Googleペナルティとは?原因を調査し対策する方法

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Webサイトを運営していて、調子良くアクセスが伸びていたのに「検索順位が大幅に低下した」「急にアクセスが減った」そんな経験はありませんか。もし、そのようなことがあれば、Googleからペナルティを受けている可能性があります。

また、ペナルティの基準や対応方法を知っておかないと、ある日突然アクセスがなくなるという事態に見舞われるかもしれません。

そこで今回は、SEO効果を台無しにしてしまうGoogleペナルティについて、その原因と対策をまとめていきます。

Googleペナルティとは

Googleペナルティとは、ガイドラインに違反しているWebサイトへ行われる制裁措置です。具体的には、検索順位の低下や検索結果からの削除といった措置を指します。

下記の円グラフは、2015年に行われたSEO対策の担当者に対する調査結果です。Googleからペナルティに関する警告を受けたことがあるかを聞いたところ、4割もの人が「警告を受けたことがある」と回答しました。

調査結果が示すように、Googleからペナルティの警告を受けることは珍しくありません。そのまま放置すれば実際にペナルティが与えられ、検索順位の大幅な低下や検索結果からの削除という事態に陥る可能性があります。

SEOは数日で効果が出る施策ではありません。また、広告のように予算を積めば効果が出る訳でもありません。長年のWebサイト運営と細かな対策によって培われたSEO効果は、企業にとって大きな資産だと考えられます。

Googleペナルティを受けると、その資産を全て失ってしまうのです。万が一にもそのような事態に陥らないよう、事前の対策が必要です。

Googleペナルティの原因

Googleペナルティは、「品質に関するガイドライン」に違反したものに対して科されます。まずは、このガイドラインをしっかりと読み込むことが大切です。

Google「品質に関するガイドライン」

引用:Google検索セントラル「品質に関するガイドライン

それぞれを簡単に見ていきましょう。

  • コンテンツの自動生成…プログラムなどによって自動的に生成された、ユーザーの役に立たないコンテンツのあるWebサイト
  • 不正なリダイレクト…クローラーとユーザーに異なるコンテンツを表示させるために使われるようなリダイレクトを行っているWebサイト
  • リンク プログラム…無意味な相互リンク、リンク掲載のための無価値なサイトからのリンクを獲得しているWebサイト
  • 質の低いコンテンツ…引用が多くオリジナリティがない、キーワードの羅列などユーザーに価値のないコンテンツを持つWebサイト
  • 有料リンク…PageRank(被リンク効果)が引き継がれている有料のリンクを掲載しているWebサイト
  • クローキング…ユーザーとクローラーに別のコンテンツを表示させる仕組みを導入しているWebサイト
  • 隠しテキストと隠しリンク…背景色と同じ色のテキスト、フォントサイズが0のテキストなどがあるコンテンツ
  • 誘導ページ…SEOのためだけのページを作り、そこから本命のコンテンツに誘導する行為
  • 無断複製されたコンテンツ…無断転載されたり、他サイトのコンテンツを読み込んでいるだけのWebサイト
  • アフィリエイト プログラム…コンテンツの大半がアフィリエイト目的である、独自コンテンツが少なく付加価値がないWebサイト
  • 無関係なキーワード…コンテンツと関係のないキーワードをSEO目的で羅列する行為や不自然に同じキーワードを繰り返す行為
  • 悪意ある動作を伴うページの作成…透明なバナー画像などを用いてクリックするつもりがないリンクをクリックさせるなど、ユーザーの意図しない結果を招くプログラム
  • 自動化されたクエリ…自動で検索結果を表示し、特定のサイトをクリックさせるといったプログラムによるアクセスを受けているWebサイト
  • ユーザー生成スパム…ユーザーからの投稿、コメントにおけるスパム行為(大量のスパムアカウントでのコメントなど)

この記事を読まれている方で、透明バナーでユーザーを想定外のWebサイトに誘導する「悪意ある動作を伴うページの作成」やプログラムでクローラーを騙そうとする「自動化されたクエリ」「クローキング」「隠しテキストと隠しリンク」といった行為に該当する方はいないと思います。

