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覚えておいて損はない!顧客を動かすマーケティング心理学6+20選

覚えておいて損はない!顧客を動かすマーケティング心理学6+20選

マーケティング心理学という言葉をご存知ですか?

有名なものに「サブリミナル効果」がありますね。
非常に短い時間に表示されたり、気付かないところに隠されているメッセージを感じ取り、潜在意識に作用して行動に影響を与えるというものです。都市伝説的に「○○の広告に××が!」のような記事も多く見かけられますが、広告業界としてはタブー視されている心理効果です。

しかし、広告・マーケティングではこうした心理効果が様々なシーンで使われており、「マーケティング心理学」といわれています。
サブリミナル効果のように、消費者が認識していないところで操作しようとすることは倫理上やってはいけませんが、適切に活用することで自社商品の魅力を伝えることができます。

「満足度97%!」というキャッチコピーは見かけても、「不満足度3%!」というキャッチコピーはみかけませんよね?
それはなぜでしょうか? ちゃんとマーケティング心理学に基づいた理由があります。

今回はそうしたマーケティング心理学を、全部で26個紹介します。

顧客を動かすマーケティング心理学|影響力の武器で紹介された6つの心理効果

マーケティング心理学という言葉が注目され始めたのは、1990年代、ロバート・チャルディーニ氏が出版した「影響力の武器」という本からでしょうか。日本では「影響力の武器 第三刷」の出版を機に、「マーケティング心理学」という言葉が注目を集めました。
この本の中では、チャルディーニ氏が行ってきた数々の実験をもとに、人がどのような心理効果に影響されるのかを解いたものです。

細かく分類すれば数百ものマーケティング心理学の理論が言われていますが、基本的にはチャルディーニ氏がいう「返報性のルール」「コミットメントと一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」という6つに集約されます。
なので、まずはこの6つを簡単に紹介しましょう。

この6つを抑えたうえで、実際に応用できるテクニック的なマーケティング心理学をいくつか紹介します。

返報性のルール

マーケティング心理学:返報性のルール
「誰かから何かしてもらったら、何かをお返ししななくてはならないと感じてしまう」という心理を返報性のルールといいます。
これは人間が社会的動物として進化する中で根付いたものです。人から何かをされて、何も返さないことに対し、多くの人は居心地の悪さや不快を感じます。

職場でちょっとしたお菓子を頻繁に渡す人のプロジェクトはうまくいきます。
なぜなら、ちょっとしたお菓子を渡すことで、渡された人は何かしらお返しをしないといけない、職場であれば仕事で貢献しなければいけないと感じるからです。

営業やマーケティングでもかなり応用されている心理効果です。

コミットメントと一貫性

「一度何か決定したり宣言してしまうと、それをひっくり返して別の意見を述べにくくなる」という心理を、コミットメントと一貫性といいます。
成功哲学では、夢や目標を紙に書いたり、人に行ったりすることが推奨されていますが、これもコミットメントと一貫性を利用したものです。

営業やテレアポのテクニックの一つに「イエスセットトーク」というものがあります。イエスセットトークとは、相手が「イエス」と答えるような簡単な質問を繰り返し、「ノー」と答えるか迷う質問でも「イエス」といわせてしまうものです。
あなたも「あれとってきて」と頼まれた後、「ついでにあれもお願い」といわれたらなかなか断れないのではないでしょうか。

社会的証明

マーケティング心理学:社会的証明

「自分ではそういう人間ではないと思いながらも、世間一般の大多数が行っている行動に影響されてしまう」という心理を、社会的証明といいます。
これほど広告やマーケティングでよく使われている影響力の武器はありません。それほど強力ということです。

人は、何かを判断するとき、自分の考えではなく周りの人の大多数がどう考えているかを基準に判断します。
なにかブームが起こったとき、それが本当に好みに合うか、正しいのかを判断することはありません。なぜなら「みんなが正しいといっていることはだいたい正しい」と考えるのが人の本能だからです。

さくら(おとりの観客)という言葉をご存知と思いますが、日本では江戸時代から歌舞伎を無料で見る代わりにその場を盛り上げることを生業にする役者がいたようです。なぜさくらが効果的かというと、「盛り上がっている=面白い」という社会的証明が働くからです。

