Google広告 6種類のコンバージョンアトリビューションとは?

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Google広告のアトリビューションモデル

Google広告でコンバージョンを計測するときに、「コンバージョンアトリビューション」という設定が存在することをご存知の方はあまり多くないのではないでしょうか。
「コンバージョンアトリビューション」とは、Google広告で発生した1件のコンバージョンが、どの広告の効果で発生したのかという、コンバージョンに対する「貢献度」を適切に測るための設定のことです。
「コンバージョンアトリビューション」の設定は、複雑でわかりにくいものの、Google広告の機械学習アルゴリズムをより効果的に活用するために必要なものとして、Googleから推奨されています。
今回は、6種類あるコンバージョンアトリビューションの設定それぞれについて、一つずつ解説していきます。

コンバージョンアトリビューションとは

コンバージョンアトリビューションとは、コンバージョンの発生に対する広告の貢献度を適切に測るために、各キャンペーンや広告グループ、広告文などに1件のコンバージョンを割り振る方法を定めるものです。
広告を1回クリックしてそのままコンバージョンした場合は、その広告で1件のコンバージョンが発生したと考えれば何も問題はありませんが、広告をクリックして一度離脱し、違うキャンペーンの広告や、違うキーワードでの広告でコンバージョンした場合、コンバージョンに到達するまでに複数の広告を経由していることになります。
そんなときに、一つの広告だけにコンバージョンを記録すると、本当にコンバージョンに貢献している広告がどれなのか見えなくなってしまいます。
そのため、複数の広告を経由したときは、経由した広告全てにその貢献度に応じてコンバージョンを割り振って記録するのです。
その割り振り方が、コンバージョンアトリビューションというわけです。

5つのアトリビューションモデル
コンバージョンアトリビューションには、その評価方法によって6つのモデルがあります。それぞれメリットデメリットがあるので、自社の広告施策に適切なモデルを選びましょう。

コンバージョンアトリビューション①:ラストクリックモデル

5つのアトリビューションモデル-ラストクリックモデル
コンバージョンアトリビューションの設定で最もよく利用されているのがラストクリックモデルです。
ラストクリックモデルは、コンバージョンアトリビューションという考え方が登場する前の従来の計測方法であり、現在でも広く使われています。

ラストクリックモデルは、複数の広告を経由してコンバージョンした場合、コンバージョンの直前、つまりコンバージョンまでにクリックした最後(ラスト)の広告にだけコンバージョンを記録する方法です。
広告A→広告B→広告C→コンバージョン、という経路を通った場合は、広告Cにだけ1件のコンバージョンが記録され、広告Aと広告Bにはコンバージョンは記録されません。
ラストクリックモデルは、従来の計測方法でありシンプルでわかりやすい反面、コンバージョンの前にクリックされた広告の、いわゆる「アシストコンバージョン」が全く見えなくなるという欠点があります。
そのため、現在では推奨されていません。

コンバージョンアトリビューション②:ファーストクリックモデル

5つのアトリビューションモデル-ファーストクリックモデル
ファーストクリックモデルは、ラストクリックモデルと全く逆の考え方で、最初にクリックした広告だけにコンバージョンを記録する方法です。
広告A→広告B→広告C→コンバージョン、という経路を通った場合は、広告Aにだけ1件のコンバージョンが記録され、広告Bと広告Cにはコンバージョンは記録されません。
最初にユーザーに接触した広告が最も貢献していると見る考え方です。ブランディングや認知を重視する場合に使われます。
ラストクリックモデルの方がユーザーの動きの実態に近いため、ラストクリックと違ってあまり使われていませんが、これもラストクリックと同様に現在は推奨されていません。

コンバージョンアトリビューション③:接点ベースモデル

5つのアトリビューションモデル-接点ベースモデル
接点ベースモデルは、最初にクリックされた広告と、コンバージョンの直前にクリックされた広告に1件のコンバージョンの40%ずつを割り振り、その間の広告に残りの20%を均等に割り振る方法です。
広告A→広告B→広告C→コンバージョン、という経路を通った場合は、広告Aと広告Cに0.4件ずつコンバージョンが記録され、広告Bには0.2件のコンバージョンが記録されます。
コンバージョンアトリビューションの考え方が普及しづらい理由として、上記のようにコンバージョン件数が小数で記録されるという点がありますが、基本的にはその合計は1となるため、記録されるコンバージョン件数自体は変わりません。

接点ベースモデルは、ファーストクリックモデルとラストクリックモデルの両方の特徴を受け継いだような考え方ですが、中間接触のアシスト効果もしっかり記録することができます。
そのため、機械学習を活用するためにはラストクリックモデル、ファーストクリックモデルよりも接点ベースモデルのような記録の方が適しています。
最初の接触と最後の接触の貢献度を大きめに見積もることから、考え方としてもわかりやすく、コンバージョンアトリビューションの中では使いやすいのではないでしょうか。

