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生活のデジタル化が進み、消費者はWebメディアやSNSを利用して欲しい情報をより能動的に探すようになりました。これに応えるため、企業の営業活動にはコンテンツマーケティングの重要性がますます高まっていくと言われています。
結果を出すコンテンツマーケティングには「情報資産」の蓄積が何より大切です。そのため、質の高い情報資産を作り続けることは企業の営業活動のなかで重要な仕事の一つです。
情報資産には動画や画像などもありますが、なかでも価値が高いのは記事コンテンツです。Webの記事コンテンツは一般的な文章とはちがい、独特のコツを踏まえて書かなければ思うような結果が出ません。
また、記事コンテンツを作るうえでWebライティングのスキルは欠かせないものとなっています。
そこで今回では、コンテンツマーケティングの重要性や、オウンドメディアにおける記事作成の目的と合わせて、読まれる記事を書く5つのコツを紹介いたします。
コンテンツマーケティングの重要性
コンテンツマーケティングとは、マーケティング(売上・利益獲得)やブランディング(認知拡大)を目的として、綿密に設計した情報をオウンドメディア(自社で保有するメディアの総称)で発信し、気になる情報を得るために、見込客側から発見してもらえるように仕掛けるマーケティング手法です。現在の企業活動において、コンテンツマーケティングを行うことは当たり前になっており、さまざまな企業がオウンドメディアを運営しています。
オウンドメディアには自社発行の情報誌やWebサイト、ブログなどさまざまな種類があります。サービスの誕生秘話やアップデートの計画、こだわりのポイント、携わる技術力の高いスタッフ紹介など、他のメディアでは掲載しにくい魅力を消費者に広く伝えることができるため、自社ブログは特に有用です。
自社ブログは記事を蓄積すればするほど情報資産としての価値が高まります。
一度作ってしまえば営業活動のあらゆる場面で活躍する半永久的な集客装置とも言えます。
ただ、ブログで安定的に集客できるようになるには少なくとも100本以上の記事が必要ですし、ユーザーから評価される記事を書くにはスキルも必要になります。
記事コンテンツを作成する目的
記事コンテンツを作り、オウンドメディアを更新する目的(KPI)は「SEO対策」と「見込顧客情報の収集」。主にこの2つで、最終的にはサービス契約や商品購入といった見込顧客からの売上獲得がゴール(KGI)になります。
オウンドメディアはWeb広告のように売上直結の施策ではなく、長期的な運用で効果を発揮する施策です。
集客力を高め維持するためのSEO対策と、見込顧客のニーズを知り消費行動を喚起するための情報収集が鍵になります。
SEO対策
記事コンテンツを作成する一つめの目的が「検索エンジンでの上位表示化を目指すSEO対策」です。SEO(Search Engine Optimization)は、日本語で検索エンジン最適化とも呼ばれます。
検索エンジンで上位表示されなければ、オウンドメディアはなかなかユーザーに見つけてもらえません。検索順位が1位のサイトでも平均クリック率は28.5%。2位にいたっては15.7%、3位であれば11.0%まで下がります。
検索順位が下がれば下がるほど訪問者数は減っていくので、オウンドメディアにおける記事作成にはSEO対策が非常に重要です。
SEO対策を意識したWebライティングでは「タイトルは32文字以内に収める」や「見出し(h1、h2、h3)や階層構造を明確にする」など大切なルールが様々ありますが、これらのSEO対策の中でもっとも大切なことは「読者にとって有益なコンテンツを作ること」です。
見込顧客情報の収集
記事コンテンツを作成する2つめの目的は「見込顧客情報の収集」です。
オウンドメディアで自社のノウハウや有益な情報を惜しみなく提供することで「メルマガ登録」や「お問い合わせ」などユーザーの行動喚起が可能となり、リストマーケティングに用いるメールアドレス・会社名・電話番号などの貴重な顧客情報が集まります。
リストマーケティングは「集めて選別する」が基本です。メディアで集めたユーザーリストを質の高い見込み客・準見込み客・その他に選別して利用すれば、効率良く顧客にアプローチできます。
また、オウンドメディアは顧客との継続的な関係づくりにも役立ちます。一度自社を利用してくれた顧客に対して有益なコンテンツを定期的に届けることでファンになってもらえたり、新たな契約獲得にも繋がります。
読まれる記事を書く5つのコツ
1.結論ファースト
Webライティングでは文章の結論から書くことが鉄則です。結論から書くことでユーザーは内容をいち早く把握できます。書かれている内容がすぐにわかれば、ユーザーは読み進める価値があるかどうかを判断できます。
