SEO評価に重要な【E-A-T】とは?Googleが求める品質を徹底解説

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E-A-T

「GoogleのクローラーがWebサイトを巡回して情報を読み取り、アルゴリズムがSEOを評価する。」WebサイトのSEO対策を行っている方なら、クローラーとSEOの基本的な仕組みはご存知でしょう。

では、GoogleがWebサイトを”人の手によって評価”していることをご存知でしょうか?

もちろんすべてのページに対して手動評価を行っているわけではありませんが、Googleは「評価者」と呼ばれる人を採用し、評価者が実際にWebサイトを見て評価しています。

機械的なアルゴリズムで評価するだけでは限界があるので検索品質評価ガイドラインに沿って人が評価することで、検索結果の品質を高めているのです。

SEO対策を行っている方なら、検索品質評価ガイドラインやE-A-Tという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。今回はこれらがどういうものなのか、実際にSEO評価を上げるためになにをすれば良いのか、について紹介していきます。

検索品質評価ガイドラインはSEO評価にどこまで影響する?

「検索品質ガイドライン」と聞くと、GoogleがSEO評価を行う時に使っていて、それをもとにアルゴリズムを作っているように思えますが、そうではありません。

これはあくまでも「評価者」と呼ばれる人がWebサイトを評価する時の基準で、その結果はアルゴリズムに組み入れられていません。評価者に低く評価されたらSEO評価が悪くなるように思えますが、評価者があるWebサイトを高く評価しても、低く評価しても、検索順位にはなんの影響もないのです。

ではなぜSEO対策で、検索品質評価ガイドラインやその一部であるE-A-Tを意識する必要があるのでしょうか?

理由はシンプルで、検索品質評価ガイドラインは「Googleがどのページを高く評価したいか」「Googleはなにを良いサイト、悪いサイトと考えているのか」をまとめた資料だからです。Googleは検索品質ガイドラインを「レストランにあるお客様アンケートのようなもの」と言っています。

あなたがレストランのオーナーだったらどうでしょうか。

「この料理はおいしくない」とアンケートに書かれていたからといって、すぐにメニューから外すことはしないでしょう。でもそういう回答が多ければ、料理を改善するかメニューから外すことを考えるはずです。また「この料理が一番良かった!」という声が多ければ、メニュー表の目立つ部分にその料理を載せるでしょう。

こういったレストランのアンケートと同じようにGoogleは検索品質ガイドラインを使用しています。直接SEO評価に使用するわけではありませんが、このガイドラインで高く評価されたWebサイトを、アルゴリズムが高く評価できるように改善していきたい、と考えているのです。

実際、Googleもウェブマスター向けブログの中で次のように言っています。

最適なコンテンツに関するアドバイスを紹介するもう一つのリソースとして、検索品質評価ガイドラインをご紹介します。

品質評価者がどのようにコンテンツの品質を評価しているかを理解すれば、コンテンツの改善に役立てることができるかもしれません。そして、コンテンツを改善することで、Google 検索での掲載順位も改善される可能性があります。

引用:https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html

Googleはアルゴリズムの中身を教えてくれません。また日々微調整を繰り返し、たまにコアアップデートと呼ばれる大幅な変更も実施します。その度にSEO担当者はアルゴリズムの中身を推測し、アップデートに対応したSEO対策に切り替え、評価を高めるために試行錯誤しなければなりません。

しかし検索品質ガイドラインの内容を知っていれば、もうアルゴリズムアップデートに慌てる必要はありません。なぜならGoogleは検索品質ガイドラインの基準を満たすWebサイトを、アルゴリズムでも高く評価できるようにアップデートを行っているからです。

そして、その検索品質ガイドラインで非常に重要な項目が今回紹介するE-A-Tです。

Googleが重視するE-A-T

Googleの検索品質ガイドラインに日本語版はありませんが、一般公開されていて誰でも読むことができます。175ページもある膨大な資料となりますが、この中でE-A-Tという単語は何回も出てきます。

For all other pages that have a beneficial purpose, the amount of expertise, authoritativeness, and trustworthiness (E-A-T) is very important. Please consider:

  • The expertise of the creator of the MC.
  • The authoritativeness of the creator of the MC, the MC itself, and the website.
  • The trustworthiness of the creator of the MC, the MC itself, and the website.

