【Webで集める】折込チラシはデジタル化の時代へ。

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【Webで集める】折込チラシはデジタル化の時代へ。

小売店ではこれまで集客を新聞の折込チラシに頼っていたところが多くあり、新商品の紹介や特売の情報を紙のチラシで消費者に宣伝する方法が一般的でした。しかし近年はマーケティングのデジタル化によりWebを用いた集客方法が普及し、Webチラシを折込チラシの代わりに採用する企業も増えています。

折込チラシとは

そこで本記事ではWebチラシのメリットとして若い世代へのアプローチや効果測定、費用対効果を取り上げ、新聞折込チラシとWebチラシの違いや「LINEチラシ」の成功事例についても解説します。

Webチラシの普及率

日本の小売店はWebチラシを活用し、新たな顧客の獲得に乗り出しています。この背景には全国的な新聞の発行部数減少が大きく影響しており、主な原因はシニア世代以下の新聞購読者が少なく若者を中心に新聞を取らなくなっていることです。日本新聞協会の調査結果では、直近5年で急激に発行部数の減少が目立ちます。

集客を折込チラシに頼っていた小売店は新聞を取る人が減少し、折込チラシの普及率が下がって困っています。それは企業がチラシを発行する頻度にも大きく影響し、発行回数として「2020年スーパーマーケット年次統計調査報告書」のデータにあらわれています。報告書によれば、折込チラシの発行回数は週あたり1~2回です。2回発行する企業が約50%、1回発行が約35%、週3回が約10%、週に4回以上の発行する企業は3%以下とほとんどありません。

一方でWebチラシの普及率は、「自社ホームページ内にチラシ掲載」が約70%、「携帯・スマホアプリ」が約36%、「電子チラシ」や「SNS」が約32%です。自社ホームページへの掲載と電子チラシは前年比でわずかに減少し、携帯・スマホアプリやSNSでは年々上昇を続けています。

この結果からスマホ広告を重視する傾向が見て取れるのです。最近はWeb検索の利用もパソコンからスマホデバイスへ変化しているので、パソコン主体のホームページや電子チラシは今後減り続け、逆に携帯・スマホアプリは増加することが今後予想されます。

Webチラシのメリット

Webチラシには、新聞折込チラシにはない集客方法としての魅力があります。そこで、Webチラシを活用する3つのメリットを以下に説明します。

若い世代に届く

近頃は携帯・スマホアプリからWebチラシを積極的に配信する企業が増えています。実際のところ新聞を取らない若い世代に対しては、紙の折込チラシよりアプリで閲覧できるWebチラシを集客に用いる方が有効的です。自社ホームページにチラシを掲載する、あるいはWEBチラシとして専用サイトでPDFを公開するなどして、若者向けの商品を積極的に宣伝できます。

若年層から中年層までクーポンや割引ポイントなどの特典と組み合わせて、店舗に消費者を引き込む戦略が大手小売では成果を挙げています。これは新聞の折込チラシではできないマーケティング戦略です。このようなメリットを活かして、値引きされたチラシをただ単に消費者に見せるのではなく、お店に足を運ぶきっかけを作ることができます。Webチラシで集客の幅も広がるでしょう。

効果測定できる

Webチラシは、新聞の折込チラシでは難しいとされる効果測定が可能です。折込チラシでは広告効果を測定するために、チラシを見た消費者の人数や来店した割合を推計します。一般的に新聞の折込チラシでは、発行部数からチラシを読んだ人数を推計し来店者を予想するという大雑把な方式でした。新聞が届いたからといって購読者がその店のチラシを確実に読むとは限らず「発行部数=消費者のチラシ閲覧数」とはなりません。およそ半分が読んでくれれば御の字というのが効果測定の目安です。

しかしWebチラシでは明確にアクセス数やUU数(ユニークユーザーの数)が分かり、広告効果を実際の人数から検証できるのです。効果測定では広告を出したときの売上や来店者数、チラシの商品の販売数などを算出することで効果が具体的に数値としてあらわれます。閲覧者のGPSを活用することによりさらに正確な消費者の数を計測し、Web広告のみの綿密な検証データから効果を確かめることも可能でしょう。

費用対効果がいい

Webチラシのメリットの一つとして、費用対効果に優れていることが挙げられます。費用対効果(コストパフォーマンス)とは、費用に対してどれだけの効果を得られたかを示す指標です。

例えば100万円かけて商品チラシを制作したのに、客単価1万円の新規顧客が3人しか獲得できなかったら大赤字です。それに対しWebチラシは紙代・印刷費用がかかりません。コストを抑えられる分、費用対効果が良くなるのもWebチラシの大きなメリットです。

Webチラシのデメリット

Webチラシのメリットを紹介しましたが、一方でデメリットもあります。それは、インターネットをあまり使わない、スマホを利用しない、紙媒体を好む人に対して、Webチラシだけでは上手くアプローチできないことです。また情報を定期的に発信するなどして消費者の興味関心を維持する必要があり、お得な情報が少なく更新も不定期だとWebチラシは見られなくなってしまいます。

また、他のデメリットとしては、スマホやパソコンの画面で閲覧するため、文字が小さくなりすぎて見難かったり、縮尺が合わなかったりします。したがって、新聞折込チラシほどの見やすさを消費者に与えられないというデメリットがあるのです。これをカバーするには、スマホ向けサービスの利用がオススメです。

成功事例

Webチラシの成功事例として知られるのが「LINEチラシ」というスマホ向けのサービスです。

LINEの利用者を土壌にしてユーザーを集め、近場のスーパーやドラッグストア、電気店、衣料店、飲食店などのWebチラシを掲載しています。2020年10月には1,200万ユーザーを突破。新型コロナウイルスの状況下でも小売店のWebチラシ活用が進んでいます。

LINEチラシは、LINE利用者の位置情報(GPS)を元に、最適なWebチラシを配信します。
また、利用者の閲覧履歴や来店情報をデータとして蓄積するため、使えば使うほど、パーソナライズ化された価値のある情報が届く仕組みです。費用対効果も高く、地方に対するチラシのデジタル化ニーズに応えた素晴らしいサービスです。

実証実験では、「LINEチラシ」のサービスを通してわずか3回の配信で来店客数が約2倍にまで増加しました。スーパーや周辺の小売店舗は、独自に会員やアプリユーザーを集める必要がなく、「LINEチラシ」のユーザーをそのままフル活用して集客。そのうえ、広告効果の測定を可能にしています。ただのWebチラシやホームページに掲載したお知らせ情報では出来なかったことです。以上、「LINEチラシ」は地域性やデータを活用したWebチラシの成功事例といえるでしょう。

まとめ

今回は、新聞折込チラシをデジタル化する企業が増えていることを受けて、Webチラシの普及率やメリット・デメリット、両者の違い、成功事例について紹介しました。Webチラシの普及率は増加傾向にあり、背景には新聞の発行部数が減ったことやデジタルマーケティングの重要性が増していることなどが挙げられます。中でもスマホ利用者向けにWebチラシを出すことでたくさんのメリットが得られます。具体的には、若い世代へのアプローチや測定効果に適していること、費用対効果が高まることです。成功事例では「LINEチラシ」のように位置情報の活用や集客データの蓄積をするサービス提供者も出てきています。まずは集客層にフィットするWebチラシを用意して、自社のWeb集客やマーケティング戦略を考えてみましょう。