【飲食店向け】インバウンド(訪日外国人)集客法!観光客はどうやって日本のお店を調べている?

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【飲食店向け】インバウンド(訪日外国人)集客法!観光客はどうやって日本のお店を調べている_

2020年の東京オリンピック
2025年の大阪万博

今から2年後、7年後の日本は、世界中から観光客が集まる大きなイベントが控えています。
オリンピックや万博といったイベントに関係なく、訪日外国人は年々増えており、2017年には2800万人を超えました。

これがどれほどのビジネスチャンスになるかは、あえて説明する必要もないでしょう。
そこで今回は、増え続ける外国人観光客、大きくなるインバウンド市場の中で「飲食業界」の集客に注目してお送りします。

訪日外国人による市場規模

2018年3月20日、観光庁は「訪日外国人消費動向調査」の中で「訪日外国人旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移」を発表しました。


画像:訪日外国人旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移

この図を見てわかる通り、訪日外国人による市場規模は大きく右肩上がりになっています。訪日外国人旅行者1人当たりの平均支出は15万円を超えており、この層をいかに自身のビジネスに取り込むかが、今後のビジネスの課題になってきます。

2017年の訪日外国人旅行者数は前年比19.3%増の2,869万人、旅行消費額は前年比17.8%増の4兆4161億円と、どちらも前年を大きく上回りました。
なかでも中国は735万人で最も多く、次いで韓国が714万人です。これに台湾と香港を加えた東アジア4か国の合計は2129万人に達し、訪日客全体の約7割を占めています。

2017年の消費種目別でみると「買い物代 37.1%」「宿泊料金 28.2%」「飲食費 20.1%」「交通費 11.0%」「娯楽サービス費 3.3%」でした。
今回テーマにする「飲食」に使われるお金は、4兆4161億円の20%で約9000億円と、非常に大きな市場規模があります。

今年はどうかというと、1月から9月までのデータで、3兆3460億円となっており、前年を上回る見通しです。
東京オリンピックや大阪万博といった国際的な大型イベントが開催される際は、さらに跳ね上がるでしょう。

それでは、訪日外国人を飲食店の集客につなげる「インバウンド集客法」を見ていきましょう。

インバウンド(訪日外国人)集客方その1:Web集客

訪日外国人を集客する際は、Webと実店舗での工夫の両方が必要になります。
また、どちらも国内の顧客向けとは全く違った視点でアプローチする必要があることを念頭に置いておきましょう。

1-1 googleリスティング広告

インターネットを使った集客で、即効性があり、最も効果が高いと思われるのがgoogleのリスティング広告です。

googleリスティング広告とは、googleで検索した際、その検索結果に対して表示される広告です。
日本人は「ぐるなび」「食べろぐ」などのポータルサイトでお店を探すユーザーが非常に多く、多くの飲食店はポータルサイトだけに広告を出稿しています。そのため、リスティング広告を出稿している店舗が少なく、他業種と比較して競合が少ない状態です。

リスティング広告では、配信エリアを自身の商圏に設定し、言語を「英語」や「中国語」とすることで、訪日外国人向けに出稿できます。広告費も少額でスタートでき、手軽に開始する事ができます。

1-2 海外ポータルサイト、アプリへの掲載

日本の飲食業界で「ぐるなび」「食べろぐ」が広く利用されているように、海外にも飲食系ポータルサイトは広く利用されています。海外で人気のポータルサイト、旅行者向けのポータルサイトなどを利用することで、訪日外国人を促すことができます。


トリップアドバイザー

トリップアドバイザーは世界最大級の旅行者向け口コミサイトで、9600万人以上の会員が投稿した口コミ情報を検索・閲覧できるサービスです。
観光地、宿泊施設、レストラン、ショッピングなど、旅行者向けの様々な情報を集めることができます。

また、評価の高い口コミが増えるとランキング上位に表示され、集客効果も高まります。無料で掲載できるため、ぜひ申し込んでおきましょう。
またサイトに掲載されるとステッカーが配布されます。これを店頭に貼る事で、口コミを投稿してくれる観光客が増えるかもしれません。


