目次
Instagram(インスタグラム)は全世界で10億人、日本でも全人口の40%を超えるユーザーを持ち、今なお成長を続けるSNSです。若年層・女性のユーザーが多いという特徴があります。
Instagramでは、ストーリーズ広告やフィード広告を中心とした動画広告を出稿することができ、世界で多くの企業に採用されています。
そこで今回は、Instagram動画広告の主な種類と課金形態について解説します。動画広告作成時のポイントも併せて紹介しますので、Instagram動画広告の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
(出典:総務省「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」)
Instagram動画広告の主な種類4つ
Instagram動画広告とは、Meta Platforms, Inc.(旧:Facebook, Inc.)が提供するSNSであるInstagramに動画形式で出稿する広告のことです。Instagramは若年層のユーザーが多く、ビジュアルによる訴求が強いため、多くの企業が製品やブランドのプロモーションにInstagram動画広告を採用しています。
Instagram広告はユーザー層を細かくターゲティングでき、自社の製品やブランドに合う層への効果的なプロモーションが可能です。特に動画広告はユーザーの興味をひきやすく、高いアクション率が期待できます。
Instagram動画広告の種類は、広告が配置される場所により、主に4つの種類があります。
- ストーリーズ広告
- フィード広告
- ディスカバリー広告
- リール広告
次項から、各広告の特徴やデザイン要件、広告制作のポイントなどを詳しく見ていきましょう。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告は、ストーリーズ内に配置される縦型フルスクリーン広告です。一般的にストーリーズは24時間で消滅しますが、ストーリーズ広告は24時間経過しても消滅しない特徴を持っています。
なお、Instagram動画広告は種類ごとにデザイン要件があります。ストーリーズ広告の主なデザイン要件は、下記の通りです。
アスペクト比 | 推奨は9:16(4:5~1.91:1まで対応可) |
ファイルタイプ | 推奨はMP4またはMOV |
最大ファイルサイズ | 250MB |
動画の長さ | 1秒~60分 |
ストーリーズ広告はフルスクリーンで表示されるため、ユーザーへの訴求力の高さが強みです。ただし、ユーザーは興味のないコンテンツはすぐに飛ばしてしまうため、広告制作の際は短時間でユーザーの関心を得られる内容にすることが重要です。
フィード広告
フィード広告は、Instagramのフィード投稿内(タイムライン)に配置される動画広告です。タイムライン上に配置されるためユーザーに気づいてもらいやすく、ノイズにもなりにくい点が特徴です。
フィード広告の主なデザイン要件は、下記の通りです。
アスペクト比 | 【正方形】1:1 【横型】1.91:1 【縦型】4:5 |
最大ファイルサイズ | 250MB |
動画の長さ | 1秒~60分 |
キャプションの長さ | 2,200文字まで可能 |
フィード広告は動画とともにキャプションの挿入が可能です。また、”詳しくはこちら”や”予約する”等、複数種類のCTAボタンから選択できる点が魅力です。広告制作の際は、ユーザーの興味をひく動画とともにニーズに沿ったキャプションを付けることで、ユーザーアクションの増加が見込めます。
ディスカバリー広告
ディスカバリー(発見)広告は、Instagramの検索画面、「発見タブ」に配置される広告です。ユーザーが「発見タブ」から興味のある投稿をクリックし、スクロールしている際に広告が表示されます。
ディスカバリー広告の主なデザイン要件は下記の通りです。
アスペクト比 | 【正方形】1:1 【横型】1.91:1 【縦型】4:5 |
ファイルタイプ | 推奨MP4、MOVまたはGIF(他の動画タイプも対応) |
最大ファイルサイズ | 250MB |
動画の長さ | 1秒~60分 |
動画のキャプション | 任意だが、推奨される |
動画音声 | 任意だが、推奨される |
ディスカバリー広告は、発見タブでユーザーが能動的に情報を検索している際に表示されます。ユーザーが新しい情報を探しているタイミングで表示されるので、通常のフィード広告よりも、新規客獲得を意識したコンテンツ作りをすることが重要です。
リール広告
