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「ブログ記事を書いた。それを”はてなブログ”と”Twitter”と”Facebook”でシェア。あ、Googleサーチコンソールのインデックスリクエストもしておこう。」
こうした作業を一つ一つ手作業で行うと、5分~10分程度はかかってしまいます。
ちょっとした時間ですが、ブログ更新のように頻繁に発生するタスクでは、意外と手間になってしまいます。
また、例えばAさんにメールを送った際は営業担当にLINEで報告するなど。
今回、こうした「あれをしたらこれをする」といった単純作業を大幅に軽減する「IFTTT」というサービスをご紹介します。
Webサービス連携アプリ『IFTTT』とは?
多種多様なWebサービスが存在し、互いに絡み合うように関係しあっている昨今、自社のWebサイトをコツコツ更新するだけではイマイチ物足りない、そんな時代になりつつあります。
たとえば、「自社のサービスについてわかりやすく解説した会心のブログを執筆した!」というとき。
ユーザーにアプローチする手法は、サイト以外にもメルマガ、LINE、SNS、プッシュ通知など数多くあります。
単にサイト上にブログを反映させておしまいというのではなく、さらにもう一押し、さまざまなWebサービスを使ってアクションしたいと思いますよね。
しかし、毎回それぞれ更新するのはかなり面倒。
今回紹介するのは、そんな手間を大幅にWebサービス『IFTTT(イフト)』です。
IFTTTはアメリカ発の「Webサービス連携ツール」で、“If This Then That”を略したもの。2010年にリリースされました。
「もし(If)、これ(This)。それから(Then)、あれ(That)」……と書くと何のことかわかりませんが、「これをしたら、あれをします」や「もしこうなら、あれをします」といった機能を持っています。
要するに、Web上でAという動作(This)をすると、自動的にB(That)をしてくれるという連携ツールです。
IFTTTは「トリガー+アクション=レシピ」コントロール
IFTTTでは「This」をトリガー、「That」をアクションと呼称し、この一連の流れを「レシピ」として登録することができます。
たとえば、
- トリガー:『Yahoo!Weather』で今日の天気を取得して雨や曇りだったら、
- アクション:『ToDoリスト』に「傘を持っていきましょう」という通知をする。
このようなレシピを作成すると、雨の日の備えはバッチリです。
わざわざ『Yahoo!Weather』を見て天気をチェックして雨が降りそうか調べ、降りそうだったら出かけるときに忘れないようにどこかにメモする、ということをしなくてすむわけです。
他にも、『Aさんからメールが来たら』というトリガーに対して、『プライベート用のLINEに通知する』というアクションを入れると、重要なクライアントからの連絡にすぐ対応できます。
IFTTTを活用すると、仕事とプライベートの様々な単純作業を自動化することできます。
“ソーシャルメディアマーケティング”で活用!
