SEOに強いWebサイト構造【トピッククラスターとピラーコンテンツ】

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公開日:2021年1月28日/更新日:2021年10月19日

Webマーケティング担当者なら誰しもが、検索エンジンのアルゴリズムアップデートに頭を悩ませているのではないでしょうか。

Google検索エンジンのアルゴリズムは日進月歩で常に進化し続けており、SEO対策をしても検索結果の上位に表示させるのは至難の業です。最近は人々の検索行動に変化が起こり、それに伴ってGoogleはコンテンツに対する解釈や、検索結果の抽出方法を変えてきています。

この記事では、検索行動の変化について詳しくみていきながら、今後のSEOの強みとなる「トピッククラスター」について解説いたします。

検索行動の変化とSEO対策の変化

検索エンジン初期と現在では検索に使用する単語の数が異なります。現在はスマートフォンの普及やGoogle Homeなどの音声認識デバイスが登場したこともあり、会話型の検索が増加しています。さらに、現在ではインターネット上に無数の情報が蓄積されています。そのため自分の知りたいことを検索しようとすると、必然的に検索ワードが長文になっていきます。

先述の通り情報が溢れているため、検索ユーザーは検索結果に表示されたページをひとつずつ開いて情報を見ていくよりも、記事のタイトルやスニペットから素早く答えを手に入れたいと考えています。

検索エンジンはこのような要求に対しても的確にこたえようと進化しており、最近ではゼロクリックサーチというサイトへアクセスせずに問題を解決するユーザーも増えています。またGoogleのアルゴリズムに関係のあるE-A-Tが注目されており、コンテンツの品質がより重要視されつつあります。

これからも検索エンジンはユーザーの検索行動の変化とともに進化を続けていくため、サイト作りもユーザーの検索行動の変化に合わせて進化させていく必要があります

今後検索エンジンはユーザーの検索意図をくみ取って、ユーザーが知りたい情報を表示させるように変化させていくと考えられています。検索キーワードに一致するページだけでなく、検索キーワードと関連していてユーザーの検索意図とマッチしていると判断した情報が表示されるようになります。

つまり、自社でWebサイトを制作しSEO対策する際も同じ努力が必要になります。ここからは新しいSEO対策のカタチについて詳しく紹介いたします。

新しいSEO対策のカタチ

新しいSEO対策のカタチとして、すでに多くの企業で「トピッククラスター」モデルが導入されています。トピッククラスターモデルは米HubSpot社でも導入されており、導入前と比較してトラフィック7倍を実現しています。

日本国内の複数の企業でも高いSEO効果を発揮しており、今後導入する企業が増加していくと推測できます。

トピッククラスター解説

トピッククラスターは、メインのトピックである「ピラーコンテンツ」とサブトピックである「クラスターコンテンツ」で構築されており、ピラーコンテンツとクラスターコンテンツをリンクで結んでいます。この集合体が「トピッククラスター」です。

トピッククラスターは親子構造になって、ユーザーが知りたい情報に対して網羅的な回答を用意しているため、ユーザビリティが高い特徴を持っています。

ピラーコンテンツとは?

ピラーコンテンツとは、トピッククラスターのメインとなるコンテンツのことです。内容はクラスターコンテンツの内容を含む「ビッグキーワード」であることがほとんどです。

ピラーコンテンツからクラスターコンテンツへリンクを貼り、各クラスターコンテンツでサブトピックについて詳しく解説していきます。例えば、ピラーコンテンツが「SEO対策」だったとしたら、クラスターコンテンツは「内部対策」や「メリット」などを含む記事となります。

トピッククラスター例

ピラーコンテンツではクラスターコンテンツの内容すべてをカバーする必要があるため、通常の記事よりも長文になりますが、深く掘り下げる必要はありません。掘り下げて詳しく説明するのはクラスターコンテンツの役割です。ピラーコンテンツでは、基礎的な疑問を解決するレベルの内容を記載し、上手にクラスターコンテンツへ誘導しましょう。

トピッククラスターのメリット

新しいSEOのカタチとして、注目を集めているトピッククラスターですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

サイト構造を整理できる

トピッククラスターを導入する一番のメリットは、サイト構造を整理できる点です。

サイト構造が明確になることで、検索エンジンのクローラーがサイト内を回遊しやすくなり、ユーザーの利便性も高まります。ユーザーの利便性が高まり、サイト内に滞在する時間が増加すれば、サイトの評価が高くなる可能性があります。

上述したE-A-Tの観点から見ても、サイト全体の評価には信頼性や権威性が重視される傾向があります。トピッククラスターを導入すれば、サイト構造を整理でき、一貫した評価を得られるようになるでしょう。