意訳:

すべてのページにおいて、専門性、権威性、信頼性(E-A-T)が非常に重要です。

・製作者/Webサイトの専門性

・製作者/Webサイトの権威性

・製作者/Webサイトの信頼性

引用:検索品質ガイドライン202010月版

ここでGoogleは、医学的アドバイスは専門知識を持ち、認定を受けた人や組織によって作成されるべきで、定期的に編集、見直し、更新されなければならない。ニュース記事はジャーナリズムに基づくファクトチェックなどのプロセスを公開しなければならない、などと説明しています。

その範囲は医学や科学、法律などはもちろん、家のリフォームや子育て、写真やギターなど趣味に対しても高いE-A-Tが必要である、としています。

さらに最高品質のページとはなにかについて、次のように書かれています。

Highest quality pages are created to serve a beneficial purpose and achieve their purpose very well. The distinction between High and Highest is based on the quality and quantity of MC, as well as the level of reputation and E-A-T.

What makes a page Highest quality? In addition to the attributes of a High quality page, a Highest quality page must have at least one of the following characteristics:

  • Very high level of Expertise, Authoritativeness, and Trustworthiness (E-A-T).
  • A very satisfying amount of high or highest quality MC.
  • Very positive website reputation for a website that is responsible for the MC on the page. Very positive reputation of the creator of the MC, if different from that of the website.

意訳:

最高品質のページは、有益な目的のために作成され、その目的を達成しています。最高品質のページは、以下の特徴のうち、少なくとも1つを備えていなければなりません。

・非常に高いレベルの専門性、権威性、信頼性(E-A-T

・非常に満足のいく量の高品質または最高品質のコンテンツがあること

Webサイトやコンテンツの製作者に対する肯定的な評価が非常に多い

引用:検索品質ガイドライン202010月版

つまりすべてのWebサイトにとって、Googleから「最高品質のWebサイトだ」と認められるためには、Webサイトやコンテンツ、製作者の専門性、権威性、信頼性(E-A-T)を高める必要がある、ということです

Googleの検索品質評価ガイドライン

Expertise(専門性)評価を高める方法

E-A-T要素の1つ目は「Expertise(専門性)」です。

例えば風邪をひいて「風邪薬 おすすめ」と検索したとします。この時、どんな記事が検索結果の上位に表示されてほしいですか?

「自分はこれを飲んだら治ったよ」という個人ブログより、医師や薬剤師が専門的な観点から複数の薬の仕組みなどを解説しているページが上位に表示されてほしいと思うのではないでしょうか。

専門性とは、そのコンテンツとWebサイトの内容が、詳しく正確で目的を達成するのに十分(ユーザーにとって価値がある)であるか?という項目です。

専門性を高める最も効果的な方法は、コンテンツの質をあげることです。

文字数とSEO評価にはなんの関連もありませんが、さまざまな調査から、文字数の多いページのほうが上位化されやすいこともわかっています。

文字数が多いからSEO評価が高いのではありません。鮮度が高く正確で情報を網羅しているコンテンツを作るには、ある程度の文字数が必要になってきます。結果的にそうしたコンテンツが高く評価され、検索結果で上位化されやすいのです。

また専門性はコンテンツ(ページ)単位ではなく、Webサイト全体でも評価されます。

Webデザインのテクニックを調べている時、趣味の雑記ブログでWebデザインの記事を書いている人のコンテンツより、デザイン事務所や制作会社が運営するWebデザイン専門メディアのほうが専門性が高いと感じるのではないでしょうか。

自分が病気にかかった時、あらゆる病気のスペシャリストですという医師より、この病気の治療だけを30年やってきました、という専門家の方が安心できるでしょう。

そのためテーマが大きく違うものはドメインやURL構造を変えるなどして「特定の分野における専門家」と認められたほうが効果的です。

オウンドメディアの立ち上げに100本程度の記事が必要なのも、特定のテーマでそれだけの記事を書くことでGoogleから「このWebサイトは専門的だ」と評価され、SEOに効果的だからです。

Grabでは以前、ピラーコンテンツとトピッククラスターを使ったSEO対策を紹介しましたが、これも関連するコンテンツを多く作り、それぞれをリンクすることで、Googleから「この分野について多くのコンテンツを出している専門家だ」と評価してもらうことを目的としています。

Authoritativeness(権威性)評価を高める方法

次の要素は「Authoritativeness(権威性)」です。

実は検索品質ガイドラインでは、E-A-Tが重要であるということはたびたび出てきますが、なにを持って専門性が高いのか、権威があるのか、といったことは説明されていません。その判断は評価者に委ねられています。

そのため確実なことは言えませんが、逆に言うと一般的な意味で「権威性がある」と評価されれば良いということです。

一般的に権威性があるとはどういう状況を指すのでしょうか。

分かりやすいのは被リンク数です。多くの人がその記事を引用しているなら、権威性が高いと考えられます。SNSなどで第三者からよく言及されている人、知名度が高い人も権威性が高いでしょう。あとは資格や実績などでしょうか。

