5分でわかる!SNSマーケティングの基本

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SNSマーケティングの基本

この記事を読んでいる方は、すでにSNSマーケティングの重要性を十二分にご存知かと思います。

FacebookとTwitterの日本語版が公開されてから13年、Instagramの日本語版が公開されてから7年が経過しました。
そしてSNSが生活の一部になるにつれ、企業のSNSマーケティングもより一層盛んになってきています
しかし、SNSは刻々とその特徴を変えるためSNSマーケティングの価値を最大化するには、常に変化を追いかけていく必要があります

例えば、最近ではClubhouseという音声SNSが一時話題になりました。テキストから画像・動画とコンテンツが変化してきましたが、ここ最近は音声コンテンツが注目を集めています。そうした中、Twitterは「スペース」という音声・会話投稿機能が2021年5月にリリースしました。

またSNSマーケティングに大きく影響する変化をあげると、Instagramのアルゴリズムアップデートがあります。ここ数年、Instagramはハッシュタグやフィード投稿の表示アルゴリズムを何度も変更しています。以前は最大30個までつけられていたハッシュタグは、すべて付けた方が良いという意見が一般的でしたが、最近は通用しなくなっています。関連性が高く狙いを定めた10個程度のハッシュタグを使った方が良いという考えが広まっています。

実際にInstagramアカウントをSNSマーケティングに活用されている方なら、この変化に戸惑った経験があるのではないでしょうか。

このように常に変化するSNSだからこそ、定期的に最新の情報を学ぶことが重要なのです。

そこで今回は主要SNSの現在を知り、SNSマーケティングの基本に立ち返ってみたいと思っています。

これからSNSマーケティングを始めるという方はもちろん、既に取り組んでいて最近課題を感じているという方も、ぜひご覧ください。

主要SNSの特徴と現在

1.LINE

LINEの月間アクティブユーザー数は、2020年1-6月期の媒体資料で8600万人以上と発表されました。日本の生産年齢人口が7500万人ほどなので、スマホを持っている人はほとんどLINEを使っている、と言っていいほど普及しています。

この利用者数の多さからコロナワクチン接種の予約に使われるなど、国や自治体と連携したサービスも提供されています。最近では地図機能が加わりました。現在は段階的な実装で一部のアカウントにはまだ導入されていない場合がありますが、本格的に実装されるとInstagramで検索した画像の場所に簡単に行けるようになります。地図機能に関しては今後改めて記事で紹介いたしますので、ご期待ください。

LINEをSNSマーケティングで利用する場合、「LINE Ads Platform」と「LINE公式アカウント」が代表的ですが、その他にも「LINEマーケットプレイス」や「LINEで応募(旧LINEセールスプロモーション)など」様々なサービスが用意されています。

「LINE公式アカウント」はビジネス向けのアカウントである「LINE@」と「LINEビジネスコネクト」などのマーケティングツールが統合されたものです。

LINEはメルマガなどよりも到達率や開封率が高く、メルマガの代わりとして取り入れている企業も少なくありません。

LINE公式アカウントでは1対1のチャットコミュニケーションだけでなく、タイムラインを通じた発信、ショップカードやクーポン券の発行など、特に小売・飲食店向けの機能が多く用意されています。

「LINEマーケットプレイス」を使えば、さらに注文やイベントの予約を受け付けたり、FAQなどのカスタマー対応を自動化させたりといったことが可能です。

Grabでは「LINE Ads Platform」に関する記事も数多くあるので、ぜひご覧ください。

2.Instagram

Instagramの月間アクティブユーザー数は2019年3月時点で3300万人に上ります。2018年11月に2900万人と発表してから4ヶ月で400万人も増えているため、現在はもっと多くの利用者がいると考えられます

Instagramは投稿にURLなどが設定できないことから、ビジネスでは活用しにくいSNSだと言われていました。しかしInstagramの投稿をきっかけに商品を購入したり、来店したりする人が多いことや、ショッピングタグの追加などビジネス向けのアップデートがここ数年増えていることから、むしろビジネスで活用しやすいSNSに生まれ変わってきています

Facebook広告の豊富なターゲティング・クリエイティブ機能を使った広告配信ができることに加え、ハッシュタグや発見タブを通じて新しいアカウントとの接触機会が多いことも、ビジネス活用しやすい理由の1つになっています。

GrabではInstagramについても多くの記事があるので、ビジネス活用の際はぜひ参考にしてみてください。

3.Facebook

Facebookの月間アクティブユーザー数は2019年4月時点で2600万人です。2017年9月に発表された2800万人から減少傾向にあります。しかし全世界で見ると、23億人以上が利用する最大規模のSNSです。

国内での利用者が減少していることから、新しくFacebookマーケティングに取り組もうという企業は少なく、既に取り組んでいる企業も他のSNSに力を注いでいるように思えます。しかし2600万人という利用者数は決して少なくありません。他の企業が注力していないからこそ、今Facebookマーケティングに力を注ぐことで、差別化できるとも考えられます。

また高いターゲティング精度、投稿内容の柔軟さ、Facebookページなどビジネス向けの機能による強みは健在で、ビジネス活用という点では非常に優れたSNSです。

4.Twitter

Twitterの利用者数は2018年10月時点で4500万人と、LINEに次ぐ利用者数を誇ります。ここ数年利用者数に関するアップデートがありませんが、2020年は新型コロナの影響で利用頻度が増えたSNSとして注目されています。

