WEBマーケティング用語集-アクセス解析Part2

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WEBマーケティング用語集-アクセス解析Part2

Webマーケティング用語集-アクセス解析Part1」では、アクセス解析を行うための様々な指標を紹介しました。

アクセス解析では、常に「何の何を解析するか」を考える必要があります。Part1では「何を(=指標)」にあたる用語を中心に紹介しましたが、Part2では、「何の」にあたる用語を中心に紹介します。

また、それだけではなくヒートマップやサーチコンソールといった、アクセス解析に役立つツールも紹介します。

ディメンションとメトリクス(指標)

ディメンションとメトリクス(指標)は、Googleアナリティクスをはじめとするアクセス解析ツールを使いこなすうえで必須の用語です。

アクセス解析を行う場合、「それぞれのチャネルでのユーザー数やセッション数を確認する」なども目的があるはずです。この場合の「チャネル」にあたる部分がディメンションで、「ユーザー数」「セッション数」にあたる部分がメトリクスです。

「セカンダリディメンション(2階層目のディメンション)」を用いることで、例えば「チャネルとデバイスごとの」数値を確認することも可能です。

Googleアナリティクスのカスタムレポートを用いると、さらに深く第3階層、第4階層のディメンションを追加し、任意のメトリクスを確認できます。高度なWeb解析を行うには欠かせない用語です。

ディメンションとメトリクス(指標)

ランディングページ

ランディングページといった場合、「広告の着地先となるページ」を指す場合と、「ユーザーが最初に訪れたページ」を指す場合があります。広告・マーケティングにおいては、広告の着地先を指すことがほとんどですが、アクセス解析では「ユーザーが最初に訪れたページ」を指します。

ユーザーはランディングページでそのサイトを判断します。そのため、ランディングページ毎にどのような行動をとられているかを解析することは非常に重要です。

離脱ページ

離脱ページは、ランディングページと反対に、「ユーザーが最後に閲覧したページ」を指します。Q&Aサイトであれば、離脱が多いページは、ユーザーの悩みを解決できたページと考えることができます。サービスの紹介ページで離脱が多い場合は、ユーザーがサービスに興味を失ったと考えられます。離脱ページを解析する場合は、ページの役割によって数字の意味が異なることに注意しましょう。

ディレクトリ

ディレクトリとは、Webサイトの構造に基づいた分類を表します。例えば、Q&AページのURLが「https://xxx.com/faq/●●●」、サービスページが「https://xxx.com/service/●●●」だった場合、「faq」と「service」が第一階層ディレクトリとなります。もしも、Q&Aページが「https://xxx.com/faq/application/●●●」のような質問のジャンルでわかれている場合は、「application」が第二階層ディレクトリになります。

ディレクトリは近い役割を持ったページの集まりであるため、大規模なサイトではディレクトリ単位の解析も行われます。

ページ速度

ページ速度はそのページが読み込まれるまでにかかった時間を表します。ユーザーの50%は、2秒以内にページが表示されることを期待し、3秒以上かかると40%のユーザーが離脱するといわれています。また、ページ速度が1秒のサイトに比べて、3秒の際は直帰率が50%上昇するというデータもあります。

ページ速度はSEOにも関係する重要な指標です。Googleアナリティクスでは、サイトの平均読み込み時間と比較した数値を確認できるため、特に読み込みに時間がかかっているページを発見することができます。

デバイス

ユーザーがサイトに訪問する際に使っている機種を指します。Googleアナリティクスでは「desktop」「mobile」「tablet」に分類され、機種名やモデルを確認することも可能です。「desktop」にはデスクトップPCだけでなく、ノートパソコンも含まれます。また、「mobile」にはスマートフォンだけでなく、フューチャーフォン・ガラケーも含まれています。

ブラウザとOS

Googleアナリティクスでは、ユーザーが使用しているブラウザとOSを確認することができます。また、画像の解像度やflashのバージョンも確認できます。ブラウザやOSによって、Webサイトの見え方が変わったり、ユーザーデモグラフィック(人口の統計学的属性)やニーズに偏りがあったりすることがあります。

インタレスト

Googleアナリティクスでは、オンラインでの活動や購買行動から、ユーザーの興味関心についての情報を知ることができます。ユーザーの興味関心による分析を「インタレスト」といい、「アフィニティカテゴリ」や「購買意向の強いセグメント」「その他のカテゴリ」に分けられています。

「アフィニティカテゴリ」は、対象Webサイトにアクセスしたユーザーが持つ興味関心を表しています。「購買意向の強いセグメント」では、商品購入に対する関心が高いユーザーの興味関心を表します。