IFTTTは、『Yahoo!Weather』『ToDoリスト』をはじめ、300以上ものWebサービスに対応しています。その中には、TwitterやFacebookをはじめとするSNSなども豊富に含まれています。
いわば、今回のポイントはここです。IFTTTは、SNSを利用する「ソーシャルメディアマーケティング」を円滑に進めるために活用できます。
ソーシャルメディアマーケティングは、SNSを活用して顧客をつかみ、関係性を強化することでビジネスをより充実させる、というマーケティング手法ですが、ここでIFTTTが活躍します。
【例①】ブログ更新をTwitterで拡散
- トリガー:ブログをWordPressで作成・更新すると、
- アクション:更新をTwitterの自社アカウントで告知する。
このようなレシピを作成しておくと、フォロワーにコンテンツの更新情報が瞬時に伝わり、そこからブログを閲覧してもらったり、リツイートされた先で新たな顧客をつかむことができたりします。
IFTTTにログインして「Search」から「WordPress」と検索してみてください。
IFTTTの特徴として、連携しているサービスが非常に多いこと、「あったらいいな」と思うレシピの多くがすでに用意されていることです。
「WordPress to Twitter」というレシピでは、WordPressで更新した記事を自動でツイートすることができます。
【例②】毎月の定期イベントを自動告知
- トリガー:毎月1日になると、
- アクション:Facebookを通じてファン(Twitterでいうところのフォロワー)にメッセージが送信する。
このレシピは、毎月欠かさず行っている「割引イベント」などをこまめに告知したいというときに使えます。
毎月告知したいことが複数ある場合は、日付を変えてレシピを作成し、それぞれメッセージを作成して登録しておくと便利です。
【例③】Twitterでのエゴサーチをリアルタイム計測
- トリガー:「ブランド名」「サイトURL」がツイートされると、
- アクション:ツイート内容をLINEに通知する。
SNS上で自社のブランド名やサービス名で検索することを「エゴサーチ」といいます。メディアを運営していたり、SNSマーケティングを行っていると、ユーザーが自社のサービスについてどのようにつぶやかれているか重要なヒントになります。
このエゴサーチもやってみると案外手間がかかるのですが、IFTTTを使うと自動でできます。
「Twitterのエゴサーチ結果をLINEに通知する」というレシピでは、設定したキーワードのつぶやきをリアルタイムでLINEに通知してくれます。
他にもある!Webサービス連携アプリ2選
2010年にアメリカで誕生して以降、IFTTTはアメリカのみならず、日本や世界中で活用されています。
これからの時代、単純作業を軽減し、よりクリエイティブな分野に時間を割くための工夫は避けて通れません。
なので、IFTTT以外にもWebサービス連携アプリは数多く登場しています。
IFTTTが最も有名で使いやすいと思いますので、Webサービス連携アプリを初めて利用される方は、ぜひIFTTTから始めてみてください。
「IFTTTが連携できないサービスも使いたい」
「IFTTTではできない複雑なレシピを作りたい」
そう思ったときには、次のようなサービスを利用してみてください。
Zapier(ザピエル)
IFTTTに続いて登場した連携ツールで、“IFTTTを超えるツール”と位置づけられています。
・対応するWebサービスの数がIFTTTよりも多い
・「トリガー」から「アクション」までのタイムラグが短い
以上のようなメリットがありますが、「Zaps」(IFTTTでいう「レシピ」)を6つ以上並行して登録しようとすると有料になってしまうという点には留意すべきといえます。
Integromat(インテグロマット)
「インターネットの接着剤でありたい」
そんなポリシーを掲げるIntegromatは、チェコ生まれの連携ツールです。
IFTTTが「トリガー(A)⇒アクション(B)」というシンプルなレシピが基本である一方、Integromatの場合は「AをトリガーとしてBを行い、さらにCと連携させてDを行う」といった複雑な動作が可能です。
しかし一方、ツールの機能は少々複雑なので、初めて連携ツールを使う方向けというよりは、この方面に詳しい方向けになっているというところには留意すべきといえます。
まとめ
今回は、単純作業を軽減するためのツールとして、Webサービス連携アプリ「IFTTT」をご紹介しました。
最初にもお伝えしたように、ユーザーとの接点は増え続けています。これからのマーケティングにおいて、様々なメディアを同時に運用していくことは、避けては通れないでしょう。
新しいツールを導入するとなると、ハードルが高く感じてしまうかもしれません。
しかし、IFTTTはアカウントを作成したらすぐに使えるだけでなく、「あったらいいな」と思うレシピが大量に用意されているため、簡単に導入できると思います。
また、IFTTTは仕事だけでなくプライベートでも活用できます。
「降水確率が80%以上だったら、LINEで傘を持っていくようメッセージを送る」といったことはもちろん、最近ではGoogleホームなどのスマートスピーカーとの連携レシピも増えています。
テレビをつけたり、曲を流したり、「○○といったら××をして」といったレシピを作れば、より自分の生活にあったスマートスピーカーの活用ができます。
いきなり仕事やマーケティング活動に導入することが難しくても、まずは日々の作業を効率化することから始めてみてはいかがでしょうか。