リール広告は、Instagramの新機能「リール」に配置される比較的新しい広告サービスです。スマートフォンに適したフルスクリーンの動画広告であるため、ユーザーに直感的に訴求できるのが特徴です。
引用:Meta「Instagram、リール広告の提供開始を発表」
リール広告の主なデザイン要件は下記の通りです。
アスペクト比 | 推奨9:16 【正方形】1:1 【横型】1.91:1 【縦型】4:5 |
ファイルタイプ | MP4またはMOV |
最大ファイルサイズ | 4GB |
画の長さ | 最大30秒 |
動画のキャプション | 任意だが、推奨される |
動画音声 | 任意だが、強く推奨される |
リール機能では、15秒~30秒までのショート動画が投稿できます。広告制作の際は、冒頭の1秒~3秒にインパクトのある内容がくるよう意識しましょう。また、SE(サウンドエフェクト)や音楽を設定することで、よりユーザーの興味をひくことができます。
Instagram動画広告の課金形態4つ|費用相場・例も解説
Instagram動画広告の課金形態は、主に「CPM」「CPC」「CPI」「CPV」の4種類です。それぞれインプレッション数やクリック数に応じて広告費用が発生します。
課金形態を細かく設定できるため、それぞれの特徴をよく掴み、自社の製品やサービスの特性に適したものを選択してください。
CPM
CPM(Cost Per Mile)はインプレッション数に応じて広告費用が発生する課金形態です。インプレッションとは広告がユーザーの画面に表示される回数のことを指しています。
CPMではインプレッション1,000件ごとの平均コストを計算し、平均コストに応じて広告費用を支払います。計算式は下記の通りです。
CPM = 1キャンペーンでの消化金額 ÷ インプレッション数 ×1,000 |
例えば、1キャンペーンでの消費金額が30,000円、インプレッション数が50,000回であった場合、CPMは600円(インプレッション1回あたりの費用は0.6円)となります。
CPM方式ではインプレッションの最大化を目的に広告配信が行われるため、製品やブランドの認知度アップに効果的です。一方でクリック率やコンバージョン率が低くなってしまう傾向があります。CPMの費用相場は市場によって変動はありますが、1インプレッションあたり0.5~1円です。
CPC
CPC(Cost Per Click)は、ユーザーがクリックした回数に応じて広告費用が発生する課金形態です。前述のCPMは広告が表示された段階で費用が発生するのに対し、CPCではクリックされなければ費用は発生しません。CPCの計算式は下記の通りです。
CPC = 1キャンペーンでの消化金額 ÷ クリック数 |
例えば、1キャンペーンでの消費金額が30,000円、クリック数が3,000回であった場合、CPCは10円となります。
CPCはクリックにフォーカスしているため、Instagramから誘導先サイトへの送客に適した課金形態です。一方でCPMと比べるとインプレッション数が伸びにくく、認知拡大効果は低い傾向があります。CPCの費用相場は市場によって変動はありますが、1クリックあたり約40円~100円です。
CPI
CPI(Cost Per Install)は、アプリのインストールに応じて広告費用が生じる課金形態です。CPIの計算式は下記のようになっています。
CPI = 1キャンペーンでの消化金額 ÷ インストール数 |
例えば、1キャンペーンでの消費金額が30,000円で300件のインストールがあった場合、CPIは100円となります。
CPIはアプリのインストールを促進させたい場合に適しています。ただし、CPMやCPCに比べるとインプレッション数やクリック数は伸びない傾向があります。CPIの費用相場は1インストールあたり約100円~150円です。
CPV(ThruPlay)
CPV(Cost Per View)は、動画の再生回数に応じて広告費用が生じる課金形態です。Instagramでは「ThruPlay(スループレイ)」と呼ばれる方式です。
CPV = 1キャンペーンでの消化金額 ÷動画視聴回数 |
例えば、1キャンペーンでの消費金額が30,000円で動画視聴回数が5,000回であった場合、CPVは6円となります。
CPVでは、15秒未満の動画広告では動画再生が完了したとき、15秒以上の動画広告では動画が15秒以上再生された段階で費用が発生します。CPVの費用相場は1再生あたり約4~7円です。
CPVは動画の再生回数に焦点を当てた課金形態のため、動画広告の再生数アップ、ひいては製品やブランドの認知度アップや幅広い顧客層へのリーチに効果があります。インプレッション数を重視するCPMと似た側面を持つ課金形態です。
Instagram動画広告の出稿がおすすめな業種は?