好意

「自分が好意的に思っている相手(友達や恋人、家族など)から勧められると、良いものだと信じてしまう」という心理を、好意といいます。
ある実験では、商品の購入を決めさせる力は商品そのものの好感度よりも、その商品を売っている人に対する好感度のほうが2倍も強かったというデータがあります。

「○○出身なんですか!私の親戚にも○○出身のものがいまして、良いところですよね」といったアイスブレイクトークなどは一般的ですよね。
アメリカの優秀なセールスパーソンの中には、鞄に大量のたばこを入れておいて、相手が喫煙に席を立つと自分もたち、「自分も同じたばこを吸っているんですよ」と相手と同じたばこを取り出す人もいるそうです。

これらは相手に好意を伝え、さらに好意を持ってもらうための戦略です。

権威

マーケティング心理学:権威

「何か権威(権力、肩書、制服、専門知識、ルックスや身なり)のある人からの言葉には、あまり考えずに従いやすくなる」という心理を権威といいます。
肩書、経験を持つ人に人は動かされやすいものです。詐欺師ほど立派なスーツを着て、一等地にオフィスを持ちます。「一等地にオフィスがあって立派なスーツを着て、これだけ権威のある人なら安心だ」となるからです。

こうした心理は学校教育などを通じて形成されると考えられがちですが、より本能的なものです。権威のある人(つまり専門家、能力のある人)に従うことが正しい、というのは狩猟時代から変わっていません。

希少性

「数が少なかったり、日時が限定されていたり、滅多に手に入らないといったものには、そんなに欲しくなくても欲しくなってしまう」という心理を希少性といいます。
数が少ないものほど価値を感じる。高値で取引されるのは、美しい宝石ではなく、埋没量が少ない宝石です。これと同じ理論です。

希少性の法則は、「人は何かを得るよりも失うことに強く反応する」という心理からきています。
「限定100個」といわれると、今買わないともうそれが手に入らないと感じます。手に入れる喜びよりも、手に入らない苦しさのほうに反応してしまうため、この手のセールが有効なのです。

「○時間限定セール」「限定○個!」「地域限定」など、人はとにかく「限定」という言葉に弱いです。それは希少性という心理効果がそれだけ強烈だからでしょう。

覚えておきたいマーケティング心理学20選

さて、影響力の武器から6つの心理学を紹介したところで、具体的なマーケティング心理学からぜひ覚えておきたいものをいくつか紹介します。
最初に影響力の武器を紹介したのは、これから紹介するマーケティング心理学の多くが「返報性のルール」「コミットメントと一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」といった影響力の武器の応用編だからです。

マーケティング心理学は、間違った使い方をすれば企業倫理に反し場合によっては違法性のあるプロモーションに繋がってしまうかもしれません。しかし、正しく活用すれば自社商品の魅力を最大限に伝え、顧客を動かすことができます。

カクテルパーティ効果

マーケティング心理学:カクテルパーティ効果

パーティのような雑多な場所で、隣の人の声も満足に聞き取れない中、遠くから友人に呼ばれた自分の名前だけははっきり聞こえる。似たような経験は誰にでもあると思います。
このように、「多くの情報の中から自分に都合のいい、自分に関係する部分だけ聞き取る」脳の働きを「カクテルパーティ効果」といいます。

これは広告クリエイティブでは非常によく使われる手法で、「50代男性のあなたへ」「リタイアして余暇を楽しんでるあなたのためのサービスです」といったコピーをよく見かけます。
対象を絞ることで、見た人が「自分のことを言われている」と感じさせる効果があります。

広告文では「みなさん」「方々」といった全員向けの言葉は使わないようにしましょう。そうした言葉が目に入った瞬間、「自分には関係ない」と思われてしまいます。
一日数百から数千もの広告を目にしているといわれている現代、消費者の多くは広告からの情報をシャットダウンするすべを身につけています。
そんな中、ターゲットにしっかりと認知してもらうには、カクテルパーティ効果の応用が欠かせません。

スノップ効果

影響力の武器でいう「希少性」と近いマーケティング心理学に「スノップ効果」があります。
スノップ効果は比較的高額商品をアピールする際に用いられ、「厳選された○○だけを使用した~」「日本で唯一の~」といった広告文で表現されます。
人には大衆と同じ意見を持ちたいという気持ちと、人と被りたくないという気持ちを持ち合わせています。スノップ効果は「被りたくない」という気持ちを刺激するものです。

