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コンテンツマーケティングにおいて記事のリライトは、Googleからの評価を上げるため、検索ユーザーからの評価を上げるため、どちらの観点でも重要な施策です。
このページでは、記事リライトの「効果」「ポイント」「注意点」についてまとめて解説していきますので、コンテンツマーケティング用の記事をリライトを考えている方は参考にしてみてください。
記事のリライトとは
Webにおける「リライト」(Rewrite)は、単語の意味通り、書き直す(追記・修正する)という意味で使われています。
雑誌や書籍の場合は、印刷して発行してしまえば、基本的には書き換えられませんが、Web記事の場合は何度でもリライトできます。SEOの観点からも、定期的に記事をリライトすることは重要ですので、ポイントを押さえて行えるようにしておきましょう。
リライトで得られる効果
記事リライトをすることで、下記のような効果を得ることができます。
- 検索クエリとの関連性を高められる
- 最新の情報を取り入れられる
- UXを高められる
- 最終的にSEO順位UPにつながる
ここからは、各項目についてカンタンに解説していきます。
①検索クエリとの関連性を高められる
Googleが検索順位を決定するためのアルゴリズムに、「ランクブレイン(RankBrain)」というものがあります。
ランクブレインは、検索クエリ(検索キーワード)と記事内容の関連性をAIが判断するアルゴリズムです。2015年に導入され、現在でも重要なアルゴリズムとされています。つまり、SEOで上位表示を目指すには、検索クエリと記事内容の関連性を高めることが重要ということです。
記事を新規作成する際にも、検索意図などを考慮して、クエリと関連性の高い記事を目指して執筆している方がほとんどでしょう。ただ、検索意図は時間と共に変化していくものです。そうした場合でも定期的にリライトをすることで、クエリとの関連性を高めていくことができ、検索結果で上位表示を狙えます。
②最新の情報を取り入れられる
新商品に関する情報や時事問題などの「トレンド系」と呼ばれる記事の場合は特に、頻繁にリライトをして、最新の情報を取り入れていくのが重要です。
たとえば新商品の発売日やスペックが変更になった場合、いち早く記事を修正することで、検索ユーザーの信頼獲得につながったり、SEO的にも良い効果を得ることができます。
③UXを高められる
近年、SEOではUX(User Experience=ユーザー体験 検索ユーザーがその記事を読んだ時の満足度)が大事と言われています。(UXはGoogleのランキング要因ではないと明言されていますが、少なくとも間接的な影響はあるものと思われています。)
UXを測る指標としては、下記のようなものがあります。
- 検索結果画面でのCTR
- 直帰率
- ページ/セッション
- ページ滞在時間
- 読了率
など、上記のような指標となるデータを収集した上で、リライトを行うことで、UXを高めていくことができます。
④最終的にSEO順位UPにつながる
①~③で挙げた「検索クエリとの関連性」「情報の最新性」「UX」は、Googleが検索順位を決定する際に用いている指標です。
そのため、リライトを行ってこうした指標を改善していくことによって、最終的にはSEO順位の上昇、引いてはリード獲得などのCV増加につながることが期待できます。
記事リライトのポイント
ここからは、コンテンツマーケティング用の記事をリライトする際のポイントについて解説していきます。
何も考えずに記事が古いからという理由だけで、リライトを行うと検索順位が下がってしまう可能性があるため、注意しておきましょう。
リライトの前準備
実際にリライトを行う前に、必要なデータの準備を行っておきましょう。
■リライト実施前に集めておくべきサイトデータの例
- 直帰率
- ページ滞在時間
- 読了率
- 検索されているクエリと検索数・検索順位・CTR
- PV数
- ヒートマップ
これらのデータを基に、リライトする記事や内容を決め、リライト後の効果測定を行います。
検索意図を再確認する
記事を執筆した際の検索結果と数か月後の検索結果では、まったく内容の違う記事が上位表示されている場合があります。その場合、クエリの検索意図が変わったことが原因かもしれません。
例えば「マスク メイク」というクエリの場合、コロナが流行する以前は「マスクをしても落ちないメイク方法」を知りたい方が多かったのが、今だと「マスクをしていても見える目元などのメイク方法」が検索意図になった。というような変化です。(あくまで例ですので、実際の検索意図とは異なります)
このような場合は、新しい検索意図に合わせてリライトを行う必要があるため、まずは上位表示されている記事の内容を参考にして、最新の検索意図を確認しましょう。
関連キーワード・サジェストキーワードを再調査
検索意図と同様、メインで狙うクエリの「関連キーワード・サジェストキーワード」も変わることがあります。
関連キーワード・サジェストキーワードは、SEOで上位表示を狙う際には必ずチェックしておくべきポイントです。ここでは詳細な説明は割愛しますが、上位表示を狙いたいキーワードの関連キーワード・サジェストキーワードは、なるべく記事内に含めることで、上位表示できる確率を高められます。
記事をリライトする際に、改めて関連キーワード・サジェストキーワードを調べてみて、執筆時と変わっているようであれば、記事内容もそれに合わせてリライトしましょう。
関連キーワード・サジェストキーワードは手打ちで調べることも出来ますが、調査ツールを利用することでカンタンに調査できます。
【用語説明】
