本当に貢献してるチャネルはどれ?アシストコンバージョンの理解と活用

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本当に貢献してるチャネルはどれ?アシストコンバージョンの理解と活用

Web広告やSEO対策などのWebマーケティングの領域において、目標としてコンバージョンを設定するのはもはや当たり前となっています。しかし、アシストコンバージョンまで考慮しているという方は案外多くないのではないでしょうか?
アシストコンバージョンとは、その名の通り、アシストとしての役目を果たしたコンバージョンのことですが、この数字をしっかり追っていくことで、今までは貢献していなかったと思っていたチャネルが、実は重要な役割を果たしていたということがわかることもあります。
今回は、このアシストコンバージョンについて、見方や活用法について詳しくご紹介していきます。

アシストコンバージョンとは

アシストコンバージョンとは、直接コンバージョンには至らなかったものの、最終的にコンバージョンする前に発生したクリックのことを指します。
例えば、動画広告→自然検索→ディスプレイ広告→コンバージョン、という経路を通った場合、直接コンバージョンがつくのはディスプレイ広告ですが、動画広告と自然検索はアシストコンバージョンがつきます。
直接コンバージョンの数字だけを見ていると、ディスプレイ広告がコンバージョン1、動画広告と自然検索はコンバージョン0で、ディスプレイ広告のみがコンバージョンに貢献しているように見えてしまいますが、アシストコンバージョンという考え方を取り入れることで、直接コンバージョンに至る前の、中間接触のクリックも評価することができるようになるのです。

Googleアナリティクスでアシストコンバージョンを確認する

アシストコンバージョンは、Googleアナリティクスのレポートで確認することができます。
確認するには「コンバージョン→マルチチャネル→アシストコンバージョン」のレポートを開きます。

Googleアナリティクス アシストコンバージョン

Googleアナリティクス アシストコンバージョンの確認方法

アシストコンバージョンレポートは、用語が少々特殊です。まず、「アシストされたコンバージョン」というのは、コンバージョン経路が複数あったコンバージョンの数を指します。つまり、コンバージョンに至るまでに、2クリック以上発生している(アシストコンバージョンが発生している)コンバージョンの総数です。
そして、「ラストクリックまたは直接のコンバージョン」というのは、アシストコンバージョンが発生せず、1クリックでコンバージョンに至ったコンバージョンの総数です。
アシストされたコンバージョンと、ラストクリックまたは直接のコンバージョンの数を比較したときに、アシストされたコンバージョンの割合が高いほど、ユーザーがより多くの経路を通ってからコンバージョンに至っているということになります。
高額商材など、検討期間が長くなりやすい商材ほど、アシストされたコンバージョンの割合が高くなりやすくなります。

「アシストされたコンバージョン/ラストクリックまたは直接のコンバージョン」は、その比を表す指標で、ゼロに近いほど直接コンバージョンの割合が高く、1を超えるとアシストコンバージョンの割合が高いことを示します。
この指標はチャネルごと、または参照元/メディアごとに見るのがよく、この指標がゼロに近いチャネルなら直接コンバージョンとして機能しており、逆に1を超えていればアシストとして機能しているチャネルであるということがわかります。
全くコンバージョンがつかないと思っていたチャネルが、実は「アシストされたコンバージョン/ラストクリックまたは直接のコンバージョン」の指標が大きい数字になっており、かつアシストされたコンバージョンの数が多ければ、そのチャネルはコンバージョンの起点として大きな役割を果たしていたということが言えるのです。

本当に貢献しているチャネルを見極めよう

さて、アシストコンバージョンレポートの見方がわかったところで、本当に貢献しているチャネルを見極めていきましょう。そのためにはまず、アシストコンバージョンがつきやすいチャネル、つきにくいチャネルというものを理解しておく必要があります。
例えば、リスティング広告はアシストコンバージョンとしては機能しにくいチャネルです。
なぜならば、リスティング広告をクリックするユーザーは、消費者行動のファネルの中では比較・検討層に位置する、ユーザーニーズの高い部分にあたるため、コンバージョンに至りやすいためです。

マーケティングファネル

セミナー資料より:リスティング広告は主に行動段階で活用する広告手法

逆に、リターゲティング配信ではない動画広告は、アシストコンバージョンになりやすいチャネルです。
動画広告自体が認知施策として使われやすいというのもありますが、動画広告を見ているユーザーは、リスティング広告と違って、自分から何かアクションを起こしているわけではありません。そのため、すぐにコンバージョンに至る可能性は低く、クリックしたとしても一度離脱して、その後検索やリターゲティング広告を通じてコンバージョンする可能性が高いです。
このように、それぞれのチャネルには、元々アシストになりやすい、または直接コンバージョンになりやすいといった特性が存在します。
それを理解した上でアシストコンバージョンレポートを見ると、チャネルの貢献度も見極めやすくなるでしょう。

具体的にどう見極めていくのかと言いますと、まず重要なのは、チャネルごとの特性に沿った働きをしているかどうかです。リスティング広告なら直接コンバージョン、動画広告ならアシストコンバージョン、というように、それぞれが得意とする役割を果たせているかどうかに着目します。
ここがうまくいっていないようなら、そのチャネルに何かしらの問題が発生していると考えられますので、すぐに改善する必要があります。
特に、直接コンバージョンに関わるチャネルは重要なので、優先的に改善すべきです。アシストコンバージョンが多いチャネルの改善は、今以上にコンバージョンを拡大していきたいときに行うのがよいでしょう。

次に、チャネルごとの特性だけでなく、それ以上の働きができているチャネルがないかどうかに着目します。例えば、動画広告で、アシストコンバージョンを多く生み出していながら、直接コンバージョンも多く発生している場合などです。
こういった、本来得意とする役割以上の働きができているチャネルは貢献度が非常に高いと言えますので、さらに予算を投下してそのチャネルを強化すべきです。
アシストコンバージョンに加えて直接コンバージョンも発生しているという場合は理想的なのですが、逆に直接コンバージョンに加えてアシストコンバージョンも発生しているという場合は、本来直接コンバージョンで獲得できたはずのコンバージョンがただアシストコンバージョンに流れていってしまっているだけ(クリック数を増やしているだけ)という可能性がありますので、その点には注意が必要です。
これらはほんの一例ですが、アシストコンバージョンと直接コンバージョンはどちらかに偏りすぎても良くないので、バランスを見ながら貢献度を評価するようにしてみてください。

本当に貢献してるチャネルはどれ?アシストコンバージョンとはまとめ

今回は、アシストコンバージョンの意味とその見方や評価方法についてまとめて解説してきました。アシストコンバージョンという見方を取り入れるだけで、それぞれのチャネルの評価がガラッと変わるのではないでしょうか。
特に、動画広告やディスプレイ広告は、アシストコンバージョンの考え方ひとつで見え方が大きく変わるチャネルです。
皆さんもぜひこの機会に、適切なチャネル評価ができるようにアシストコンバージョンの考え方を取り入れてみてください。