ですが、無意識に該当しそうな部分はありませんか。

例えば「有料リンク」です。これは広告やプレスリリースなど、有料で掲載されたものから

PageRankを引き継いでしまった場合に該当します。

Googleでは、SEO効果を受け渡すリンクの売買を禁止しており、これが発覚すると、意図的ではないにしてもペナルティを受ける可能性があります。

コンテンツマーケティングの一環で、他のメディアに記事掲載をお願いしたことはありませんか。その際、お金を支払っていたら有料で購入されたリンクになります。記事が掲載された後、ちゃんと「nofollow属性(PageRankを引き継がないリンクの掲載方法)」が付いているか確認しましたか。もし付いていなければ、有料のリンクからPageRankを引き継いだとしてペナルティの対象になる可能性があります。

また、記事にユーザーがコメントできるようにしている場合、スパムコメントがないかを確認していますか。自社サイトに問題がなくても、不正をしているWebサイトにリンクしているとペナルティの対象になる可能性があります。

より注意が必要なのは「質の低いコンテンツ」です。十数年前まで、SEOではキーワードの詰め込みやコンテンツの量産が主な手法でした。その頃のやり方を今でも続けていたら、ペナルティの対象になってしまいます。

相互リンクも昔は主流なSEO手法でした。ですが、今も良かれと思って当時の相互リンクページをそのまま残しているなら「リンクプログラム」に該当するかもしれません。

また、卸売りや代理店業で、商品の紹介内容を販売元と同じ内容にしていませんか。これも場合によってはGoogleから「価値のないコンテンツ」と判断されてしまう可能性があります。

「逆SEO」の被害はより深刻な問題です。通常のSEOが検索順位の上昇を目的とするのに対し、「逆SEO」は検索順位を下げることを目的としています。スパムサイトを大量に作り競合のWebサイトに被リンクを送りペナルティを与え順位を下げるなどの悪質な手法です。

自社のWebサイトがきちんと対策していても、ペナルティリスクはゼロにはならない現実があります。

次に、Googleペナルティの種類と対策方法を見ていきましょう。

Googleペナルティの種類と確認方法

Googleペナルティには「手動による対策」と「自動による対策」の2種類があります。

「手動による対策」はGoogleの担当者が直接Webサイトを審査し、ガイドラインに違反していると判断した場合に実施するものです。「自動による対策」はアルゴリズムが自動で判断して実施します。

「手動による対策」は人が実際に見て判断している分、ペナルティもかなり厳しく、インデックスが削除されたり、検索順位が100位以下になったり、急にほとんどのアクセスが失われる場合もあります。

「自動による対策」のペナルティでも順位は下がりますが、「手動による対策」ほど大きくありません。

Googleサーチコンソール「手動による対策」

「手動による対策」が科せられた場合はサーチコンソールに通知が来て、どこに問題があるのか、どうすれば解消してくれるのかを教えてくれます。上の画像のようにサーチコンソールの「セキュリティと手動による対策」に内容が表示されるので、すぐに気づけます。

ですが、「自動による対策」では通知が来ません。そのため、Googleアナリティクスやサーチコンソールで検索流入、表示回数、掲載順位などを確認し、自ら発見する必要があります。

Webサイトを運営しているなら、サーチコンソールに通知が来ていないか、不自然に検索流入が減っていないかなどを確認するようにしましょう。

Googleペナルティを避ける方法

それでは最後に、Googleペナルティを受けないためにできること、そして万が一ペナルティを受けてしまった時の対策を見ておきましょう。

Googleの品質に関するガイドラインを理解する

何よりもまずはGoogleの「品質に関するガイドライン」を確認し、理解してください。

Googleはこのガイドラインに沿ってWebサイトの良し悪しを判断しています。悪意がなく、コーディング時のメモ書きを背景と同じ色の文字で残しているだけでも、Googleが見たら「隠しテキスト」に該当してしまいます。

先ほど「品質に関するガイドライン」を紹介しましたが、項目のほとんどはユーザーに価値を届けるために運営されているWebサイトであれば問題になりません。

ですが、中には意識的に対応しないといけないものや、悪意ある他者によって自社サイトが悪く認識されてしまうものがあります。ぜひガイドラインの概要は理解しておいてください。