ブランド物のカバンなど、その人をイメージする商品において、「人気ですよ」「みんな持ってますよ」というアピールはあまり効果的ではありません。
それよりも「それに目をつけられたのはあなただけです」「実は日本にはまだ5つしか入ってきていないんですよ」といったアピールが有効です。

バンドワゴン効果

スノップ効果と逆の働きをするマーケティング心理学に「バンドワゴン効果」があります。
高級品よりも大衆的な日用品の広告プロモーションでよく使われています。
「行列のできるラーメン屋」「全米が泣いた感動作品」などはバンドワゴンの典型的な例です。
通販番組では「こうしている間にも1分間に200本が売れています!」といった煽り方がありますが、これもバンドワゴン効果の一例です。

スノップ効果にせよ、バンドワゴン効果にせよ、人の行動・決断には他者の行動や決断が大きく影響しています。
希少性をもとに「あなただけですよ」をアピールするか、大衆性をもとに「みんなやってますよ」とアピールするかによって、売り方も売れる層も大きく変わります。

ハロー効果

バンドワゴン効果と似ていますが、ハロー効果というマーケティング心理学があります。ハローとは「後光」を指す言葉で、その人や商品そのものではなく、その後ろにある権威性により行動してしまう心理を表します。
例えば、「タレントの○○も愛用」や「明治創業、この道一筋120年」「楽天ショッピング3部門で1位獲得!」「東大教授推奨の○○」など、挙げればきりがありません。

また、企業の会社概要ページに載っている「主要取引先」といった項目があります。これも「こんな大企業と取引しているんだから安心だな」というハロー効果を狙ったものです。

人は何かを判断するとき、その1面だけを見ているわけではありません。商品を購入するときも、商品そのものだけでなくそこに付随する様々な情報をもとに判断しています。

ザイオンス効果

マーケティング心理学:ザイオンス効果
近年プロモーションにおける必要性が高まっているマーケティング心理学に「ザイオンス効果」があります。
ザイオンス効果とは、接触する機会が増えるごとにその商品に対する抵抗感がなくなり、好意を持つようになるという効果です。
なぜ必要性が高まっているかというと、プロモーションの重要な起点にSNSがあるからです。SNSはまさにザイオンス効果と非常に相性がよく、SNS担当者はザイオンス効果を意識して運用する必要があります。

あなたにも、ちょっと気になった商品やサービスがあり、SNSをフォローして定期的にその名前やロゴを見て、新しい情報に触れたりする中でどんどん好感が高まってきたという経験があるのではないでしょうか。

SNSでつながると顧客との接触回数は大幅に増えます。SNSをうまく活用している企業アカウントは、お得情報や最新情報などだけでなく、一見価値のないどうでもいい投稿も定期的に行っています。
それは、たとえその情報そのものに価値がなくても接触機会が増えることで好感が増えることを知っているからです。
SNS時代のマーケティングで重要なことは、消費者に「最近あのサービスよくみるよね」といわせることなのかもしれません。

もちろんやりすぎは逆効果で、一定回数を超えると嫌悪感が高まっていくという研究結果もあります。

ウィンザー効果

口コミの効果を証明するマーケティング心理学に「ウィンザー効果」があります。
ウィンザー効果とは、その商品・サービスと利害関係がない人の意見を信用してしまう心理効果です。
これは権威性のある人の意見に影響されるというバンドワゴン効果とは少し異なり、権威のない一般人や全くの部外者の意見であるということが重要です。

口コミの評価=その商品・サービスの評価となってしまう非常に強力な心理効果で、口コミサイトやSNSの普及とともにより重要視されるようになりました。
バンドワゴン効果の効果がなくなったわけではありませんが、東大教授が書いた推薦文よりも、商品を使った女子高生のTwitter投稿のほうが購買行動に大きな影響を与えるケースもあります。

広告用ランディングページや通販サイトのほとんどに「お客様の声」というコンテンツがありますが、これはウィンザー効果を期待したものです。

ストループ効果

2つ以上の情報を関連付けて記憶する場合に起こる整合性や整合性の不一致を「ストループ効果」といいます。
よく例に挙げられるものとしては、青い色で「赤」と書いてあった場合、その文字が赤であることを認識するまでの時間が、赤い色で「赤」と書かれてある場合に比べて長くなるというものです。
人は文字を読む時も、文字だけを見ているのではなく、文字の周りにある情報も併せてみています。青い文字で「赤」と書かれていると、脳の中で2つの情報が不一致を起こし、認識に時間がかかってしまいます。