Web上の文章を読むユーザーは想像以上にせっかちです。知りたいこと、調べたいことをすぐに見つけられないコンテンツはあっという間に離脱されます。
ユーザーがコンテンツを読んでいる時間(滞在時間)はSEOにも大きな影響があります。滞在時間が長ければ長いほど検索エンジンから良い評価を得られます。Webライティングでは「結論から書く」ことを徹底してください。
2.ベネフィットを伝える
Webライティングで読まれる文章を書くには「ベネフィットを伝える」必要があります。ベネフィットはメリットと混同されることが多いですが、意味は異なります。
メリットは「価値ある特徴・利点・長所」、ベネフィットは「商品やサービスから得られる効果・恩恵・便益・利益」を意味しています。訴求力の高い記事を書くときに欠かせない要素なので、可能な限り文章に盛り込みたいところです。
メリットとベネフィットの違いについて、もう少し具体例をあげて紹介します。
たとえば、見込顧客に自社の商品を宣伝するときは特長や長所(メリット)を添えるのが一般的です。
そうすることで、表面的または一方的に商品の魅力を伝えることはできます。
しかしこれだけでは、”自分ゴト化”させることが難しく、押しの弱い宣伝になってしまいがちです。
商品を使うことでもたらされる自分自身への具体的な価値(ベネフィット)を想像させることができれば、より強い関心を持ってもらえます。
ベネフィットがなかなか思いつかない人はメリットに対して「だから何?」と問いかけることで、ヒラメキやすくなるのでオススメです。
3.簡潔にまとめる
読者の閲覧環境を意識して「文章は簡潔に」まとめてください。
現在はパソコンよりもスマホ利用者が多い時代です。以前とは違いWebコンテンツもスマートフォンや通勤時の隙間時間を利用して読まれることが増えています。
そのため、小さな画面や少しの時間で読みやすく伝わりやすい文章を書く必要があります。一文をできるだけ短く書き、長くなりそうであれば箇条書きや表を使うと内容が伝わりやすくなります。
4.数字は具体的かつ根拠を示す
SEO対策を意識したWebライティングでは、可能な限り具体性のある正確な数字を例にあげて根拠を示すことが大切です。
たとえば、先述した検索順位とクリック率の関係性について、1位表示のクリック率を約29%と書くか28.5%と書くかで具体性に大きなちがいが出ます。
検索ユーザーが10,000人いると仮定して1位表示のサイトをクリックする人数を算出する場合、クリック率が約29%では2,900人です。対して28.5%では2,850人となり、50人の誤差が生まれます。この誤差は元となる数字が大きくなればなるほど広がります。データは具体的であればあるほど情報の精度が増し、読者に有益な情報となります。
データの引用には参照元リンクの記載が必要ですので、合わせて注意してください。
5.潜在ニーズを満たす
記事を読み終わったあとに生まれる「潜在ニーズまで満たす」ストーリー設計も重要です。
顕在ニーズは検索キーワードとイコールであり、検索からオウンドメディアに辿り着いた読者の顕在ニーズを満たすことはWebライティングのなかでも基本中の基本です。
しかし検索エンジンで上位表示されるためには顕在ニーズを満たすだけではなく、「潜在ニーズ」までも満たすオリジナリティの高い情報を記事に盛り込むことが必要です。
「潜在ニーズ」とは読者が自覚していない悩みや疑問のことです。顕在ニーズを満たした後に生まれるであろうこれらの情報を予想してコンテンツに盛り込んでいくのがオススメです。
自分が知りたかった情報に加え、次に浮かんできた疑問にまで応えてくれるコンテンツは読者の満足度を大いに高め、他サイトとの差別化も図れます。
読まれる記事を書く5つのコツ まとめ
今回はユーザー視点のWebライティング技術を軸に、読まれる記事を書く5つのコツを紹介しました。
月並みにはなりますが、何度も推敲し丁寧でわかりやすい表現を模索し続けることが、ライティングのスキルアップにつながります。慣れないうちは記事を1本仕上げるために、多くの時間が必要です。オウンドメディアに掲載する記事を書くのであればSEOの知識も必要なため、難易度はさらに高くなります。
「オウンドメディアを運営したいが、継続的に記事を作成できない」という人は、Webライティングを代行してくれる代理店に相談するのも一つの方法です。代理店であれば、ユーザーに有益でSEO対策も万全なコンテンツを提供してくれます。代理店によってはメディア運営自体をすべてまかせることも可能です。
今後、企業にとってのコンテンツマーケティングの必要性はますます大きくなることが予想されます。同業他社に後れを取らないためにも、まずは代理店に相談してみてはいかがでしょうか。