Googleのアルゴリズムアップデートを把握しておく

「手動による対策」は通知が来るのですぐに対処できますが、「自動による対策」は通知が来ないので、自分で気付くしかありません。とはいえ、毎日サーチコンソールを見るのは手間がかかります。

そんな時はGoogleのアルゴリズムアップデートを把握し、前後の変化を確認するようにしましょう。

「自動による対策」はアルゴリズムが行っているので、悪意ある他者から逆SEOを仕掛けられない限り、急にペナルティを科せられることはほとんどないでしょう。

ですが、例えば悪意ある被リンクの検出に関するアルゴリズムがアップデートされた後、これまで問題なかった被リンクがペナルティの対象になってしまうことがあります。

例えば、2021年11月4日に発表されたスパム関連のアップデートについて考えてみましょう。

このツイートから1週間以内に公開すると書かれているので、既に反映済みだと考えられます。

Googleは低品質なコンテンツが多かったり、不正なリダイレクトや隠しテキスト、不自然な外部リンクなどが多いWebサイトをスパム(悪質)と判断しています。

このアップデートによって、これまではスパム認定されていなかったWebサイトが認定され、ペナルティを科せられた例もあるでしょう。自分のWebサイトが影響を受けていないか、サーチコンソールで表示回数や順位を確認してみてください。

サーチコンソールから被リンクを確認する

Googleはより良い情報をユーザーに届けるためにペナルティを科しています。誠意を持って運用されているWebサイトはほとんどの場合、問題ありません。

しかし、先述した「逆SEO」には注意が必要です。低品質なWebサイト、違法サイトなどを運営し、そこから競合に被リンクを送り、Webサイトをペナルティの対象にしようという悪質な施策です。

定期的にサーチコンソールの「リンク」を確認し、関連性のないWebサイト、違法性のあるWebサイトからリンクされていないかを確認しましょう。もし見つけたら、「リンクの否認ツール」から被リンクを解除できます。

参考:Search Consoleヘルプ「サイトへのリンクを否認する

万が一ペナルティを受けたらすぐに改善し再審査リクエストを送る

上記のような運営と対応でペナルティリスクのほとんどを避けられると思いますが、万が一「手動による対応」のペナルティを科せられた場合は、すぐに対応しましょう。

ペナルティを科せられると、サーチコンソールに通知が入ります。通知をクリックすると、ペナルティの説明と再審査リクエストのボタンが表示されます。

「サイトへの不自然なリンク」という通知が出ている場合は、まず、原因になっているリンクを洗い出しましょう。その後、先ほど紹介した「リンクの否認ツール」で被リンクを解除し、再審査リクエストを行うとペナルティを解除してもらえる可能性があります。

SEO効果は資産。万が一にも失わないように

今回はGoogleペナルティについて内容や対策、そして、基準となる「品質に関するガイドライン」を紹介しました。

SEO対策を行っている人は多いですが、ペナルティリスクについて考え、実際に対策している人は少ないと思われます。

しかし、最初に書いた通り、SEO効果は大切な資産です。広告のようにお金をかければすぐに得られるものでも、小手先のテクニックで得られるものでもありません。地道なサイト運営で少しずつ積み重ねた価値のあるコンテンツと被リンク、サイトに訪れるユーザーがSEO効果の源泉です。

Googleのアルゴリズムも日々進歩しており、真面目に運営されているWebサイトが急に検索結果から消されるということは少なくなったと思います。しかし、逆SEOのリスクはなくなっていません。

また、Webサイトの運営年数が長くなるほど、過去に作った「当時の基準ではSEO効果があったけど今では逆効果になるコンテンツ」が増えてしまう場合もあります。また、サイト構造が複雑になりリダイレクトが多用されたりしている、というケースもあるかもしれません。

SEO対策について考える時は、SEO効果を得る「攻め」の施策だけでなく、それを失わないための「守り」も同じくらい重要です。

ぜひ今回の記事を参考に、自社サイトのペナルティリスクについて、考えてみてください。