2020年から続くコロナウイルスの感染拡大により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速しています。SNSやオウンドメディアを活用したコンテンツの発信が一般的になりつつあり、企業もトレンドを的確にキャッチしながら施策を展開しなければならない状況です。

今回の記事では2022年のマーケティングトレンド予測と今後注力すべきマーケティング手法を紹介します。

2021年のマーケティング実績から判明した事実も記載しているので併せて参考にしてください。

2022年のマーケティングにおける動向予測

今なお続くコロナウィルスの感染拡大。最近ではオミクロン株という変異種も登場し、未だに油断できない状況が続いています。コロナ禍は日本の広告業界にも深刻な影響を与えました。株式会社電通グループの調査によると、2020年の市場成長率は実績ベースでマイナス11.2%にまで落ち込んでいます。しかし、2021年度は4.4%増、2022年は4.2%増と予測され、今後は回復傾向が続くという見通しが立てられています。人流・物流の回復など経済活動の正常化とともに企業のマーケティング活動は活性化していく見込みです。

2021年のマーケティング実績から分かること

2022年のマーケティングトレンドを把握する際に、前例となる2021年のマーケティング実績を見ることで予測を立てやすくなります。2021年度の実績から読み取れる重要ポイントは”広告費の増加””SNSマーケティング施策の予算増加””オンライン集客の予算増加”の3点です。以下、これら3つのポイントについて解説していきます。2022年におけるマーケティングトレンドを予測する際のヒントにしてください。

1.広告費の増加

先ほど紹介した株式会社電通グループの発表データでは、2021年の広告費成長率が増加したことが明らかになっています。特にSNS広告、動画広告、検索連動型広告などのデジタル広告は世界の広告費に対するシェアが50%を超える見込みです。そのため、2022年も引き続き、デジタル広告を中心に市場が拡大していくと予測できます。

2.SNSマーケティング施策の予算が増加

アライドアーキテクツ株式会社が発表したアンケートデータによると、「SNSマーケ施策の予算が増加した」と答えた企業は約7割にのぼります。コロナ禍による消費者の心理や行動の変化にあわせて、新規顧客獲得を狙うために様々な企業でSNSマーケティングが実践されています。まだまだ続くコロナ禍において、今後も活用が進んでいくと予測できます。

(引用:アライドアーキテクツ「企業のSNSマーケティングに関する実態調査」)

3.オンライン集客のために予算を使う企業が増加

翔泳社が2021年に行ったアンケートでは、自社サイト・自社ECサイトに対して予算を増加した企業は33.4%という結果になりました。オフラインにおけるイベント出展・運営を減らしている分、自社サイト・ECサイトへの集客予算を増やしている企業が多いと考えられます。2022年に入ってからも昨年と同様、オフラインで十分に活動できない状況が継続すると思われ、Webサイト集客に予算を使う企業が増加すると考えられます。

Q.あなたの勤務先では、昨年と比べて、各チャネルに投資するマーケティング・販促予算はどのように変化しましたか?

2022年におけるマーケティングトレンド予測について

ここ数年”コンテンツマーケティング””SNSマーケティング”など様々な手法が多くの企業で活用されています。特にコロナ禍でオフラインのイベント開催が困難になってからは、企業のマーケティング活動もデジタルシフトが進んでいます。2022年も同様の流れが続くと予測されるため、活用が進む手法もいくつかに絞ることができます。ここからは2022年にトレンドとなるマーケティング手法についてそれぞれ詳しく解説します。

1.コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、読者に役立つコンテンツの制作・発信を行って見込み顧客のニーズを育成するマーケティング手法です。最終的には自社のファンに育て、定着させることを目的としています。一度公開した後は、コンテンツの情報価値が失われない限り、機能し続けるのが特徴です。出稿時期が限られているweb広告と異なり、コンテンツは半永久的に公開され続けるので、長期に渡って効果を発揮します。顧客獲得費用の削減や中長期的に潜在顧客の集客を狙いたい企業におすすめの手法です。

SNSとの相性も良く、質の高いコンテンツであれば拡散されて多くの人の目に留まりやすくなり、潜在層にアプローチできるのもメリットです。コストパフォーマンスや拡散性の高さから、2022年も様々な企業で活用されるマーケティング手法であり続けるでしょう。

コンテンツマーケティングについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
▶︎ コンテンツマーケティングとは?SEO・リスティング広告との違い

2.CRM

CRMは「Customer Relationship Management」の略称です。日本語では「顧客関係管理」と訳され、顧客との関係性や商談の状況をまとめてツールで管理し、自社の営業やマーケティングに活用する手法です。顧客に関する情報を一元化できるので、顧客の情報に対して理解度を深めてアプローチできるメリットがあります。CRMツールで入力した情報はリアルタイムでデータベースに反映されるため、社内でのスムーズな情報共有が可能です。

他の社員と現状を共有し合うことで、顧客に対して最適な提案がしやすくなるので効率的なアプローチをしたい企業におすすめです。ツールを導入する企業も年々増加しているため、2022年はさらに活用が進んでいくと考えられます。CRMは2022年のマーケティングトレンドであり続けることが予測されます。

CRMについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
▶︎ CRMの目的は?メリット・デメリットとシステムの活用ポイント

3.MA

MAとは”Marketing Automation”の略称で、獲得した顧客の情報を一元管理し、マーケティング活動を自動化する手法のことです。国内では多くのMAツールが販売されており、多くの企業で活用されています。見込み顧客リストの一元管理、メールリストへの一斉配信、顧客情報の抽出などを行えるので、企業のマーケティング活動を効率化してくれます。顧客の興味関心のスコアリング、顧客ごとのマーケティング施策のアドバイス機能などもあるため、マーケティング活動をアシストして欲しいという企業にもぴったりです。

MAツールはオンライン上でスムーズにマーケティング活動をアシストしてくれるツールです。オンライン上で手軽にマーケティング施策を強化できることからも、2022年も多くの企業で活用が進むと予測されます。

MAについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
▶︎ 初めてのMAツールは「Hubspot」の無料アカウントからがおすすめ!

4.SNSマーケティング

SNSマーケティングはFacebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアで実施するマーケティング活動です。SNSは拡散力が高く、ユーザーにとって有益な投稿は短時間で広まるのが特徴です。また、双方向でのコミュニケーションも取りやすいので、ユーザーのロイヤリティ向上も狙えるのがメリットです。ユーザーのロイヤリティを高め、自社のファンにすることで、商品購入や口コミの拡散など様々なメリットが期待できます。

SNSマーケティングでは広告の利用も可能で、予算、ターゲット層など細かく設定し、費用対効果の高い運用ができます。よりスピーディに自社のファンを増やしたい場合には広告の活用がおすすめです。SNSの利用者は年々増え続けていて、2022年末には日本でも、ユーザー数が約8,241万人にまで増加すると予想されています。そのため、SNSマーケティングは2022年においても多くの企業でさらなる活用が進んでいくと思われます。

5.動画マーケティング

業種や規模を問わず、多くの企業が動画を用いたマーケティング手法を展開しています。特に人気が高く、利用時間が年々伸びているYouTubeで動画を発信している企業が多いです。動画では自社商品やサービスが詳しく説明できます。そのため、他の広告手法と比較してユーザーの購入意欲の促進効果が高いです。YouTubeは無料でチャンネルを開設し、動画投稿を行えるので、費用を抑えて運用できるのもメリットになります。

コロナ禍の状況が続き、自宅でYouTubeを見る方が多いことから、動画マーケティングは2022年においても有効的なマーケティング手法であり続けるでしょう。

動画マーケティングに関する記事は下記リンクからご覧いただけます。
▶︎ 「Grab」動画マーケティング記事一覧

まとめ

今回の記事では2022年のマーケティングトレンド、今後活用できるマーケティング手法を紹介しました。

コロナ禍の影響が続くことが予想される2022年においては、常にトレンドを読んだ上で自社に最適なマーケティング施策を行う必要があります。今後の流れによっては通用しなくなる手法や、新たに有効となる手法の登場が予測されます。コロナ禍の状況、ビジネスニュースなどを欠かさずチェックして、マーケティングトレンドに即した適切な施策選択を心がけましょう。