Google検索広告のキーワード「マッチタイプ」完全ガイド

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Google検索広告のキーワード「マッチタイプ」完全ガイド

1兆5千億円近いWeb広告の投資において、その約4割にあたる5,700億円が検索連動型広告に使われています。
そして検索連動型広告の中で最大のシェアを持つのがGoogle検索広告です。

画像:電通グループ 2018年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

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Google検索広告は、広告主があらかじめ登録しておいたキーワードと、ユーザーの入力した検索語句が一致したときに、広告を表示するという仕組みになっています。

ここで重要になってくるのが、キーワードを登録する際に設定する「マッチタイプ」です。
マッチタイプとは、キーワードと検索語句が一致する条件を指定するもので、全く同じキーワードを登録していても、マッチタイプ次第で広告を配信する範囲が大きく異なります。
今回は、4種類あるマッチタイプについてそれぞれ紹介し、具体的な使い分けについても解説していきますので、今後検索広告の利用を考えている方は、ぜひお役立てください。

検索広告のキーワードの4種類のマッチタイプとは

検索広告で登録するキーワードは、単語を登録するだけでなく、同時にマッチタイプを4種類の中から一つだけ指定します。
その4種類のマッチタイプとは、条件の厳しい順に、完全一致、フレーズ一致、絞り込み部分一致、部分一致という名前がついています。
どれが良いというものではなく、キーワードや目的によって使い分けが必要になってくるものですので、一つずつ解説していきます。

キーワードのマッチタイプ①:完全一致

完全一致は、文字通り「完全に一致」したときだけ広告を表示するマッチタイプです。
例えば、「エアコン 安い」というキーワードを完全一致で登録したとします。
この場合、「エアコン 安い」という全く同じ検索語句で検索をしたユーザーにのみ広告が表示され、「安い エアコン」「エアコン 格安」「クーラー 安い」などの似た検索語句は一致していないと見なされて広告が表示されません。
広告主が登録したキーワード以外で広告が表示されることは無いので、広告主にとってはコントロールが効きやすい反面、似たようなキーワードを網羅的に登録しておかないとニーズのあるユーザーの取りこぼしが多く発生してしまうデメリットもあります。
登録の方法としては、マッチタイプとして「完全一致」を選択するか、[エアコン 安い]のように、キーワードを角括弧([])で囲むことで登録できます。

出稿キーワード[エアコン 安い]
マッチタイプ完全一致
表示されるエアコン 安い
表示されないエアコン 安い 性能
安い エアコン
エアコン 格安
クーラー 安い

キーワードのマッチタイプ②:フレーズ一致

フレーズ一致は、複数の単語の組み合わせを「フレーズ」として登録するマッチタイプです。
今回も、「エアコン 安い」というキーワードをフレーズ一致で登録したとします。
この場合、「エアコン 安い」という検索語句にはもちろん広告が表示されます。
加えて、「エアコン 安い おすすめ」「エアコン 安い 性能」など、「エアコン 安い」というフレーズを含んでいれば、他の単語を含む検索語句にも反応して広告が表示されます。
しかし、「安い エアコン」のように単語の順序が逆になっている検索語句や、「エアコン おすすめ 安い」のようにフレーズとして登録した単語の間に別の単語が挟まってしまっている場合には反応せず、広告は表示されません。
ちょうど完全一致を拡張したようなイメージで、広告主にとってコントロールしやすいシビアな条件を指定しつつも、完全一致ではカバーしきれない周辺の検索語句にも広告の表示を広げることができます。
そのため、予算を抑えながらより多くのユーザーにリーチしたい場合に役立つマッチタイプと言えるでしょう。
登録の方法としては、マッチタイプとして「フレーズ一致」を選択するか、”エアコン 安い”のように、キーワードをダブルクォーテーション(“)で囲むことで登録できます。

出稿キーワード“エアコン 安い“
マッチタイプフレーズ一致
表示されるエアコン 安い
エアコン 安い 性能
エアコン 安い おすすめ
表示されない安い エアコン
エアコン おすすめ 安い
エアコン 格安
クーラー 安い

