BtoBソフトウェア販売で取り組むべきWeb広告手法3選(事例あり)

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BtoBソフトウェア販売で取り組むべきWeb広告手法3選(事例あり)

会計・経理ソフトや人事管理・マーケティングツールなど、ビジネス向けのソフトウェアには様々なものがあります。ビジネスシーンで利用されるものなので、紹介やテレアポによる営業活動、展示会などで集客することが一般的ではないでしょうか。

しかし、少し考えてみてください。

経理担当者も、マーケティング担当者も、人事担当者も、仕事を一歩離れれば個人です。どんな業種・職種であれ仕事でインターネットを使うことは一般的になってきています。つまりBtoBのソフトウェア販売においても、Web広告を活用して見込み顧客や契約を獲得することは可能なのです。

今回は、BtoBソフトウェア販売に効果的なWeb広告手法を3つ紹介します。

テーマはズバリ「動画広告」です。

動画広告というと、美容系やゲームなどBtoCの商品に多いイメージですよね?

BtoBソフトウェア販売の広告事例も合わせて紹介するので、営業力に頼りがちな集客経路を拡大したいと考えているなら、ぜひ取り組んでみてください。

なぜソフトウェア販売に動画広告なのか

具体的な広告施策を紹介する前に、まずなぜBtoBのソフトウェア販売に動画広告が適しているのかを見ておきましょう。

1.文字では伝えにくいイメージを伝えられる

動画の最大の魅力は表現力にあります。一般に、BtoBはBtoCよりも決断のハードルが高く、より多くの説明が必要になります。導入コストと効果を比較し、稟議など複雑な手続きを進めてもらうには、見込み顧客に「これを使うことでどうなるのか?」を鮮明にイメージしてもらう必要があるのです。

こちらはCRM・SFAツールの「Salesforce」のプロモーション動画です。動画の中でイメージビジュアルや実際の操作画面を用いて、豊富で複雑な機能を「どういうものなのか?」「それを使うことでどうなるのか?」がイメージしやすくなっています。

これを営業担当が紙の資料で説明したり、テキスト中心のWebページで説明するのは難しいですよね。このように文字では伝えにくいイメージを伝えられることが、動画の持つ大きな魅力です。

2.他のプロモーションに展開できる

動画の持つ表現力は非常に強力なので、広告だけでなく展示会や営業資料などいろいろな場所で使うことができます。

例えば、CRMツールの「ferret One」を説明したこちらの動画は、Facebook広告に活用したり、LPに埋め込んだり、広告としても活用されましたが営業やカスタマーサポートの現場でも活用されています。

3.動画活用できる広告手法が増えている

3つ目の理由は業界全体のトレンドです。動画広告市場が伸びているのは周知の通りと思いますが、それはBtoCだけではありません。BtoBでも動画広告の活用が大きく伸びているのです。

動画配信プラットフォームを提供するVidyardが25万本以上の動画のデータを調べたところ、BtoBの動画の86%がデスクトップPCで視聴していることがわかりました。つまり、BtoBの動画広告の多くは勤務中などに見られている可能性が高いということです。

BtoBの広告施策で一番の課題は勤務時間中など、一番アプローチしたいタイミングで広告を届けにくいという点にありました。しかし今は動画広告手法が多様化し、ターゲティング精度も高くなったため、より確実にアプローチしたい人にアプローチしたい状況で広告を届けられるようになってきているのです。

それでは実際に、BtoBでこそ活用したい動画広告の手法を3つ見ていきましょう。

YouTube広告

BtoBに限らず動画広告といえばYoutube広告です。動画広告に乗り出すなら、まずはYouTube広告が良いでしょう。

YouTube広告の魅力は、Google広告の持つ機能・運用のしやすさ、そしてYoutubeの圧倒的な利用者数です。

Google広告は検索広告・ディスプレイ広告・ショッピング広告など多くの機能があり、動画広告でリーチした人をディスプレイ広告のリマーケティングでクロージングするなど、掛け合わせることができます。また様々な自動化機能が用意されており、比較的運用しやすい広告手法でもあります。

そしてYoutubeは全世界で20億人、日本国内でも月間6500万人もの利用者がいます。BtoBであれ、リーチしたい人の大半に広告を届けるチャンスがあると考えていいでしょう。

もう一つは、Youtubeが動画を視聴するためのプラットフォームであるということです。動画広告を掲載できるSNS・Webサイトも多くありますが、これらは動画を見るために使われるわけではありません。そのためデフォルトで音声がオフになっているなど、動画の魅力を最大限発揮しにくい状態で広告が届いてしまいます。

こちらは勤怠管理システム「ジョブカン」のYouTube広告です。15秒の短編動画なので「課題を認識し、解決策としてジョブカンという名前を覚えてもらう」という一点にフォーカスされています。一点にフォーカスした動画広告は色々なシーンで活用できるため、テレビCMやタクシー広告などいろいろな媒体で展開されています。

こちらはオンラインストレージサービス「DirectCloud-BOX」のYouTube広告です。こちらはフルアニメーション動画で、サービスの課題訴求から機能・強みまで効果的に説明しています

