2020年、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックによって多くの業界がダメージを受けました。中でも飲食店は直接感染拡大の要因になりうるとされ、営業すること自体が難しい期間もありました。
多くの飲食店で経営が難しくなる中、いち早く感染症対策を取り入れたり、業態を変化させお昼も営業できるようにしたり、デリバリーや弁当事業に乗り出したりして成功している飲食店も少なくありません。
飲食店に限らず、社会環境の変化への適応力が問われる時期にどう対応するかが、その後の営業を大きく左右します。
そこで今回は飲食店が今こそ活用したい(むしろ、まだ取り組んでいないならマズイ?!)Web広告手法を2つ紹介します。
おそらく多くの飲食店で既に取り組みを始めていると思いますが、今一度十分に活用できているか見直してみてください。
Googleローカル検索広告
おそらく既にGoogleマイビジネスは用意されていると思います。Googleマイビジネスを活用すれば、例えば「難波 居酒屋」と検索した際、検索結果のGoogleマップに自身のお店を掲載することができます。
こうしたエリア名と業種などを掛け合わせた検索を「ローカル検索」といいます。
調査会社のニールセンが行った調査によると、スマートフォンからの検索利用者の30%以上がローカル検索を行っていると言われています。
Googleマイビジネスはもう食べログやぐるなびといった大手飲食店媒体と同程度の販促力を持っていると考えて良いかもしれません。
それなのにGoogleマイビジネスに登録はしているけれど更新していなくて情報が古いまま、というのはもったいないですよね。
Googleマイビジネスはどんどん機能が進化していて「テイクアウトや宅配に対応しているか?」「どういった感染症対策を行っているか?」といった情報も載せられますし、そのまま予約する機能もついています。
もしGoogleマイビジネスを十分に活用していないなら、ぜひ見直してください。
Googleマイビジネスで集客するには、なんと言ってもGoogleマイビジネスに正しい最新の情報を掲載し、写真や口コミを積極的に集めることです。
とはいえそれだけでは十分ではないかもしれません。競合が多い繁華街などではこうした方法だけで上位に表示し、集客効果を高めることは簡単ではないからです。
そこで活用したいのが「ローカル検索広告」です。
ローカル検索とはその名の通り「地名+居酒屋」など、地名が関連した検索ワードより具体的には検索結果にGoogleマップが表示される検索行動において、そのGoogleマップの中に広告を掲載する方法です。
ローカル検索広告では、Googleマイビジネスの評価や電話ボタン・今営業しているか・お店までの距離はどれくらいかなど、ユーザーが行くお店を決めるために必要な情報が掲載されます。
Googleマイビジネスは作っているけれど、上位化できていない・集客に繋がっていないという場合は、Googleマイビジネスを試してみてはどうでしょうか?
ローカル検索広告はGoogleの検索広告やディスプレイ広告と同じく、クリック課金です。電話をかける・ウェブサイトをクリックする・ルートを検索する、などユーザーの積極的な行動に対して広告費がかかるので、費用対効果を見込みやすい広告施策です。
Googleローカル検索広告の出稿方法
Googleローカル検索広告を出稿するには、GoogleマイビジネスとGoogle広告アカウントの2つが必要です。
Googleマイビジネスのアカウントがあれば、Google広告の「広告と広告表示オプション」からGoogleマイビジネスと連携することができます。Googleマイビジネス、Google広告アカウントがない場合は、それぞれのURLからガイドに従って設定してください。
・Googleマイビジネス:https://www.google.com/intl/ja_jp/business/
・Google広告アカウント:https://ads.google.com/intl/ja_jp/getstarted/
それぞれのアカウントができていれば、出稿は非常に簡単です。
GoogleマイビジネスとGoogle広告アカウントを紐付け、ローカル検索広告のキャンペーンを作成し、検索したいローカル検索のキーワードを選定して出稿します。
先述の通り多くのユーザーは行きたいお店や予定を立てる時、ローカル検索を使用しています。飲食店の多くはぐるなびや食べログなど大手飲食店媒体に注力していると思いますが、実際にお店やエリアを検索した時、こうした大手飲食店媒体よりもローカル検索結果の方が上位に表示されるのです。
Google広告なので、予算や出稿期間も自由に設定できます。ぜひ試してみてください。
Facebook近隣エリア広告
続いて飲食店が取り組むべき広告施策は、Facebookの近隣エリア広告です。Facebook広告というと、もうトレンドではないイメージがあるかもしれませんが、全世界の月間アクティブユーザー数がなんと27億人以上。国内のアクティブユーザー数も2600万人と、巨大な集客力を持ったSNSです。
