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「2018年Webマーケティング総振り返り」という記事で、Grabの記事アクセス数ランキングを元にマーケティング業界のトレンドを紹介しました。
多くのWebサイトに導入されている「Googleマップ」その料金体系変更が発表された「Google Maps Platform」に関する記事が第一位でしたが、着目したいのはインフルエンサー・マーケティングの記事は2つランクインしているということです。
というのも、当時Grabにはインフルエンサー・マーケティングに関する記事が2つしかなかったからです。
その両方がランクインしたということは、多くのマーケターがそれだけ注目したということです。
その注目度は2019年も衰えていません。弊社でも今年中にインフルエンサー・マーケティングを支援するサービスの立ち上げを予定しています。
そこで今回は、「インフルエンサー・マーケティングとは何か?」という基本的なことから、Instagramでの実例を紹介したいと思います。
インフルエンサー・マーケティングとは
インフルエンサー・マーケティングとは、これまで企業が行っていた宣伝、PRなどの販促活動を特定のコミュニティに強い影響力がある有名人(インフルエンサー)を経由し、商品やサービスの訴求を行うマーケティング手法です。
消費者は自分の価値観・好みにあったインフルエンサーを能動的にフォローしています。そのため、消費者自らが選択してフォローしているインフルエンサーからの情報発信(商品やサービスに関する感想、意見)は消費者には受け入れられやすく、他の手法に比べると圧倒的に信用されやすい傾向にあります。
その結果、質の高い「口コミ」がコミュニティ間で展開されて拡散されやすく、その情報伝播の早さや深さから、企業の販促活動の一つとして注目を集めています。
SNSの登場により、消費者は単なる製品の機能や価格ではなく「自分の価値観にあっているか」を重視するようになりました。自分の価値観にあったインフルエンサーが紹介している商品・サービスであれば、通常の広告プロモーションよりも受け入れやすいのでしょう。
Instagramでのインフルエンサー・マーケティング
インフルエンサー・マーケティングでは、写真や画像を使った投稿による感性への訴求により、消費者の購買意欲を高めることが可能です。特にInstagramは写真や画像の投稿に特徴があるSNSです。
Instagramには、「購買転換率が高い」「企業アカウントや宣伝の許容度が高い」といった他のSNSにはない特徴があることも、Instagramを使ったインフルエンサー・マーケティングが注目を集める理由になっています。
詳しくは「Instagramとは何者だ? 13のデータで捉えるビジネスチャンスの正体」という記事をご覧ください。
元々、Instagramは20代〜30代の女性が中心となって活用されていましたが、2018年11月のInstagramの発表によると、ユーザーの男女比率は女性53%、男性47%となっており、男女を問わず利用されています。
Instagramでは、視覚に訴求ができる化粧品、ファッション、飲食やホテル、観光などと相性が良く、言葉で伝えられないような良さを写真や画像で伝えることで何倍もの効果が見込まれます。そのため、インフルエンサー・マーケティングとの相性が非常に高いメディアの一つと言えます。
インフルエンサー・マーケティングでInstagramを活用するメリット
インフルエンサー・マーケティングでInstagramを活用するメリットを整理しておきましょう。
若い女性を中心に絶大な影響力がある
Instagramは男女を問わず利用されてはいますが、やはり若い女性を中心に絶大な影響力があります。
その理由として、渡辺直美さんに代表されるような、若い女性に人気のある女性芸能人やタレント、流行の最先端を走っている女性モデルが積極的にInstagramを活用していることが挙げられます。
写真メインのSNSであるため、彼女たち自身の美容方法や体験、ファッションや食事などを写真と一緒に投稿しています。
そのため、必然的に投稿された情報はフォローしている若い女性に伝播され、流行に敏感な彼女たちは、同じ商品を購入したり、同じ場所に訪問したりすることで仲間内で情報がまたたく間に拡散されていきます。
このように女性芸能人をインフルエンサーとして活用することで、ターゲットとする若い女性に直接行動を働きかけることができ、フォローしている女性は芸能人の発言に敏感に反応することから、マーケティング施策が効果的に作用します。
流行の発信源として使われている
Instagramは言葉では説明することが難しい内容、見た目に対してインパクトのある内容を画像一枚でアピールすることができます。
