home(寝具・バスルーム用品ブランド、アメリカ)」のケーススタディを紹介します。
【Instagram広告事例】
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Dairy Queen(ソフトクリーム店、アメリカ) -ユニークなキャンペーン「Upside Down or Free」の告知で2,000万人にリーチ
画像:ROBOMA
「Dairy Queen」は、アメリカで1940年に創業されたソフトクリーム店で、ハンバーガーやフライドポテトなどのファーストフードと、ソフトクリームをメインに扱うフランチャイズチェーンです。名物メニューの「Blizzard」アイスクリームは発売された1985年に1億個以上売れたということで話題になりました。
アメリカで長い間愛されてきたDairy Queenは人気メニュー「Blizzard」の売上をさらに伸ばしたいと考え、「Upside Down or Free」キャンペーンを企画しました。逆さにしても落ちないという特徴が売りのBlizzardを、店員が逆さにして渡さなかったら、次回来店時にBlizzardを一個無料でもらえるというユニークなコンセプトのキャンペーンです。
キャンペーンの告知にInstagram広告を活用し、結果的に年間を通して2,000万人にリーチする大規模キャンペーンとなりました。フォーマットはフィード上の画像・動画広告を使用し、クリエイティブは「逆さにしても落ちない」というユニークなコンセプトをダイレクトに伝えるものを複数制作しました。上下が逆さまになった部屋の実物セットを用意し、部屋の装飾はキャンペーンに合わせて期間限定で発売されるフレーバーを表した色合いで統一しました。
コピーは「SERVED UPSIDE DOWN OR THE NEXT ONE’S FREE.」というシンプルなものです。「上下逆さま」という基本的なコンセプトを維持しながら、月ごとに変わる限定フレーバーや季節に合わせて装飾を変えることによってロングスパンのキャンペーンの中、ユーザーを飽きさせない工夫を施しました。ターゲットは18-34歳をベースに、月ごとのフレーバーに合わせた興味・関心のターゲティングを行い、毎月異なるユーザーにリーチできるように設計しました。
新しい層にリーチし続けるというターゲティングが影響し、キャンペーンは2,000万人以上のリーチを獲得することができました。さらに、「25-34歳層の広告想起18ポイントUP」「Upside Down or Freeキャンペーンの認知度8ポイントUP」「購入意向3ポイントUP」という成果につながりました。
アンダーアーマー(スポーツブランド)-キャンペーンに合わせた写真広告でブランド理解促進
画像:Instagram
アンダーアーマーは機能性スポーツウェアのトップブランドで、世界中に熱心なファンがいます。アンダーアーマーはInstagram広告を使って「Rule Yourself(自分自身を支配する)」キャンペーン一環としてメッセージの伝達を行い、消費者持っているアンダーアーマーに対するブランドイメージを高めたいと考えました。
マーケティングエージェンシーResolution Mediaの協力で企画された「Rule Yourself」キャンペーンは、14-34歳のミレニアル、ジェネレーションZ世代をターゲットに、トレーニングに打ち込む姿勢を讃えることによってアンダーアーマーのブランド浸透を図ろうというものでした。
水泳選手Michael Phelpsやバスケットボール選手Stephen Curryなどのアンダーアーマーのアスリート達が、自分と戦いトレーニングに励む姿を動画や写真などで紹介し、その努力を称賛する内容でした。さらにハッシュタグ「#RuleYourself」を共通ワードとして上手く活用しました。
アンダーアーマーを愛用する世界中のアスリート達から投稿を集めつつ、一般の消費者に対しても「自分なりのルール」をハッシュタグ付きで投稿してもらうという参加型キャンペーンとして拡散しました。ブランドのメッセージをクリエイティブやハッシュタグを活用して、包括的に伝えていくというキャンペーンが功を奏し、結果的に「購入意向5ポイントUP」「メッセージ理解4ポイントUP」「広告想起率7ポイントUP」という成果を上げることが出来ました。
Instagramはブランドメッセージを消費者に届けるプラットフォームとして、常に堅調な成果をあげてきてくれました。#RuleYourself キャンペーンのテーマは、「周りを顧みずに、己を鍛錬すべく突き進む」というもので、Instagramプラットフォームとそのコミュニティには自然になじんでいました。結果は期待に応えるどころか、それを上回るものとなり、広告想起、購買意図、メッセージ理解において目覚ましい向上が見られました。
Under Armour、グローバルコンシューマーエンゲージメント担当VP、Jim Mollica氏
Golden State Warriors(NBAチーム)-カルーセル広告、動画広告によるチケット・グッズ売上拡大事例
画像:Instagram
Golden State WarriorsはNBAに所属するプロバスケットボールチームです。1947年に創設され、現在はサンフランシスコのベイエリアに本拠地を置いています。これまでに4回のリーグ優勝を果たし、2015年〜2016年のシーズンでは、Stephen Curry選手がチームの勝利に貢献しました。
Golden State Warriorsはチケットやグッズの販売拡大のため、Instagramのカルーセル広告・動画広告のフォーマットを利用しました。クリエイティブはStephen Curry選手、Klay Thompson選手、Draymond Green選手など、人気の高い選手の素晴らしいプレーを中心に制作されました。
Call To Actionはシンプルに「購入する」ボタンを設置し、オフィシャルサイトに誘導しました。ターゲティングは、「既存のチケット保有者」「過去のグッズ購入者」「ウェブサイトの訪問者」というチームに対してエンゲージメントが高いユーザーの特徴を、カスタムオーディエンス・類似オーディエンスに反映・活用しました。