コンバージョン

アクセス解析におけるコンバージョンは、対象Webサイトでの目標を示します。広告施策を行う場合は、問い合わせなどをコンバージョンとすることが一般的ですが、Webサイトの場合は目的により様々なコンバージョンが考えられます。例えば、サポートサイトの場合、ユーザーが訪問したのち、課題や疑問を解決することが目的です。そのため、「滞在時間3分以内」や「2~5ページビューで離脱」といった目標を設定する場合があります。

イベント

イベントとは、ユーザーがWebサイト上で行う様々な行動を表します。Googleアナリティクスの場合、基本的にはページの移動が発生した(ビーコンタグが読み込まれた)場合に、データを取得することができます。しかし、ユーザーが行う行動はページ移動だけではなく、内部リンク以外のクリックやスクロール等、様々なものがあります。

Googleタグマネージャーなどと連携することにより、こうしたユーザーの行動を細かに計測することがあります。代表的なイベントには、30秒滞在や5ページ以上閲覧、スクロール率の計測、外部リンクのクリックなどがあります。

チャネル

チャネルとは、ユーザーがWebサイトに訪問するための媒体、経路を表します。検索による流入であれば「Yahoo!」「Google」「Bing」などの検索エンジンに関わらず「Organic Search」と記録されます。

Googleアナリティクスでは、「Direct」「Organic Search」「Paid Search」「Social」など10個がデフォルトチャネルグループとして設定されています。チャネルグループは編集できるため、対象のWebサイトの集客経路に適切なチャネルを追加することができます。

メディア

チャネルよりも詳細な分類として、メディアがあります。Googleアナリティクスでは、メディアを「参照元の一般的な分類」と定義しています。一般的な分類とは、チャネルよりは詳細で、リファラよりは大きな分類を意味します。Googleの検索結果を通じて流入した場合は、チャネルでは「Organic Search」ですが、メディアでは「google / organic」と記録されます。

参照元とはトラフィックの流入元、たとえば検索エンジン(google など)やドメイン(example.com)を指します。メディアとは、参照元の一般的な分類、たとえばオーガニック検索(organic)、クリック単価による有料検索(cpc)、Webサイトからの紹介(referral)などです。

参照元 / メディアは参照元とメディアという 2 つのディメンションを合わせたディメンションです。参照元 / メディアはたとえば google/organic、example.com/referral、newsletter9-2014/email のようになります。

引用:https://support.google.com/analytics/answer/6099206?hl=ja

リファラ (参照元)

リファラ(参照元)とは、ユーザーがWebサイトに流入するときに利用したリンク元ページの情報を表します。「https://xxx.com/sample/123456」というサイトの中にあるリンクからWebサイトへ訪問した場合、「https://xxx.com/sample/123456」がリファラとして記録されます。

また、様々な理由によりリファラのデータが取得できない場合は「ノーリファラ((direct) / (none))」というメディアに記録されます。ノーリファラになる原因として、サイトがSSL化されておらずデータが受け渡せないことや、URL直接入力によって訪問していることが考えられます。また、アプリからの流入はリファラが取得できない場合が多く、ノーリファラが増える要因の一つです。

サーチコンソール

Webサイトを解析するうえで、自然検索、特にGoogleの検索結果からの流入を確認することは非常に重要です。そのためにGoogleが提供しているツールがGoogleサーチコンソールです。

サーチコンソールには、HTMLやCSSの問題点を発見したり、サイトマップを管理したりと多機能なツールですが、アクセス解析においては、主にランディングページと検索クエリ(検索キーワード)の解析で活用します。

Google Search Console は、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスを監視、管理できる Google の無料サービスです。Search Console に登録しなくても Google 検索結果でサイトが表示されるようにすることはできますが、登録することで、サイトが Google にどのように認識されるかを確認し、検索結果でのサイトのパフォーマンスを最適化できるようになります。

引用:https://support.google.com/webmasters/answer/4559176?hl=ja

検索クエリ

ユーザーが検索したときのキーワードを「検索クエリ」といいます。GoogleやYahoo!など、検索エンジンのアップデートにより、取得できるデータが制限されますが、ユーザーのニーズを把握するうえで大きなヒントになります。Googleアナリティクスでは、Googleサーチコンソールと連携することで確認できます。