これはバナーデザイン等では絶対に意識すべきことですが、マーケティングでも利用されています。

例えば、広告クリエイティブで「非常に安くてお買い得」というメッセージを伝えるときに、高級商品のようにきれいに陳列されたディスプレイで見せると情報の不一致がおこります。
この場合によく使われる演出の例は、トラックの荷台にぼろぼろこぼれるほど大量に商品を積んでいるものです。
高級感のある商品を安っぽく演出することが駄目であることは誰にでもわかると思います。しかし、安い商品に高級感のある演出を施してもダメなのです。

コンコルド効果

マーケティング心理学:コンコルド効果
コンコルド効果は「埋没費用効果」「サンクコスト効果」とも呼ばれており、損失になることが分かっていてもそれまでの投資を惜しんで投資がやめられなくなる状態を指すマーケティング心理学です。
早い段階で利益を出せないとわかっていたにもかかわらず、投資額が膨らみ続けた超音速旅客機コンコルドになぞらえて名づけられました。

UFOキャッチャーで1000円使ってしまい、「正直1000円以上の価値はないんだけど、今やめたらすでに払った1000円が無駄になる」と続けてしまう行為はまさにコンコルド効果です。

マーケティングにおいては「あと〇円で送料が無料になります」「今月失効予定のポイントが○ポイントあります」といった形で使われます。
送料を無料にしたいがために無駄な買い物をしたり、ポイントを使うためだけに出かけたり、経験がある方は多いと思います。

松竹梅の法則

特に日本人に対して有効といわれているマーケティング心理学に「松竹梅の法則」があります。
これは松竹梅3つのプランを用意していると、真ん中の竹プランがいちばん買われるという現象を表します。

様々な実験の結果、松竹梅3つのプランがある場合、竹と梅だけの場合、松と竹だけの場合といろいろなパターンを試しても、平均購入金額が一番高くなるのは松竹梅3つのプランを用意している場合になるようです。

これは「一番安い梅はちょっと、一番高い松もそこまでいらないし、一番ちょうどいい竹を買おう」というロジックが働くために起こります。
マーケティングの現場では、一番売りたい商品を真ん中に、あえてあまり価値のない梅、高級品の松を用意するということがよく行われます。

また、「人は1つの購入を迫られるとそれを‘買うか買わないか’で考えるが、3つあると‘3つのうちどれを買うか’という思考に切り替わる」という理論もあります。

決定回避の法則

マーケティング心理学:決定回避の法則

「決定回避の法則」というマーケティング心理学は、マーケターが良かれと思ってやっていることが、逆効果になっているかもしれない心理効果です。
先ほど、松竹梅の法則で1つよりは3つの選択肢があったほうがいいという心理効果を紹介しましたが、選択肢が多すぎると今度は決定回避の法則が働いてしまいます。

これは、選択肢が多くどれが最適かわからない場合、最も無難な(冒険しない)選択肢をとるという人間の本能的な心理効果です。

最近はQRコード決済など無数の決済手段が登場しますが、一度で対象の決済手段を提示すると、かえって消費者は決断できなくなってしまいます。
また、あれもこれもと詰め込み過ぎてよくわからないWebサイトも同じです。

消費者にとって最も魅力的な選択肢数個だけを提示する。とくに広告のランディングページなどでは徹底しましょう。

プロスペクト理論

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマン氏によって提唱されたプロスペクト理論は、「人は利益よりも損失を過大評価する」というマーケティング心理学です。
どういうことかというと、1000円もらえる喜びと1000円失う苦しみを比較したとき、多くの人は1000円失う苦しみのほうを大きく感じる、つまりリターンを得ることよりもリスク回避を優先する心理効果を言います。

例えば

  • 顧客満足度90%!
  • 返品した人はわずか10%です!