フルアニメーション動画は複雑なものや体感しにくいサービスをイメージしてもらう際に効果的です。このサービスはオンラインストレージサービスという目に見えないクラウドソフトウェアで、しかもGoogleクラウドやBoxなど似たようなサービスが多くあります。そのため「取引先とのゲストファイル共有」「セキュリティ対策」「ワークスペース」などいろいろな差別化を図っています。

これらをテキストで伝えるのは難しいですが、アニメーションなら効果的にイメージできます

またアニメーション動画は撮影などが不要なため、比較的低コストで作れるというメリットもあります。

Facebook広告

続いてはFacebook広告です。Facebookは全世界の月間アクティブユーザー数がなんと27億人と、YouTubeより利用者が多い世界最大のSNSであるという点が特徴です。国内でも2600万人ものアクティブユーザーがいます。

Facebook広告の魅力は、BtoBにおけるターゲティングの豊富さです。例えば「人事管理システム」「マーケティング戦略」などの興味関心、「代表取締役」「部長」などの役職といった、BtoBに適したターゲティングがあります。

これはFacebookが実名制のSNSで、役職や学歴・経歴などを入力する欄が多い上、ビジネスコミュニケーションとして活用されることが多いからです。

また「Facebook広告の魅力と成果を上げる広告文の書き方・活用方法」でも書きましたが、Facebook広告は文字数制限が実質ないため、動画スクリプトのテストを行えるという魅力もあります。Facebookの長文広告で訴求をテストして、上手くいったものをスクリプトに動画広告として活用すれば、コストをかけて作った広告が見込み顧客のニーズから外れていた、なんていうことを防ぐことができます。

Youtube広告では動画と短い見出しでの訴求になりますが、Facebookでは動画と本文、見出しといろいろな形で訴求できることも魅力です。

こちらはアウトソーシングサービス「ランサーズ」のFacebook動画広告です。ランサーズではいろいろな業務をアウトソーシングできますが、この広告では「電話代行」にフォーカスしています。テキストと動画・見出し文章など様々な方法で、それぞれ費用の安さを訴求しています。Facebook広告には「カスタマーサービス」という興味関心もあるので、こうしたターゲティングを活用すれば効果的に見込み顧客に広告を届けることができます

DSP広告

DSP広告は各サービスがいろいろな強みを持っていますが、BtoBターゲティングや動画広告に強みを持ったものもあります。

例えば、「【BtoB向け】企業ターゲティングに強みのあるDSP広告3選」でも紹介したLogicadは企業データベースと連携したBtoBターゲティングに強みがありますが、「Logicad Video Ads」という動画広告の機能も用意しています。この機能を活用すればGoogleを含め、いろいろなアドエクスチェンジが持つ動画広告枠に広告を掲載することができます。

同じく紹介しているADMATRIX DSPはIPアドレスを基に業界業種でターゲティングできるBtoB向けDSPですが、こちらも動画広告に対応しています。

職種データによるターゲティングや展示会来場者の属性でターゲティングするなど、BtoBに強みを持ったDSOのExLead-DSPも、動画広告に対応しています。ExLead-DSPは広告主25%がソフトウェアなどを販売するIT企業なので、ソフトウェア販売の事例も多くありそうです。

少し変わったところでは、FreakOut DSPを提供する株式会社フリークアウトと日本最大のタクシー配車アプリのJapanTaxiが共同で提供する「Tokyo Prime」という動画広告手法もあります。

これはタクシーの中に表示されるデジタルサイネージなのですが、タクシー広告最大の魅力は、視聴率が高い、というところにあります。YouTube広告は視聴率が50%を超えたら大成功、視聴者の記憶に残る割合はもっと少なくなるのが一般的です。しかし「Tokyo Prime」のタクシー利用者調査によると、81%もの人が動画広告を「確かに見た/見た気がする」と回答しています

これはタクシーという密室で数分から数十分にわたり、動画を流せるタクシーのサイネージ広告だからできることです。またタクシーを頻繁に利用する層(決済社クラスが多い)に広告を届けられることも、BtoBソフトウェアの広告施策として効果的です。

まとめ

今回はBtoBソフトウェア販売という業界にしぼり、オススメの広告施策として動画広告を3種類紹介しました。

この他にも動画広告が出稿できる媒体は色々ありますが、まずはYoutube広告から始めることをオススメします。Youtube広告は世界最大の動画プラットフォームということもあり、業界業種を問わず事例が多くあり、運用ノウハウも確立されたものが数多くあります。

とはいえ、いきなりYoutube広告を始めよう!と考えるのではなく、自社の商材を動画で表現した時にどうなるかをイメージしてみてください。動画は魅了的なクリエイティブでBtoBのソフトウェアを販売する上で効果的だと思いますが、どんなソフトウェアでも動画がベストかというとそうではありません。テキストを中心に紹介したほうが理解しやすいケースもあるでしょう。

今回紹介したものも含め、いろいろなBtoBソフトウェアの動画事例を調べ、自社ならどんな風に動画が活用できるか、考えることから初めてみてください。