言葉で説明するよりも印象に残りやすく、これまでテキストでしか表現できなかったことが画像だけで表現ができてしまう手軽さから、忙しい芸能人にも多く利用されています。
このようなインパクトのある内容は、芸能人からの発信かどうかは問わず、インスタ映えと呼ばれる現象を巻き起こし、時にはメディアでも取り沙汰されて各方面で情報が拡散していきます。
流行の発信源としてInstagramが活用されることで、少ないマーケティング費用で大きな宣伝効果が期待できるのもInstagramの特徴です。
インフルエンサー・マーケティングの成功事例
インフルエンサー・マーケティングは特に消費者が気軽に購入したり、体験したりできる業界で多く利用されています。ここでは、インフルエンサー・マーケティングの成功事例をいくつか紹介していきますので参考にしてみたはいかがでしょうか。
阪急うめだ本店「たい焼きソフト」
大阪にある阪急うめだ本店で開催していた「たい焼きソフト」の宣伝にインフルエンサー・マーケティングが活用されました。
たい焼き自体は昔から販売されている商品となるため、なかなか消費者にその良さを訴求することが難しい商品です。
今回紹介する「たい焼きソフト」は、普段食べているたい焼きとは異なり、たい焼きを半分に分割し、そのたい焼きとたい焼きの間にアイスクリームを挟み込んだたい焼きが「たい焼きソフト」です。
この普段あまり見かけない斬新なコラボをフリーランスのフォトグラファーとして活躍しているきょん。さんがInstagramで「たい焼きソフト」の宣伝をしたところ、投稿からわずか2日でいいね!数は4,000件以上を突破して多数のコメントが投稿されました。
ただ写真を投稿するだけでなく、イベント特設アカウントへのタグ付けもされていました。
きょん。さんの投稿でイベントを知ったユーザーがイベント特設アカウントに簡単に到達できるような工夫もしており、しっかりとイベント情報を知ってもらうという役割も果たしていたのです。
大丸・松坂屋「YVAN VALENTIN」
大丸・松坂屋で行われたバレンタインイベントのPRとしてインフルエンサー・マーケティングが活用されました。
バレンタインイベントは各チョコレートメーカーがしのぎを削っており、年間のチョコレート売上の10〜13%程度がバレンタインイベントで購入されていると言われています。
そんな苛烈なチョコレート市場において、「YVAN VALENTIN」のチョコレートの紹介に抜擢されたのがインフルエンサーのmikuさんです。
インフルエンサーとしてmikuさんが投稿したのは、様々なチョコレートの紹介になるのですが、チョコレートの種類によって画像の色合、小物、皿などのアクセントを変えることで、非常に高いクオリティに仕上がった投稿となっています。
YVAN VALENTINという、普段食べるチョコレートとしてはあまり馴染みのない商品であっても、画像だけでその良さを伝えられるのがインフルエンサー・マーケティングの魅力と言えます。
同じ食べ物の投稿でも「たい焼きソフト」を投稿したきょん。さんとも世界観が違っており、インフルエンサーによってアプローチ方法が異なっているのも興味深いところです。
東京煮干し らーめん 玉
最後は、東京煮干し らーめん 玉が自社のラーメンを宣伝するために、インフルエンサーであるデカチリ【DRCコラボ】YUTAさんを活用したインフルエンサー・マーケティングの活用事例です。
ラーメンに関するインフルエンサーとして人気が高いデカチリ【DRCコラボ】YUTAさんが紹介しているということもあり、投稿後、1日でいいね!が1,600件以上押されました。
おいしそうなラーメンを解説と共に投稿することで、フォロワーの食欲を喚起し、店舗に来店してもらうという循環を期待されていました。
特にラーメン系のインフルエンサーのフォロワーは、同じくラーメン愛好家がほとんどでです。Google広告で「ラーメン愛好家」をターゲティングすることは大変ですし、精度も高くないでしょう。しかし、こうしたニッチなニーズに対しても高い精度で直接訴求できることがインフルエンサー・マーケティングの良さと言えます。
まとめ
今回はインフルエンサー・マーケティングについて、Instagramの事例をピックアップして紹介し撒いた。
インフルエンサー・マーケティングは直接自社のターゲットとなる顧客に訴求することができることから、他のメディアに比べて費用対効果の高い施策の一つと考えられます。
ただし、認知向上に効果がある一方、その成果が正確に測りにくいことが課題としてあります。しかし、インフルエンサー・マーケティングが広がるにつれ、詳細な成果分析ツールが開発されるなど、こうした課題も解決していくと考えられます。
画像1枚で商品を訴求できるInstagramは今後ますます利用価値が高まることが予想されるため、自社のマーケティング施策の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。