その効率的な設定が良い結果につながり、「グッズ・チケット販売の広告費用対効果13.7倍(2016年6月)」「グッズ・チケット販売の広告費用対効果14.8倍(2015-2016年シーズン)」「Instagramのフォロワー拡大率6.3倍」という大きな成果につながりました。元々エンゲージメントの高いフォロワーが多いことも影響していますが、コンバージョンを確実に上げた事例として、クリエイティブやターゲティングなど参考にできるでしょう。
「InstagramはGolden State Warriorsのグッズやチケットの販売促進に最適なプラットフォームとなっており、私たちのソーシャルアカウントの中でも最速の成長を見せています」
Golden State Warriors、マーケティングおよびデジタル担当バイスプレジデント、Kenny Lauer氏
Beanpole Outdoor(韓国アパレルブランド)-ストーリーズ広告によるコンバージョン率拡大事例
画像:Instagram
Beanpole Outdoorは韓国の若者の間で人気のアウトドア系の大手アパレルブランドです。Beanpole Outdoorはウェブサイトでのリード獲得とコンバージョンを高めたいというニーズがあり、Instagramが試験的に行ったストーリーズ広告の先行テストに参加しました。特にモバイルデバイスに最適化したクリエイティブを意識し、全画面表示の縦型動画フォーマットを活用しました。特徴的なのは「広告に見えない」ことです。あたかもインフルエンサーが紹介しているようなテイストの動画クリエイティブを作成しました。
Beanpole OutdoorのECサイトへリンクする「Learn More(詳しくはこちら)」をCall To Actionとして配置しました。ターゲットへの親和性が高いクリエイティブにより、過去に行ったキャンペーンと比較し、「動画再生率2倍」「ウェブサイトクリック率16倍」「コンバージョン率1.4倍」という実売に結びつく大きな成果を残すことに成功しました。
試験参加の成果を受けて、Beanpoleは、Instagramストーリーズ広告を継続して使用し、さらにリターゲティングを展開するなど、効果の最大化を目指しています。
試しにInstagram Storiesに広告を出稿したところ、その結果に驚きました。特に動画の再生率やコンバージョン率の高さには目を見張るものがあります。ストーリーズ広告は確かな業績でもってその価値を証明しました。実際に広告を見た顧客は、購入を完了する率が高くなりました。WiseBirdsが積極的に新しい広告製品を提案してくれたおかげで、このチャンスにめぐり合うことができました。特にInstagramストーリーズ広告については、動画に適した製品だと感じました。今後もWisebirdsとの連携の中で、FacebookやInstagramの革新的な製品をテストしていきたいと思います。
Samsung C&T Corporation、チーム1 (メンズ&スポーツ)担当マーケティング部長、Myounggoo Choi氏
Parachute Home(寝具・バスルーム用品ブランド、アメリカ)-クオリティの高いビジュアル、ユニークなキャンペーンで高いROIを実現
画像:Instagram
Parachute Homeはアメリカに拠点を起く寝具、バスルーム用品のブランドで、DtoC(Direct to Consumer)モデルを採用し自社サイトで直接ユーザーに商品を販売しているEC企業です。Parachute Homeの強みは高い品質、デザイン、高い製品力、かつ高すぎない価格設定で、「1日の始まりと終わりは最高の気分で過ごしてほしい」というコンセプトを掲げています。
Parachute Home はInstagram広告を活用することで、ブランドの認知率向上、そしてコンバージョン(オンライン売上)につなげたいと考えていました。既にInstagramで多くのファンを抱えており、エンゲージメントを構築しつつあったので、そのデータやノウハウを生かしながら、新たなユーザーへのアプローチを行いました。
クリエイティブは、家の中でParachute Homeの製品がどのように見えるかにこだわり、美しいデザイン性を伝えました。
合わせて60日間のトライアルキャンペーンも並行して行いました。「a 60 night trial on Bedding plus free shipping and returns(ベッドの60日間トライアル、無料配送、無料返品)」というコピーで製品力の高さアピールし、トライアルのハードルを下げています。ターゲットは18-54歳男女と幅広く設定した中で、既に自社で持っている顧客情報と似通ったユーザーに配信する「類似オーディエンス」を活用しました。
結果としてこのキャンペーンは300万人にリーチし、「広告費用対効果3.7倍」「広告回収率25%(目標数値との比較)」「CTR2倍(他の広告と比較)」という高い成果を得ることができました。
「Parachute Homeは常にビジュアルを重視してきました。Instagramを使うと、当社の製品やブランドの美学を紹介することができ、また、消費者とつながることができます。利用者が自分のスタイルで寝具を使っている写真をシェアした場合には、その人と直接交流できます。また、当社が提供するインスピレーションに満ちたイメージと関連性の高い潜在顧客にリーチできるため、Instagramは理想的なプラットフォームです」
Parachute Home、Director of Paid Acquisition、Dustin Stollberg氏
Instagram広告の海外事例まとめ
今回は海外のBtoC企業に絞ってInstagram広告事例を紹介しました。
コンバージョン拡大をKPIに置くブランドが多い中、特に成果が高かった「Golden State Warriors」「Parachute Home」はInstagramのアカウント運営が戦略的に実施できており、すでにある程度の顧客を抱えエンゲージメントを構築出来ていたという背景があります。
この事から、広告成果を最大化するには、コンバージョン獲得を狙う前にアカウント自体を育成し関係構築する事が重要と言えます。オーガニックの投稿やユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションを通じてフォロワーの拡大・エンゲージメント構築を行い、次のステップとしてコンバージョン獲得を狙うと成果につながりやすいでしょう。