長時間労働で疲弊するビジネスマンが多いという現状を正すため「働き方改革」が進められ、少子高齢化に伴う人手不足に悩まされる企業が増えている昨今。
「業務の効率化」について考えることは、無駄を省き、少ない時間でも充実した内容の仕事を行うために必要不可欠です。
今回のテーマは、ビジネスシーンにおいて「業務効率改善」を実現するアプリケーションについてです。
その中でも、Googleが無料で提供しているアプリケーションを紹介します。
業務の効率化の重要性
企業の目的は利益を上げることです。そのための方法は大きく2つあります。
一つは「稼ぐ」こと。広告・マーケティング・セールスにより、顧客・クライアントからお金をいただくことです。
もう一つは「抑える」こと。どれだけ売り上げが上がっても、それ以上の出費があれば赤字です。利益を上げるためには、稼ぐことと同じくらい、ムダを抑えることが重要になってきます。
業務効率化の主な目的は、人件費をはじめとする様々なコストを抑え、短時間で利益の最大化を図ることです。
企業にとってはもちろん重要ですが、プライベート、個人的な活動においてもいい影響があります。
業務効率化のツールは有料、無償さまざまなものがあります。
Googleはそんな中でプライベートはもちろん、小さなチームでも気軽に活用できる無償のアプリケーションを提供しています。
今回は特に「スプレッドシート」「Googleカレンダー」を中心に紹介してみたいと思います。
編集・管理・共有がExcelより充実!「スプレッドシート」
「スプレッドシート」は、マイクロソフトの表計算ソフト「Excel」の上位互換的な機能性の高さを誇るアプリケーションです。グラフや表、各種のリストを便利に作成できるExcelの機能を、ネットのブラウザ上で使えるというのが「スプレッドシート」の基本です。
最大のメリットは、複数人でドキュメントをスムーズに共有できるということでしょう。
たとえば、同じプロジェクトチームに属するスタッフが「共同編集者」としてシートを共有することで、より資料の精度を上げたり、スムーズに情報を伝達・共有したりすることができます。
Excelであれば編集したファイルを都度共有する必要がありました。それにより、手間が増えることはもちろん、上書きミスによる巻き戻りや、チームメンバーで持っている資料が微妙に違うなど、困った問題が多くありました。
しかし、スプレッドシートであればブラウザ上で複数人が同時に編集できるため、常に全員が同じ資料を持っており、巻き戻り等のリスクも共有の手間も必要ありません。
メンバーによって閲覧者、編集者など権限を変更することもできるなど、ビジネスシーンで使いやすい機能もあります。
また、スプレッドシートはExcelとの互換性が高いアプリケーションです。Excelファイルをスプレッドシート上で編集したり、スプレッドシートで作成したドキュメントをExcel形式で保存したりすることもできます。
また、Excelで使用する「関数」を、スプレッドシート上で同じように使用することも可能です。
「Excelに慣れ過ぎてるので使いこなせるか不安」という方もいらっしゃるかと思いますが、スムーズに移行し、使いこなすことができるでしょう。
さらに、“専用のスマホアプリ”がリリースされていることもポイントです。電車の到着を待つ駅のホームで、あるいはひと休みするために入ったカフェで……オフィスでパソコンを前にするときと同じように、スマートフォンを使ってスプレッドシートの作成、編集などを行うことができます。
ビジネス資料の多くはExcelで作っていると思いますが、よほど特殊な機能を活用していない限り、すべてスプレッドシートに置き換えられるといっていいでしょう。
チームでの資料作成・共有が多い職種の場合、Excelをスプレッドシートに置き換えるだけで、かなりの時短、トラブル防止に繋がります。
ムダ・ムラ・ムリを解消する!「Googleカレンダー」
スプレッドシートは、簡単にいえばチームで共有できる表計算ソフトです。営業成績の集計やクライアント情報の管理など、ビジネスに必要な資料作成で役立ちます。
一方、「Googleカレンダー」はチームに属する個々人のスケジュール管理を一括で行い、情報を共有できるアプリケーションです。
個人のスケジュールを設定することはもちろん、チーム単位のスケジュールを登録したりと、通常のカレンダーにはないビジネス向けの機能が数多くあります。
業務効率改善には、いわゆる「3M」「ダ・ラ・リ」を解消することが必要とされています。
- スケジュールに「ムダ」がある
- メンバー個々の仕事量や技量に「ムラ」がある
- スケジュールがキツ過ぎるなどの「ムリ」がある
それぞれの頭文字のアルファベットをとって「3M」、それぞれの2文字目を並べて「ダ・ラ・リ」ですが、業務改善の基礎ともいうべき要素です。
Googleカレンダーを活用すれば、ムダのないスケジュールをたて、チームで共有することでムリやムラをなくすことができます。
もちろん、スプレッドシートと同じくGoogleカレンダーもスマホアプリを使っていつでもどこでも手軽に使うことが可能です。
自分のGoogleアカウントから仕事用とプライベート用のカレンダーを作成し、仕事用のみをチームで共有することもできます。
通知機能も豊富で、少し知識があればLINEに通知を出すこともできます。
スケジュール、タスク管理のアプリや手法は数多くありますが、無料で使えるものの中でGoogle以上のものはなかなかありません。
現在のツールに不満があるなら、さっそく使ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は業務を効率化する方法として、Googleのスプレッドシートとカレンダーをご紹介しました。
特に、社内ツールをExcelからスプレッドシートに切り替えた場合のインパクトは大きいでしょう。単純な機能を比較するとまだExcelのほうが豊富ですが、基本的なビジネス資料の作成に必要な機能はそろっています。そのうえ、共有や編集・管理のしやすさというメリットがあるため、ぜひ導入してみてください。
業務の効率化は非常に大きなテーマです。
最近では、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、PC上の単純作業を自動化するツールも多く登場し、働き方改革の一環として国も後押ししています。
サブスクリプションモデルのサービスが一般化した今では、無料で使えるツールも数多くあります。
こうしたサービスを業務改善に活かすコツは、「むやみにいくつも導入しないこと」です。ツールの学習コストやツールの互換性など、余計な問題が出てくるので、「タスク管理はこれ」「資料作成はこれ」「スケジュール管理はこれ」と絞って使ったほうがいいでしょう。