執筆者の情報を見た時、その分野で本を何冊も出版していて、講演会にもよく呼ばれている人と、ただ肩書だけが書いてある人なら、前者のほうが権威性を感じませんか。

権威性を高める方法は、できるだけ著者情報を詳しく、しっかりと書くことと考えられます。

Googleは「Generating Author Vectors」という特許を2020年3月に出願しました。この特許技術は、ページに名前が明示されていなくても、文章のスタイルだけでネット上の著者を識別できるようにするものだそうです。

つまり、Googleはたとえ著者情報がなくても、著者を識別し、SEO評価に使おうとしているのです。こういった点から見てもGoogleが著者情報を重要視していることがわかります。

当然Googleの特許技術に頼るより、自分でちゃんと権威性のある著者情報を書いておいたほうが、Googleにとってもユーザーにとってもわかりやすいため、著者情報は明記しておくと良いでしょう。

Trustworthiness(信頼性)評価を高める方法

最後の要素は「Trustworthiness(信頼性)」です。

これも一般的な解釈で、どんなWebサイト、コンテンツなら信頼できるかを考えると、解決策が見えてきます。

SSL化されたWebサイトであることは絶対条件です。今ではSSL化されていないWebサイトにアクセスすると「この接続ではプライバシーが保護されません」というページが表示されたり、アドレスの部分に「保護されていない通信」「安全ではありません」などと表示されてしまいます。

この状態では信頼性は全く無いと言えるでしょう。

またプライバシーポリシーや運営者情報、企業情報へのURLがあるかどうかも信頼性に影響します。権威性と被りますが、著者情報も重要であったり、コンテンツそのものが専門的かどうかも信頼性に影響します。

忘れがちなのが、情報の鮮度です。

「ワードプレス SSL化 方法」と検索した時、2012年の記事と2021年の記事があったら、どちらを読みたいですか?2012年の記事もその時は正確で分かりやすい記事だったかもしれませんが、今その方法でSSL化できるのか怪しさを感じます。

「おすすめWebデザインツール」のような記事でも、情報が古いとそのサービスがそもそも無くなっている可能性もあります。もし紹介しているサービスがすでに無くなっていたら、読み手にとっては間違った情報、役に立たない情報ということになります。

当然、リンク切れも信頼性を損なう要素です。

定期的な記事の更新やリンク切れの確認は、信頼性評価を上げるための基本的で簡単な方法です。

E-A-Tは主観。できることは全部やろう

今回は検索品質評価ガイドラインで重視されているE-A-Tについて紹介しました。

GoogleのSEO評価は検索エンジンのアルゴリズムによって行われていますが、実はその裏で大量の人が実際にコンテンツを見て、ガイドラインに従って評価しているというのは驚きだったかもしれません。

ちなみに、Googleは2019年に464,065 件以上のテストを実施し、3,620 件を超える改善を加えたと発表しています。この464,065 件以上のテストのうち、40万近くが検索品質ガイドラインに沿って外部の評価者が行ったテストです。

検索品質評価ガイドラインの評価が直ちにSEO評価に影響するわけではないとはいえ、ガイドラインを知っておくこと重要性が分かるのではないでしょうか。

またこの事実を知っていれば、もうアルゴリズムアップデートに慌てる必要はありません。アップデートの多くは検索品質評価ガイドラインに沿った評価を、検索結果に反映するためのものなので、日ごろからガイドラインを意識しておけば良いのです。

今回はそんな検索品質評価ガイドラインから、非常に重要な項目である「E-A-T」を中心に紹介しました。

「E-A-T」には特別な定義はありません。Googleが「〇〇があれば専門性があり、××の場合は専門性が低い」といった基準を設けているわけではなく、あくまで評価者の主観に委ねられています。

だからこそ「E-A-T」でやるべきことは簡単です。私たちが「こうすれば専門的に見えるんじゃないかな?」「こうだったら権威性が高いと思ってもらえるかも」「こうしたら信頼性があがるよね」と思ったことをそのまま実行に移せば良いのです。

自社のWebサイトを眺めて「もっとこうだったら専門性・権威性・信頼性が高まりそうだな」と思ったことは、積極的にやってみてください。すぐにSEO効果が得られるとは限りませんが、ユーザーから見ても評価が高くなれば、いずれアルゴリズムに組み込まれ、SEO評価も良くなるはずです。地道な努力が必要ですが、ぜひ取り入れてみてください。