キーワードのマッチタイプ③:絞り込み部分一致

絞り込み部分一致は、登録したキーワードを「含む」検索語句に反応して広告を表示するマッチタイプです。
「エアコン 安い」を絞り込み部分一致で登録したとすると、「エアコン 安い」はもちろん、フレーズ一致では反応しなかった、「安い エアコン」のように語順が逆になった検索語句、「エアコン おすすめ 安い」のように登録したキーワードの間に別と単語が挟まった検索語句にも反応します。
その他、「安い おすすめ エアコン」など、「エアコン」と「安い」の2語さえ含んでいれば、どんな組み合わせでも反応して広告が表示されるのが、絞り込み部分一致です。
登録したキーワードを含む検索語句なら全てに反応するため、これだけは押さえておきたい、という単語の組み合わせを絞り込み部分一致で登録しておけば、非常に幅広い検索語句に反応して、多くのユーザーにリーチすることができます。
絞り込み部分一致では語順も関係ないため、2語の組み合わせを完全一致で登録したい場合、前後入れ替えで2パターン、3語の組み合わせなら6パターン登録しなければいけないところ、絞り込み部分一致なら1パターン登録するだけで済みます。
広告主にとっては手間が少なく、便利に思える絞り込み部分一致ですが、「エアコン 安い」を絞り込み部分一致で登録してエアコンを販売する広告を出したい場合、「エアコン 修理 安い」のように、エアコンの購入ではなく修理を検討しているユーザーにも広告が表示されてしまいます。
これを避けるには、「修理」を除外キーワードに指定したり、絞り込み部分一致ではなく完全一致で登録したりするなど、別の対策が必要になります。
広告に使える予算や運用にかけられる時間などを考慮して、より合っている方法を選択しましょう。
絞り込み部分一致の登録は、前に紹介した2つのマッチタイプとは異なり、「絞り込み部分一致」というマッチタイプを選択することはできません。
代わりに「部分一致」を選択し、「+エアコン +安い」のように、絞り込み部分一致で登録したい単語の前にプラスマーク(+)をつける必要があります。
このときプラスマークをつけ忘れてしまうと、後述する部分一致として扱われてしまうため、十分ご注意ください。

出稿キーワード+エアコン +安い
マッチタイプ絞り込み部分一致
表示されるエアコン 安い
エアコン 性能 安い
安い エアコン
エアコン 修理 安い
表示されないエアコン 格安
クーラー 安い

キーワードのマッチタイプ④:部分一致

部分一致は、4種類のマッチタイプの中で最も条件が緩く、最もシンプルなマッチタイプです。
例えば、「エアコン」を部分一致で登録すると、「エアコン 安い」「安い エアコン」「エアコン おすすめ 安い」といった、上記3つのマッチタイプで反応した検索語句はもちろん、「エアコン 粗大ごみ」「引っ越し エアコン付き」「電気代 エアコン」などなど、「エアコン」という単語を含んでいるあらゆる検索語句に反応して広告が表示されます。
キーワードの登録は楽ですが、意図しない検索語句にも大量に広告が表示されてしまうため、あっという間に予算が底を突いてしまい、売上は全く伸びず……なんてことが起こり得ます。
自社の社名やブランド名を部分一致で登録するなら、認知度を高める上では有効と言えますが、基本的にはあまり使われないマッチタイプと言っていいでしょう。
リーチを広げたい場合も、なるべく絞り込み部分一致を使った方が、コントロールが効きやすく安全に広告を配信できます。
登録の方法としては、マッチタイプとして「部分一致」を選択するだけでOKです。
この簡単さゆえに、意図しない広告配信による事故も起こりやすいため、注意してください。

出稿キーワードエアコン
マッチタイプ部分一致
表示されるエアコン 安い
エアコン 性能 安い
エアコン 粗大ごみ
エアコン 修理 安い
エアコン 格安
クーラー 安い
表示されないエアコンとその類語を一切含まない検索語句

キーワードの4種類のマッチタイプの使い分け

キーワードの4種類のマッチタイプは、完全一致<フレーズ一致<絞り込み部分一致<部分一致のように、広告を配信する範囲が広がっていきます。
ですので、予算が限られている場合や、初めて検索広告を配信する場合は、まずは完全一致のみでスタートさせて、徐々にフレーズ一致、絞り込み部分一致を使って配信範囲を広げていくのが良いでしょう。
部分一致は基本的には使わず、残りの3つで予算や目的に合わせて入札単価を調整しつつ配信するのがおすすめです。
フレーズ一致や絞り込み部分一致を使う場合は、意図しない検索語句に反応してしまわないように、除外キーワードにも気を配ることが大切です。

表記ゆれと類語

Google検索広告では、いずれのマッチタイプにおいても表記ゆれや類語に対して配信されます。
例えば「振込」で入札していた場合、「振込」「振り込み」「振込み」など送り仮名が違っても広告が表示されます。
また、「女性用帽子」で入札したときに「レディース帽子」、「車」で入札したときに「自動車」など同じ意味のキーワードに出稿されます。
また「の」「から」といった接続詞や助詞の有無でも、同じ意味であれば表示されます。「男性用 靴」を完全一致で入札している場合「男性用の靴」は「の」が省略されたとみなされ表示されます。

このように、Google検索広告の優れた点として、表記ゆれや省略、誤字、言い換えをいちいち登録する必要がない点があります。

 Google検索広告のキーワード「マッチタイプ」完全ガイドまとめ

今回は、Google検索広告で設定できるキーワードの4種類のマッチタイプについて解説してきました。
登録するキーワードが同じだとしても、マッチタイプの設定次第で広告の配信のされ方は全く異なるものになります。また、マッチタイプの仕様や表記ゆれの有無等を把握していないと、2重に出稿されデータが濁ったり、取りこぼしがあったり、膨大なキーワードを登録して運用しづらくなったりします。

Google広告を運用するうえでは必須の知識なので、これから運用に取り組む方はこの記事だけでなくGoogle広告ヘルプなども見てしっかり理解しておきましょう。
すでに運用されている方は自身のアカウントを見返して、キーワードの重複や取りこぼしがないか確認してみてください。