あなたも、Google検索画面のロゴが毎日違うことに気づいていると思います。
先週、3月12日はwww(ワールドワイドウェブ)が誕生して30周年で、Googleのロゴが昔ながらのドット調、フロッピーディスク付きのPC、地球の画像になり、Web業界で働く多くの人が注目しました。
ちなみに、30年前の3月12日は、wwwの提唱者であるティム・バーナーズ・リー氏が欧州原子核研究機構(通称CERN)に、Webの基本構想をまとめた論文を提出した日です。HTTPやHTMLなど、Webの根幹技術はこの日に誕生しました。
2019/03/21 Google検索画面がバッハ仕様に
さて、2019年3月21日、Googleのロゴはバッハ風になっていました。
単なるロゴであれば注目することもないのですが、今日のロゴはインターネットの未来を作る「AI」が使われています。
ロゴ右下の歯車にマウスを当てると「ヨハン・セバスティアン・バッハを称えて」と表示されます。そう、ユリウス暦1685年3月21日は音楽家バッハの誕生日です。
Googleのロゴでは、偉人の誕生日に、その偉人になぞらえたロゴを作ることがあります。「主よ人の望みの喜びよ」、「G線上のアリア」など、誰もが一度は聞いたことがある名曲を数多く生み出したバッハは「音楽の父」として数々の功績を残しました。
このロゴですが、クリックすると広がり、アニメーションが始まります。
イントロでは、簡単な使い方やできることが紹介されます。このロゴでは、ユーザーが打ち込んだ音符(メロディー)を元に、バッハの曲を学習したAIがメロディーを補い、ハーモニーを作り出してくれるのです。
イントロが終わると、楽譜をクリックできる画面になります。今回は上記の画像のように入力してみました。音楽知識がないうえに音が鳴らないPCで作業しているので、完全に適当です。
右下の「ハーモナイズ」をクリックすると、AIが曲を作ってくれます。
この時は「バッハが作曲した306曲を解析し、この機会に学習させました。あなたが並べた音符のパターンを認識し、ハーモニーを生成します。」と出ています。
ハーモナイズのテキストとアニメーションは、様々なパターンがあるようです。
この時は「私のハーモニーのほとんどは標準的な構造に沿って作ってあるため、機械学習モデルでパターンを認識するのが容易なのです。どうだね、ベートーヴェン君!」と出ました。
音楽というと、クリエイティブで機会にはまねできないと感じてしまいますが、実際は様々なルールやパターンがあります。そうしたパターンを学び、ロジカルに作曲していたバッハの曲は、人間だけでなく機会にとってもいいもののようです。
この時は「機械学習モデルは、正しいパターンをどうやって見つけるかを学ぶのに時間がかかります。ただし今回の機械は、バッハの楽曲が306曲とそれほどおおなかったため、数時間で学習を終えました。」と出ました。
機械学習というと、ビックデータ、統計、数理モデル…など複雑でコストも時間もかかるように感じてしまいます。機械学習の技術発展を推し進めるGoogleとしては、機械学習はそれほど難しくはないというメッセージを伝えたかったのかもしれません。
この時は「このAI(人工知能)には、「機械学習」と呼ばれる手法が活用されています。既存の情報空パターンを見つけ出し、たくさんのサンプルに基づいて「次に何が起こるか」を予測します」と出ました。
Google検索画面のように、万人が使う場所で機械学習が設置され、どのようにAIが働くかを目にする例は多くありません。今回のGoogleロゴをきっかけにAIや機械学習に興味を持った人、AIに不信感があったけどもう少し見てみようと思った人も多いかもしれません。
ハーモナイズが終わると、先ほど入力した音符にいくつかのパートが追加され、音楽っぽくなりました。バッハっぽいかどうか、正直素人にはわかりませんが、適当に入力した音符がそれっぽいメロディーになっています。
ユーザーの反応
ユーザーは「検索する」という明確な目的をもってGoogleのトップページへ訪れます。しかし、優れたアニメーションでロゴのほうに注意を惹かれ、気づけばずっと作曲してしまっているユーザーも多いようです。
今日のDoodle面白い~ずっとやっていられる!!短いけど色んなメロディをバッハ調にできる(*´ω`*) #GoogleDoodle pic.twitter.com/WBkx1uJIAW
— じゅん (@yrarak) 2019年3月21日
バッハが『ピースサイン (米津玄師)』をアレンジするとこうなる(らしい)
割とハマってる気がするw#Doodlehttps://t.co/dzGPkx6aBC pic.twitter.com/0kvnLReTHF
— 奏多56/SOTA56 ひとりバンドYouTuber (@goro56pika) 2019年3月21日
バッハによるスパイダーマンのテーマ!
面白い!#GoogleDoodle #Spiderman pic.twitter.com/Aa4ObtL45s— べーす (@Base_basis) 2019年3月21日
人気楽曲(ピースサイン 米津玄師やスパイダーマンのテーマ)のメロディーを打ち込んで、AIにバッハ調にさせるという面白い取り組みもあります。
ロゴには企業イメージを伝える目的がありますが、Googleの場合、それに限らず社会性、ユーザーエクスペリエンス、チャレンジを伝えています。
Googleは今回のロゴについて、次のように述べています。
今日、私たちは世界で有名なドイツの作曲家・音楽家のヨハン・セバスチャン・バッハを、AIを使ったDoodleで祝います!GoogleマゼンタとGoogleチームと協力して作ったこのAIは、ユーザーが選択した2小節を元にハーモニーを作成する対話型の経験です。ボタンを押すだけで、Doodleは機械学習を使用してカスタムメロディをバッハのシグネチャーミュージックスタイルに調和させます。
引用:https://www.google.com/doodles/celebrating-johann-sebastian-bach ※英語サイト
ヨハン・セバスチャン・バッハについて
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685年3月31日(ユリウス暦1685年3月21日)~1750年7月28日)は、18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家です。 バロック音楽の重要な作曲家の一人で、ピアニスト、演奏家としても有名でした。日本では「音楽の父」と呼ばれ、最も著名な音楽家の一人です。
代表曲には「G線上のアリア」「メヌエット」「主よ人の望みの喜びよ」「マタイ受難曲」「アヴェ・マリア」等があります。