評価が他の記事に影響する

トピッククラスターの2つ目のメリットは、評価が他の記事に影響する点です。

トピッククラスターを導入していないサイトでは、コンテンツ同士の関連性が薄く、各コンテンツが単体で評価されます。しかしトピッククラスターを導入すると、関連性のあるコンテンツが集まっているので、どれか1つでも評価されれば、その他のコンテンツに影響を与え、高評価を期待できます。

ロングテールキーワードと相性がいい

トピッククラスターはロングテールキーワードとの相性がよく、効果を得やすいのがメリットです。

ロングテールキーワードは検索ボリュームがあまり大きくないので、コンテンツ単位で上位表示を狙うことができます。上位表示されたクラスターコンテンツで流入を増やすと、他のコンテンツへの流入増加を期待できるようになります。

トピッククラスターの作り方

ここまでは概要やそれぞれの役割を紹介しました。ここからは実際にトピッククラスターを作る方法を解説していきます。

(すでにコンテンツがある場合)記事を分類する

最初はすでに公開しているコンテンツをジャンルごとに整理することからはじめましょう。

例えば、Grabであれば「Web制作」「Web広告」などざっくりと分類することになります。

ピラーコンテンツを選定する

記事のジャンル分けがすんだら、トピッククラスターの核となるピラーコンテンツを決めます。

Grabを例にして考えてみましょう。GrabはWebマーケティングに関する情報を提供するメディアなので「SEO対策」「リスティング広告」「インフルエンサーマーケティング」などがトピックになり得ます。

ここで決めたトピックをキーワードとして、ピラーコンテンツを作成していきましょう。

ここでの注意点は、ピラーコンテンツで概要を書ききれないような広いテーマを設定しないことです。ピラーコンテンツにもある程度の文字量は必要ですが、長文になりすぎたり、事細かな説明が必要となる記事は、読んでいる方が疲れてしまいます。

ピラーコンテンツでは、ユーザーの疑問を一部解決してあげて、より細かい内容についてはクラスターコンテンツで詳しく書くということを忘れないようにしましょう。

クラスターコンテンツを選定する

メインとなるピラーコンテンツが決まったら、サブとなるクラスターコンテンツを選定します。クラスターコンテンツは、ピラーコンテンツよりもニッチな情報をまとめたコンテンツを選びましょう。

先ほどと同様にGrabを例にすると、ピラーコンテンツが「SEO」の場合、クラスターコンテンツでは「SEO対策 トレンド」「SEO対策 メリット」のようにニーズを細分化していきます。

クラスターコンテンツを選定する際に重要なのが、キーワードの洗い出しです。検索ユーザーがどのような意図でどんなキーワードを入力しているのか調査が必要です。この際一緒に検索ボリュームを合わせて調査しておくと、効果が出やすいボリュームが多いキーワードから対策をはじめられます。

▶ おすすめのキーワード選定ツール

【Google広告キーワードプランナー】効果的な使い方

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内部リンクの構造を決める

ピラーコンテンツとクラスターコンテンツを選定した後は、どのようにリンクで結んでいくのかを決めるだけです。

基本的な構造は、すべてのクラスターコンテンツからピラーコンテンツに内部リンクを貼るカタチです。ユーザーの検索意図を想定しクラスターコンテンツ同士を内部リンクで結ぶのも得策です。

(コンテンツがない場合)文字数を意識して執筆する

必要なコンテンツがまだない場合は、記事作成が必要です。

設定したキーワードをもとに記事を作成していきます。文字数はSEO評価に関係はありませんが、簡単な説明を意識しすぎた2,000文字程度の記事や、内容が薄すぎたりするのはNGです。最低でも4,000文字以上の文章を意識して、目標は1万文字以上を目指しましょう。

ただ文字数が多ければいいというものでもありません。記事の質を落とさずにたくさんの言葉を使って、ユーザーの検索意図を満たすような記事を書いてください。

SEOに強いWebサイト構造【トピッククラスターとピラーコンテンツ】 まとめ

SEOに強いサイトを作るため、トピッククラスターとピラーコンテンツについて解説しました。

トピッククラスターを作る際は、記事の分類から行い、ピラーコンテンツから考えていきましょう。
そしてキーワードの選定も重要ですが、その前のトピック選定が重要です。ユーザーに興味を持ってもらえるような記事を書いてリンクを振っていくので、トピック選定に時間をかけるようにしましょう。

ピラーコンテンツは、ユーザーが情報を見つけやすくなるだけでなく、SEOの観点から見てもメリットがたくさんあり順位が上がりやすくなります。
SEO対策の新しい方法を探していた方は、今すぐピラーコンテンツを作ってみてはいかがでしょうか。