であればどっちのほうが、いい印象を受けるでしょうか。どちらも数字としては同じことを言っていますが、受け取る印象は全く違います。

マーケティングにおいて、相手のリスクをいかに低くするかは非常に重要なテーマです。これは、その商品・サービスによって得られるメリットよりも強調すべきです。失敗するプロモーションの多くはメリットばかりで、相手のリスク回避が不十分です。

シャルパンティエ効果

数字の表現によって受け取る印象が変わるマーケティング心理学を「シャルパンティエ効果」といいます。「1キロの鉄」と「1キロの羽毛」は同じ1キロですが印象が全く違います。「1キロの鉄」は単純に重く固い印象ですが、「1キロの羽毛」は重さというよりも量がイメージされるのではないでしょうか。

数字や比較対象の置き換えによって、得られる効果や印象をより効果的に伝えているプロモーションは多くあります。

例えば

  • 耐荷重量6トン!
  • 100人乗っても大丈夫!

ではイメージのしやすさやイメージした後の頑丈さの印象が大きく違います。

また、

  • これ1本でビタミン5mg!
  • これだけの野菜がこの1本に

でも全く受け取る印象が違います。

商品の魅力を十分に伝えることは、マーケティングの大きなテーマです。シャルパンティエ効果によってより魅力的に伝えることができないか考えてみましょう。

カリギュラ効果

何かを禁止されたとき、余計にそれが気になってしまう心理効果を「カリギュラ効果」といいます。
広告のキャッチコピーでは「○○な人は絶対に見ないでください」のような形で使われることがよくあります。

この記事はマーケティング心理学を紹介するものですが、同じような記事の多くには「悪用厳禁!」などと書かれています。これもカリギュラ効果ですね。

ツァイガルニク効果

マーケティング心理学:ツァイガルニク効果
禁止して意欲を高めるカリギュラ効果に対して、情報の一部を隠して意欲を高める心理効果を「ツァイガルニク効果」といいます。
人は終わったことよりも終わっていない、未完了のものに注意を向ける特徴があります。

例えば、テレビ番組のテロップでCM前に「まさかの展開まで90秒」とカウントが始まる演出があります。こうした演出をされると続きが気になって、また90秒後には確実に見ていたくてチャンネルも変えずずっと見てしまいます。

広告バナーでも、「この女性が90日後…」や「この画像の間違いが分かりますか?」といったクリエイティブを見かけます。これらはツァイガルニク効果によって続きが知りたいという心理効果を活用しています。

アンカリング効果

アンカリング効果も、日々目にしているマーケティング心理学です。アンカリング効果は、最初に見たものがその後の判断に影響を及ぼすという心理効果です。

例えば、通常3000円のマグカップも、3000円では売れなかったのに、5000円の値札を作成しその上から「2000円引き!3000円」と書いたら売れたという例があります。
「3000円」という数字をただ見ただけでは、それが本当に適正なのか、高いのか安いのかガわかりません。そういうとき、人は無意識に「自分が過去に購入したマグカップは1000円だったから3000円は高いな」と考えてしまいます。
しかし、最初に5000円という数字を見せてから3000円に値下げしたように見せると、5000円がアンカーとなり、3000円という価格が安く感じてしまいます。

アンカリング効果を活用した値付けを行っている企業は多くあります。
露骨な方法ではなくとも、一番売りたい商品の隣に高い商品を置いておくだけでも、その2つで価格比較をしてしまい、売りたい商品が魅力的に映ります。

認知的不協和

「認知的不協和」とは、自分の中で矛盾する2つの事柄を同時に抱えた場合、ストレスを感じるという心理効果です。

例えば、「お酒の飲み過ぎはよくないけれど、やめられない」といった矛盾があったとします。この時、人は矛盾を解決する方法を探します。
例えば、実はお酒は体にいいという情報を集めて納得するというものです。

認知的不協和も比較的よく見かけるマーケティング心理学で、消費者の持っている常識や価値観を否定するようなメッセージを送ることで、読まずにはいられない状態にさせます。

例えば、「上司に逆らった方が出世します」「セミナーで学ぶな!」といったキャッチコピーが認知的不協和にあたります。
こうしたキャッチコピーを魅せられると、消費者は「自分の知っている常識と違う!」と不快感を覚え、解決する方法を探します。

テンション・リダクション効果

このマーケティング心理学は、普段AmazonなどのECサイトをよく利用する方は頻繁に体感していると思います。また、高額なブランド品を購入した経験がある方も、テンション・リダクション効果を体感しているのではないでしょうか。