スクロール到達率

ユーザーがページをどの程度スクロールしたかを測る指標の一つです。スクロール到達率ではなく、スクロール距離として、ピクセル単位で計測する場合もあります。

スマートフォンではスクロールが容易なため、ユーザーは縦に長く1ページに情報が詰まったページを好むようになってきました。そのため、サイトの性質によっては平均ページビュー数よりも重要な指標です。

Googleタグマネージャーからイベント設定を行うことで取得できます。

ユーザーエクスプローラー

アクセス解析は、「マクロ解析」と「ミクロ解析」に大きく分けることができます。「マクロ解析」とは、多数のユーザーの傾向を定量的に把握する解析で、Googleアナリティクスなど多くの解析ツールが当てはまります。「ミクロ解析」は個別のユーザーに焦点を当て、その行動を把握する解析手法です。ユーザーニーズが多様化し、One to Oneマーケティングの重要性が上がってきた現在では、ミクロ解析が欠かせません。

Googleアナリティクスでは、ミクロ解析の需要増加を受け、「ユーザーエクスプローラー」という機能を実装しました。ユーザーエクスプローラーでは、Googleアナリティクスがユーザー個別に与えたIDを元に、特定ユーザーの行動を解析することが可能です。

Googleタグマネージャー

タグ(アクセス解析に関わらず、様々なデータ取得、サイトの動作を制御するために記載するコード)を一括して管理するシステムを、タグマネジメントシステムといいます。従来は、コンバージョン設定はイベント設定の度に、対象箇所にタグを記載する必要がありました。しかし、タグマネジメントシステムを用いることで様々なタグを一つのタグで管理することができます。

Googleタグマネージャーは、最も普及したタグマネジメントシステムの一つです。様々なコンバージョン、イベントを簡単に設定でき、Googleアナリティクスと連携することができます。

ヒートマップ

データの行列を色で可視化したものを、ヒートマップといいます。アクセス解析では、「クリックヒートマップ」と「アテンションヒートマップ」が頻繁に用いられます。

クリックヒートマップは、ユーザーがクリック、またはタップした位置を表したもので、クリックが集中する場所が濃い色で示されます。Googleアナリティクスでは、クリックできない箇所をクリックされている場合や、同じページへのリンクが複数ある場合にどこがクリックされたかを確認することができません。クリックヒートマップは、ユーザビリティの問題発見において有効です。

アテンションヒートマップは、ユーザーが注視しているコンテンツを色で表したものです。ツールによって算出方法は異なりますが、スクロールとスクロールされた箇所での滞在時間、マウスの動きやクリックなどを取得し、注意の深さを測ります。よりユーザーの興味を引くコンテンツを発見するうえで役立ちます。

クリックヒートマップとアテンションヒートマップ

Cookie(クッキー)

Cookie(クッキー)とは、Webサイトのサーバーから、ユーザーのデバイスに対して提供されるデータを指します。クッキーは、ユーザーのデバイスに2年間保存され、Webサイトにアクセスするたびに更新されます。

クッキーには様々な情報が入っており、会員サイトでの自動ログインや、ECサイトでの閲覧履歴など、様々なWebサイトで活用されています。Googleアナリティクスがユーザーを識別する場合にもクッキーを用いています。

Webサイトの利用が非常に便利になる一方、個人情報の観点から問題視されており、クッキーを活用したWebサービスを提供する際は注意が必要です。

IPアドレス

パソコンやネットワーク機器などに1つ1つ割り当てられた識別番号をIPアドレスといいます。IPアドレスには、「固定IPアドレス」と「動的IPアドレス」の2種類があります。

スマートフォンの場合、多くが動的IPアドレスであるため、IPアドレスによるユーザーの識別、解析はあまり行われていませんが、ユーザーのエリアを解析する場合に用いられることがあります。

固定IPアドレスは企業や団体が利用していることが多く、IPアドレスから特定の企業を特定できる可能性があります。そのため、BtoBのWebサイトでは、どのような企業から訪問されているかをIPアドレスにより解析することがあります。また、IPアドレスを元に広告配信を行うサービスも誕生しています。

まとめ

今回はアクセス解析における「何の(ディメンション)」にあたる用語を中心に紹介しました。指標(メトリクス)のように定義が複雑な用語は多くありませんが、どれもアクセス解析を行ううえで欠かせない用語です。

ユーザーの行動変化、Webマーケティングの進歩によって、アクセス解析で必要な用語や考え方も変わってきます。最近ではアプリの解析がWebサイトの解析以上に重要になってきているため、アプリ解析のための用語も数多く誕生しております。

Grabでは、これからも“今”のWebマーケティングで必要な用語を紹介します。