日別アクティブユーザー数

参照元:「Twitter社 2019 Earnings Report」および、Twitter社が各Quarterに公表している「Shareholder Letter」よりアライドアーキテクツ作成

また、ここ最近は音声配信や短編動画の機能をリリースしたりと、コンテンツ面のアップデートが目立ちます。FacebookやInstagram、LINEのように広告以外のビジネス向け機能が用意されているわけではありませんが、最近は月額課金型のプレミアムアカウントの機能が噂されるなど、大きく変化している最中です。

5.note

最後に紹介するのはnoteで、2020年6月に月間のアクティブユーザー数が6300万人を突破したと発表し、国内最大規模のプラットフォームになってきています。なお、会員登録者数は260万人で、noteそのものを使うというよりもnoteの中にある情報・コンテンツを求めて利用している人が多いと考えられます。

noteはSNSとオウンドメディアの中間のような立ち位置で、活用方法もオウンドメディアより拡散性があり、SNSほどプラットフォームに依存しないというメリットがあります。

企業の活用事例で有名なものがキリンビール公式noteの「KIRIN」です。「これからの乾杯を考える」というコンセプトで始まり、今はキリングループ全体で暮らしに寄り添うことをテーマに運用されています。

アカウントを見ると、キリンビールを始めとするキリンの商品のことばかりではなく、お酒のある暮らしを豊かにする、今ならではのお酒の楽しみ方など、読者に寄り添ったコンテンツが多いことが分かると思います。

noteに限らず、SNSの利用者は売り込まれたいと思って利用しているのではありません。売り込むことではなく、役に立つことに注力し成功している事例です。

SNSマーケティングで大切なこと

ここまで代表的なSNSの概要をまとめてきました。

最後に、SNSマーケティングでこれからも大切なことをいくつか紹介したいと思います。新しいSNSが生まれ、機能が追加され、流行りも日々変化していますが、その中でも長期的に通用するであろう大切な本質をまとめました。

1.コンテンツ広告であることを忘れない

コンテンツ広告という言葉をご存知でしょうか?その名の通りコンテンツを使った広告で、ユーザーにとって役に立つ、価値のあるコンテンツはそのものが広告である、という考え方です。

例えばnoteの「KIRIN」の事例では、キリンビールの紹介はほとんどありません。ビールやワインの楽しみ方など、ユーザーの役に立つコンテンツが中心です。積極的にキリンビールを売り込んでいるわけではありませんが、「KIRIN」のnoteでビールの楽しみ方を知って、実際に楽しんでみようと思った時、自然とキリンビールを選択してしまうのではないでしょうか?

これがコンテンツ広告です。売り込むのではなく、ユーザーの役に立つことで自社の製品を選んでもらいます

これはnoteだけでなく、すべてのSNSに言えることです。SNSを使っている人は、広告が見たくて使っているわけではありませんし、売り込まれたいとも思っていません。そのため、いわゆる広告のように売り込むのではなく、ユーザーの役に立つことを第一に考える必要があります

2.ユーザーとプラットフォームを尊重する

SNSは本来ビジネスを行う場所ではなく、人と人がプライベートやパブリック、いろいろな形で繋がり、コミュニケーションを取る場所です。

当然のことですが、ビジネス目的でSNSを使っていると意外と忘れてしまっているかもしれません。SNSを利用する際、主役はユーザーで準主役がプラットフォームです。そのことを忘れないようにしましょう。

例えばInstagramではここ数年、ハッシュタグに関するアップデートが頻繁に行われ、ハッシュタグ戦略で効果を得ることが難しくなりました。

その理由の1つは、ビジネス活用しているアカウントが投稿と関係がないハッシュタグを乱用したりしてユーザーの利用体験を損なったため、それを防ぐためと考えられます。

プラットフォームは主役であるユーザーのことを第一に考えるため、ユーザーのためにならない行為は必ず規制され、通用しなくなります。

3.SNS広告を積極的に活用する

SNSの主役は間違いなくユーザーですが、ビジネスが主役になれる場所もあります。それが各種SNSが用意している広告機能です。広告はプラットフォームが事業者を主役に、ビジネス活用してもらうために用意しているものなので、積極的に活用していきましょう。

ただし主要SNSの多くは広告が表示されない有料アカウントのリリースを検討したり、広告収益に依存しない方向にシフトしようとしています。

SNSプラットフォームの多くは収益の大半を広告に頼っているため、事業の健全性のために別の収益方法を作ることは当然です。

しかしSNS広告が今後どのようになっていくかは、広告を出稿する広告主によるものが多いでしょう。広告主がユーザー体験を損なうような広告を出し続ければ、プラットフォームはそれを規制しようとしますし、ユーザーの多くも広告が表示されない有料プランを選択するかもしれません。

そうならないためにも、SNS広告でも売り込むのではなく、ユーザーに寄り添い価値のあるコンテンツを届けることが重要です

まとめ

今回はSNSマーケティングが当たり前になった今、改めてSNSマーケティングの基本を振り返ってみました。

SNSによって様々な特徴がありますし、頻繁に機能も変わりますが、大切なことは変わりません。テクニックというよりマインドセットの話になりますが、「ユーザーは売り込まれたくてSNSを使っているわけではない」という大原則です。短期的には売り込んだ方が効果が出るかもしれませんが、長期的にはユーザーに価値を届け、関係を構築することに注力した方がいいでしょう。