それでは、Instagram動画広告はどのような業種に適しているのでしょうか。まずは、Instagramがどのようなユーザー層に利用されているのか見てみましょう。
下記は、総務省が公表している「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から抽出したInstagramの年代別、性別の利用率です。
データの傾向から、Instagramは10代~30代の比較的若い年齢層を中心に利用率が高く、男性よりも女性のほうがより利用していることが読み取れます。
したがって、Instagram動画広告の出稿は10代~30代、さらには男性よりも女性をターゲット層とする業種に特に効果的です。具体的な業種で言えば、「美容・コスメ」や「アパレル」、「旅行・観光」や「飲食」などがあげられます。
また、ひと昔前と比較すると、Instagramは男性や40代・50代の利用率も上昇傾向にあります。そのため、Instagram動画広告は「エンターテインメント」や「レジャー」「教育・出版」「住宅・不動産」など幅広い業種にもおすすめです。
成功事例でわかる!Instagram動画広告作成時のポイント
Instagramが社会に広く浸透し、多くの企業が動画広告にも力を入れ始めています。ただ広告を出稿するだけでは売り上げの伸びは期待できない状況です。ユーザーの興味をひき、購買行動へとつなげるためには、動画広告にも一工夫が必要となります。
例えば、オンラインで家具販売を運営するA社では、動画広告作成時に下記のような工夫を行いました。
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A社の動画広告のポイントは、ユーザーのイメージを搔き立てる内容とストーリー性にあります。ユーザーに「もっと見たい」と感じさせることで、最後まで閲覧するユーザーが多くなり、CVの増加へとつながりました。結果として、費用対効果は劇的に改善され、売り上げの増加に結びつきました。
その他にも、動画配信サービスを提供するB社では、下記のような視点から動画作成を行いました。
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B社の動画広告のポイントは、ブランド認知アップに向けたシンプルで印象的なデザインです。広告の種類にはフルスクリーンで訴求できるストーリーズ広告を採用し、多くの人が動画広告を見ただけでブランド名を覚えられるような工夫を凝らしています。その結果、ブランドの認知度が向上、売り上げの増加につながりました。
このように、自社の製品やサービスに適した動画広告を作成することで、より効率的に売り上げを向上させることが可能です。
動画広告の成功事例は下記記事でも詳しく解説しています。自社で動画広告の出稿をご検討中の方はぜひご一読ください。
【比較】動画広告・静止画広告どちらが効果的?
動画広告と静止画広告の大きな違いは情報量です。動画には時間軸があるため、静止画に比べて多くの情報を込めてユーザーに伝えられます。
しかし、「広告想起率」に着目したヤフージャパンの調査によると、一概に動画の方が静止画より優れているとも言えないことが分かります。
(出典:Yahoo!マーケティングソリューション「動画と静止画、どちらが効果的?調査結果から学ぶ広告戦略」)
「広告想起率」とは、アンケート調査によって広告を「見た」「見たような気がする」と回答した人の割合を指す指標です。
動画広告は伝達できる情報量が多く、ユーザーの再生時間に比例して広告想起率も高くなります。そのため、商品やサービスを細部まで紹介したい場合やコンバージョン率を高めたい場合に有効です。
一方、静止画広告は伝達できる情報量は少ないものの、ユーザーへ均一的に最低限の情報を伝達できます。ターゲットに伝えたい情報を1枚の画像に凝縮できる場合や広く認知拡大を狙いたい場合に有効です。
今後、5Gの広がりにより動画広告はさらに増加すると予想されます。しかし、広告の目的や内容により、動画広告と静止画広告を使い分けることこそが、売り上げにつながる広告出稿の大切なポイントです。
まとめ
Instagram動画広告は、主にストーリーズ広告とフィード広告、ディスカバリー広告とリール広告の4つの種類があります。主な課金形態はCPMとCPC、CPIとCPVの4つです。それぞれ異なる特性を持つため、自社の製品やサービスの性質を考慮し、適切な種類を選択してください。
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