コンバージョンアトリビューション④:線形モデル

5つのアトリビューションモデル-線形モデル
線形モデルは、コンバージョンまでに経由した広告すべてに均等にコンバージョンを割り振る方法です。
広告A→広告B→広告C→コンバージョン、という経路を通った場合は、広告A、広告B、広告Cすべてに0.33件ずつコンバージョンが記録されます。
中間接触のアシストコンバージョンを記録できる点では接点ベースモデルと同じですが、接点ベースモデルが最初と最後の貢献度を大きめにするのに対して、線形モデルではそのような偏差を全くつけず、経由した広告の貢献度をすべて均等に評価します。
一見すると、接点ベースモデルの方が実態に近くわかりやすいですが、最初の接触と最後の接触を評価する方法だと、認知拡大とリターゲティングに使われるディスプレイ広告の貢献度が重く見積もられやすくなってしまうため、そのような記録方法が適さない場合は、線形モデルを選ぶべきでしょう。
広告の配信形態や目的に応じて使い分けることが大切と言えます。

コンバージョンアトリビューション⑤:減衰モデル

5つのアトリビューションモデル-減衰モデル
減衰モデルは、コンバージョンの直前にクリックされた広告が最も貢献度が大きいとし、コンバージョンから遠くなればなるほど(時間的に早いほど)貢献度が小さいとする考え方です。
広告A→広告B→広告C→コンバージョン、という経路を通った場合は、広告C>広告B>広告Aというように、経過時間に応じて計算されたコンバージョン件数が割り振られます。
最後の接触が最も貢献度が大きいと見るのはラストクリックの考え方に近く、消費者行動のファネルに当てはめても、最初の接触よりもコンバージョンに近い接触の方が貢献度は大きいため、最も実態に近い数字が計測できる記録方法と言えるでしょう。
ラストクリックモデルから移行する場合も、減衰モデルであればラストクリックに近い数字が出るため、煩わしさを感じづらいはずです。

コンバージョンアトリビューション⑥:データドリブンモデル

5つのアトリビューションモデル-データドリブンモデル
データドリブンモデルは、過去のコンバージョン経路のデータを参照して、最も当てはまりのいい割り振り方が自動で決定される記録方法です。
割り振り方を決定するのに十分なデータが蓄積されていなければならないため、一定数以上のコンバージョンデータがないアカウントでは選択できません。
この基準値の具体的な数字は公開されていませんが、30日間に約600件以上のコンバージョンが必要と言われています。

選択できるアカウントは限られますが、もし条件を満たしている場合は必ずデータドリブンモデルを選択することがGoogleから強く推奨されていいます。機械学習により判定されるため基準が不明瞭といったデメリットはある物の、データドリブンモデルを活用すれば実際のユーザー行動に基づいて広告の貢献度を正確に知ることができます。

Google広告 コンバージョンアトリビューションの設定方法

アトリビューションモデルの特徴が分かったところで、実際に設定してみましょう。アトリビューションモデルはGoogle広告のコンバージョン設定で行います。デフォルトで「ラストクリック」となっている部分を設定したいモデルに変更するだけなので、簡単にできます。

STEP1:コンバージョン設定画面へ移動

まずGoogle広告管理画面の「ツール」から「コンバージョン」へ移動します。
アトリビューションモデル_設定方法

STEP2:コンバージョンを設定

新規でコンバージョンを作る際はもちろん、既存のコンバージョン設定のアトリビューションモデルを設定することもできます。
今回は新規で作成してみます。
アトリビューションモデル_設定方法2

STEP3:アトリビューションモデルを選択

コンバージョンの名前や価値など、従来と同じように設定していきます。コンバージョン設定の一番下に「アトリビューションモデル」という欄があり、デフォルトでは「ラストクリック」になっていると思います。

アトリビューションモデル_設定方法3 アトリビューションモデル_設定方法4

ここをクリックするとアトリビューションモデルを選択できるので、設定したいものを選びましょう。このアカウントでは十分なコンバージョン数がないため「データドリブン」は選べなくなっています。
アトリビューションモデル_設定方法5

設定する手順はたったこれだけです。この設定を保存すると、発生したコンバージョンは設定したアトリビューションモデルに従って計測されます。

Google広告のコンバージョンアトリビューションとは?まとめ

Google広告の6つのコンバージョンアトリビューションについて解説してきました。
おすすめの設定としては、データドリブンモデルが選択できるならデータドリブンモデル、できなければ接点ベースモデルか減衰モデルを推奨します。
接点ベースモデルと減衰モデルは、ラストクリックモデルに通ずる特徴を持つ記録方法なので、考え方としてもわかりやすく、ユーザー行動の実態にも近い数字が計測できるためです。
機械学習の促進と、アシストコンバージョンを正確に評価するためにはコンバージョンアトリビューションは必要不可欠ですので、これまでラストクリックしか使っていなかったという方も、ぜひ他のアトリビューションモデルの利用を検討してみてください。