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店舗ビジネスの集客のためにWebマーケティングを行っている方にぜひおすすめしたい、話題沸騰中の手法が、「ジオターゲティング」と呼ばれるものです。
ジオターゲティングの「ジオ」とは、「土地」を表す英語「geo」のことで、簡単に言うと、位置を対象としたターゲティングのことです。
今回は、このジオターゲティングについて詳しく解説するとともに、ジオターゲティングを活用できる人気サービスをいくつかご紹介します。
ジオターゲティングとは何?ジオターゲティングの意味と仕組み
ジオターゲティングは、ユーザーの位置情報(GPS)を利用して、特定の地域にいるユーザーや、特定の場所を訪れたユーザーに対して広告配信を行う手法です。
今や、消費者のほとんどがスマートフォンを常に携帯していて、スマートフォンを通じてGPSで位置情報を簡単に取得できる時代。
ビジネスとして集客を行う企業がその位置情報を使うことも難しくありませんから、ジオターゲティングは、店舗ビジネスを中心に注目を集め、広く活用されているターゲティング手法です。
例えば、クーポンの配信やポイントシステムのために、専用のアプリを公開しているチェーン店は数多くありますが、そのアプリでユーザーの位置情報を収集して、特定の店舗の近くにいるユーザーに、その店舗でのみ使えるクーポンを配信する、というのが身近な例です。
アプリがインストールされた端末の位置情報は、ユーザーの許可さえ得れば簡単に収集できますから、これを活用しない手はないですよね。
これが、ジオターゲティングの仕組みです。
ジオターゲティングのメリット
前節で紹介したような、ユーザーの「現在地」を利用したターゲティングは、ジオターゲティングの活用例のごく一部でしかありません。
ジオターゲティングを活用するメリットは他にも多くあります。
ユーザーの行動履歴から興味・関心を推測
ジオターゲティングの活用例として、「ユーザーの行動履歴からユーザーの興味・関心を推測する」なんてこともできます。
例えば、自社の特定の店舗に足しげく通ってくれる、いわゆる「お得意様」のユーザーがいて、その人の年齢・性別はわかっているとします。
では、その人と同じ年齢・性別の人をターゲットとして広告を配信すれば、その層のユーザーが、同じようにお得意様になってくれるでしょうか?
答えはNOでしょう。中にはお得意様になってくれるユーザーもいるかもしれませんが、年齢と性別だけでは絞り込みがあまりに広すぎるので、あまり効果的なターゲティングとは言えません。
しかし、ジオターゲティングによって、「お得意様」のユーザーの行動履歴を収集できるとしたらどうでしょうか。
ユーザーの行動履歴は、そのまま、そのユーザーが訪れた場所、つまりそのユーザーが「興味を持っている場所」を表します。
もしも、今のところ自社に訪れてくれてはいないものの、「お得意様」のユーザーと似た行動履歴を持つユーザーを見つけられたら、そのユーザーは、「お得意様」と同じような興味・関心を持っている可能性が高いと言えます。
具体的にどんな場所を訪れているかはわからずとも、同じ場所を訪れる頻度が高いということさえわかれば、同じニーズを持っている可能性は高いはずです。
年齢・性別などのわかりやすい属性と違い、ユーザーの興味・関心というのは、直接インタビューをしたりアンケートを取ったりしなければ、普通は特定することができません。
それが、ジオターゲティングを活用することで、将来お得意様になってくれる見込みの高いユーザーを、位置情報という簡単に収集できるデータだけで特定できるのです。
これが、ジオターゲティングの最も大きなメリットの一つと言えます。
位置情報に時間のデータを加えて特定のイベントの参加者を推定
行動履歴に基づいたターゲティングは、ユーザーが過去に訪れた場所のデータを利用しているだけですが、ジオターゲティングはそれだけでは終わりません。
ユーザーの位置情報に時間のデータを加えれば、「ユーザーがいつ、どこにいたか」を特定することが可能です。
時間の情報が加わることで、位置情報のみの場合と比べて膨大なデータとなるので、そのほとんどは利用価値のない、あるいは利用が難しいデータになってしまいますが、直近に自社のビジネスと関連の高いイベントが特定の場所で開催されていたことがわかっているとしたらどうでしょうか?