特に将来的にインバウンド需要を取り込んでいこうと考えているなら、Facebookの有効活用は欠かせません。
Facebookは店舗のホームページのように活用することもできるので、Facebook広告を使わなくてもページを作成し情報を更新しておくことは大切です。
ちなみに、アメリカでのデータですが昨年2020年のWeb広告プラットフォームのシェアはGoogleが29.4%、Facebookは23.4%でした。しかも成長率はFacebookの方が高いので、数年後には「Web広告といえばFacebook」と呼ばれているかもしれないくらい、まだまだ成長中の広告プラットフォームです。
今回紹介するのはFacebookローカルビジネス広告、通称「近隣エリア広告」です。
Googleローカル検索広告も素晴らしい集客手法ですが、機能や運用面ではFacebookの近隣エリア広告の方が優れているかもしれません。
近隣エリア広告では、セールや特別割引・オススメ商品など豊富な広告機能が用意されています。ターゲティングも細かく設定できます。インバウンド需要を狙ったり、ローカル検索のように「今お店を探している人」以外にもアプローチする場合は、Facebookの近隣エリア広告を試してみましょう。
Facebook近隣エリア広告の出稿方法
Googleローカル検索広告を出稿するためにGoogleマイビジネスが必要なように、Facebook近隣エリア広告を出稿するためにはFacebookページが必要です。
まずはお店のFacebookページを作っておきましょう。Facebookページは色々カスタマイズしてお店のオフィシャルサイトのように活用することもできます。SEOにも強いというメリットがあるので、まだお店のFacebookページを持っていないならぜひ作成し運用してみてください。
Facebookページができたら、FacebookのBusiness Suiteから広告アカウントを作成します。このあたりの連携は少しややこしいのですが、Facebookのヘルプページや様々なメディアで紹介されている手順に従って設定してみてください。
Facebook広告アカウントができれば、後は流れに沿って簡単にできます。まず「来店数の増加」を目的としたキャンペーンを作成しましょう。
Facebookページ、Business Suite・広告アカウントと設定する箇所が3つに分かれているのでややこしいですが、一つ一つがちゃんと設定できていれば、ガイドに従って進められると思います。
後は広告セットに住所を登録(複数店舗がある場合は複数登録することもできます)し、半径(お店から何キロ以内に広告表示するか)などのターゲティング、予算などを入力します。
広告のリンク先にはお店のホームページなど外部サイトを設定することもできますが、クリックすると地図を開かせることもできます。
当然Facebook広告はInstagramにも出稿されるので、ここで設定した広告はInstagramの除外設定を行わない限りInstagramにも出稿されます。
まとめ
今回は「まだ取り組んでいないならマズイ?!飲食店が今取り組むべきWeb広告2選」というタイトルで、Googleローカル検索広告とFacebook近隣エリア広告を紹介しました。
なぜあえて「取り組んでいないならマズイ?!」と言ったかというと、この2つの広告施策を行うために必要なGoogleマイビジネス、Facebookページの2つは、飲食店にとってお店のホームページや媒体の掲載情報と同じくらい大切なものだからです。
また重要なことは、どちらも日本だけでなく全世界で活用されているものです。
今は新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要が大きく低下してしまいました。いずれインバウンド需要は復活すると考えられますが、これまでのように繁華街を歩きながらお店を決めるということは減るかもしれません。事前にある程度調べ、予約をした上で来店するということがより一般的になるでしょう。
そうなった時、全世界で利用されているGoogleやFacebookの有効活用はこれまで以上に重要になります。そうした意味を込めて、GoogleとFacebookを活用した2つの広告施策を「取り組んでいないならマズイ?!」と表現しました。
もちろん日本人も多く利用しているサービスなので、日本人の来店を促すためにも十分活用できます。
もしまだGoogleマイビジネスとFacebookページを作っていないなら、無料ですぐにできるのでまずはこの2つを作りましょう。そして、この2つを存分に活用するために「Googleローカル検索広告」と「Facebook近隣エリア広告」に取り組んでみてください。
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