大衆点評

食べログの中国版サイトといった位置づけのサービスです。
口コミ投稿と、店舗評価で成り立っているのが特徴で、登録者数はなんと6億人もいます。


画像:国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額と構成比

上記の図からわかるように、中国人観光客の市場規模は圧倒的です。中国人を対象とした集客を考えることは必須でしょう。

大衆点評は、トリップアドバイザーと同じように飲食店以外の娯楽施設なども掲載されています。
「一蘭」や「かに道楽」は大衆点評に登録して、口コミが集まったことにより中国で有名になり、インバウンド集客に成功しているようです。

1-3 SNS活用(Instagram)

インスタグラムは、日本を含め多くの国(中国を除く)で利用されている写真や動画を共有できるSNSです。
写真投稿がメインのSNSなので、観光や飲食店との相性がよく、ぜひ活用したい集客方法です。

また、英語、ハングル等のハッシュタグを利用すれば、1つの投稿から様々な訪日客にアプローチする事ができます。
ランチタイムの投稿や関連性のある人気のハッシュタグを利用するなど、投稿を工夫することで更に効果を高めることも可能です。

インバウンド(訪日外国人)集客方その2:店頭、店内の工夫

ここからは店頭、店内の工夫を見ていきましょう。
日本人と外国人は全く違った文化、考え方を持っています。また、慣れない海外旅行では「おいしさ」や「安さ」よりも「自分たちにとっての使いやすさ」を重視する旅行者も少なくありません。
訪日外国人にとって「使いやすい」「入りやすい」と感じてもらえる店頭、店内の工夫が重要になってきます。

2-1 メニュー表

観光地では、国別のメニュー表を用意する店舗が増えてきています。英語に加え、中国語、韓国語まで対応できると客層がひろがります。
また、文字だけでなく写真付きで表示すると、言葉がわからない方にも注文してもらいやすくなります。
さまざまな言語で書かれたメニュー表、豊富な料理の写真が店頭に置かれていると、より安心してお店に入ってこれます。

また、宗教への対応も重要です。タイやシンガポールなど、イスラム教圏の観光客も増えており、宗教によって食べてはいけないものが決められています。
このような宗教への配慮もメニューや店頭で提示するのをおすすめします。

2-2 キャッシュレス対応

観光庁の調査(H28)では、訪日客の13.6%が日本旅行時の決済方法について不満を感じているという結果がでました。

「キャッシュレス決済」のススメ!AmazonPayやLINE Payの活用方法という記事で、各国のキャッシュレス経済の現状についてご紹介しました。
海外ではキャッシュレス化が進んでおり、キャッシュレス比率は日本が19.8%なのに対して、韓国が96.4%、中国が約60%です。

最近ではクレジットカードだけではなく、デビットカードも普及しており、中国銀聯(ぎんれん)が発行する「銀聯カード」の利用も増えています。

日本政府も東京オリンピックに向けてキャッシュレス化を積極的に進めています。というのも、訪日外国人の消費傾向として、クレジットカードが利用できる場合と現金決済のみの場合とで、使用金額が大きく違うというデータがあるためです。

カード決済に対応し、店舗に対応カードを提示して、アピールしましょう。集客数の増加だけでなく、顧客単価の上昇にもつながるはずです。

2-3 Wi-Fi機器の設置

観光庁の調査によると、カード利用より更に不満が多かったのが、無線LAN環境でした。
海外では店舗にフリーWi-Fiが設置されることが当たり前になっており、日本は世界からみるとWi-Fi環境の整備がまだまだおくれているようです。

フリーWi-Fi以外で通信する方法にもモバイルWi-Fiルーターや国際ローミングなどがありますが、持ち運びが不便、利用料金が高額などといった理由であまり浸透していません。

店内でWi-Fiが使えれば、口コミやSNS投稿にもつながるため、ぜひ導入しましょう。

訪日外国人を集客する方法まとめ

今回は、増え続ける訪日外国人、その巨大な市場規模を飲食集客につなげる方法を紹介しました。
飲食店のインバウンド対策は、集客した訪日客が良いレビューを書いてくれる事で、より多くの集客につながるという好循環がうまれます。
集客だけではなく、料理はもちろんメニュー表や宗教対策など、日本人特有の細かい配慮でサービスし、訪日客の満足を高めましょう。
2015年以降、出国者数を訪日客数が上回り、その差は更に拡大しています。
日本の飲食店にも、変化にあわせた進化が求められています。