この心理効果は、緊張状態がほどけて気が緩んだ時に決断力が薄れる状態を指します。
例えば、大事な商談で緊張状態が続き、終わった瞬間気が抜けてつまらないミスをしてしまったという経験はありませんか。
同じように、買い物でも何かを買った後が一番気が緩み、余計な決断をしてしまうタイミングです。

ECサイトの購入後に出てくる「こちらもご一緒にどうですか?」「こちらの商品を買った人は他にもこんな商品を買っています」といった表示がテンション・リダクション効果の活用例です。
また、ブランド品の購入した直後に、このバッグにはこのスカーフと合わせるといいですよ、とおすすめされてつい買ってしまったという経験がある方も多いと思います。

フレーミング効果

ハロー効果などでも人は何かを判断するときに、そのものだけを見ているのではなく、その周りも見て影響されているということを紹介しました。「フレーミング効果」も、似たような心理効果で、表現方法によって物事の印象が変わる現象を指します。

例えば、次のうちどちらが魅力的でしょうか。

  • 果汁20%のオレンジジュース
  • 果汁以外が80%のオレンジジュース
  • お客様満足度95%
  • クレーム率5%
  • あなたの財産が狙われ続けています
  • 防犯サービスがあれば安心できます

どれも言っていることは同じですが、言い方、つまりフレーム(枠組み)を何にするかで印象が大きく変わります。

ディドロ効果

マーケティング心理学:ディドロ効果

「ディドロ効果」とは、新しい価値観を得たときに、その価値観にすべて統一したくなる心理効果を指します。
入門用のロードバイクを買って、サイクリングにはまってしまい気付いたらプロ仕様のバイク、シーンに合わせた数種類のサドルやタイヤを買い集めていた。男性なら似たような経験がある方も多いのではないでしょうか。
1つ、良いブランド品のバッグを買ったら、それに見合うようにそのブランドの服やアクセサリーをどんどん買いそろえて言ってしまうという方も少なくないと思います。
あとはサプリメントに凝って気づけば棚一つサプリメントだらけになっている、iPhoneを買ったらパソコンもMacに変えて…など、ディドロ効果はあらゆる商材で見受けられます。

マーケティングにおいては、一般的なやり方ではありますがセットやシリーズで商品を見せることが効果的です。
例えば、大型家具店ではソファに合わせてテーブル、テレビ台など様々なアイテムで一つの空間を作っています。アパレルショップでも、服を単品で見せるのではなく、マネキンにトータルコーディネートさせています。
消費者はそれらをセットと感じ、どうせならセットで買おうと考えてしまいます。

アンダードッグ効果

マーケティング心理学:アンダードッグ効果
適切に使えば消費者に強く訴えかけられるマーケティング心理学に「アンダードッグ効果」があります。アンダードッグ、つまり負け犬の理論と呼ばれ、弱い立場にいる人や不利な状況に追い込まれている人に好感を持つ心理効果です。日本語では「判官贔屓」といわれます。

例えば、「当社は大手ではありません。だからこそ、1人1人のお客様を大切にしています」というメッセージがあります。これは単に「1人1人のお客様を大切にしています」というよりも、「大手ではない」と弱い立場であることをアピールしています。
同情を誘うようなセールス手法はよくありませんが、このように自社の弱みを明らかにすることで、より好感を持たれるかもしれません。

マーケティング心理学まとめ

今回はマーケティング心理学を、影響力の武器から6つ、そのほかに20個の心理効果を紹介しました。
「言われてみればあれは○○効果だった!」という経験が少なからずあったのではないでしょうか。

例えば、筆者は最近パソコンを買い替えたのですが、周辺アクセサリーも純正に買い替えてしまいました。まだアクセサリーについては買い替える必要ありませんし、もっと安くいいものがあったにも関わらずです。これはまさしく「ディドロ効果」でしょう。
また、Amazonでよく買い物をするのですが、テンション・リダクション効果が当てはまるシーンが数多く思い浮かびます。

マーケティング心理学を学ぶことはそう難しくありません。ほとんどすべての人が、日々の消費行動の中で様々なマーケティング心理学に影響されているからです。
そして、マーケティング心理学を少し学ぶだけで、プロモーションの効果が大きく変わります。

まずは日々の買い物を思い出して、どんなマーケティング心理学が使われていたか、思い返してみてはいかがでしょうか。