そのイベントの開催時間に、そのイベントの開催地にいたユーザーは、ほぼ間違いなくそのイベントに参加していたと特定できるはずです。
そして、イベントに参加しているということは、イベントの内容に関心があったということ。
それならば、自社のビジネスにも興味・関心を持ってくれる可能性が高いですよね。
そういったユーザーを特定して、そのユーザーに対してだけ広告を配信すれば、より少ないコストで、より高い効果を見込むことができます。
ユーザーの位置情報という、それ自体は収集が難しくないデータから、非常に有用なデータを取り出すことができる、というのが、ジオターゲティングの強み・メリットです。
おすすめのジオターゲティング活用サービス
ジオターゲティングの仕組みやメリットについて理解いただけたと思います。業種によっては使い勝手が悪いかもしれませんが、ハマればこれまでターゲティングできなかったユーザー層、それも非常にニーズの強い、見込みの高いユーザーに対して広告配信できます。
それでは実際にどんなサービスがあるのか、主要な3つのジオターゲティングサービスを紹介します。
AIGeo-膨大なデータ量とリアルタイム性に強い
画像:AIGeo
AIGeoは、4500万人以上のユーザーの位置情報を蓄積していて、その膨大な位置情報を活用したジオターゲティングを行える広告配信プラットフォームです。
ユーザーの現在地や行動履歴、訪れた場所といったデータを元にしたジオターゲティングはもちろん、店舗の近くにいるユーザーに対してリアルタイムにターゲティングを行うことも可能で、非常に汎用性の高いジオターゲティングサービスです。
なんといっても、保有するデータが多いので、多彩なビジネスやユーザーに対応できるのが強みと言えるでしょう。
最低出稿額は20万円からとなっています。
Adgram
画像:Adgram
Adgramは、乗り換え案内アプリ「駅すぱあと」のデータを利用して、ユーザーの行動を予測し、ジオターゲティングを行うサービスです。
特に都市部では、移動に電車を使い、そのために乗り換え案内アプリを利用するユーザーは多いですから、乗り換え案内アプリが保有するデータはユーザーの行動経路を非常によく反映しています。
それを活用して、ユーザーの行動履歴や生活圏を特定し、広告配信に活用するのがAdgramのサービスです。
最低出稿額は10万円からとなっています。
Shufoo! Audience Targeting Ad
画像:Shufoo! Audience Targeting Ad
Shufoo! Audience Targeting Adは、チラシを閲覧できるアプリ「Shufoo!」が展開するジオターゲティングサービスです。
従来の紙のチラシは、データを収集することができませんから、チラシ自体がどれほどの効果を上げているのか、どの地域にチラシを配るのが効果的なのか、といった情報を得ることがほとんどできませんでした。
しかし、「Shufoo!」は、チラシをアプリ上で配信できることから、チラシを見たユーザーについての情報を豊富に収集することができます。
そのデータを活用して、ジオターゲティングを行い、広告を配信するサービスが、「Shufoo! Audience Targeting Ad」です。
元々、チラシを閲覧するためのアプリなので、利用ユーザーも当然チラシに関心のあるユーザーが多く、店舗ビジネスと非常に相性の良いサービスと言えるでしょう。
最低出稿額は100万円からとなっています。
話題沸騰中!「ジオターゲティングとは?」を完全解説・まとめ
今回は店舗を持つ事業、展示会などのイベントが活発なBtoB事業で注目を集めるジオターゲティングをテーマに紹介しました。
ジオターゲティング自体は新しい手法ではありませんが、スマートフォンの普及によってGPSによる位置情報が簡単に収集できるようになりますます注目を集めています。。
今後は、IoT(Internet of Things)と呼ばれる、常にインターネットに接続された端末が多く普及すると予想されていますから、それだけGPSで収集できる位置情報も豊富になっていくでしょう。
そうした将来を考えると、ジオターゲティングの重要性はより大きくなっていくはずです。
店舗ビジネスの集客、自社製品のニーズにマッチするイベントや場所がある事業に携わっている方は、ぜひこのジオターゲティングの活用を検討してみてください。