関連キーワード:Googleでキーワードを検索した際、ページ下部に一覧で表示されるキーワードのこと。
例)「交通情報」と検索すると、「ハイウェイ交通情報」「渋滞情報 アプリ」などが表示されます。
これらのキーワードは、検索キーワードと関連していて、検索ボリュームの大きいものをGoogleが抽出して表示したものです。サジェストキーワード:Googleの検索窓にキーワードを打ち込んでいる途中で表示されるキーワードのこと。
例)「交通情報」と打ち込んでみると、「交通情報 電車」「交通情報高速」などが表示されます。
過去の検索履歴や位置情報を基に抽出されるので、関連キーワードとは別のものが表示されることも多いです。
情報を最新化する
発売前の商品に関する価格・発売日・スペックなどの予定を書いる場合、発売後に確定情報にリライトすることで発売後に検索して記事に訪問してくれたユーザーに役立ちます。発売日が過ぎても、発売前の予定の情報しか書かれていない場合、ユーザーの検索意図を満たすことができず、ほとんど読まずに離脱されてしまうでしょう。
Googleとしても、ユーザーの役に立つ記事を上位表示したいので、発売前の時点では上位表示できていたとしても、発売後には順位を落とされてしまう恐れがあります。このような新商品などに限らず、常に最新の情報にリライトすることでSEO上位表示の確率を上げることができます。
UXを改善する
UXの改善を意識できると、リライトの成功率は大きく上がります。Googleもユーザーの役に立つ記事を上位表示したいので、リライトでUXを改善できれば、間接的に検索順位UPにも繋がります。
UXを改善するには、事前準備で用意した各種データを使ってリライトしていきます。
- 直帰率
- ページ滞在時間
- 読了率
- 検索されているクエリと検索数・検索順位・CTR
- PV数
- ヒートマップ
改善方法は色々ありますが、下表で一例を挙げていきます。
リッチスニペット・強調スニペットを狙うなど、サーチコンソールやアナリティクス、ヒートマップなどのツールを使って数値データの変化を見ながらリライトを続けていきましょう。
スニペットとは、Google検索結果画面で、ページタイトルの下に表示される部分です。通常は、以前はmeta descriptionに記載した内容が反映されていましたが、現在はそれに加えて、下記のような様々な内容が表示されるようになっています。
- 商品やサービスのレビュー
- 動画のサムネイル画像や再生時間
- Q&A
- 料理のレシピや調理時間
- 求人情報
- イベントの場所や日時
このようなmeta description以外の情報が表示されたスニペットが、「リッチスニペット」と呼ばれるものです。
また、Knowクエリ(何かを知りたいという意図で検索されるクエリ)の場合、通常の検索結果より上に「強調スニペット」が表示されることがあります。強調スニペットは、ユーザーの質問(クエリ)に対する答えを表示するものです。
リッチスニペットや強調スニペットが表示されたサイトは、検索結果画面で目立つので、結果としてCTRが高まることが期待できます。
リッチスニペットや強調スニペットは、何かをすれば必ず表示されるというものではありませんが、下記のような施策を行うことで表示の可能性を上げることができます。
- まずは1ページ目(10位以内)に上位表示する
- ページ内で質問(クエリ)に対する簡潔な答えを書く
- リストタグ(ul/ol)を使う
- テーブルタグを使う
記事リライト時の注意点
記事のリライトをすることには、メリットがたくさんありますので、可能であれば定期的に実施しましょう。ただし、いくつか注意点もありますのでリライトを行う際はチェックしておいてください。
リライトで順位が下がることもある
リライトした結果、SEO順位が下がってしまうことがあります。
順位が下がってしまう原因として考えられるのは、リライト時に不必要だと思って削った内容が、検索ユーザーにとっては必要なものだった場合に、直帰率が上がってしまってSEOに悪影響が出てしまったパターンなどが考えられます。
こうした失敗を防ぐためには、リライト前の準備が大切です。上位表示している他サイトの内容や関連キーワード・サジェストキーワードの確認、ヒートマップで自ページの読まれている箇所の確認をしっかり行うことで、リライトするべき内容、しないほうがいい内容が正しく判断できるようになります。
【リライト前の内容に戻せば順位も戻る?】
リライトして順位が落ちてしまった場合、内容を元に戻せば検索順位も戻る場合もありますが、残念ながら戻らない場合もあります。
原因はハッキリとは分かりませんが、そもそも順位下落したのがリライトのせいではなく、リライトしていなくてもどこかのタイミングで下落していた可能性があります。また、リライト後に一時的に順位下落し、数日~1週間程度で元の順位に戻る場合もあるため、すぐに判断せず長期的に効果を測定していきましょう。
リライト後はサーチコンソールからURL検査を行う
リライト後は、何もしなくてもいずれGoogleのクローラーが回ってきて、リライトした内容を読み込んでくれます。
クローラーの巡回を待っているだけだと、リライト内容が反映されるのに時間がかかってしまう場合もあるため、サーチコンソールから「URL検査」を行って、クローラーを呼び込みましょう。
【コンテンツマーケティング】記事リライトの重要性とポイント まとめ
この記事では、記事リライトの効果やポイントを解説してきました。
リライトは新規記事の作成と同じぐらい重要な施策ですが、やみくもに行うとかなりの工数がかかってしまいます。反対に何も考えずにリライトを行うと検索順位の下落につながることもあります。まずはリライトすべき記事を見極めた上で、ポイントを押さえたリライトを行いましょう。